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60代、今日もよい日でありますように!

サザエさんの東京物語 長谷川洋子

2021-12-12 | 

 

「マー姉ちゃん」時々見逃しもありますが、朝の楽しみです。

 

女ばかりの家族で、横暴な母親に三姉妹は団結してますよね。

ただ晩年はそうではなかったようです。

 

「サザエさんの東京物語」を読みました。

末っ子の洋子さんが、主に町子のことを綴ったエッセイです。

 

まり子と洋子は結婚します。町子は生涯独身。

まり子の夫に召集令状がきたことで慌てて式をあげますが、結婚生活はわずか一週間。その後、夫は戦死してしまいます。

洋子の夫は、母貞子に懇願され長谷川家に同居することになります。マスオさんですね。その夫も35才の若さでガンにより他界。

洋子の2人の娘が増えたものの、長谷川家の女たちは変わらず一緒に暮らしてゆきます。

桜新町に30年ほど住んだのち、用賀に新築の家を建て引っ越すことがきっかけとなり、洋子さんは姉たちに独立宣言をします。

すべて母や姉たちが決めたレールの上を歩いてきた洋子さんが、初めて自分の足で歩いてみたいと思ったのです。それも60近くになって。

末っ子の反旗に、姉たちは憤慨しなんと縁を切ってしまうのです。姉たちの新居とこれまでの住まいはたったの徒歩10分という近距離。そこまで腹立てるかって思うんですけどねー。気の毒な洋子さん。

濃すぎる愛情は裏を返せば憎しみも凄まじいのでしょうか。

まり子は、洋子さんが送った手紙も一切開封せずそのまま送り返しています。

72才で町子が亡くなった時、まり子は「洋子には絶対、知らせてはならない」と厳命したといいます。

さすがにそれはと関係者がこっそり連絡をくれ、だから弔問も遠慮してほしいといわれた洋子さん。切ないですね。

町子の30億の(実際ははるかに超えていた)莫大な遺産も、母親の10億ほどの遺産も相続放棄させられてます。腑に落ちない国税局が調査に来たほど。骨肉の争いをせず、潔すぎます。

『お金より自由がほしかった』

洋子さんはそう書いています。

洋子さんは、母親から「芋畑にしなさい」と買ってもらった土地があり、経済的に不自由していなかったこともあるかも。でもあの激しい気性の姉たちから離れることで得られる自由が、億のお金より値打ちがあったということかな。

洋子さんは、姉たちから独立後、自ら出版社を興します。

「彩古書房」

精力的に仕事に励み、児童心理学や千葉敦子さんの本を世に出しておられます。

長谷川家の女性たちは皆、逞しいDNAが組み込まれているようですね。

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2 コメント

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Unknown (右田 篤子)
2022-10-22 21:35:53
素敵な本でした。正直な語り口で『被害者』であったはずなのに淡々と心情を吐露されている感じですね。
才気煥発といえば聞こえは良いけれど 強烈な個性のご家族に囲まれ病もされ大人しく育った洋子さん。今は静かにゆっくり過ごされていますか?
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右田 篤子さん♪ (rimi)
2022-10-22 22:15:44
はじめまして。
コメントありがとうございます。

大人しい洋子ちゃんも、秘めたる思いがずっとあって、最後には、「書きたい」となったのでしょうか。

今もご存命では。
穏やかにお暮らしではないかと想像しています。
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