「身の丈」経営,「身の程」人生

身の丈,身の程を知って生きる・・・・・

「身の丈」を強みとする経営 ―29  成功体験からの脱却

2011-02-23 12:02:14 | 「身の丈」経営
 絶えざる革新が客をとらえる-同じ事をしていたら顧客に飽きられる

 かつて,小売業界では,百貨店が圧倒的なトップ業態でしたが,1972年に三越が年間売上高で小売業のナンバーワンの地位をダイエーに抜かれて以降は,業績が低迷しています。しかし,百貨店を抜いて小売業の主役の座についた総合スーパーも,コンビニエンスストアに売上高1位の座を奪われ,2000年代に入り,業績は伸び悩み,かつての勢いはありません。ダイエー,マイカルの経営破綻が業態の衰退を象徴しています。
 
 1980年に急成長したホームセンターも同様で,後発のコンビニエンスストア,ドラッグストアやディスカウントストアとの業態間商戦に敗れ,ピーク時の96年の約600社に対し,今は約3百数十社と減少しています。

 この「百貨店」「総合スーパー」「ホームセンター」の三者に見られる共通点は,「業態」とか「業界」のコンセプトにこだわり,守りの経営に陥り,時代変化への対応を著しく欠いた点でる。す。

 これに対してドラッグストアやディスカウントストアは,現状へのこだわることや成功体験に固執することなく,業態を常に見直し変化への対応に果断に取り組んでいます。2010年6月期まで20期連続の増収営業増益決算を達成したディスカウントストアの旗手ドン・キホーテは,「常に革新的業態を創造してその編集能力に磨きをかけ,市場を活性化していくこと」が当社の社会的使命と責任であるとし,需要と市場は流通業が創造していくものと公言しています。 


 「ホームセンター業界-店舗数1位 コメリの店舗数の推移」

次回掲載:ホームセンター業界 - 勝ち組企業にみる需要創造

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▼新刊『 
「身の丈」を強みとする経営』(日本経済新聞社刊)。
 堅実経営を貫き,長期にわたり成長を維持している小売業を凝視すると,ある共通性が浮かんできます。それは,性急な拡大発展を目指すことなく,マイペースを貫きながら,現状に満足することなく常に革新にとり組むみ,存在感を発揮するという経営姿勢を貫いている点です。本書ではこのような経営姿勢を「身の丈経営」と称して,縮小の時代の経営のあり方を考察しています。


「身の丈」を強みとする経営―縮小の時代に勝つ「新リージョナルマーケティング」
小林 隆一
日本経済新聞出版社


マニュアルのつくり方・生かし方
小林 隆一
PHP研究所

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