白き翼を空に掲げ

今回は、巷で人気の武装神姫シリーズをご紹介します。
その一番手を担うはやはりこのお嬢さん、天使型“アーンヴァル”。
アクションフィギュアシリーズなので、まずは素体からご紹介します。


このシリーズの為に新規に開発された素体、これが中々面白いものに
仕上がっています。女性的なラインを目指し敢えて固定にした腰、従来
のアクションフィギュアと違い二重関節では無いと、様々な特徴を持っ
ています。悪い特徴もね…例えば首が外れやすいとか。もう、某漫画
“ももえサイズ”のももえサンやたまみちゃん並に首がボロボロ落っこち
ます…寄りによって首が。


卑猥なアングルで申し訳ありませんが、最大の特徴は股関節のアーム機構による引き出しギミック。
これにより従来の可動フィギュアの持つ股関節の可動範囲は勿論、限りなく足を胴体と平行に出来る様になりました。
これは可動と言うより変形と言った感じですが、設定上武装神姫というのは身長数10cmのフィギュアロボなので、
人間離れしたディテールでも問題ありません。


そしてその可動範囲を活かし、体育座り等の自然な座りポーズが可能となりました。
これはミクロマンでも実現出来ていない快挙、逆を言えばこんな特殊な関節で無ければ現時点では再現不能という事…アクションフィギュアは奥が深い。


しかし個人的に興味深いのは肘関節。最近の可動フィギュアでは二重関節はほぼデフォとなっていますが、私は常々“本当に二重関節が必要なのか？”と思っていたのです。普通の一重関節
だと上腕部と下腕部が干渉してしまいます、二重関節はその対策として考案されたものと思われます、その分ポージングの範囲は広がりますが、関節が多すぎてもポーズが付けにくいという
側面もあります。私もミクロマンのフォトストーリーを作っている身（一年間以上も放置しっぱなしですが）、たまに画像をアップした後に腕が変な曲がり方をしているという事が多々ありました。
それに、元々人間の肘は二重関節じゃありませんから、本当にそれが必要なのか？一重関節でも、工夫によっては二重関節に匹敵する可動を実現できるのでは無いか…と。神姫素体の場合
は肘関節は一つ、でも下腕部に上腕部を受ける為のスペースが空けられていますので、二重関節じゃ無くてもほぼ問題無く肘の動きが可能です。まぁ、右画像が限界でこれ以上は曲がりませんけど。


膝関節も同様で、太もも後部の窪みに脹脛の干渉部分が入り込む形となるので、従来の一重関節に比べて格段によく動きます…ただ流石に正座とかは出来ないので、可動の自由度に関してはまだまだ改良の余地はありますね。兎に角、可動フィギュアというカテゴリーの持つ可能性、ミクロマンとはまた違った方向性の答えを提示した、と言えるのでは無いでしょうか？ただ、足首はVer.2レディ素体同様にジョイントを斜めに差し込む形で接続されていると言った意外な共通点なんかもありますね…融通が利かないので接地性がいま一つなのも共通してますが。


神姫素体はミクロマン同様に細かいパーツ単位で分解できます、ネジを外す部分は勿論のこと、しかしここでは道具を使わずに外せる部分に触れたいと
思います。普通に外せる部分は首と足首と脛と胸部パーツと上腕部と手首と太腿ですが、上腕部と手首と太腿にはスペーサーの役割を果たすリング状
パーツがあります、特に手首スペーサーは極端に小さく紛失しやすいので要注意！ミクロマン同様に平手以外の手首も沢山付属しているので、最も
着脱する回数の多い部分となりますが…本当に注意して下さいね。


そしてこのスペーサーはもう一種類ありまして、凹ジョイントの
備わった拡張スペーサーなんかも同梱されています。つまりこの
シリーズ、ミクロマン同様の有形ブロック要素を備えており、
凹凸ジョイントを用いた自由なカスタマイズが可能なのです。
数年前にコナミが展開していた傑作玩具シリーズ“アムドライバー”、
ビジネス的には大惨敗だったとは言え出来は本当に素晴らしかった…
そのノウハウが活かされている訳ですね。


そしてもう一つ標準装備されているのが、このスタンド。
サイズが大きめで安定性が高く、アームもネジ止め部分のお陰で保持力も高くジョイント基部の横回転も可能、底には
余剰パーツ収納スペース完備となかなか優秀なのですが、個人的にはアームがもう少し融通が利いてくれれば…とも思います。

神姫素体の標準仕様はこれで終了、ではご尊顔拝見。


設定ではショートカットがデフォになっていますが、まずは後頭部に追加パーツを付けたロングヘアからご紹介します。接続はボールジョイントによって行われているので根元から可動させられます。


