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you are my sunshine

40代でblog始めてあらもう60代。
光陰矢の如し。年が明けたらあっという間に年の暮れ。

春にして君を離れ アガサ・クリスティ

2021-09-25 | 

読書会7月の課題本は、

アガサ・クリスティの「春にして君を離れ」でした。

~優しい夫、よき子供に恵まれ、女は理想の家庭を築き上げたことに満ち足りていた。が、娘の病気見舞いを終えてバグダッドからイギリスへ帰る途中で出会った友人との会話から、それまでの親子関係、夫婦の愛情に疑問を抱きはじめる…女の愛の迷いを冷たく見据え、繊細かつ流麗に描いたロマンチック・サスペンス~(Amazonより)

 

ミステリーの女王アガサ・クリスティの作品を読んだことがなく、ただこの本は、子育てに悩む母おすすめの本と書かれていて、まだ娘が小学生の頃に一度図書館で借りたことがありましたが、パラパラとめくっただけで、読まずに返却したことがあります。

 

今回は課題本なので、ちゃんと読もうと手に取りました

 

わたしはこの本を読みながら、紀子さまを思い浮かべてしまったんですねー。

もちろん自分に重ね、子育てや夫との関係を反省したり。

でも2回目を読み返すうちに、だんだんと主人公である嫌な女ジョーンに共感しはじめるわたし。

夫も子どもたちも勝手なことばかり言いやがって!ってやつです。

ジョーンと対局にいるレスリーという女性の生き方がこれまたねー。

当然zoom読書会、盛り上がりましたよ。

なんせ全員が妻であり、母親ですから。

Sさんが自分のことのようだと課題本に推されたんですが、誰もが主人公に自分を重ねて読んでしまいます、間違いなく。

ミステリーって書いてあるけど、他の作品と違ってこれはミステリーじゃないよねって皆で話していたら、Tさんがこれは間違いなくミステリーだと言われて作品の核心を突く感想を。

皆、Tさんの鋭さに感服でした。

またまた語りたいけど、ネタバレになるので、

読んだ方とコメント欄で!

 

おすすめでーす!

 


二大絵本作家

2021-05-28 | 
はらぺこあおむしのエリックカールさんが亡くなりましたね。
91才だったそうです。



今朝の朝日新聞で知ったのですが、
あの穴あきの仕掛けや、ページの幅がさまざまなんで、
アメリカでは本にしてくれる会社がなく、
1969年にアメリカで出版された初版本は、
なんと日本で印刷されたものだそう。

68年夏に、日本を訪れた担当編集者が日本の出版関係者に試作本を見せてまわり、
偕成社の社長今村氏(故人)がこの絵本に惚れ込み、
引き受けてくれる印刷・製本会社を見つけてきて、
最初の「はらぺこあおむし」は日本で作られたのだそう。




これだけ子どもに人気なのは、絵も内容もさることながら、
あの仕掛けがあるからですよね。

偕成社社長、よくぞ!
感動的です。

娘もこの記事を読みながら、
やっぱりはらぺこあおむしとミッフィーが最強だよねと言いました。



わたしは絵本よりキャラクターグッズから入りました。
今のミッフィーじゃなくて古いほう。
ミッフィー大好き!



ディック・ブルーナさんも優しそう。

世界中のひとたちが笑顔になる絵本を作り出すひとたちのおかげで、
楽しく豊かな時間を持てました。

わたしも娘もたくさんお世話になりました。
ありがとうございました。




2006年、そごう美術館の「ミッフィー展」にて。


三四郎(夏目漱石)を読む

2021-05-16 | 
5月の読書会の課題本でした。

夏目漱石の小説に出てくる主人公の男性たち、苦手です。

「こころ」は高校の教科書に一部出てきて、
それをきっかけに全部読みました。

「三四郎」「それから」「門」も20代でなにを思ってか挑戦したことがあります。
旧仮名遣いで読みづらく、流し読みでした。
ぼさっとした記憶しかありません。

今回、BOOK・OFFで探したところ、
現代仮名遣いで文庫本がでているではありませんか。
これは読みやすいと喜んだものの、内容はやはりスラスラとは入ってこない。

本はわりと読むほうだと思いますが、
パッと開いて、漢字とひらがなの配分をみるんですね。
読みやすそうな本を選びます。
旧仮名遣いの近代文学はほぼ読んでません。

さて「三四郎」
田舎からでてきた東大生三四郎のウブな恋心を、
都会育ちのお嬢様美禰子がちょっぴりもてあそぶ話と理解しました。

初めての出会いで、ふたりがすれ違う時、
美禰子は、白い花を落としていくんです。
わたしはそれが強烈に印象に残りまして。

美禰子は野々宮が好きなんだけど、
彼は研究と学問にしか興味がない。
野々宮に振り向いてほしくて三四郎を当て馬にしたように感じました。

最後のほうで、罪の意識もあったみたいなこと言ってるし。
結局、金持ちの男にあっさりと嫁いでいく美禰子。

これまで読んだ漱石の作品に出てくる主人公たちは、
裕福な家に生まれた知識人ばかりで、考えすぎて自家中毒起こしてるように思います。
お金の心配をせず、好きなだけ本を読んで、
好きなだけ学問ができて、好きなだけ考える時間がある。
いいご身分なんです。
彼らに振り回される女性たちが気の毒に思えます。
美禰子は別ですが。

