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you are my sunshine

40代でblog始めてあらもう60代。
光陰矢の如し。年が明けたらあっという間に年の暮れ。

貴様いつまで女子でいるつもりだ問題 ~ジェーン・スー~

2016-05-28 | 
書店の平積みで目に留まり購入しました。

最近よく目にするこの名前。
韓国の方かなと思っていたら、生粋の日本人でした。

通勤の地下鉄の中やクタクタになって何も考えたくない夜に読むのにちょうどいいんです。

一番ウケたのが「今月の牡牛座を穿った目で見るならば」の章。

普段は見ないけど凹んだ時たまたま見た牡牛座。
当たってる!
そこで全く関係ない射手座もみてみたら・・・、
これまた当たってる、まるで自分のこと。

そしてジェーンさんは言います。
占いを否定はしないが、どうつきあうかはとても大事だと。

サイキックとは霊能者や超能力者のこと。ちょっと怖い印象もあった。
それがいつしかスピリチュアルという耳馴染みの良い言葉に変わり、
霊験を伝える媒介人はメッセンジャーとかヒーラーと呼ばれるように。
自然や愛を超常現象に絡めたらおどろおどろしさがガッツリ軽減。
ラブ&ネイチャーをまぶせば、大抵のことは善行に思えてくるから不思議。
そのシステムを考えた人は本当に天才!


まだまだ続きます。

スピリチュアルは、消費行動と背中合わせでないと存在が成立しない言葉。
物質社会に背を向けているテイでお財布からお金を抜いていくんだから、スピリチュアルはかなりのやり手です。


一番グサッときたのがここ!

特定の場所に行ったり石を身につけたりするだけで、心身を浄化したい。
現世のうちに、楽をしてご利益が欲しい。
努力をせずに、特別な私になりたい。
そんな浅ましいことは思っていてもなかなか口に出せません。
パワーやスピリチュアルという言葉は、そういったゲスな欲望をオブラートのように包み、
楽して得したい人の財布の紐をユルユルにします。



この本を手に取る前日、
久々に娘の幼稚園時代のママ友3人でランチしていた時に、
アクセサリー作りが趣味のYちゃんが、
男友達に石のストラップを作ってほしいと言われ、
初めてだからいろいろ勉強(石の浄化とか!?)して作ってるんだっていうんです。

それにすかさず飛びついたのが、わたしとHちゃん。

口をそろえて
「うちの旦那にも作って!」
これまた口をそろえて
「金運と仕事運アップでお願い!」



またもや正体がバレバレ。
わたしってゲスな女だったのね。


桜木紫乃にハマる

2016-04-13 | 
ふと、桜木紫乃を読みたいと思いました。

桜木さんは「ホテルローヤル」で数年前に直木賞を受賞。
それは知ってましたが、直木賞とか芥川賞を読んでみたいというのがあんまりなくて、
「ホテルローヤル」も手に取ることはありませんでした。

ところが最近突然、そうだ!桜木紫乃!って思ったんです。

なぜに桜木紫乃!?って思われるでしょう。
なにかで桜木紫乃さんのことが書かれたものを立ち読みしたんですが、
この方、わたしと同世代で、主婦をしながらずっと北海道で執筆活動をされている。
見た目は色が白くて、知的で上品な雰囲気を漂わせるスラッとした美人さん。

                    



その見た目に反して、ストリップ劇場に一人で通いつめたり、ゴールデンボンバーに熱狂したり。

                    

直木賞受賞式にはこのいでたちでいらしてゴールデンボンバー好きをアピール。


娘と息子を育て地味に主婦をしつつ、
ストリップ小屋にひとりで通えるなんて、
桜木紫乃、ただものじゃない・・・そう思ったわたしは、
なぜか「更年期には桜木紫乃かも!」ってひらめいたわけです。

土曜日の午後、自転車で図書館へ。
直木賞の「ホテルローヤル」はありませんでしたが、
とりあえず「ラブレス」と「無垢の領域」を借りまして、夕方から一気読み。
土日で2冊読み切りました。

特に「無垢の領域」が非常によかった。
読み終わった後、すべての文章ひとつひとつに伏線が張られているような気がして、
それからまた何度も何度も丹念に読み返してしまいました。

ハマりました。

次の週の土曜、また自転車を走らせ、「サ」の棚へ。
無念!
1冊しかない。
さてはわたし以外にも桜木紫乃ファンがいるな。

「ワン・モア」を借りて、近くのサンマルクカフェで読むことに。
またまた一気に惹きこまれたものの、
全部読むのがもったいなく思えてきて、途中でお店を出てしまったほど。
それでも一晩で読み切ってしまい、
日曜は駅ビルの本屋で文庫本を2冊買いました。

「ホテルローヤル」「誰もいない夜に咲く」

桜木紫乃中毒です。


職場でお昼を食べている時に、北海道出身の同僚に「桜木紫乃にここんとこハマっていて・・・」
「全部、北海道が舞台なの、でも札幌じゃなくて、釧路とかそっち方面が多いんですよね」って話したら、
すぐに
「道東のほうだね~、どちらかというとうらぶれた感じ 湿原とか、流氷とか・・・」なんて返してきました。

道東って言葉がサラッとでてきちゃう。
彼女の頭の中にはすぐに絵が浮かんでいるんだろうな~。

風景の描写、あるいは街の通りの名前だけでも、知っている人と知らない人では、
その言葉から発せられる温度とか匂いの伝わり方が全然違うもんね。

クゥウウウッーーー、北海道出身者羨ましすぎる!