ただし、パーツ形状から来るパーツ同士の合いの悪さから、見た目はかなり悪いですが…ミクロマンのマノンに完敗してますね。


そして、こっちが本来の設定ではデフォとなっているショートカット。相変わらず後頭部の見た目は悪いですが、ロングに比べりゃマシ。
そして武装神姫は“バトルロンド”というネットゲームとしての側面も持っており、そっちでは敬語がデフォの真面目な優等生タイプ…スタンダードな萌えキャラとなっていました。


そしてフル装備。天使型だけにホワイトを基調としたカラーリング、そして大きな翼。デザイナーの島田フミカネ氏曰く“あちこちのロケットやスペースシャトルの意匠を取り入れた”と
コメントしていますが、なるほど無機質な翼や巨大なプロペラントタンクはそういう意図ですか。しかし重心のかかっている上半身とは裏腹に足がこんなんですから、御覧の通り
自立は不可能です。勿論パーツの接続は凹凸ジョイント…以後ミクロマンの3ミリジョイントとは微妙に径が違うのでこれを“神姫ジョイント”と呼びます、それにより接続されている
ので、パーツ配置を変える事により自由なカスタマイズが可能です。ただ、見た目を優先したのか外装パーツには凸より凹ジョイントの方が圧倒的に多い為、自由度はいま一つ。
ですが、後の製品ではその欠点も見事に克服されたのです…それに関してはまた機会を改めて。


この状態でもう一度、ご尊顔拝見。
装備しているパーツは“ヘッドセンサー　アネーロ”、これによりアーンヴァルの持つ命中精度をアップさせます。目線が隠れる事で戦闘的なイメージが
高まって実に良いのですが、目の部分にクリアパーツだともっと良かった。尚、このパーツは専用の前髪パーツごと取り換える事で装着する方式となっています。


アーンヴァル最大の特徴と言える巨大な翼“リアウイングAAU7”、ジョイント基部を回転させることで角度を斜めに
変えられますが、前方向にも回転してくれればもっと表情が付けられたのに。

バトルロンドでは“エンジェリックスカイ”という離脱スキルが備わっており、その高い機動性により相手と距離を
置き、アーンヴァルタイプの得意な銃撃戦に持ち込むのに一役買ってくれます。


では、今度は武器のご紹介。
アーンヴァルタイプのメイン武器となる“アルヴォ LP4ハンドガン”、単発式のハンドガンです。

バトルロンドでは威力は小さいのでやや頼りないですが一回の使用につき二発発射がデフォ、そして相手の攻撃を
無効化＆反撃するスキル“クイックドロー”を備えています…滅多に発動しませんけどね。そしてコレ、一定の条件を
満たせば両手持ちが出来る武器の一つなのですが、そりゃ遠まわしに二個買いしろって言ってるんですか？
さすが遊戯王であこぎな商売に味をしめたコナミ…。


“M4　ライトセイバー”、両腕上腕部に装備された光学系近接武器…早い話がビームサーベルですね。ただ御覧の通り刀身がクリアパーツでは無いので質感にかなり不満が…。

バトルロンドではやっぱり近接武器ですが、出力を上げて相手の懐に飛び込みめった切りにするスキル“ジャスティスラッシュ”が備わっています。でもこの名前、“ジャスティス　ラッシュ”なのか“ジャスティ　スラッシュ”
なのか、どっちなんでしょ？コナミだけに後者だと嬉しいんですが…迫り来る悪ズバッとぉ～♪光の壁を破ってぇ～♪


“アルヴォ PDW9”、銃身の短いマシンガンです。

バトルロンドでは短発の威力は弱くても、ハンドガンより多くの弾丸を発射するので全弾ヒットした時の破壊力はそこそこ
頼りになります。スキル攻撃は“サラマンダーチルドレン”、発射した弾丸が炎の竜の形となり相手に確実に命中します。
これに限らず基本的にスキル攻撃は回避不能ですが、この技はジャスティスラッシュ同様にガード“可能”技なので過信
は禁物。


“GEモデルLC3レーザーライフル”、アーンヴァルの装備する武器では最強クラスの火力を備えています。他の武器同様にグリップを手で保持するのですが、これだけ大きい本体をグリップ一つ（つまり片手）だけで保持するのは無茶…と思ったのですが、不安定ながらもそこそこ保持出来ます。ただ、せっかく本体各部にジョイントがあるんだから、それを活かしてフォアグリップを付けて両手で保持する方が良かったと思います。あと、銃口が空いていないので正面から見るとディテール的に不満…ここにジョイントを設けても面白かったかも。砲身下部にはバイポッドが備わっています、しかし空中戦型のアーンヴァルにバイポッドって使う機会あるんでしょうか？そしてこのバイポッド、斜めに展開するのでそれに気付かず真下に向けようとすると…折れるかも。