「海辺のカフカ」とどこか似た印象を持ちました。

「海辺のカフカ」に出てくる星野青年と、
「三四郎」に出てくる与次郎、
このふたりに、わたしはホッとします。

要するに、三四郎はヒマなんだろうなーっていうのがわたしの感想。

この後に、石牟礼道子の「苦海浄土」を読んだせいか、
ますます「三四郎」の世界がぬるく感じられたのでした。

ちゃんとした感想は検索すればいっぱいでてくるので、
そっちを参考にしてください。

ちひろさん

2020-06-27 | 
モーニングゲート(6月30日いよいよ停波・・・涙)で遠藤麻理さんが紹介していました。


ちひろさんは元風俗嬢(街では有名)で今は弁当屋の店員。
気風のいい姉御肌で美人なちひろさんは、老若男女問わず人気者。

なにかしら心に傷を負った人たちに、わりと積極的にちひろさんは関わってゆきます。
ちひろさん自身傷があるから、同じ匂いのする人間に敏感なんだと思います。

1巻から9巻まで、3回に分けて大人買いして、一気に読みました。

ちひろさんが風俗で働いていた時のお客さん寺尾さんの言葉

私たちは皆、人間という箱に入った宇宙人なんだ。
「おなじ人間だから」ってよく言うけど、
一人一人みんな来た星がバラバラなんだから
わかりあえないのが当然なんだ。

ちひろさんはそこでつぶやきます。

いいんだ、
理解できなくても
理解されなくても

しょうがないじゃない。
別の星の人なんだから。


ちひろさんみたいに、あんなにカッコよく強くは生きれないな。
わたしなんて2巻の第9話「休日」にでてきた中華円楽のお嫁さんみたいだなって思ったわ。
夫に口答えはするけど。

あなたはあなたでいいんだよって認めてくれるひとがいたら、
ひとはどうにか生きていけるものなのかもしれないな。

読んでよかったです。

作者は安田弘之さん。
あの「ショムニ」の方です。
モーゲーにも出演されてました、電話だったかな。
新潟出身で新潟大学卒業で、今は板橋在住みたいです。
ドラマも大ヒットでさぞやと思ったら、偉ぶるところもなく、
自然体でした。

大学はあまり行けてなかったようなことおっしゃってました。
先生もお辛い時期があったようです。

最後に麻理さんが安田さんに「新潟の皆さんになにか伝えたいことがあれば」とお願いしたら、
安田先生「ないっ!」ってきっぱり言い切りました!

ペスト ~カミュ~

2020-05-03 | 

こんな時しか読まないだろうなとAmazonで購入。
1500円くらいしたのだけど、届いて定価見たら750円(税別)だった。
おとといあたりにサイトをみたら850円くらいになってた。

中古本じゃないなら、定価か安いのが当たり前で、
注文が殺到すれば入荷待ちだと思っていたけど、
マスクと同じなんですね。2倍の値段につりあげるとは。

ペスト、難解でした。
頑張って2回読んだけど、1回目、とにかく頭に入ってこない。
2回目で登場人物全員をやっと把握した。

80年前のアルジェリア、オラン市を舞台に描かれているが、
今の状況と驚くほど酷似している。

主人公のリウー医師が、
今最前線で治療にあたっておられる医療従事者の方々の姿なのだろうなと思う。

まだまだ籠城は続く。
3回目に挑戦します。

娘は読んで「銀河鉄道の夜」とちょっと重なったと言ってました。

年末年始「みをつくし料理帖」を一気読み

2020-01-05 | 
人気なのは知っていたけど、興味がなかった。
それがたまたま12月にNHKで2回にわたって放送された「みをつくし料理帖スペシャル」に心を鷲掴み。

原作を読みたくなり調べたら10巻と特別編1巻が出ている模様。
夫からもらった2万円の使い道は決定!

まず書店で1巻を買って、あとはブックオフへ。
とりあえず4巻。
年明け残りを揃えようと再びブックオフへ。
やったー!全商品2割引き。
ただ「心星ひとつ(6巻)」が見当たらず。
でも残りを全部買って帰り、贅沢な一気読みー。

今年の初読みは、大当たり!

