松岡正剛著『白川静』(平凡社新書)、
石川九楊著『書と文字は面白い』(新潮文庫)読む。
どちらも漢字に関する本。
『白川静』は、漢字学者・白川静についてセイゴオ先生が分かりやすく解説した一冊。
白川静の存在を知ってはいたけど、難しそうで読んでみるまでには至らなかった者としては、格好の入門書となった。
甲骨文字から古代社会の世界観を探り、民俗学的アプローチから万葉仮名を読み解いていく――、とても敷居が高いけど面白そうだ。
言葉について言葉で考える言語学は、思考の深淵をのぞき込むようで足元すくわれそうだが、こわごわとこれをきっかけに白川静自身の著作を読んでみたい。
『書と文字は~』は、書家・石川九楊が巷に溢れる書き文字について考察した一冊。
たとえば、芸能人のサインは、書の観点から見ると「花押」や「草名」などの歴史を踏まえている、とか。
コラムとしてもすこぶる面白い。
町中に氾濫する相田みつを的ヘタウマ文字の看板が、読んだ後では違って見えてくる。
祇園祭の大文字焼について書いた文が印象的だったので引用する。
白川静の指摘とも共通する漢字が持つプリミティブな力について考えさせられる。
「文字創製期の原像をひきずっている漢字は侵すべからざる呪力を持って生き続ける。ちなみに「大」は成人が正面を向いて立っている表象。人形(ひとがた)だ。(中略)
やはり送り火は、燃える文字が似合う。像を喚起する呪力を秘めているからだ。」
石川九楊著『書と文字は面白い』(新潮文庫)読む。
どちらも漢字に関する本。
『白川静』は、漢字学者・白川静についてセイゴオ先生が分かりやすく解説した一冊。
白川静の存在を知ってはいたけど、難しそうで読んでみるまでには至らなかった者としては、格好の入門書となった。
甲骨文字から古代社会の世界観を探り、民俗学的アプローチから万葉仮名を読み解いていく――、とても敷居が高いけど面白そうだ。
言葉について言葉で考える言語学は、思考の深淵をのぞき込むようで足元すくわれそうだが、こわごわとこれをきっかけに白川静自身の著作を読んでみたい。
『書と文字は~』は、書家・石川九楊が巷に溢れる書き文字について考察した一冊。
たとえば、芸能人のサインは、書の観点から見ると「花押」や「草名」などの歴史を踏まえている、とか。
コラムとしてもすこぶる面白い。
町中に氾濫する相田みつを的ヘタウマ文字の看板が、読んだ後では違って見えてくる。
祇園祭の大文字焼について書いた文が印象的だったので引用する。
白川静の指摘とも共通する漢字が持つプリミティブな力について考えさせられる。
「文字創製期の原像をひきずっている漢字は侵すべからざる呪力を持って生き続ける。ちなみに「大」は成人が正面を向いて立っている表象。人形(ひとがた)だ。(中略)
やはり送り火は、燃える文字が似合う。像を喚起する呪力を秘めているからだ。」