バトルロンドでは、設定通りの破壊力を備えていますがデメリットも多く、なにせ大きいだけに使用するには相手と距離を置く必要があったり、命中させるにはそれなりの命中技能が必要、発射モーション＆発射後の硬直時間が長め…と。スキル攻撃“ハイパーブラスト”はやっぱりアーンヴァル最強技で、神姫の体力が平均して3500位のバトルロンドにおいて、一撃で平均1200～1500ほどの大打撃を与えてくれます。しかもガード不能技なので、まさに奥の手ですね。高い機動性を活かして相手の攻撃を回避し、スキルゲージが溜まったらハイパーブラストで一撃必殺…というのがアーンヴァルの基本戦法ですがあの、このゲーム戦闘はオートなので、ハイパーブラスト狙っても勝手に他のスキル使ってゲージを無駄に消費する事もありますので、あまりそれを狙いすぎない事。


総評としては、所々にやや不満があるとは言えシリーズ第一作にしては非常に完成度の高い仕上がりとなっています。
ただ惜しむらくは、このアーンヴァルはシリーズ中で1～2を争う人気商品なので、非常に入手しにくい事ですか…
私は半年ほど前だかに一度再販が掛かった時に入手出来ました。このシリーズではアーンヴァルが顕著ですが、
全般的にクリアパーツを使えばもっと良くなったと思われる部分が多いです。その事はコナミも承知していたらしく、
次の新製品（平成19年9月現在）ではクリアパーツ＆軟質パーツが導入されるそうです。

出来ればミクロマン同様に男性キャラも欲しい所ですが、それやると
武装神“姫”というコンセプトが根底から覆っちゃいますからそれは有り得ないでしょうね。男が欲しきゃアムドライバー買えって事ですか。



アーンヴァル：ところでマスター、私の名前を付けて頂けますか？あ、でも最初に言っておきますが…

ん？何だね？


アーンヴァル：ネットではあちこちで私を「白子」ってあだ名で呼んでる人が多いですけど、それは無しですよ？
ちゃんとした名前を付けて下さいね？あ、それと聖書に出てくる天使の名前とかもですよ？そんなのありきたり
ですし、何より名前も被りやすいですから…私そんなの絶対イヤですからねッ！

ああ、それは分かっている…しかし人に銃を向けてものを頼むのはどうかと思うぞ…？デス種最終回のキラじゃないんだから…。


アーンヴァル：マスターったら…私をあんな自己中キ○○イと一緒にしないで下さいッッッ！

なっ、名前だったな…そうだな…よし、天使だからテンシコ…！


バンッ！


ほ、本当に発砲する奴があるか…壁に穴が…!?
それにふざけてるんじゃないんだぞ、これは昔あった「KO戦記ビースト三獣士」って作品（の小説版）に出てくる
れっきとした実在キャラクターで…。

アーンヴァル：そんな事は聞いてませんッ！やり直しを要求しますッッッ!!!
それに一発や二発撃たれる位でいちいち大騒ぎしないで下さい、五寸釘でも踏んだと思えば全然大した事じゃないですよ!？


ウチに五寸釘は落ちてないよ…。分かった、それじゃ別の名前を…うーむ…良し、これでどうだ。

アーンヴァル：今度はちゃんとした名前でしょうね？また変なのだったら、今度は当てますよ？


エリオン。君の名前はエリオンだ。

アーンヴァル：エリオン…ですか？


アーンヴァル：はい、素敵な名前ですね！分かりました、私の名前はエリオンです！
処で…何か由来みたいなものはあるんですか？

うむ、実は少し前にあったアニメ「創聖のアクエリオン」の捩りだ。機械天使繋がりなんだが、普通の名前として
充分通用するだろう？そしてバトルロンドでのリングネームは“一万年と二千年前から”でどうだ？

エリオン：うーん、リングネームは少し意味不明ですけどまぁいいでしょう。
あ、それともう一つ言っておきますが…。

ん？


エリオン：私が天使型だからって、
清楚で清純で萌えだとか変な期待をしないで下さいッ！そういうのウザいんですッッッ！！！

だから、人に銃を向けるなっての！


エリオン：いいじゃないですか、レーザーライフル向けられると思えばずっとマシですよ。

そんなものまで向けるつもりか君は…。


と言う訳で、こんな我が神姫第一号ですが、バトルロンドでお会いしたらよろしくお願いします。

エリオン：楽しい試合にしましょうね、よろしくお願いしますッ！