2巡目は、丁寧に読んでいこう。

この作品、「チャングム」みたいに、
NHKでスペシャルの続きを、
1年くらいかけてやってくれないかな。
間違いなく大ヒットとなると思うんだけどな。

澪ちゃんと野江ちゃんが蒼天を仰ぐ日を、映像でもみてみたい。



NHK土曜時代ドラマ「みをつくし料理帖」予告編



●追記●

「みをつくし料理帖」BSプレミアムで6日から毎日午後5時から再放送が始まりましたね。
録画して観てます。


“WONDER”そして“もうひとつのWONDER”

2019-09-28 | 

11月の読書会の課題本「WONDER」

インパクトのあるブルーの表紙、きっと多くの方が本屋さんで見かけていると思います。
わたしもそうでした。何度も目にしました。
でも一度も手に取ることがありませんでした。

ジュリア・ロバーツが母親役で映画化もされ、
それをいろんな雑誌が取り上げ紹介している記事も読んで知ってはいましたが、
頭の中を素通りでした。

メールで今度の課題本は「WONDER」ですと送られてきましたが、
ピンときませんでした。
ネットで検索し、あーあの映画の原作なのかとわかり、
横浜ビブレのブックオフへ。

いつもはエスカレーターで上がるのですが、その日は急いでいたのでエレベーターで。
扉が開いた目の前が児童書の棚で、まるでわたしを待ち構えていたかのように、
棚の真ん中のブルーの背表紙が、目に飛び込んできたのです。

児童書だってことは知らず、海外文学コーナーを探すつもりでいました。

エレベーターをでてわずか1分もかからずに、お目当ての本を手に入れることができました。

「WONDER」
顔に大きな障害を持って生まれてきた男の子の話です。
以前朝日新聞で記者の方のお子さんが顔に障害を持って生まれてきたことで、
顔に障害を持つ方たち数人を取材し取り上げていた記事がありましたが、
読んでいてちょっときつかった記憶があります。


~オーガスト・プルマンはふつうの男の子。
ただし、顔以外は。生まれつき顔に障害があるオーガストは、はじめて学校に通うことになった。
だが生徒たちはオーガストの顔を見て悲鳴をあげ、じろじろながめ、やがて「病気がうつる」と避けるようになる。
一方で、オーガストの話をおもしろいと感じる同級生は少しずつ増えていた。
そんなとき、夏のキャンプで事件が起こる……。全ての人に読んで欲しい、心ふるえる感動作。~(Amazonより)



この小説は、主人公の男の子、友達、姉、姉の彼氏、姉の友達の独白でそれぞれの章が構成されています。
特に姉の章は、障害を持った弟がいる姉の気持ちがとてもよく描かれています。
弟のことで自分の友達が離れていく寂しさだったり、
自分を知らない人が多い高校生活では弟のことを知られたくないと思う気持ちと、
そんな気持ちになる自分を責めてしまったり。
自分に悲しいことがあっても、弟がもっとつらい思いをしているんだからと自分に言い聞かせたり。

本人もそうだけど、障害のことで、その家族もまたいろんな気持ちを抱えて生きているわけですよね。


主人公オーガスト10歳。
ずっと家でお母さんに勉強教えてもらっていたけど、とうとう学校に行くことに。
その顔にみんな驚き、避けられます。いじめだって受けます。裏切りにだってあいます。

でもやっぱりいるんですよね、彼に興味を持つ子が。
いろんな考えのひとがいるってことは大事だってこういう時改めて思いますね。

いっぱい書きたいけど、ネタバレになるからやめときますね。

オーガストを執拗にいじめるジュリアンって男の子がでてきます。
「WONDER」ではジュリアンの章はないんです。
いじめっ子側の気持ちも知りたいですよね。
残念だなと思っていたら
出たんですね「もうひとつのWONDER」



こちらではオーガストは主人公ではありません。
「WONDER」を読んだら絶対にこちらも読んだほうがいい。いや読むべき!
オーガストをいじめていたジュリアンの章ももちろんあります。
そして終盤に記された驚くべき事実に、あなたは気づくか!(なーんてね)

それにしても、悩みは万国共通なんだな~としみじみ思います。
思春期独特の友達関係の悩みなんて、外国の子は日本の子よりさっぱりしているのかと思っていたけど、
この本を読んだ限り、あんまり変わらない。
スクールカーストってどこにも存在するんですね。

たぶん読書会の課題じゃなかったら、手に取ってなかったと思います。
あのブルーの表紙のなかにはこんな素晴らしい話が書かれていたとは。
この本はおおむねハッピーエンドです。
ただちょっと出来すぎかなって思わないでもない。

