
今回ご紹介するのは、ULTRA ACTシリーズより「宇宙怪獣エレキング」。
ゴモラに次ぐ怪獣アクションフィギュア第二弾となったエレキング、ゴモラの不満点はちゃんと解消されているでしょうか…?まず見た目ですが、
相変わらずプロポーションの再現性は素晴らしい。非の打ちどころのないエレキング。

ご尊顔拝見…エレキングと言えば両目が無い、本当だったら目の有る部分から突き出た三日月状の角、決して開く事の無い口
と言った、シンプルながらも表情の読めない気味の悪い顔が最大の特徴ですが、こちらも完璧に再現。それにしてもこの顔、小学
生時代の同級生に似てるなぁ…。
本編では、ウルトラセブン第三話に登場した怪獣で、それと同時に本作で初めて登場した敵着ぐるみ怪獣。第一話のクール星人
は操演でしたし、第二話のワイアール星人は着ぐるみでも宇宙人でしたしね。地球侵略に来たピット星人に湖に放たれ、巨大な
怪獣へと急成長し放電能力でウルトラセブンと戦いました。が、その電気もセブン相手には全く効かず、アイスラッガーで全身切
り裂かれ惨殺されました。その切断シーンは本作を代表される有名シーンで、幸か不幸かアイスラッガーの犠牲者となるとまず
彼の名前が挙げられます。それと余談ですが、昔は本編に登場した着ぐるみからエレキングの色は黄色と考えられていました。
が、それは撮影過程で変色した結果であり、本来は画像のこの白味がかったクリーム色が正解です。
大怪獣バトルの方はどうかと言うと、当初は敵怪獣として現れましたが、ゴモラとの戦いに敗れた後にレイの持つバトルナイザー
の空き容量にこのエレキングが迎え入れられました。エレキングは放電能力に加え水中性の怪獣、水の抵抗の無い陸地ではそ
の分パワーが増すと言う設定により、電気怪獣だけでなく怪力怪獣でもあったのです。結構主人思いの正確で、自身の死=レイ
の死でもあるレイオニクスバトルにおいて、暴君怪獣タイラントに敗れた時にレイを自分の死の道連れにさせたくない一心で、死の
瞬間にレイとのリンクを強制解除しレイの命を救ったのでした。初代エレキングがピット星人のペットだっただけに、こういうストーリ
ーが作られたのでしょう。

エレキングですから、当然角は回転します。ま、ソフビや固定フィギュアじゃないんだから、これ位はやってもらわないと。
これがもしタカラ製だったら、片方を回すとそれに連動してもう片方も回転…とかやってくれそうですが。

エレキングはゴモラと違って表皮がかみ合っている部分も無く、それに元々全身に黒い模様があったので、可動部故のスリットが体中にあっても
そんなに目立ちませんね。ホント、エレキングって可動フィギュアに向いている怪獣なのだなぁ…。

首の可動はどうでしょう?元々エレキングは首の長い怪獣、それに伴い首関節も三か所あり、それぞれが独立可動しますので完璧です。

ゴモラは表皮が被っているが故に干渉しまくり動かしにくかったものですが、エレキングの腕は表皮の隙間が比較的大きく干渉しにくいので、
エレキングの特徴の一つ、「ついでにとんちんかん」の抜作先生みたいな手付きも完璧に再現出来ます。

そしてゴモラと徹底的に違うのは、肘関節が外側から見える事!ゴモラはこれがやりにくいので、腕関節がどこに
向いているのかさっぱり分からなくて非常に動かしにくかったのですが、エレキングの場合は向き合わせもラクラク。
やっぱり批判が多かったんだろうか。

腰も左右に可動します。ゴモラと違い表皮の噛み合いも無く動かしやすいです。しかしウチのエレキング、左方向に回すと何故か戻って
きてしまいます…何で???まるで中にスプリングでも入ってるみたいに。不良品?

