Risa’s 音楽雑記

ピアニスト 山形リサのブログです。
音楽の話を中心に、日常の出来事などを気ままに綴っています。

続・防音マンションの怪

2007-02-09 12:20:19 | Weblog
さてさて、平穏な日々が戻り、一年が過ぎました。

契約を更新して間もなくのこと。

また病気の方出現です

廊下の隅にぼーっと立っていたり、階段の隅に座り込んだりしているので、よく見かけるようになりました。

今、考えると、あの時の管理人さんはよく対応していたな~って思います。
住み込みの年配の女性が管理人をされていたのですが、一生懸命そのつど話しかけたりしてました。


そのマンションには、音楽関係の知り合いが何人か住んでいたのですが、私より前から住んでいた大学の後輩がこんな話を教えてくれました。

「実は先輩が入居する2年位前、ここで変死体が出たんです~。
自殺か事故かはわからないんですが、睡眠薬を飲みすぎて、ベッドで寝たまま亡くなってたんですよ。
ちょうど夏休みで人が少なくなっていたせいもあって、ずっと誰にも気がついてもらえなかったらしいです。
冷房が効いたエアコンの真下で、そのまま・・・だったんですよ。
あの時は、警察とか救急車とかがたくさん来て大変でした~。」


そして、その後も、新たにごみを部屋にためこみ引きこもり生活をする人、部屋で絶叫する人などが現れました。



私は4年でそこを引越ししましたが、どうしてそんなことが起きるのか、わからないでもない気がします・・・・。



というのも、防音室には等級がありますが、そこのマンションは24時間演奏可能な超1級防音の建設でした。

住んでみるとわかるのですが、本当に近隣の音が一切しません。
夜中になると、なんだか不安になるくらい完全に無音なんです。

・・(防音室・住居部分)(防音室・住居部分)(防音室・住居部分)・・

こういう造りになっているので、音が聞こえないんです。

防音室は、床も壁も天井も分厚くなっていて、まるでコクピットか何かのような圧迫感のある部屋でした。

当然、そこで練習をするわけなのですが・・・。

響きは全部吸収されてしまい、演奏する側としては全然気持ちよくありません。

うまくいっている時はともかく、煮詰まってるときなどは、

「どうしてもこの音がひびかない~」

「音色が違う~~」

などなど、どんどん自分が下手な気になって、悪い方向へ進んでしまうことがよくありました。


ある程度広さがある防音室ならともかく、4畳程度の部屋にグランドを入れての練習・・・となると、機械的な練習はできても、本来の音楽的楽しみは半減してしまいます。
毎日、何時間も繰り返されるわけですから、これも住んでみてわかったことです。

周囲を気にせず練習できるメリットの裏側には、当然デメリットもあるわけです。
なんでも一長一短なんですね。


きっと、あの時、心を病んでいた方たちも、環境的にどんどん自分を追い込んでしまったり、もしくは、病気をよりひどくしてしまうような環境だったのではないかな・・と思ってしまいます。