わたしは遠い昔、養護施設に併設された養護学校で働いていたことがあり、
そこに行って初めて、世の中にはこんなにも様々な障害があるんだとショックを受けました。
知的な面と身体的に重複しての重たい障害を持った子どもたちが生活する施設の方に出向いて
授業をやる訪問学級や学校の小学部で仕事をしました。。
小学部は、知的にはほとんど問題がなく身体的に障害がある子たちが学んでいました。

障害があることで親から捨てられた子たちもいました。
小説のように優しいパパやママ、お姉ちゃんがいる中で生活できる境遇にはない子たちのほうが多かったかな。
学校や施設にいる間はまだ守ってもらえますが、
外で働けるような子たちは、高等部を卒業したら施設を出て就職して自立しないといけない現実がありました。
だから先生方は勉強を教えるだけでなく、本当の親のように親身になって優しく時に厳しく接しておられました。

ある女性の先生は、担任している小学生の男の子(オーガストと少し似ている)のことを、
いづれ思春期を迎えたあたりから自分の境遇に絶望する日が来ると思う。
それでも強く生き抜いていってほしいから、そのことをいつも頭に置いて接しているとおっしゃってたのを覚えています。
(そのJ君ももう30代、どんな人生を歩んでいるのかな~)

小説にも素晴らしい先生たちが登場します。

その先生方の印象的な言葉を紹介します。

「いつも、必要だと思うより、少しだけ余分に人に親切にしてみよう」(トゥシュマン校長先生)

「正しいことをするか、親切なことをするか、どちらか選ぶときには、親切を選べ」(ブラウン先生の9月の格言)






本・子ども・絵本 ~中川李枝子~

2019-06-08 | 

今「ぐりとぐら」の作者である中川李枝子さんの「本・子ども・絵本」を読んでいます。

少し前にラジオ深夜便で、宮崎駿さんと中川李枝子さんの対談が流れました。
そのときの中川さんのお話が非常におもしろくて、
先日本屋さんで中川李枝子さんの文庫本をみつけたので、買ってみました。

中川さんは、「アンデルセン童話」や「ふたりのロッテ」「くまのプーさん」などなどたくさんの本を読みまくって、
子ども時代、青春時代を過ごします。

わたしも本が大好きな子どもでした。
一番最初に読んだのは「シンデレラ」
親が、姉とわたしに2段ベッドを買ってくれ、業者さんが納入の時にプレゼントしてくれたものでした。

その後、4歳くらいになった時だったかな、毎月、日本や世界の童話集が届くようになりました。
姉が幼稚園に行ってる間、わたしが淋しくないように母が用意してくれたのでした。
わたしは楽しみに待って、届いたら一番に読んでいました。
姉も弟もいたのに、わたしだけが読んでいたように記憶しています。

小学校に入学してすぐだったと思います。
先生が黒板のところにいくつか絵本を開いて並べました。
そのなかにディズニーの「シンデレラ」があり、あまりの絵の可愛さに衝撃。
わたしが持っていた「シンデレラ」の絵とは全く違うのです。

次のページにはどんな絵が描かれているのか、みたくてたまらないのですが、
先生にみせてという勇気もない、今のわたしからは想像もできないおとなしい女の子でした。

休み時間、黒板のところに行って、「シンデレラ」の前にじーーーーっと立ってみました。
黒板の横にある教師用の机に座っていた先生に声をかけてもらおうと思ったのです。
でも先生は、まわりを友達に囲まれてのおしゃべりで、全く気づかず。

しばらくして学校見学で初めて図書室に連れて行ってもらい、
好きな本を一冊選んで読んでいいと、先生がおっしゃいました。
その時にやっと自分で図書室の本棚から「シンデレラ」をとって、
思い焦がれたほかのページもみることができ、とても感激したのを覚えています。
それ以来、わたしは図書室に入り浸るようになりました。

娘が小学校からずっと図書室に入り浸っていますが、
わたしも全く同じだったと、今にして気づきました。

とにかく本が読みたくて読みたくて仕方なかったんですよね。
友達と遊ぶより本。
昼休みに図書室で好きな本を選ぶことがわたしが学校に行く楽しみでした。
宿題なんて適当、図書室で借りてきた本を毎晩読みまくっていました。
高学年になると図書委員もしました。
夏休み前に並べられる新刊は、どんな本が入ってくるのか一番に知りたかったし、
それを誰よりも早く借りたかったから。

1学期の終業式、先生が早く帰りの会を終わってくれないか、そればっかり考えていて、
最後の挨拶も言い終わらないうちに、一目散に図書室に駆け込んでいました。
新刊を借りるためです。