そういうわけで、ここのところ桜木紫乃の世界にどっぷり。

今朝、「とと姉ちゃん」を見ていて、
お父さんが働いていた工場の社長が、月命日には必ずお参りに来てくれるということを言ってたんだけど、
それってお母さんが娘三人育てるために、こっそり社長と月1回、
しかも仏壇の前で・・・・・・みたいなことを妄想しちゃうわたし。

どんだけ桜木紫乃に影響されてるんだか・・・。


こちらの対談を読むと、桜木紫乃さんのひととなりがすこしわかります。→コチラ




永い言い訳 ~西川美和~

2015-08-23 | 

153回直木賞候補にもなった西川美和監督の小説「永い言い訳」

西川さんの作品は好きなので、
書店で平積みで置かれている時に気になってはいました。

帰省した時、夫実家から徒歩3分の図書室(わたしはここでカードを作っていて、なんと借り放題なんです)にて発見!
借りることができました。

いつ行ってもだれもいなくて、毎年夏の数日間は、娘とわたしの貸切状態で、新刊とか読み放題なんです。

内容の予備知識もまったくなく、
読み始めはいまひとつで失敗したかなと思いましたが、
読み進めるうちにグイグイ惹きこまれていき、
結局2回読みました。

ある日突然、妻を同じバス事故で失ったふたりの男、
ひとりは子どものいない作家、ひとりは長距離トラックドライバーそしてその子ども達の話。

普段は何の意識することもなく、今日とおなじような明日が続いている気がしているけど、
いきなり家族を失う・・・ってことになったら。
もし夫がそうなったら、娘がそうなったら。

あんなヤツ消えてほしい!って思ったからほんとにそうなったの!?
わたしのせい!?わたしが殺した!?
もっと優しくしておけばよかった、
なんであんなに叱ったのだろうとずっと後悔して生きていくのでしょうか。

本の中に
「ひとりひとりが凸凹な家族でも、前を向いてやっていくしかないじゃないか」みたいなことが書かれていて、
励まされました。


あらすじなんて知らないほうがいいと思うのでこれ以上はやめておきます。




西川さんは映画監督なだけに、この作品も映画化するのかなと思って調べたら、
もうすでに撮影に入っているみたいですが、出演者はあきらかにされていませんでした。

ところが数日前、本木雅弘さん、深津絵里さん、竹原ピストルさんなどの出演が発表されました。






なるほど、本木さんと竹原さんはピッタリだと思いました。
最後の方にでてくる重要な役の女性をどなたが演じるのか、それはわからずとっても気になります。
映画の封切りを楽しみに待ちたいと思います。


西川さんの「きのうの神様」という短編集もよかった。
また読み直してみよう。


461個の弁当は、親父と息子の男の約束。

2015-03-18 | 




この前NHKBSでドラマ化されたのを偶然観ました。

実際に本が出ているんですね。

「461個の弁当は、親父と息子の男の約束。」


作ったのはTOKYO No.1 SOUL SET(福島出身で猪苗代湖ズのメンバーでもある)の渡辺俊美さん(タレントちはるさんは元妻)
ひとり息子を育てるシングルファーザー。

高校に入学するにあたり、息子トーイくんは「3年間休まない」と宣言。
そこで父親は「3年間お弁当を作る」と宣言!

その3年間で作ったお弁当が461個だったというわけ。(仕事があるので毎日ではない)

最初に作ったのがこれ(テレビでは)



ご飯を後に入れてすぐにふたを閉めたので、あれ~それダメだよって思っていたら、
やっぱり慌ててふたをとりあおいでました。

それからはご飯を最初に入れてからおかずつめるシーンが。
最初はわからないもんね~って感じがよくでていました。

段々と腕を上げていくお父さん。
入れ物もプラスチックからまげわっぱへ、
炊飯器から土鍋にとこだわりをみせていきます。

  

3段は、息子高校生活最後のお弁当、461個め!!!

