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大きな世界の小さな部屋

まぁ色々とヲタ趣味に関した話題をうんたらかんたらと…あと動物ネタなんかも。

トラスティベル プレイ日記 最終章 “土下座”

2008年02月29日 08時37分40秒 | ゲーム
かくして、ポルカは身投げしてから退化して幼い少女となりポルカママの下へ降って来ました。恐らくこれは、死す前にショパンが起こした夢の奇跡なのでしょう。そして、発病する前の状態に戻したと。なるほど、これで分かりました。ポルカの持っていた“大好きな人から貰った大切な石”、そんな大切な物なのに何故その事を忘れてしまっていたのか?そして、投げ捨てた筈の石と全く同じものを何故アレグレットが“投げ捨てる前に”手に入れる事が出来たのか?つまり石をポルカにあげたのはアレグレット、そしてその石を持ったままポルカは過去へ戻ってきた。その際にそれまでの記憶を全て失ってしまった、とまぁストーリー上で特に説明はありませんが、こういう事だったのですね。っつーか、ちゃんとストーリー上で答えを示してくださいよ。

そしてその後、いきなりポルカがタイムスリップして現代に戻ってきてしまいます!何その超展開!ポルカはその聞こえた気がした声=ショパンに呼ばれたと言っていますが、それをすんなり受け入れてしまうポルカママってスゲェ。そしてタイムスリップ中に、まるで魔法少女の様に14歳の姿へ急成長するポルカ(ヌードのシルエットはありません)。おいおい、奇跡すぎるだろそれは!そして現代に戻ってきてアレグレット再会…数々の伏線をロクに消化もせずに投げっぱなしで、プレイヤーに脳内補完を強要しまくった挙句に“意中の男をゲット出来れば後はどうでもいい”という少女漫画的シナリオに呆れ返り、精も根も尽きてしまいました私ゃ。中盤まではほどよく伏線も盛り込まれていたのですが、それらがだんだん綻んでいき、最後は大きな穴が幾つも開いてしまった。こんなのは平成仮面ライダーだけで沢山だっての…。この日記を読んだ本作のプレイヤーが

「そりゃお前がちゃんとプレイしていないからだ!サブシナリオも全部クリアしてから言いやがれ!」

と言ったとしましょう。確かに二順目をプレイして、サブシナリオとかを全てクリアすれば全ての謎は解けるのかもしれませんが、最低でも大筋のストーリー展開は普通にプレイしていても全て分かるようじゃなきゃ流石に駄目でしょう…。かつてゲーム、ゲーム付属DVD、TVアニメDVD、全巻購入特典DVD等を全部コンプリートしないと全ての謎が明かされない“.hack”と言う極悪作がありましたが、それほどではありませんがそういう事ですよ。

シナリオもですが、これまでゲーム中にこれでもかと言わんばかりに中間イベントによるCGムービーが流れました。しかし、後半以降はその頻度が極端に減ったという印象を受けました。

そしてゲームそのものも不満でした。プレイ日記の中でも“敵が弱い”と何度も言いました、特にボスキャラのステータスが兎にも角にも大雑把の極みで、結局その大半が力押しのパワーキャラでした。ザコ敵ともなると、私は紹介文にて“注意が必要”とか書きましたが、それはあくまで“本作にしては”であり、実際はそれほど深刻な損害にはなりません。っつーか、私は戦闘中に回復アイテム使った事は10回くらいしかないんですが!

その原因にもなったのが本作のスキルシステム。何せ回復スキルも制限時間さえ残っていれば使い放題、普通のRPGにあるMP等の消費する使用制限が無いもんですから、回復はこれがメインになってしまうのが普通です。だからいつでも好きな時に回復できるので、回復アイテムを使う必要が殆どありません。回復スキルを持たないオフェンスキャラオンリーで編成した場合はそうでもありませんが、今度はダメージを受ける前に殲滅出来てしまうほど敵が弱いので…。かと言ってボス戦では回復スキル持ちを出さないわけには行かないしで、このスキルシステムはもっと制限を設ける必要があったとしか。