伝記も、「秘密の花園」「若草物語」「オーケストラの少女」「あしながおじさん」などの世界の少女文学シリーズみたいなものも、
ルパンもホームズも江戸川乱歩も読みまくりました。
うちは貧乏で、おもちゃとかゲームとか買ってもらえなくて、
唯一の娯楽が本だったのだと思います。

中川さんも「ふたりのロッテ」がとてもお気に入りだったようですが、
わたしも初めて読んだ長い本は「ふたりのロッテ」でした。
ちょうど夏休みに読んでいて、本に出てくるサマーキャンプという響きにとても憧れました。

多分わたしは洋物が大好きだったのだと思います。
小学生の頃は、ヨーロッパの家とか風景やインテリア、
そして洋菓子の写真を見つけるとそれを切ってノートに貼ってました。
あしながおじさんが大好きで、
ジュディがサリーやジュリアの家に休暇で呼ばれるときに、
彼女が惨めな思いをしないように、おじさまから服や靴などが届くのですが、
絹のストッキングやらドレスの描写を想像してうっとりしました。

今時の子どもたちは、そういうものがすでに身近です。
そしてわからなくても、ネットで検索すればすぐにでてくるので、想像の必要がない。
それは残念なことかもしれません。

娘が、小さい頃に繰り返し繰り返し読んでいたのが「長くつ下のピッピ」
わたしは全文を読んだことがないんです。

なにが娘の心をあんなにとらえたのかわかりませんが、
ピッピの自由さをとても気に入ってました。
親がいなくても、楽しく生きているピッピがとても魅力的に映ったようです。
一時、寝ても覚めてもピッピのことを話していた時期があって、
どんなことを言ってたのか、なにかに書き記しておけばよかったなと思います。



中川さんの本は、まだ読み終わってなくて、夜にちょこちょこ読むのが楽しみです。
子どもが好きで好きでたまらないひとなんです。
中川さんは保育士をやってらしたのですが、
こんな保育士さんと過ごせた子どもたちはさぞかし幸せだったことでしょう。
小さいお子さんを持つお母さんたちに、子育てのヒントがあるかも!
そんな本でもあります。



「読書の習慣を持つ人は、人生の殆どすべての不幸からあなたを守る避難所ができる」


     ~サマセット・モーム~


トットの欠落帖

2019-02-02 | 
職場を退職した日、
同僚のOさんからプレゼントをいただきました。

帰って包みを開けたら、
鎌倉歐林洞のオレンジのパウンドケーキとルピシアの紅茶、
そして文庫本が1冊入っていました。

黒柳徹子さんの「トットの欠落帖」でした。

そういえば少し前にOさんから「黒柳徹子さんの本ってなにか読んだことある?」って聞かれたのでした。
「(窓ぎわの)トットちゃんは読んだかな~」って答えました。



ページを開くと

「神様は、どんな人間にも、必ず、とび抜けた才能を一つ与えてくださっている。」

そんな書き出しで始まり、その後に

「でも、たいがいの場合、人間は、その才能に気づかず、違った職業を選んで一生を終わってしまう。」と続きます。

思わずクスっと笑ってしまいました。

Oさんも3月いっぱいで退職予定で、
わたしたちは仕事中に(笑)今後の仕事についてどうしたものか思案したり、
お互いの性格やら中間子で育った悲哀やらそれぞれの夫や子供の事、
今後の経済的なこと、老化の事、おいしい食べ物のことなどなどとにかくいろんなことを話しましたね。
楽しかったな~おしゃべり。

Oさんのことは以前にブログに書いたことがあります。→コチラ




黒柳さんがやらかした様々な欠落が、人の噂により正しく伝わらないかもしれないので、
自分で正しく、自分の欠落を書いてみようと「トットの欠落帖」としたのだそう。

広辞苑で念のため「欠落」を引いてみたら、

「あるべきものが抜けていること」とあり、情けない気持ちになったとも。

黒柳さんは、発達障害らしいとも言われているけど、
もしかしたらわたしも発達障害の気があるということでOさんはこの本を贈ってくれたのかな?

いやいや、そういえば以前にとっても面白い本があると言ってたのがこれだった気もするわ。
だから贈ってくれたんだと思うことにしよう。


さっそく電車の中で読んだら、おかしくておかしくて、危険!
さすが黒柳さん、欠落も規格外だけど、まわりのひとたちは彼女のことを温かく見守り、
そして可愛がられているのが伝わってきます。
性格がいいんだろうな。

わたしは可愛がられはしないけど、
変でもつきあってくれるひともいるから、わたしもそんなに捨てたもんじゃないよなって思っています。
まぁかなりの欠落人間だってことは自覚してますが。

時々Oさんがわたしのことを笑うから
「バカにしてるでしょ!」って怒ったら、
「ごめんね、バカになんてしてないよ」って真剣な顔で言ったのが印象に残っています。

わたしの前の席で、ニコニコとキビキビとお仕事をされていたOさん。
いつも助けてもらってました。
Oさん、あなたがいたから4年間仕事続けられました。
『石の上にも3年だから』って言ってたもんね。