ドラマの最後は渡辺さんと息子さんが出てきます。

息子さんがこんなこと言うんですよね。
「うちのお父さんはすごいひとなんだってこと世間のひとにわかってほしい!(やっとわかってくれただったかも)」

みたいなことだったと思う(汗)


弁当を毎日作るって大変。
だから渡辺さんは決めた。

○調理の時間は40分以内
○1食にかける値段は300円以内
○おかずは材料から作る

いやいや、この豪華なお弁当、300円では無理でしょ!って突っ込みもいれたくなりますが、
まさに渡辺弁当第1号を2000個作り続けている身としては、
ひれ伏すしかないクオリティの高さ。

毎日写真撮ってブログとかに公開してたんですかね?
だったらきっとそれが励みにもなったんでしょうね。

口であれこれ言うより行動で息子の高校生活を応援し続けたお父さん、
そしてそれを素直に受け取り、父を誇らしく思える息子さん。

いい父子だな~と思いました。


少し前に友人が、高校生の娘さんの卒業式での校長先生のスピーチのことを話してくれました。

ある男子生徒が間違えて父親のお弁当を学校に持って行った。
広げてみると明らかにいつもの自分のお弁当と違う。
量も内容も。

そのことを初めて知った息子は、親の自分に対する思いに感謝するしかなかったみたいな話でした。

友人の隣りのよそのお父さんはその話を聴いて涙ぐんでいたそうです。


夫と結婚して17年。
お弁当はたぶん15年くらい作っているので年間150個としても2000個以上は作ったことになります。

でも渡辺さんみたいに立派なお弁当は未だに作れないな~。

やっぱりトーイ君がいうように、渡辺さんは『すごいひと』です!!!





渡辺さんいわく
「美談みたいになっちゃって、少し居心地が悪い」









ゆるい生活 ~群 ようこ~

2015-03-04 | 


朝日新聞の書評を読んで興味持ったのでさっそく買って読みました。

わたし、昨年11月で生理が終わったみたいなんです。
11歳から51歳までほぼ28日~30日周期で狂いなく、生理痛も全く経験なくきてましたが、
51歳の夏くらいからかな、2日くらいで終わるようになり、
12月、1月、2月とまったくないので、終わったみたいです。

それに伴ってだと思いますが、去年の夏は汗が尋常じゃなく流れ、
イライラはまぁ数年ずっとですが、
今年の年明けから全くやる気が起きずとにかく体がだるいんです。

基本わたしは丈夫(だと思ってるだけ!?)で、わりと朝も強くシャキッと起きれる方なんですが、
朝5時半に起きなければいけないのに、6時くらいまで布団でグズグズしちゃうようになりました。
家事のやる気のなさも半端なく、いろんなことへの興味がなくなり、ワクワク感も減った気がします。

そんな風でこれまでとは明らかに身体も気持ちも違うので、
この本読んでみたくなったんです。

『ゆるい生活』
群さんの実体験です。
50半ばになったある日、それは突然やってきます。
朝、目が覚めて体を起こした途端、めまいが。
日常生活は普通にできるけど、ちょっと体勢を変えた時にくるくるする。
それが4日過ぎてもよくならないので、友達から教えてもらった漢方薬局に週1回通うようになるのです。

そこで、いくつか漢方を処方してもらい、先生から毎回マッサージをしてもらい、
日常の生活を見直し、体質改善を図っていくお話。

結局7年くらい通って(今も通っていると思う)150センチくらいで53キロあった体重が、
今は45キロくらいに落ち着いているんだとか。

群さんはめまいに悩まされる前から、お酒もたばこもやらないし、自炊が基本、ほぼ野菜中心の生活だったそう。
玄米を食べ、砂糖はほとんど使わず、調味料もオーガニックなどを選ぶといった気の使いよう。

ただどうしても、毎日甘いもの(和菓子)がやめられず、それを楽しみにしていたらしい。

先生から、身体が冷えているのが原因で、甘いものをやめるように言われます。
身体に水分が溜まっているから、水の飲みすぎもよくないと。

だいたい冷えってどこにいっても言いますね、東洋医学。

それから群さんは甘いものもほとんどやめて、大好きな趣味もからだによくないものはやめて、
わたしからすれば『ゆるい生活』どころか『つらい生活』をずっと送ることになるわけです。

いろんなものを我慢して生きていくって楽しいのかな。
あれもダメ、これもダメってわたしは無理だな~。
だからこんな今のわたしがあるわけですけどね。
群さんも日々葛藤はあるようです。

身体のことで参考になる話も多いので、更年期を迎えた女性は読んでみる価値ありかも。
かなり売れているようですよ。


漢方って高いですよね。
しかも週1で何年も通うなんて金銭的に無理です(汗)

わたしはサプリとか健康食品とか常飲した経験が全くなく、
病院の薬にいたっては、1週間もらっても飲みきったことがない有様。
とにかく3日続かないんですよね~いろんなことが(汗)

そんなわたしも、漢方でも飲んでみようかとも思って、ネットで検索してみたんですが、
以前漢方飲んでそれこそ目をまわしてすぐにやめてしまったことを思い出し、
1月の終わりから、鍼灸院に通ってます。
ここでも冷えを指摘されました。
わたし低体温なんです。基本35度くらい。
冷えてると言われるんですが、暑がり。
手足が冷えて眠れない経験もないし、冷え症っていうのがわかりません。
でも内臓が怖ろしく冷えているから逆にほてるらしい。


最初に、しばらくは間を空けず週1回は来てほしいと言われました。
続けて3回通いましたが、1回5000円なんで、
毎週はきついな~と思っていたら、
それを察知したのかこれからは2週間に1回にして様子をみましょうと言われました(笑)

