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走り屋視点で『頭文字D』を検証!?

2011-11-30 03:54:11 | 
 走り屋だけでなく、まだ免許を持っていない層からも爆発的な人気を博した漫画、『頭文字D』。

 実際に走り屋仲間の間でも人気で、「そうそう、そうなんだよな」やら、「現実にねーよwww」など、頻繁に話題になっていました。


 まぁ、割りと『分からない読者』にも楽しめる作りになっていますが、作者がちょっとした知識や経験を披露しても、読者の中には分からない層も多いと思いますんで、実際に作中に出てくるセリフやらエピソード、テクニックなどについて、「こういう事なんですよ」と言う補足を、検証の様な形でつらつらと順番にお話して参りましょう!(^-^)

 初期しか読んでなかったので、古い話ばかりになります。
 あ、セリフなどはうろ覚えですんで、正確じゃーないですよ(。・ω・。)




「コーナーから立ち上がっていく後ろ姿は、えも言われぬ余韻がある」
「あのハチロク、相当の乗り手だな」


 妙義ナイトキッズのリーダー、黒いR32の中里が初めて拓海のハチロクを見た感想。
 これ、実際あるんですよ。もっと言ってしまえば、赤信号に止まる時のブレーキングだけでも「あ、この人上手い人だな」と分かります。

 車の運転って、『荷重移動(かじゅういどう)』がキモなんですよね。
 『車の運転は、お尻の感覚でする物だ』と言う私の持論は、そこから来ています。
 アクセルを踏むと車が後ろに傾く。ブレーキで前。右コーナーで左。リヤを滑らせるか止めるか。カウンター当てつつどっちへ車を動かしたいのか。
 そういった操作は、慣れていないと必ず『お釣り』をもらってしまいます。

 ブレーキを踏みすぎて戻す ⇒ 前の荷重が抜けて一旦後ろへ、サスペンションの反動でシーソーの様にびよんびよん ――(1)
 ハンドルを切りすぎて戻す・足りなくて切り足す ⇒ 不安定な状態で修正するたび左右にびよんびよん ――(2)
 コーナリング中にアクセルを急に踏む・抜く ⇒ アンダーステアやオーバーステアの修正で前後左右にびよんびよん ――(3)

 補足します。

 (1)のブレーキングは、タイムを出す運転に慣れた方ならば、一発で最低限必要な分だけのブレーキング量(しかもタイヤがロックする寸前ギリギリをキープ)で安定させる為、不測の事態が無ければ姿勢が安定しています。そうでなければ限界走行時はタイヤがロックしやすくなって大変危険です。
 前輪駆動、後輪駆動、四輪駆動に拘らず、エンジンがフロント(前輪より前の位置)に乗っている限り、車体が一番安定するのは直線でアクセルを一定に踏んでいる時です。フロントミッドシップ(前輪軸上にエンジンを載せた、ベンツや初期のインスパイアなど)はまたちょっと違う挙動を見せるかもしれませんが、基本的にブレーキを踏むだけで車体は不安定になりますので、挙動がシビアです。逆に、ポルシェやバスなどのRRは、ブレーキを踏む事で四輪が踏ん張って安定します。

 (2)のハンドルに関しては、まず走るラインにしても上手い人は不自然なハンドリングをしない走行ラインを取って、荷重が自然に移動する運転をします。また、高速道路や、新しい国道などには『クロソイド曲線』と言う設計が取り入れられていまして、上手い人の走行ラインの様に、自然に荷重が移動する道路設計になっています。
 つまり、「ゆらぁ~~っ(荷重が片方に掛かる)、ゆらぁ~~っ(荷重が自然に戻ってニュートラルになる)」となるので、荷重のお釣りをもらわずに、車体が安定した動きをするのです。

 (3)、コーナリング中の急なアクセル操作は様々な乱れを誘発します。FFや4WDではアクセルを踏み足すとアンダーステアを起こしますし、FRでは後輪の食い付きが良くなければオーバーステアを起こします。
 逆に急にアクセルを抜きますと、FRでリアが滑り気味ならばコーナーのアウト側へノーズが向く感じになりますし、FFですと限界時はドリフト状態に突入します。これをわざと起こすのが『タックイン』と言う技術ですが、FRのドリフトより滑り出しがクイックなので、余程腕に自信がなければとっ散らかってしまいます。