本当にありがとうございました。




夜と霧 新版

2018-12-16 | 

退職することを、本社に伝えに行った日、
上司とランチをしながら、その旨を伝え、
後は世間話に。

上司であるTさん(女性)も本好きということで、
好きな本の話題になり、Tさんがもう何度も繰り返し読んでいるといったのが「夜と霧」でした。

わたしもこの本のことは知っていて、死ぬまでに読んでおきたいと思う本の1冊でした。
でも内容が内容だけになかなか手に取ることができずにいました。

Tさん曰く、旧訳に比べ新版はとても読みやすい訳になっていると。

というわけで、その日、横浜のブックオフで早速「新版」を買って、一気に読みました。


すべてを理解できたわけではありませんし、
Tさんが何度も読んでいるというのがよくわかりました。
そして、1冊だけ選ぶとしたらという問いに、多くの人がこの本をあげていることに納得しました。

著者は、ナチスの強制収容所から奇跡的に生還したユダヤ人精神科医で、
ロゴセラピーの創始者ヴィクトール・フランクルです。

Amazonなどでいろいろ調べずに、読んでみたほうがいいと思います。
わたしも感想は書きません。



死ぬまでにではなく、今読めて本当によかったと心から思えました。
中学生の娘にも勧めて、彼女は内容があまりに重すぎて、途中読む手が止まったようですが、
2日くらいで読み終わったようです。


ところでわたし
「夜と霧」をなぜか「夜と闇」といいそうになります。


「走れメロス」を家族で読んでみる

2018-12-10 | 

月1回、娘の学校の母親の読書会に参加しています。
今月は「走れメロス」を読むことに。
いつもは皆で、読んだ感想を語り合うのですが、
今回は推薦者Iさん(70代)が、
「短編なので家族で読んで、年代別にどんな感想を持つのか聞くのもおもしろいのでは」との提案があり、
わたしも家族にふってみました。

娘は学校の授業で読んでました。

「人間って単純だなと思った。強烈な場面をみるとあっさり気持ちが変わるんだな~(←王のこと)」

「始まりと終わりが印象的だよね」
(「メロスは激怒した」ではじまり、「勇者はひどく赤面した」で終わる)

「私は「人間失格」のほうが、太宰のエッセイのようで好きだな」

っていうのが、娘の感想。


夫にもメールで頼んだのですが、
「申し訳ないが無理」
一言、返事がきました。

「たったの18ページだから、お願い!」と再度送ると、
翌日返信あり。

以下全文。


小学生の頃読んだような気がするけど、あまり覚えてないので、あらすじだけネットで読んでみた。
「感想」
ムカつく野郎だ。
自己中心的で、周りのことを考えない。
軽率で短絡的な行動により、
断ることができない親友の命を、
危険にさらすことも厭わず、
自分勝手な都合で行動する。
自分は高潔であると意識しながら、善人ぶって、これからも生きていくことだろう。
結構なこった。

ところで僕のコートが来ないんだけど?



さすが我が夫、予想をみじんも裏切らない感想です。



ちなみにコートはAmazonで注文したもの。
雪が舞う札幌では、持ってるコートでは太刀打ちできないようで、
帰省した時に、Amazonで注文して帰ったのですが、
まだ届いてない模様・・・。
12月4日に発送となっているけど、調べたらまだ中国国内にあるようです。
お気の毒に・・・。


さてわたしの感想。
読んだのは新装版?
ひとつひとつが短いセンテンスで、とても読みやすい。
走れメロスだけあって、疾走感のある文章でグイグイ話を進めてあっという間に結末にたどり着く。

娘と同じで、王が言った「ひとのこころはあてにはならない」
まさしくそれ。

王は身内や側近を皆殺しにしてしまうほどひとを信用できないのに、
メロスとセリヌンティウスの命を懸けた友情をみて、あっさり改心する。
ってことはまたいつか反対に転ぶこともあるかも。


メロスも間に合ったからよかったものの、これが間に合わなかったら。
童話としてなら、間に合った、王は改心した、めでたしめでたしでよいのだけど、
50年も生きてくれば、
太宰には間に合わなかったメロスを描いてほしかったりするわけで。
「走れなかったメロス」だれか書いてくれないかな~。

わたしも初めて読んだ10代の頃は、
単純にふたりの友情に感動して終わっただけだったけど、
年を取ると、人を信じることがいかに難しいか実感するし、
固いと思っていた友情でさえ、あっけないことで終わりを告げることも知っている。

50を過ぎて再読しての感想は、
夫に近いものがあるかな(笑)