先生は月に2回、気功教室もやっていておもしろそうだったのでそちらも参加することに。
気功教室のある日に鍼もしてもらっています。

先生が毎回「どうですか?体調は」って聞いてくるんですが、
これがさっぱりわからんのです(汗)

本に書いてあったけど体の反応が鈍いのってよくないんだそうです。

お腹一杯がわからないから過食になるし、体によくないもの食べても下痢もしない。
これって丈夫なんじゃなく、鈍いだけかも。
よくわからないけど、もう少し通ってみようと思っています。

気功も、皆さん(10人くらい)でゆっくり呼吸しながら体を動かしている時間が、
不思議とリラックスできるというか無心になれるというか。
東京からもう2年くらい通っているという方がいらして、
家でもやってるのか聞いたら、ここでしかやらないんだそう。
それでも自分にはあってると思うし、ここでみんなでやるのがいいんだと思うとその方もおっしゃってました。
今後は気功教室だけでもいいのかなとも思ってます。


中華街にあるので、診療が終わった後に、毎回違うお店の肉まんを買って、
それを頬張りながら駅まで歩くのが楽しみのひとつ。

せっかくの効果が、肉まんで台無しになってるかも・・・。


ふたりのおしゃれ

2014-12-10 | 
「大人になったら、着たい服」のナチュリラからでたもの。

そろそろ「大人になったら・・・」も厭きられてきたようで、今度は夫婦ものでいこうといった感じでしょうか。

オシャレなご夫婦に、普段どんな服着てますか?みたいな切り口なんですが、
服だけじゃなく、夫婦についていろいろ聞いていてそれもおもしろかったです。

50代以上の夫婦のほとんどがお互いに望むことに「健康」をあげているのに大いにうなづけます。
この年齢ともなれば「服」より「健康」ですもんね。
わたしも、実感してます。




どこもご主人がダンディ。
オシャレな人は男性でも太ってないですね。



わたしが一番印象に残ったのは、
福岡にある「スリービーポッターズ」という雑貨ショップのオーナー石井風子さんの言葉。



風子さんに対する質問

今でも「別れたい」と思ったことはありますか?
それでも「やっぱり」と思い直したのはなぜですか?




合わないところはどんなに時間をかけても合わないと悟り、

自分の許容範囲と
協調性にかけてみようと思ったから





わたしもどこまで続けられるか自分にかけてみよう!(笑)


岩波少年文庫創刊40周年記念 特装版

2014-11-12 | 



図書館で娘が借りた『みどりのゆび』の装丁がとっても素敵だったので、
調べてみたら、
『岩波少年文庫創刊40周年記念 特装版』というもので、
30冊のセットで1999年にでたものでした。

すでに絶版になっているようで、ネットで売りに出ていないか調べたらありました!
半額になって。

30冊のなかには何冊か持っているもの(通常の岩波少年文庫)もありましたが、
ハードカバーなので、娘の子どもだってもしかしたらその子どもだって読めるかもってことで、
思い切って大人買いしました。

中古だからそれほど期待はしていませんでしたが、
背表紙が色焼けしているくらいで、読まれた形跡もないくらい綺麗でした。






ウィリアム・モリスのものらしいです。


「不思議な国のアリス」をさっそく読んでいましたが、
余計不思議さが増していて、ますますわからなくなった・・・って言ってました。
岩波少年文庫の昔の小説は、内容がちょっと難しいですもんね。



これからの時期「飛ぶ教室」おすすめです。




「ポースケ」と「雪と珊瑚と」

2014-06-10 | 


好きな作家だったこと、そして装丁に魅かれ、図書館でみつけた2冊。


「ポースケ」津村記久子・著

ちょっとマヌケなタイトルと100%ORANGEの挿画に魅かれたんですが、
ポースケ、まったく予想のつかない意味でした。

商店街の2階でカフェを経営するヨシカとそこで働く人とお客さんの話。
最初はあまりの登場人物の多さに、ちょっと紙に書いて整理しないとわかんないくらい。
頭の中に話が全然入ってこなくて、数ページでいったん本を閉じちゃいました。

でも最初の30ページをクリアすれば、あとは大丈夫。

その中の「亜矢子を助けたい」はカフェの午後の部にパートに来てるトキコ(50代)の話。

結婚し東京で暮らしている長男、ひきこもり定職につかない次男、就職活動まっただなかの長女の3人の子供の母、
夫がリストラされたのを機に引っ越し。
契約社員になった夫を助け、午前はコンビニ、午後はカフェと掛け持ちで仕事。
唯一の楽しみはテレビ。

就職活動に苦戦する娘、ひきこもりの次男、失踪した長男と、
なかなかまっすぐに行かない人生を送っている子供を抱えた母親の、
子どもに対する愛情が、重苦しくなくさっぱりとした津村記久子調で描かれている。

ちょうど読んでいた深夜、友人から電話があり、
彼女の高校生の息子にまさかの事件が起き、目の前が真っ暗になったと。
驚き、その夜はわたしもなかなか寝付けず翌朝もスッキリしなかったのだけど、
翌日また電話があり、
「今、昼休みだからさ、ご飯食べながらでごめん」と口クチャクチャさせながら
「わたし負けんよ、生活かかってるしね」との友人の明るい声にすこしホッとしました。

母は強し!

