雑誌『TITLE』4月号・特集「写真道楽!」読む。
『TITLE』は、似た傾向の雑誌『BRUTUS』『Pen』に較べて、中途半端な特集が多いのだが、今回は充実していた。
写真史上の重要な写真家・作品(「今見るべき写真集75冊」という小特集もある)、同時代の注目すべき写真家・作品を幅広く扱っており、勉強になった。
なかでも、若手写真家・梅佳代が、小学三年生と一緒に同じ場所で写真を撮ってみるという企画が面白かった。
これを見ていて、一冊の写真集を思い出した。
新倉万造・中田燦『大人の写真。子供の写真。』という文庫サイズの写真集がある。
53歳のプロ・カメラマンと6歳の女の子が、同じシチュエーションで写真を撮るという、まあ、梅佳代企画と同じ趣向だ。
当たり前なんだけど、大人と子供、視点の違いが面白い。
大人は、「ニュアンスだぜ」「50mmってムズカシイなー」と、構図や露出を決めて撮る。
子供は、「カメラってオモシロイなー」「さかなさかな!かにかに!えびえび!さざえさざえ!」と、気の向くままにカメラを向ける。被写体は写ってればいいという感じだ。(「 」内のキャプションは、子供の父親であるコピーライターの人が書いている。なかなか絶妙なフレーズでいい)。
大人と子供じゃ、事物に対する距離感が違う。好奇心の持ち方も、また。
子供は、幼稚園にカメラを持って行き、友達にフィルムのふたを開けて見せてしまったりする。
もちろん、ネガはまっ黒になり、何も写ってない。だが、そうしたネガの空白が、撮る経験と友達とのコミュニケーションの証しとして、写らなかったことで記録されてしまう。
なんて幸福な写真的体験なんだろう。
心を動かされたものに素直にカメラを向ける。純粋なコドモの感覚を忘れがちだ。
なにやらオトナぶって、小賢しく意図的にシャッターを切ってしまう私は反省する。
『TITLE』は、似た傾向の雑誌『BRUTUS』『Pen』に較べて、中途半端な特集が多いのだが、今回は充実していた。
写真史上の重要な写真家・作品(「今見るべき写真集75冊」という小特集もある)、同時代の注目すべき写真家・作品を幅広く扱っており、勉強になった。
なかでも、若手写真家・梅佳代が、小学三年生と一緒に同じ場所で写真を撮ってみるという企画が面白かった。
これを見ていて、一冊の写真集を思い出した。
新倉万造・中田燦『大人の写真。子供の写真。』という文庫サイズの写真集がある。
53歳のプロ・カメラマンと6歳の女の子が、同じシチュエーションで写真を撮るという、まあ、梅佳代企画と同じ趣向だ。
当たり前なんだけど、大人と子供、視点の違いが面白い。
大人は、「ニュアンスだぜ」「50mmってムズカシイなー」と、構図や露出を決めて撮る。
子供は、「カメラってオモシロイなー」「さかなさかな!かにかに!えびえび!さざえさざえ!」と、気の向くままにカメラを向ける。被写体は写ってればいいという感じだ。(「 」内のキャプションは、子供の父親であるコピーライターの人が書いている。なかなか絶妙なフレーズでいい)。
大人と子供じゃ、事物に対する距離感が違う。好奇心の持ち方も、また。
子供は、幼稚園にカメラを持って行き、友達にフィルムのふたを開けて見せてしまったりする。
もちろん、ネガはまっ黒になり、何も写ってない。だが、そうしたネガの空白が、撮る経験と友達とのコミュニケーションの証しとして、写らなかったことで記録されてしまう。
なんて幸福な写真的体験なんだろう。
心を動かされたものに素直にカメラを向ける。純粋なコドモの感覚を忘れがちだ。
なにやらオトナぶって、小賢しく意図的にシャッターを切ってしまう私は反省する。