それにしてもIさん、いい提案してくれました。
どんな感想がでてくるのか、今度の読書会が楽しみです。


自望自棄 わたしがこうなった88の理由 ~遠藤麻理~

2018-04-25 | 

新潟にいる時、わたしの生活の一部となっていたFMポート。

朝起きて、スイッチオン、
家にいる時、散歩している時、車に乗っている時、寝るまでほぼ1日中FMポートを聞いていました。
なかでも特に好きだったのが遠藤麻理さんがパーソナリティをつとめる「モーニングゲート」(通称モーゲー)

FMって全国どこもわりと同じじゃないですか。
パーソナリティはまず英語ができる、そして異様なハイテンション、
常に前向き・・・つまらない。

なのにFMポートの遠藤麻理さんは、
落ち着いた上品な声に毒をまぶして語る。
多分英語しゃべれない。でもなまってない。
リスナーを上にも下にも置かない。
なによりリスナーに媚びない。

モーゲーのコーナーで、毎週金曜AM9:20くらいから始まる「遠藤コラム」
麻理さんの日々の雑感を述べるだけなのですが、
その内容が、そしてその後に流れる選曲が秀逸なんです。
好きすぎて金曜の9時から9時半までは絶対に用事を入れないようにしてたくらい。
今でも覚えているんですが、
あるコラムとその後に流れた大橋トリオの「誇り高き花のように」で号泣し、
運転中だったので涙で前がみえなくなり、思わず車を脇に寄せたことがありました。

このブログでも
麻理さんの「金曜コラム」を本にしてその選曲のCDをつけて売ってほしいものだと書きました。

腹に一物どころか五物くらいは抱えているだろ!みたいな、
馴れ馴れしく近寄ろうものなら「寄るな!」とバサッと斬って捨てるような、
それでいて間違いなく中年以上の男はひっかかる魔性の女の匂いもする。
そんな遠藤麻理さん。(あくまで妄想)


新潟を離れてもFMポートのHPは時々見ていたのですが、
その回数もだんだんと減り、ここ1年くらいほぼみてなくて、
最近ひさしぶりにのぞいたら、
なんと遠藤麻理さんがエッセイ本を出したというではないですか。

即、駅前の大型書店に行って検索したら置いてない。
さすがに横浜駅の有隣堂にはあるだろうと期待したら・・・ない。

とうとうアマゾンで頼むことに。
(知り合いの娘さんが、アマゾンで本1冊頼むことでどれだけ資源を無駄遣いしているか考えたほうがいいと言ったそうで、
それ聞いて以来、アマゾンで本を頼むのは極力避けようと思っています)

コンビニ受け取りにして、朝出勤前に立ち寄り、その場で開封し、バッグの中へ。
電車の中で本を広げたとたん、1行目から笑いが。
すっかり惹きこまれ、思わず乗り越しそうになったくらい。

帰りの電車でも、3人掛けに座って読んでいて、
不覚にも笑い声をあげてしまいました。(人生初)
左隣の男性がギョッとしてこちらをチラッと見た後、
次の停車駅までまだ早いのに、そっと席を離れドアの前あたりに移動していきました。
前に立っている人はいるのに、すぐにそこに座ろうとしない。
ちょっと間があったものの、結局前に立っていた大柄の男性は座ったのですが、
必要以上に左端に寄ったし。

あー絶対おかしいおばちゃんだと思われたね。



で、麻理さんの本「自望自棄」
期待を裏切らない内容、文章。
なんでしょうね~、おかしくてくだらなくて笑っちゃうんだけど、じわじわとこみあげてくるものがあるんです。
わたしってひとのなかにいると浮いてること多いし、嫌なことや辛いことや悩みも多い人生だけど、
あーそんなわたしも頑張って生きていけそうな気がする!って思えるんですよね。


なんと重版がかかり、すでに5刷だって!
でも横浜にはないみたい。
わたし、横浜の書店に売り込みに行こうかしら。
書店員さんにまず読んでもらって。
そして2019年本屋大賞発掘部門にエントリーしていただこうじゃないですか。


ドーンと来てポーン(読んでみてね)
麻理ちゃんにいよいよBIGポーンが来るか!?


でも麻理さんが全国区になるのはちょっと淋しくもあり。
TEAM NACSのメンバーが全国区になったのを淋しく思うと言ってた北海道のファンの気持ちがちょっとわかった気がする。

麻理さん知らない方も、よかったらぜひぜひ読んでみてください。
じわじわきます。
ただ決して電車の中では読まないでね!



The Greatest Showman - This Is Me [Official Lyric Video]




で、男は鍋敷きになるのか!?


