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60代、今日もよい日でありますように!

海うそ 梨木香歩著

2022-07-19 | 
読書会7月の課題本

内容
昭和の初め、人文地理学の研究者、秋野は南九州の遅島へ赴く。かつて修験道の霊山があったその島は、豊かで変化に富んだ自然の中に、無残にかき消された人びとの祈りの跡を抱いて、彼の心を捉えて離さない。そして、地図に残された「海うそ」ということば...。五十年後、再び遅島を訪れた秋野が見たものは―。 Google Booksより

梨木香歩さんの静謐な文章が好きで、特に気に入った作品は文庫本で買って時折読み返しています。
すべてが好きなわけではなく、全作品を読んだわけでもないのですが「春になったら苺を摘みに」「家守奇譚」「村田エフェンディ滞土録」特にこの三作品が好きです。
とはいえ最近は、数年前に生活クラブの本の花束という本のカタログで紹介されていた「新しいリーダーの作り方」を購入して読んだのが最後でした。
そんななか、会員のかたが特に好きな一冊ということで紹介してくださったのが「海うそ」

前知識なく、読み始めました。

初めは現代の話だと思い込んで読んでいました。
南の島の、細やかでありながら圧倒的な存在感で迫ってくる自然描写が続くなかに時折はさまれる亡くなった許嫁のこと、さして深く考えずに読み進めていました。
民俗信仰、廃仏毀釈、破壊と開発、そんなことがテーマなのかなとも思いながら。

それが最後に語られる主人公秋野の、息子への告白で、これまでにいくつもの伏線が張り巡らされていたことに気づきました。

「色即是空空即是色」という仏教用語が重要なキーワードになるのですが、その言葉の意味をよくわかっていないので、肝心なところが理解できずもどかしくて、また勉強してから再読したいと思っています。

読んだ後、ひとと語りたくなるような、まさに読書会にふさわしいそんな小説でした。

前知識なく読んでいただきたい作品なので、このへんにしておきます。

リゾート地ではなく、ひとの手があまり入ってないような島に行ってみたくなりました。
紹介してくださった方は、屋久島が好きで何度かいらしているとおっしゃっていました。

屋久島、死ぬまでに一度は行ってみたいなー。



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