「人生は一喜一憂しかない、我々しもじもの者は、一つ一つ通過して、傷付いて、片づけていくしかないのだ。
そうする以外できないのだ」
そう言ったトキコと友人を重ねながら、しみじみそう思った。

舞台は奈良。
近鉄沿線沿いなのか、生駒、上本町、心斎橋、戎橋筋商店街、なんばWALKなどがでてきて、
懐かしさがこみ上げてきました。

以前食べに行った東生駒のシフォンケーキのお店の女性が、
主人公のヨシカとダブってしまって仕方なかったわ。







「雪と珊瑚と」梨木香歩・著

こちらは梨木さんなので、静謐な雰囲気を持った作品。
21歳という若さでシングルマザーになった珊瑚が、様々なひとの助けを借りてカフェを開くお話。

身寄りもない、貯えもない、中卒、しかも乳飲み子を抱えたシングルマザーが、
どうしてこんな素敵な店を開けるのか、現実的ではないまさに夢のような話。、
それでも、せめて小説のなかくらい夢があってもいいんじゃないかと思える内容でした。
「西の魔女が死んだ」が好きな方ならこっちもきっと気に入ると思います。

出てくる料理のレシピがどれも作ってみたくなるものばかりで、そちらも参考にもなります。


偶然どっちもカフェのお話でした。
今流行ですもんね。
でもなんで今カフェが流行るのか、この2冊を読んでわかる気がしました。

内容もリンクしているところがあって。
作風は全然違うんだけど、言いたいことは一緒のような。

ひとはひとりでは生きられない。
ひとによって傷つき、ひとによって救われる。
どんな困難な人生だって、きっと希望はある。

どちらの本からもそんなことを感じました。


「働く」ってお金もらうだけじゃない、そんな当たり前のことも。



喜嶋先生の静かな世界 ~森 博嗣~

2014-05-18 | 

森 博嗣、一度も読んだことがありませんでした。
本が好きですなどと恥ずかしげもなく言ってますが、この作家の名前、知りませんでした。

書店で平積みされていたこの文庫本には、書店員さんの手書きのポップがついていて、
そのおすすめ文章に魅かれ、買ってみました。

理系の大学院で研究にあけくれる主人公の話なのですが、
国立の理系学部の准教授だった著者の自伝的小説だと言われています。

読後、喜嶋先生というひとの生き方についてあれこれ考えてしまいます。


できればわたしのように何の予備知識もないままお読みになるのをすすめます。
この本、わたしのおすすめベスト10に入るかも。
それくらいよかったです。


樋口可南子のいいものを、すこしのスタイリング

2014-01-24 | 
エクラに連載されていた「樋口可南子のいいものを、すこし」のスタイリングが好きでした。
いつも立ち読み(汗)でしたが。

時々あ~あのスタイリングをもう一度みたいな~と、
関西に来て大きな書店に入るたびに、単行本を探してみましたがみつからず。

アマゾンに夫の本を注文した時に、ふと中古ででてないかみてみたら、
300円(定価は1890円)くらいででていたので、
少々傷んでいてもいいかなと注文してみたら、
それはそれは新刊かと思わせるようなちゃんとしたものが届きました。

樋口可南子さんは現在55歳。
撮影当時は多分50歳くらいかと思われます。

写真の可南子さんがとっても素敵なんですよね~。
ほんとにお美しい50代です。





スタイリングは佐伯敦子さんというかた。

あとがきに

スタイリストの佐伯敦子さんは、当然のことながらとてもおしゃれさん。
ファッションページのスタイリングと異なる「ファッショナブルになりすぎず、なるべく普通に」
というむずかしい注文に応える、
小技をきかせた佐伯流はさすがでした。

と書いてありました。

なるべく普通にってスタイリストの方にとっては難しい注文なんですね~。
わたしはこの普通な感じがとってもいいんだけどな~。



わたし、影響されて買っちゃいました!(どれに影響されたかわかりますよね)


                       


神戸の元町のアーケードをブラブラ歩いていたら、あるお店のショーウインドウに飾ってあったんです。

まさかの70%オフ!(どんだけ売れ残ってんだ)
まさかのヒール10センチ?(そんな高いの履いたの結婚式だけだろが)
いったいどこに履いていくつもり!?(そんな場所ないだろ)

ほんとまさしく衝動買い。

靴だけ買っても樋口可南子にはなれないのよね~。
そこにまず気づくべきだったわよね~(涙)


食べること、やめました ~森 美智代~

2013-04-18 | 
加齢臭が気になっているわたし。
休日に本屋さんでたまたま「プチ断食」の本を立ち読みしました。

体臭や便臭や口臭の原因は腸が原因らしいので、断食して腸を休ませてあげるといいみたいなことが書いてあったので、
翌日図書館で断食の本を探してみました。

そしたら気になる本を発見!