ANA 翼の王国

2018-03-14 | 


たまの帰省にはANAを利用することが多いのですが、
1時間半のフライトで、なにが一番の楽しみかというと
「翼の王国」

表紙、おべんとうの時間、本城直季さんのジオラマかって思う写真、吉田修一さんのエッセイ、
国内と海外の特集などなど退屈しない内容。

伊集院 静さんの「旅行鞄のガラクタ」という名の連載エッセイも始まっていました。
いつの間に。

これがまたいいんですよ~。

伊集院 静さんは週刊文春で、辛口のお悩み相談をされているくらいしか知らなかったのですが、
ある時、エッセイを図書館で借りて読んだことがあり、
このひとってなんとなく酒飲みででたらめに生きてきた人のように想像していたのですが、
ちょっと印象が変わったんですね。

それから伊集院 静さんの短編集を時々借りて読んでます。


そして最初にでてくる「社長挨拶」

社長さんが変わったんだと写真でわかりました。

これまでは読んでもいないし、読もうとも思わなかった。
でも今の社長さんの文章は読んでみようという気になりました。

内容はご自分の体験を書いておられました。
学生時代のこととか好きな音楽のこととか。
わたしはひとに対して興味を持つ人間なので、
社長さんがどんなひとなのか、その一端が伝わってくるような文章は読んでみようという気になりました。

前の社長さんももしかしたら、自分のことなどを書いておられたのかもしれませんが、
読んでないのでわかりません。



そもそもなぜ読もうと思ったのか。
ズバリ「写真」です。
若くてハンサム(死語)だった(笑)



↑翼の王国は、これよりもっと修正が入ってます、間違いなく(笑)

写真で興味を持ったけど、文章も堅苦しくなかった。
だから楽しめたんだと思います。



閉鎖された空間にいる乗客に、
いかにして退屈させないような内容にするか、
編集に携わる人々の真摯な思いが伝わってくる「翼の王国」です。


Another Sky ~ ANA 60th Anniversary Version



さぁいよいよ出発だとワクワクし、
無事に帰ってこれたとホッとする、この曲を聴くたびそんな気持ちになります。



スロウハイツの神様 ~辻村深月~

2017-05-29 | 
母親の読書会で4月の講師をしてくださった娘の中学の司書の先生が勧めてくれたのが、
「スロウハイツの神様」

上下巻あって、かなり読み応えのある量。
上巻はいまいち入り込めません。
それを我慢し、下巻へ突入。
不穏な空気が流れ、物語が動き出し、
感動のラストですべての伏線が回収されます。


コウちゃんはあの秘密を一生たまちゃんに話さずにいくのだろうか。
性格からしてコウちゃんは絶対に誰にも話さない気がするけど、
たまちゃんにどうにかして伝わってほしいなと真剣に願う。





娘にも読ませました。
10代の子におすすめの青春群像小説です。

おばさんは泣きはしませんでしたが・・・。

エヴリシング・フロウズ ~津村記久子~

2016-07-04 | 

津村記久子さんの作品は結構好きで、
図書館に行くと必ずチェックします。
わたしにとっての当たりハズレはあるけど「ポースケ」は特に好きでした。

今回もチェックしていたら「エヴリシング・フロウズ」というのが並んでいたので、迷うことなく借りてみました。


主人公ヒロシの中学3年の新学期から卒業(正確には高校の入学式の日)までの1年間の話です。

読み始めてしばらくして、ヒロシってもしかしてあのヒロシ!?って気が付きます。
「ウエストウイング」で塾をさぼって絵ばかり描いていたあのヒロシだ!

学校や塾、友達や家庭とヒロシの身の回りのことが描かれていますが、
津村さんらしく、淡々としてます。
いじめや虐待もでてきますが、
ゆるーくつながっている友達同士(それぞれいろんな悩みを抱えている)で、
「解決」とはちょっと違うけど、お互いを助け合ってゆくのですがその描き方が素晴らしいのです。

うちの娘は友達がほんと少ないし、
lineとか面倒くさいからスマホ要らないというし、
友達に対しての気持ちが希薄だな~と心配もしていたのですが、
この小説を読んでちょっと救われました。


「エヴリシング・フロウズ」

すべては漂っている。

伊藤比呂美さんの「伊藤ふきげん製作所」でもまさに同じことが書かれていました。

「漂う13歳」
「漂う。そうなんです。まさにカノコは漂ってました」



思春期のひとたちのキーワードは「漂う」
ほんとそうだと思います。
わたしにもあったに違いない思春期。
わたしもふらふらと漂っていたのかもしれないけど、
あまりに遠くて思い出せないわ。


これ面白いから読んで!って娘に5回くらい言ってるんですが、
期末テストを理由に読みません。
これ読めって勧めるの好きじゃないけど、
これだけは、娘みたいなタイプはぜひ読んでほしいんですけどね。