足はゴモラの方も動かしやすかったので、エレキングも特に問題は有りません。普通に動きます。

最後に尻尾。ゴモラは尻尾の節が豊富にありましたが、エレキングは極端に少なく三つしか有りません。分割部分が少ない分、尻尾の
シルエットは滑らかになったとは言え。

だもんだから、尻尾の表情付けはイマイチ不得意。
実際に動かしてみると、尻尾の形状が滑らかに纏まっているので、可動範囲は狭くてもそんなに気にならないかな?

横方向の不利はこんな感じです。ゴモラほど融通は利きませんけど、形状のお陰で助けられている感じ。まぁゴモラも
節の数ほど動かなかったし、この判断の方が正解なのかな?

驚くべき事に、なんとピット星人が湖に放した幼体エレキングのフィギュアまで付属しています(塗装されていないのが
残念)。撮影した結果、なんだか昔のハトヤホテルのCM映像みたいになっちゃいました``,、( ´∀`) ``,、
ちなみに後ろにいるのは人間に擬態したピット星人です…決してアーンヴァルなんかじゃありませんとも。

しかし、この幼体フィギュアはただのおまけでは無いのです。これをエレキングの口の淵に引っ掛けると、口に嵌めこんである
クリアパーツを外す事が出来ます。つまり、これは工具でもあるのです。

そして外した部分に付属エフェクトパーツを付けると、エレキングの武器“ブーメラン形放電光線”を再現可能!これが中々迫力が有ってかっこいい!
でもこれ軟質素材の上に薄く細く、時間の経過につれ細い部分から自重に負け折れ曲がってくるので、長時間ディスプレイはやらぬが肝要。
かっこいいのに何とも勿体ない事よ。

そしてエレキングにはもう一つオプションパーツがあります。尻尾の先端を付属するオプション尻尾(右画像)と交換するとこんな感じに
なります。渦を描く様な形になってますけど、これ明らかに伸びてますよね尻尾。

これはエレキング最大の武器“尻尾巻きつけて放電攻撃”を再現する為の物で、適当な相手に巻きつけて付属の放電エフェクトパーツを付ければ御覧の通り。
放電時に“うーん!”って感じで力んでるエレキングが妙に可愛かったのを覚えてます。エフェクトパーツは形状的にも雰囲気は出ているのですが、何分形状が
悪く上手く固定出来ません。っつーかしょっちゅうポロポロ落ちるので、最初から固定出来る様に出来てないんじゃ?最大の武器なんですけどウルトラセブンに
は全く効かず、あっさり尻尾を外されてしまったんですよね。別怪獣と戦った時は有効だったけどウルトラマンには全く効かない、なんかレッドキングと同じ流れ
ですなぁ。

ゴモラとのツーショット…エレキングでけぇ!?ゴモラが前傾姿勢なのに対し、エレキングは怪獣にしては珍しい姿勢の正しさ、つまり体型が全く違うのでこうなる
のも当然。ゴモラの膝は表皮が被っておらずジョイント丸出しでしたが、エレキングは膝にもちゃんと表皮が被っていて、進化が感じられます。三日月状の角が
有って、有名で、怪力で尻尾怪獣…意外に共通点の多いご両人。

行けッ!エレキングッ!
総評としては、ゴモラに次ぐシリーズ第二弾の割には非常に完成度が高くなっています。造形も良いし、ゴモラの反省点を生かし格段に動かしやすくなっています。
が、これはゴモラの弱点を解消と言うよりも、エレキングというモチーフが可動フィギュアに適していたのでしょうきっと。エレキングではウルトラ怪獣でもかなりの有名人
ですから、ULTRA ACTに選ばれても文句無いし、総合的にも初めて成功したウルトラ怪獣のアクションフィギュア、と言えるのではないでしょうか?問題点はエフェクト
パーツ各種の扱いにくさ…放電パーツはもうちょっと尻尾に引っ掛けやすい形状に出来た筈だし、その辺がやや遊びにくさを感じましたね。放電光線の方は、形状的に
あれを軟質以外の材質にしたら確実に折れるだろうし、耐久性を考えると軟質以外に選択肢が無かったのでしょう。まぁ例え自重で歪んでもお湯で温めれば矯正でき
ますから、その辺は大目に見ましょう。何はともあれ、エレキングお勧めですー。
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