「食べること、やめました ~1日青汁1杯だけで元気に13年~ 」

すごいんです、その著者の方。
まさに本の題名通り、かれこれもう20年近く1日青汁1杯飲むだけの生活をなさっているんです。

どういう内容かというと

森/美智代
1962年、東京都生まれ。
短大卒業後、養護教諭として小学校勤務をしていた1984年に難病の脊髄小脳変性症を罹患。
以来、西式・甲田療法に専念し、難病をみごと克服。
その後、鍼灸師の資格を取得し、大阪府八尾市で鍼灸院を開業。現在、森鍼灸院院長。
甲田光雄医師の著書でたびたび紹介されている「仙人2号」のMさんとしても知られる。
本格的な断食・生菜食療法を実施してからすでに24年、1日青汁1杯のみの生活になってからは丸13年を超えている。
鍼灸治療のほか、講演などでも活躍中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
~アマゾン書評より~

食べないと死ぬ、あるいは不健康っていうのが常識ですよね。
でも食べないことで健康を取り戻し、体も脳もどんどん元気になっていくんです。
常識を覆す「食べない生き方」
驚きの連続の内容です。

本は読みやすいですし、青汁(生菜)の作り方もわかりやすく書いてあります。



大阪府八尾市で『森鍼灸院』をされているということなので、
さっそく予約(午前9時)を入れてみました。

9時ギリギリに鍼灸院の扉を開け、「9時に予約してます○○ですが」というと、
女性と男性がいて、女性はすぐに森さんだとわかりました。
でも何の返事もなく挨拶もなく・・・。

お金をおろしたかったので、「すみませんがコンビニの場所教えてもらっていいですか?
そしてちょっと行ってきていいですか」と言ったら、
「すぐ近くにありますよ」と男性の方が感じよく教えてくださいました。
お金をおろして、急いで鍼灸院に戻ったら、
別の男性で制服を着た方が受付にいて、問診票を渡され、
椅子に掛けてしばらく待つように言われました。

ジャージに着替えていいか聞くと、じゃあこっちでと、
施術室!?に3つベッドが並んでいて、真ん中のベッドを使うように言われました。

着替えると、横になってくださいといわれました。

隣のベッドではコンビニを教えてくれた男性が施術を受けていました。
知り合いの方のようで、3人で話が弾んでいました。
前日にこちらのことがテレビで放送されたらしく、そのことについて盛り上がっておられたかな。

スピリチュアルっぽい話で、横になって盗み聞きしながら、
なぜかふと、オウムも最初はこんな感じだったのかな~なんて思いました。

そんなことを考えていたらいきなり森先生がはいってこられ、
何も言わず手を取って脈をとるようなしぐさを。
そのあといきなりお腹の上に何か置かれました。

一切説明がないので、不安になり「これはなんですか?」って聞いたら「お灸」って。
初めてお灸しました。全然熱くなかったです。
でも特に体がぽっぽすることもなく。

問診票に、気になるのは加齢臭と鼻が詰まって息苦しいと書きました。

だからでしょうか、お灸の後、鼻の両側に針を刺された気がします(目を閉じていたのでみていない)
それと喉の付け根のところもじゃないかな。

あと鼻からまっすぐ上の額と髪の毛の境目をゴリゴリされました。
指も1本1本爪の下あたりをなんかされました(汗)
足の裏とかもみられたかな~。

その後うつ伏せになりました。
そしたら男の人が今度は入ってきて、服の中に手を入れて直接肌をさすられたような気がします。
ズボンも結構下にグイッとおろされ、お尻は触られなかったけど、なんでかよくわかりません。

その後は着替えて、今度は隣のベットで、ブーツの形をした足湯たんぽをつけ、
体にたぶん電気かなんか機械で流してくれたんだと思います。

だいたい40分くらいかな~。

先生から言われたのは
「珈琲、甘いもの、果物はやめてみて、3ヶ月」
それだけ(汗)

「わたしどこが悪いんですかね?」って聞いても、なんかよくわからないようで、もごもごと言われただけ。

家に帰って気が付いたのですが、両方の背中の上の方にピップエレキバンみたいなのが貼ってありました。

先生は何も言わず、また次の順番の男性の方の施術にはいられたので、
体をさすってくれた助手の男性に「また来た方がいいですか?」って聞いたら、
結局は食事で、針やお灸は一時しのぎにしかならないというようなことをおっしゃいました。

多分そうだろうと思います。

肝心の効果ですが、さっぱりわかりません。
体がもともと鈍いので、なにをしてもらってもダイレクトに体に感じることがあんまりないわたし(汗)

森先生ももう少し何かアドバイスしてくれないかな~と思ったけど、
後の男性にはわたしよりは話していたように思います。

先生と同じ年齢だし、中年の女性は嫌いなのかしら(笑)

