you are my sunshine

60代、今日もよい日でありますように!

中華街にて

2024-07-11 | 日々のこと
朝からヤクルト1本だけ飲んででかける。
新横浜で漢方講座。
関内に移動し美容室。
元町に傘の修理見積もり。
全部済ませて気づいたら5時近くなってた。
お昼も食べ損ねた。

お腹になにか入れようと中華街へ。
行きつけなどなく、いつも適当。
その日は、呼び込みのお姉さんが感じよかったのと、ハイボールの看板にひかれ、路地裏の小さなお店に入る。

奥にふたり高齢の男性が座っているだけ。
お店のひとっぽい。
お客はわたしだけ。
メニューをみていたら、中年の男女ふたり連れが入ってきて隣のテーブルに座った。
すぐに男性はトイレの場所をきいて席を立った。

女性が話しかけてきた。
「この店おいしいんですか?」

「わたしも初めて入ったんですよ、いつも適当なんです」と答えると、
「地元のかたかなと思って。ひとりサッと入られたからおいしいのかなと」
「やだーすみません、地元じゃなくよそ者なんです。転勤族でたまたま住んで」と話し、あちらもこちらも九州だとわかり、一気に距離が近くなる。

3泊4日のツアーで、伊豆やら箱根などをまわり、4時前に横浜に。
翌朝までフリーなので、中華街に食事にいらしたそう。

ご主人は64才、奥さんは60才。
ご主人は再雇用で週4日、奥さんは歩いて5分のところへパート。
娘さんが車で1時間くらいのところに嫁いでいて、お孫ちゃん見がてら月に1~2回会いにいくんだとか。
お互い旅行が好きなので月に1回は近場だったり、ツアーだったり、ふたりででかけていると。
ご主人はゴルフが趣味で、もう仕事はやめてもいいかなともおっしゃっていた。
年老いた親のことなど話が弾む。

ご主人はゴルフウェアがよく似合う若々しく精悍な感じ。
奥さんは優しい雰囲気の可愛らしいひと。
ふたりでいつも旅行されているというだけに、仲のよさが話しているだけでも伝わってくる。

あちらのテーブルに料理が運ばれてきて、しばらくして奥さんが写真立てを取り出しテーブルに置かれた。わたしの方から写真は見えない。
「辛いのは好きだったっけ?」と奥さんがご主人に話されていた。

しばらくしてまたご主人が席を立たれたので、奥さんに聞いてみた。
「そちらは?どなたかご家族のかたですか?」

「息子なんです。去年亡くなったんです」

31才だったそう。
家をでて10年以上。年に2回くらいしか帰省しなかったのでなかなか会えなかったが、今はこうしていつも一緒にいると。

ご主人が戻られ、わたしたちの様子を見て気づかれたようで、
「いつまでも悲しんでいられないと。
お坊さんがあちらには「苦」は一切ないとおっしゃってました。こっちだけですね」
その言葉から、ご主人が息子さんを思いやる気持ちが伝わってきた。

奥さんも「これまではいつも見守る立場だったでしょう。でも今はいつも見守られています」と。
思わず目頭が熱くなる。

店員さんが「おいしい?」と訊いてきたら、
「おいしいよ、でもあなたの笑顔でもっとおいしくなった」と応じるそんな優しいひとにも、ある日突然訪れる。
「死」は容赦などないのだ。

ひとの死は等しく悲しいけれど、我が子を失う悲しみは失ったひとにしかわからない筆舌しがたい深い悲しみなのだろうと想像することしかできない。

ご主人が
「反省はするけど、後悔はしない生き方をしようと思ってます」と笑いながらでもきっぱりとおっしゃった。



ハイボール一杯飲み終わった。

「どうぞ、明日も横浜楽しんでくださいね」とお声かけして、席を立つ。

地下鉄の駅に向かいながら「またあらわれた」と思う。

最近のわたしは、blogもそうだし普段もそう。
愚痴やらひとの批判ばかりで、謙虚さのかけらもない。
元々きつい顔がますますきつくなっていたに違いない。

わたしは今からどんな生き方をしたらいいんだろう、そんなことを考えながら駅へと歩く。

神様はこうしてわたしの前に時々あらわれる。




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2 コメント

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Unknown (早智)
2024-07-13 16:26:18
rimiさんこんにちは。


昨年、ご主人の転勤でお引っ越しをされた知人に数年ぶりに再会し、自然と子供の話になりました。


下のお子さんが上のお子さんと同じ難関の高校に合格したとのこと。
おめでとう〜となったのですが、
なぜか高校卒業した歳になるはずの上のお子さんの近況報告はなし・・

どのご家庭もいろんなご事情あるのだろうな、、と聞かずにいたのですが・・


実は、数年の闘病の末半年ほど前に上のお子さんが亡くなられていたのだと・・
下のお子さんが(合格は)かなり難しいといわれていた高校に合格できたのは、
上の子が見ていてくれたからかもしれない、っておっしゃってました。

私は、返す言葉が見つからなくて
「想像もできない・・・」というのに必死でした。
でも、彼女から返ってきた言葉は意外なものでした。

コロナ禍での入院生活や闘病、つらいことばかりだったけど
最期の1週間は家族で過ごすことができた、
妹思いのすごく良いお姉ちゃんだった。
不思議なもので、半年も過ぎれば、日常の生活に追われて
気がつけば、上の子のことを思い出さないでいる時間の方が圧倒的に長くなっていて
(忘れていて)ごめんね、って思うことの方が増えている。


早智さんと再会できて、上の子のことを思い出すきっかけをもらった。
ありがとうね〜って言ってもらえたんです。

rimiさんが出逢われたご夫婦の一言一言に、胸がいっぱいになり
また彼女のことを思い出しました。

日本には1億人以上の人が暮らしていますが、、
私は今までに、えー!なんでこことここが繋がるの?というような出会いをいくつも経験しました。

いろんなご縁が、繋がっているのですね。
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早智さん♪ (rimi)
2024-07-13 23:24:41
早智さん、こんばんは。

わたしは知り合いのかたではなく、たまたま隣り合わせたかたで。

もしかしたら、その場限りだからいろいろお話ししてくださったのかもしれません。

奥さんが、あれっ、前にどこかであったことなかったっけ?って思ってしまって。
もちろん違うのですが、最後までずっとそんな気持ちでいました。

早智さん、繋がる出会いがよくあるのですね。
なんだかワクワクしますね。
わたしはどうかな?
でも忘れてしまっただけで、きっとあったと思います。

一期一会だとしても、心に残るかたたちがいますね。
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