 つまり、上手い人が運転すると車体が本当に安定して、どちらへ傾くにしても(荷重が掛かるとしても)スムーズに始まり、スムーズに戻るのです。中里曰く、そんな車からはオーラが見えるのです。




「一軍はサイド引くの禁止らしいぜ?」

 御存知、初期にぶいぶい言わせていた高橋兄弟率いる『赤城レッドサンズ』のお話です。

 実際には上手い人でもサイドは引きます。オートマのセダンでドリフトする方なんかは、サイドが左足で踏むフットブレーキなので、リリースレバーにライター等を噛ませて、一瞬だけで戻るようにした方もみえました。
 いくらドリフトしやすいFRだからって高速コーナーばかりとは限らず、スピードの乗らない状態でサイド無しにドリフトしようとしたら、よっぽどズルズルのタイヤをリヤに穿かせなければなりません。それではトラクションが悪いので、タイムも伸びませんね。

 また、FFはサイド無しでタックイン出来るとは言え、Fドリ(FFのドリフト使い)の方はサイドを引きます。
 昔、秋田連合に畠山さんと言う有名なFドリの方がみえましてビデオも出してみえましたが(当時の私と同じ、EF9シビック乗り!!)、畠山さんが「半サイド」と表現された様に、きっかけとしてサイドを引くのは上手な方でもやってみえます。
 私はほとんどドリフトはやりませんでしたが、ターンする時はサイド引きましたしね。

 要は、「ブレーキングでしっかり荷重を前に乗せて(逆に言えば後ろの荷重を完全に抜いて)、すばやく低ギヤでリヤを駆動させろ」と言う事で、これは上手い方にしか出来ません。
 レッドサンズの件で作者が言いたかったのは、そういう事なのです。




「お前もABSキャンセルしてみるか?」

 最初期に涼介が啓介に言った言葉。
 実際、シビアな(ロックするかしないかギリギリの)ブレーキングが出来る人に取っては、ABSは邪魔以外の何者でもありません。ABSは安全の為、タイヤ(もちろん走りに使ういい物)の限界より早く作動してしまいます。また、ABSはあえてロックとアンロックを繰り返させる側面もある為、上手い人が乗ると本来の実力よりも制動距離が伸びてしまうと言う矛盾が生まれてしまいます。

 でも、経験も技術も自信も無いのにキャンセルするのは自殺行為です。間違っても格好付ける為に「俺、ABSキャンセルしたんだぜぇ~♪」なんてやると、精神的にも金銭的にも、場合によっては社会的にも後悔する事になりますよ?^^;




「今日は、こいつが鍵を握るかもしれないな(落ち葉を一枚拾いながら)」

 以前、DJシリーズの記事でも書きましたが、峠などの一般道と言うのは路面のコンディションが最悪です。
 山ですから木がいっぱいあるわけで、季節によって、植生によって落ち葉の絨毯と化します。また、上からぱらぱらと小さい落石が落ちている事だってあります。下手するとパンクします。みんなが集まる前にコース中、てくてくと拾って歩いた事もあります。

 また、雨の後などは路面が乾いた頃にも、湧き水が出るスポットがあったりですとか、雨に負けて落ちた葉っぱが溜まって、さらにそれが雨に濡れていて~なんて、ブレーキ踏もうがハンドル切ろうがどうにもならないです。

 なので、路面のコンディションと言う物は、峠では非常に重要なのです。




「ドリフト中は、コップの水を縁に沿って回すんですよ」

 これは、実際には無理です。回す云々はなんとも言えませんが、コップの水をこぼさないのはありえません。
 実際に峠でハチロク乗りたちはみんな「そんなの無理www漫画だからだろwww」と言っていました。

 理屈で説明しますと、サイドを引かずにドリフト状態を起こすにはきっかけとして『急ブレーキ』『一旦急ハンドル』『低ギヤでの急アクセル』が必要です。絶対に荷重がガクンとかかるんですよ。そうしないと、リヤの荷重が抜けずにドリフト状態になりません。

 余程の高速コーナーならばギヤも上がってますし、この限りではないのでしょうが、だって秋名の峠には5連ヘアピンがあるでしょ。しかも、逆ヘアピンなわけですから、それを流しっぱなしで通過するにはフェイントなどを駆使しなければならず、左右方向にもガクッと力が加わりますから………………。


 絶対車の中はびちょびちょです(・・)
 豆腐屋に帰る直前に、用意したペットボトルからでも水を注いでいるのでしょう(^_^;)