先生は、生菜や断食をするようになって、不思議な力が覚醒したみたいで、
ただのひとではないようです。
だからわたしみたいな半分興味本位で施術してもらう人間は見抜いておられるのかもしれません。

でも加齢臭(私は髪の毛の油っぽい匂い)は気になっているので、
とりあえず先生のアドバイスの、
甘いもの、果物、珈琲は辞めてます、まだたった4日だけど(汗)
どう考えても一生は無理。
だけど、我慢できるまで頑張ってみて、体臭がどうなるかちょっと挑戦してみますね。
1ヶ月も無理っぽいけど。

3人でお話していらっしゃるのをじっと聞いていたのですが、
生菜をやると、中高生は学力が伸びるらしいです。
森先生は試験のヤマが当たりまくっていたとか。

それと先生の知り合いの方もずっと同じような生活をなさっているようで、
お子さんが「お母さんの体が透けてる」って言ったそう。
その後、ご主人が食べていたラーメンの汁を一口飲んだら透けていたのが元に戻ったとか。

いったいどこの世界の話なんだ?

でもそういった世界に詳しいミカちゃんに話したら、あんまり驚いてませんでした。
3次元の世界では生きてないらしいひとがいるみたいです。


世の中にはいろんな方がいますね。
もしかしたら森先生も神様なのかもしれないなと、そんなことを思いました。










ねにもつタイプ ~岸本佐知子~

2012-12-18 | 

小川洋子さんがラジオで来週紹介する本が「ねにもつタイプ」

どんな本かもわからなかったけど、ピンとくるものがあり、すぐに図書館へ。

エッセイの形をとっているけど、小説のようでもあり。

笑えないのですよ、内容が。
本のそこここに昔の自分をみつけてしまって怖ろしいくらい。
給食食べるの遅い、リカちゃんじゃなくタミーちゃんだったところから、
全く関係ない場面で全く関係ないこと妄想して止まらなくなるのも一緒。
物に感情はないはずなのに、感情移入してしまうところも。

「じんかん」
二年生の時、朝礼の校長先生の話を聞きながら、うつむいて自分の体を見ていた。
体の脇に、腕がだらんと垂れている。・・・・


作者は肘の「折り曲げ線」が正面を向いているのをみて、
自分の肘の付き具合がおかしいことに気づくのだけど、
私もまったく同じ経験をしている。
違うのは朝礼ではなく体育の時間だったこと。

ディテールまで怖ろしいくらい一緒。
というかまるで自分のこと。

手のことは誰にも気づかれてはならない、
どうしたらいいの!?って恐怖に近い思いを抱えていたのは今でも鮮明に覚えているくせに
その悩みがいつ消えたのかはさっぱり覚えていない。

ポートボールで友達にボールを取られるくだりも、全く同じ経験をしているのです。

あそこもここも似てるな~なんて遠い昔を思い出しながら読んでいたら、
そういえば体育の時間、
なにか考えていたのか、ひとりだけずっと前ならいをしていたわたし。
先生とすでに手をおろしているクラスメイト達の冷ややかな視線に気づいた時の恥ずかしさといたたまれなさ。
真っ赤になってオシッコ漏らしそうになったことまで思い出しました。

オドオドした子だったよな~、わたし。
小学校の時の通知表には、欠かさず「想像力豊か」って書かれていたけど、
あれは妄想力って言いたかったんだとと今ならわかります。

「気がつかない星人」「気がきかない星人」もわたしのこと。
厭味に気付かず真に受けて喜んだり、冗談をまじめに受け取って怒ったり。
若い頃はそんなんで痛い目に会うこともよくあり、つらいことも多かった。

本に「私は、いつか自分の星に帰る日を夢見ている」って書いてあって、
たしかにあの時の私だったら行ってみたかっただろうけど、
今の私はひとのアラばかり探すような心が捻じ曲がった大人になったんで、
その星に行ってもまた苦労しそうだわって思ってしまう。

この本の作者の気持ちが全く理解できない人もきっといると思う。
さっきアマゾンを読んだら、笑えた!って感想書いているひといるけど、私は笑えないんだよな~。
顔が引きつってしまうんです。
だから理解できない人、笑える人がうらやましく思える、きっと明るい人生歩んできたのだろうなと。

でもこの作者、
わたしのように生きにくい人生を歩んできたのかといえば、経歴だけみればとんでもなくて。

大学は上智で、就職先は洋酒メーカー宣伝部(多分サントリー、花形ですよね、宣伝部)
そして今は翻訳家。
華麗ですよね~。
サントリーってどうよ、よっぽど強力なコネがあったのかあるいは実は世渡り上手なのか。

自分と同じようなオドオドした自信なさそうな感じの人を想像していたら、
実際はサバサバして賢そうな自信満々の冷た~い雰囲気の人が現れたりしてガッカリ・・・なんてね。

