さて、答えです。
メーカーが車をレンタカー屋から買い戻してまで中古車販売をしたい理由。
それは、その方が利益が出るからです。
確かに、全体の販売量は増えるので、売り上げが増えるのは理解できます。
でも何でこんなことをわざわざするのか?
メーカー側は購買層を大きく分けて2つに捉えています。
1)新車派
2)価格派
1)の新車派は、価格よりも「新しい」こと、
自分が1stオーナーであること、ということに価値を置いています。
2)の価格派は、価格が安いことに価値を置いています。
ここで、もし新車しかメーカーが供給しなかった場合を考えてください。
この場合は、メーカー側は機能派しかターゲットにできず、
単価は高く設定できるものの、全体の購買数を伸ばすことができません。
一方で、価格に敏感なお客を取り込もうとした場合、
新車しか供給できない場合は、価格を下げざるを得ません。
この場合は、購買数を伸ばすことができますが、単価が安くなってしまうので、
結局全体の利益はソコソコになってしまいます。
(日用品のように、圧倒的な販売量、というわけにもいきませんので)
さて、そこでメーカーは利益を最大化させるためにどう考えるか。
機能派と価格派両方を取り込めないものか。
そのためには2通りの価格設定が必要になります。
機能派にはある程度高めの価格を設定し、価格派には安めの価格を設定するということです。
ただし、商品が同じである場合、この価格の切り分けはなかなかうまくいきません。
機能派だって、価格が安いほうを買ってしまうからです。
では、この機能派を排除するにはどうするのか。
それが「中古車」という、「同じ商品でありながら、(新車と)全く違う層にアピールする」カテゴリーの創出なのです。
勿論、BMWの3シリーズ、5シリーズ、7シリーズなど、
ラインナップを設けて差別化する、というのも一つの手法です。
ただし、これには機能を付加したり、型を変えたりとコストがかなりかかります。
それに比べると、中古車というのは、
どんなに乗っていなくて、機能的には差別化できなくても、
販売から時間が経つだけで、立派に差別化できるのです。
レンタカーの話に戻すと、
メーカー側からすると、買戻しの差額$1,000を投資して、
中古車を「創出」することで、新たなターゲット層に販売できるので、
この投資が十分に回収できるという仕組みなのです。
この手法、ファッション業界でもありますね。
中古服ではなくても、販売時期を遅らせるだけで、
同じ服が値崩れを起こして、新し物好き以外の層に売り込めます。
また、極端な例ですが、
カラープリンターでは、わざわざ製品にチップを入れて
印刷速度を遅くして、上位モデルと差別化することで、
価格派に売り込む、という手法をとっているそうです。
もっともっと身の回りにもこういう例ってありますよね。
経済学が面白いなぁ、と感じた授業でした。
メーカーが車をレンタカー屋から買い戻してまで中古車販売をしたい理由。
それは、その方が利益が出るからです。
確かに、全体の販売量は増えるので、売り上げが増えるのは理解できます。
でも何でこんなことをわざわざするのか?
メーカー側は購買層を大きく分けて2つに捉えています。
1)新車派
2)価格派
1)の新車派は、価格よりも「新しい」こと、
自分が1stオーナーであること、ということに価値を置いています。
2)の価格派は、価格が安いことに価値を置いています。
ここで、もし新車しかメーカーが供給しなかった場合を考えてください。
この場合は、メーカー側は機能派しかターゲットにできず、
単価は高く設定できるものの、全体の購買数を伸ばすことができません。
一方で、価格に敏感なお客を取り込もうとした場合、
新車しか供給できない場合は、価格を下げざるを得ません。
この場合は、購買数を伸ばすことができますが、単価が安くなってしまうので、
結局全体の利益はソコソコになってしまいます。
(日用品のように、圧倒的な販売量、というわけにもいきませんので)
さて、そこでメーカーは利益を最大化させるためにどう考えるか。
機能派と価格派両方を取り込めないものか。
そのためには2通りの価格設定が必要になります。
機能派にはある程度高めの価格を設定し、価格派には安めの価格を設定するということです。
ただし、商品が同じである場合、この価格の切り分けはなかなかうまくいきません。
機能派だって、価格が安いほうを買ってしまうからです。
では、この機能派を排除するにはどうするのか。
それが「中古車」という、「同じ商品でありながら、(新車と)全く違う層にアピールする」カテゴリーの創出なのです。
勿論、BMWの3シリーズ、5シリーズ、7シリーズなど、
ラインナップを設けて差別化する、というのも一つの手法です。
ただし、これには機能を付加したり、型を変えたりとコストがかなりかかります。
それに比べると、中古車というのは、
どんなに乗っていなくて、機能的には差別化できなくても、
販売から時間が経つだけで、立派に差別化できるのです。
レンタカーの話に戻すと、
メーカー側からすると、買戻しの差額$1,000を投資して、
中古車を「創出」することで、新たなターゲット層に販売できるので、
この投資が十分に回収できるという仕組みなのです。
この手法、ファッション業界でもありますね。
中古服ではなくても、販売時期を遅らせるだけで、
同じ服が値崩れを起こして、新し物好き以外の層に売り込めます。
また、極端な例ですが、
カラープリンターでは、わざわざ製品にチップを入れて
印刷速度を遅くして、上位モデルと差別化することで、
価格派に売り込む、という手法をとっているそうです。
もっともっと身の回りにもこういう例ってありますよね。
経済学が面白いなぁ、と感じた授業でした。