「どこ走ってんだ、おめぇ…………」

 イン側にラインは無いはずなのに、後ろから追う拓海がイン側前輪で側溝を跨いで(浮かせて)インから抜く場面です。
 これは、実際にはありえませんので絶対に真似をしないで下さい。事実、作中でもロードスターの末次は真似をしようとして失敗、派手にクラッシュしています。

 どうして出来ないかって、まずそこまで前エンジンの車がフロントの荷重を綺麗に抜くには、強烈な加速状態を維持しなければならないからです。スピードが乗っただけでは、速度が落ち着けば荷重も落ち着いてしまいます。しかし、コーナリング中ですよね。しかもイン側の荷重を完全に抜ける程の狭いRなわけで、そんな地形でバカ加速は出来ません。絶対にリヤが滑って、フロントに荷重が戻ってしまいます。




「あのハチロクは、この溝にイン側のタイヤを落としてグリップ力を稼いだんだ。
 おそらく普段からこういった練習もしているんだろうな」


 これは実際に出来ます。むしろこの漫画が始まる前から私やってました^^;
 穴タイプの側溝ではなくて、水はけを良くする為にイン側へ角度の付いた、『水の通り道』的な物ですね。

 実際にラインを追求しますと、自ずとイン側ギリギリまで近づくわけではあるんですが、もうガードレールに擦りそうなのを覚悟の上でタイヤをその傾斜に落としてみますと、確かにコーナリングの限界速度は上がり、アンダーが抑えられる為、アクセルを開けてもラインが安定します。

 ただし、これはシャフトに大きな負担がかかってしまうため、故障した時に交換する事になってしまうのも覚悟の上になります。

 私、ドライブシャフト2回交換しました(・・)
 ブーツは2回どころではありませんねぇ…………。ブーツが破れるとグリスが漏れてしまいますんで。






 こんな所でしょうか?^^;

 また、思い付くなり御要望があるなりしましたら、続きも考えてみましょうかね?




 皆さん、安全運転でお願いしますよぉ~~…………?(;・・)








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4 コメント

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オイラは (ひろちゃん)
2014-06-24 02:57:36
もっぱら『よろしいメカドッグ』でした(笑)

頭文字は読んだ事が無いんですわ。
実写版映画はみた事があるけれど

よろしくメカドッグのセリカXX28GTにニトロ積んで走って


あんな加速するのかよって

そしたら擬似体験はできるぞと会社の奴がラジコン飛行機用の燃料にニトロが入って居ると


原付に入れた
ヤマハのラッタッタに


壊れたらしい
原因は解らないけど
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これまたナツい(^-^;) (わんた)
2014-06-24 23:53:57
いっつぁ~んってヤツですか(^-^;)
私ゃ、やっぱりサーキットの狼ですかね。

どうしても忘れられないシーンがあって、自分が走るようになってから
「ああ、あれはこういう事だったのか!!」
って納得したことがあります。

何っ年も経ってからまた車漫画描いてましたけど、やっぱり分かってらっしゃる方ですから面白かったですね。


ニトロはー……
噴霧位置が改良されたりしましたけど、そりゃまあ、危ないっちゃ危ないですわな(;^-^)
確かにメチャメチャ速くなるそうです。
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乗ってみたかったのは (ひろちゃん)
2014-06-25 17:28:15
よろしくメカドッグに登場するイスズのピアッツァのツインエンジン。

確かブレーキ強化不足で大破しちゃうんだけど

ツインエンジンってどうやってギアチェンジやらやるのか不思議だよ



あとはCR-X

300馬力か………………気持ち良いのかねゼロヨン仕様だけど(笑)
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またまたナツい^^; (わんた)
2014-06-26 19:48:24
ピアッツァ、ねぇ、ありましたなぁ。
私ゃ『アリ』だと思ってましたが、周りの他の人の間では評判よくなかったですね。デザイン的な意味で。

ツインエンジンで思い出しましたけど、セリカXXの下位グレードにも面白いのがありました。
4気筒なのに、プラグが8本っていう珍車。ボンネット開けて見せてもらいましたら、確かに上に4本、下に4本、プラグコードが出ていたわけですよ。

まぁ、エンジン内の噴霧ガソリンを隅々まで完全燃焼させようっていう意図だと思うんですけどね、車は進化していきますので、現代ではそんなの必要ないと思います。

トヨタ車(って言ってもYAMAHAエンジンですが)がそういう、オモシロそうなことするっていうのは、意外でもありましたなぁ。^^;
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