まぁそれがおもしろかったりするんだけど。

でもやっぱり自分とは全然違うな。(あんたと私は全然違うって作者言うよね・・・汗)
手がヒンヤリ冷たそうだもんこの人。わたし暑苦しいタイプだし。


「ねにもつタイプ」
タイトルに魅かれ手に取り、
読んで再びこのタイトルがストンと腑に落ちるのです。


ちょっとだけ ~瀧村有子~

2012-12-15 | 



娘の習い事の帰り、耳鼻科へ。
わたしの鼻の具合が悪くて。

娘はその間、待合室で本を読んで待っていてくれました。

治療も終わり、調剤薬局に行ったらものすごく混んでいて30分くらいかかると言われ、
駅にあるマックで待つことにしました。

そこまで歩いていく途中、娘が、
さっき読んだ「ちょっとだけ」がとてもいいお話だったというので、
どんなお話だったの?と聞くと、

「なっちゃんのところにあかちゃんがうまれ、なっちゃんはおねえちゃんになりました」

と話しだしました。


わたしもとてもいいお話だと思いました。

読んでない方は、ネット検索などせず図書館や本屋さんへ。


きなりの雲 ~石田千~

2012-08-29 | 
石田千さんの文章が好きです。

図書館で『きなりの雲』を借りました。
エッセイかと思ったら小説でした。
あの田中慎弥さんと芥川賞を争った作品だったようです、知りませんでした。

静謐で体臭なんて一切臭ってこないくらい清潔感が漂う文章。
なのに不思議と登場人物皆の体温は伝わってくるのです。
血が通っているというのかな。

主人公さみ子のモデルは、石田さんご本人かしらって思う。

新潟が頻繁に出てきてそこがまたうれしい。
新潟出身の編み物作家三國万里子さんも思い浮かびました。
新潟でも有名な雑貨のお店はエフ・スタイルがモデルかしら。
そんな想像もして、ますますこの作品に惹き込まれます。

40すぎの独身女性がふられて落ち込みゆっくりと時間をかけてまた元気になってゆく・・・
ざっくりいえばそんな内容ですが、
なんともいえない温かい気持ちに包まれるそんな小説でした。



                  

彼女が元恋人に贈ったベストはこんな感じかな?(三國万里子さん作)


                  

石田千さん。

いつも背筋をぴんと伸ばし、きっとまっすぐな人なんだろうなと思います。


旅行者の朝食 ~米原万里~

2012-05-07 | 
米原万里さんの「旅行者の朝食」を読みました。


                  



米原さんのエッセイはどれを読んでも抜群におもしろく、彼女の博識ぶりに舌を巻きます。
2006年にお亡くなりになったのが惜しまれてなりません。

「旅行者の朝食」はすべて食べ物の話。
フランス料理といえばコース料理だけど、それってよその国の習慣を真似たもので、
本来フランス料理といえば全部の料理が一斉にテーブルに並べられた。

キャビアはチョウザメのお腹を切ってキャビアを取りだした後は、開口部にジッパーを取り付ける。
このジッパーはYKKのもの。(ガセネッタ)

子供の頃にロシア人の友人にひと匙だけ食べさせてもらって、
一瞬にして虜になったハルヴァ(トルコ蜜飴)という幻のお菓子を求めて奔走する話やら、
家を建てるので参考にするために古い洋館建築を見に行ったはずなのに、
神戸の街で朝から夜までひたすら美味しいものを食べまくって帰ってくる話。

読んでいると、こちらまでハルヴァ食べてみた~い、神戸で食い倒れたい~!って切望してしまう。
この本を読んだ人はハルヴァが気になって仕方がないこと間違いなし。

本のなかに、アンデルセン童話の「パンを踏んだ娘」が紹介されていました。
米原さんいわく、この話はアンデルセンの怖い話の代表格なんだとか。
最初に聞いたのはラジオの童話朗読番組だったらしい。
娘役の女優さんの発した「キャーッ」という叫び声が耳に焼きついてしまって、
その後3年間くらい、水たまりに出くわすとどんなに面倒でも遠回りしたんだそう。

そんな話、知りませんでした。
さっそくネットで検索、ユーチューブで聴くことができました。

こりゃ子どもには怖いわ!
娘にもも少し小さい時に読ませればよかった。





米原さんはロシア語の同時通訳の第一人者として名高いおかたですが、
この同時通訳なる仕事、ただロシア語が上手なだけじゃ無理なんですね。

ヨーロッパ文明圏の言語を持った人の通訳となると、
ギリシア語、ラテン語も知っとかなくてはいけないらしい。
慣用句やら有名な詩の一節を口にしたりするから、そちらの知識も必要になってくる。
彼女の怖ろしいほどの見識の深さが、ロシア語同時通訳の第一人者と言われる所以なのかもしれません。

米原さんの本を読むと、ロシア絶賛なエピソードが多く、
ロシアのひとが大好きなんだろうなっていうのが伝わってきます。

国と国の政治やら経済的な事情はいろいろあるけど、
国民のひとりひとりが親善大使なんだな~ってしみじみ思いますね。
実際に関わって得た他国のひとのよき印象は、国同志の政治的な争いとかそういったことを超えますもんね。