本作の戦闘シーンはアクション性もあり、プレイヤーがキャラを操作しバトルフィールド内を縦横無尽に駆け回る事が出来るのが特徴です。それは敵も同様ですが、その面白いシステムが全く活かされていません。例えば…攻撃スキルの中には“ダメージを与えるだけでなく敵を後方に吹き飛ばす”という技もあります。これを使って動きの素早い敵を画面端まで追い詰め退路を断ち、他のキャラで包囲して袋叩きにするとか、そういう戦略性の高い戦法を取る事だって出来るのに、そうなる前に敵が負けてしまうので考えるだけ無駄ってのは…。一応、“一直線上に発射する飛び道具”とか“命中すると左右に分かれる”とか“前方に一撃出した後に後方にももう一撃出す”とかの活かせそうな技もあるのですが、どれもこれも敵が密集陣形を組んでいる時にのみ有効な技ばかりです。この二つが原因で、結局システムが活かされる事は殆ど無く終わってしまったのです。

そしてボス戦。力押しのパワーバカばっかというのは何度も言っての通りですが、以前プレイ中に出した“防御体勢を取ると一定時間攻撃が無効化される”とか、こういうアイディアがまるで無かったのでどのボスキャラもみんな同じに思えてしまって。墓地に出たデスクロウなんか、空中浮遊している上に腕が長かったので高い移動能力とリーチの長さでそこそこ面白い戦いが出来たものですがそれ以外は…。例えば溶岩地帯で戦う時、特定ポイントからランダムで足元から溶岩が吹き出てダメージ(敵も同様)、だから吹き出る兆しが見えたら安全地帯へ逃げる又は敵を後方に吹き飛ばす技で溶岩地帯へ放り込み追加ダメージを与えるとか。もしくはヘビ型モンスターがフィールド中央に長い身体を横たえ、アレグレット達を分断するとか(頭と尻尾のそれぞれにHPが設定され、どちらか片方を潰さないと合流できない)…これはたった今私が即興で思いついたアイディアですが、それでもこれだけ面白くなりそうなギミックが出てくるんだから。これはもう手抜きです。総合すると、ゲームシステムは面白い要素があるのに肝心の戦闘シーンでそれが活かされていない…実にもったいない。

キャラクターの扱いにも問題があります。最終的にパーティのメンバーはアレグレット、ポルカ、ビート、ショパン、ビオラ、サルサ、マーチ、ジルバ、ファルセットと合計9人です。これだけいれば、各キャラクターのパラメータを充分に差別化しなければなりません。しかし、ボスキャラのパラメータ同様にそれも大雑把で、どれもこれも大まかな違いがある=極端な差が無いので、キャラを使い分ける楽しさと言うのが皆無でした。最初の内はサルサ役立ちましたが、面子が増えていくにつれどんどん埋没してしましました。さらにマーチというコンパチキャラまで入ってきましたし…サルサとマーチのキャラスペックも実に曖昧で、違いはあるんですがいちいち使い分けるほどの差は感じませんでした。そりゃ、ジルバみたいに動作は鈍いがパワータイプという分かりやすいのもいるんですが、回復係はポルカにビオラにショパンと三人もいるから困らないし。ビオラの弓矢による狙撃も最初は役立ちましたが、中盤以降はそれよりも強力なスキル攻撃を習得するので、わざわざ当てにくい弓で射る必要が無くなってしまいました(ビートなんかスキル攻撃しかしなくなったし)。

シナリオ上においても同様で、キャラが増えていく割にはちっとも出番が無い奴なんてザラです。特に後半なんかアレグレットとポルカばっかりで、他のメンバーは完全に背景扱いです。特にサルサなんか、序盤から中盤にかけてあれだけキャラが立ちまくっていたのに、それ以降はマーチ共々空気化。ファルセットなんかもっと酷くて、再登場したときなんかあれだけ派手な大見得切ったのに、それ以降は空気もいいトコ。まぁジルバは台詞無くても“顔が濃い”ですから存在感あるんですが。逆にショパンは中盤は完全に空気でした、そのフラストレーションがラストのアレですか。ああ、出番が殆ど無くてその影響でブッ壊れちゃったのかショパン。じゃ、出番が多かったのに“ああなった”ポルカは一体。本当、キャラの使い方がまるでなっていないのです。私もミクロマンや武装神姫のフォトストーリーを作っていますが、一番気を使っているのはキャラの書き分けと出番が偏らないようにすることだと言うのに。それに関しては、以前私がプレイしたクソRPG「アルバートオデッセイ外伝」の方がまだマシだぞ。

あと、マーチは話に殆ど関わってきませんでした、そして日記には書きませんでしたが、ビオラはジルバに惚れていたが失恋(スゲぇ唐突に始まって唐突に終わるイベントでしたが)、サルサはビートとは喧嘩するほど仲が良い、ファルセットやクラベスはジルバにゾッコン(モテモテだなジルバ)、そしてポルカはアレグレットと…つまり他の女性陣と違い“特定の異性との掛け合いが一個も無い”。だから、別にマーチは少年でも良かったんじゃないでしょうか?まぁ、サルサと違いおしとやか少女が大好物のロリ萌えヲタも釣ろうって魂胆で生まれたキャラなんでしょうけど…とも思ったのですが、流石にそこまで頭の悪い層はそうそういないと思いますし…本当に存在意義がよく分からない。

これらの事象から察するに…恐らく原因は“納期”ですね(キャラの使い方は単にシナリオライターがヘタなだけだと思いますが)。つまりゲームを完成させる締め切りに間に合わせる為、私が欠けていると言った部分をごっそり削ぎ落とした…これが真相だと思います。それでいて無駄に色恋沙汰や悲劇の主人公気を取って自己陶酔するシーンは多いのは…残す場所はそこじゃないだろ(こういう所も実に少女漫画的)。話を戻しますがきっとそのせいで、この“少女漫画が好きな漫研所属の中学生が、自分が頭いいと思われたくてシナリオ書いたけど途中からボロが出て台無し”みたいなシナリオになったんじゃないかと。確かに作っているのは人間、そして納期に間に合わせる事が作り手にとっては最も重要です。しかしシナリオに整合性を持たせゲームシステムを活かしたギミックを盛り込み、かつ納期に間に合わせているゲームなどいくらでもあります。それに、エンディングの登場人物たちによる説教…もといプレイヤーへのメッセージ&エールの数々。“どんな困難があっても諦めずに乗り越えろ”とか“まだ間に合う、絶対に間に合う”といった内容です。しかし土台がガタガタでは。口先だけで聞こえのいい小奇麗な台詞ばっかり並べられても、ゲーム内容が全く伴っていないのだから説得力のクソもありません。どんな困難があっても諦めずに乗り越えろ?まだ間に合う、絶対に間に合う?本作を製作したトライクレッシェンドの皆様、あなた方にそれを言う資格は無い。

本作は全年齢ですが、プレイしてみてどの層がターゲットなのか不明瞭と感じました。フォルテとバロックの民族間対立なんて子供が触れるにしては敷居が高いし、それが理解できる年齢層では敵パラメータの大雑把さから難易度が低すぎる。そもそもシナリオがロクに完成していません。それでいて、パーティの男女比率は女性陣の方が多い所を見るとギャル萌え層も意識していたみたいですし。結局、守備範囲を広げすぎたせいで返って焦点がボケ中途半端になってしまい、“どの層をターゲットにしているのかがさっぱり分からない”という有様になってしまったのです。

他にも一応良いところはあるんです、音楽を題材にしたゲームだけに、BGMはかなり良い線行ってます。それと美麗なCGムービー…しかしこちらは長所と言うには微妙です。何故なら音楽は幾星霜経ても普遍な物、それはこのゲームをプレイしてフレデリック・ショパンの生み出した名曲の数々に耳を傾けてきた我々なら、誰よりもよく分かっている筈。しかしCGムービーの美麗さというのは、所詮はハードの性能に左右される物なので、数年後には本作のものよりも美麗なCGムービーが現れるのは分かりきったことですから。それでも、各シーンでの演出や音楽の使い方、そして“画面の美しさ”とは違う、“色彩や造型で美を表現する”センスは大したもんなんですが。

総評としては…私は地元アピタの投げ売りで\3000で購入したわけですが、それが適正価格ですね(注 これは個人的感想です)。この出来で定価は出せませんよ。サブシナリオ目当てでその内に二巡目プレイはしますけど、仮に続編が出ても多分私は買いません。っつーか…こんなムチャクチャなシナリオで話を進める位なら、いっその事フレデリック・ショパンの生涯をゲームにした方が良かったんじゃ?ワルシャワ蜂起とか亡命先での屈辱や闘病の日々とか、こちらの方が遥かに波乱万丈なんですが。最後に、この一言で閉めさせていただきます。


偉大なる音楽家フレデリック・ショパンに土下座して謝れ。




































































…この言葉、同梱アンケートハガキに書いて送っちゃいましょうかね?


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