針路

指にツバをつけないとビニールを開けられません、ひろみです。

実家の愛犬ルナが表彰された。
１７年生きてるから。
表彰式は区役所で飼い主だけで行われたらしい。
他に９０人の人が来ていたんだってさ。
そんなにうちの区には長生きわんこがいるのか、と思ったんだけど、
わんこ以外にも鳥とか猫とかうさぎとかいろんなペットが表彰された、ということらしい。

うちのルナちゃんはもらってきた雑種だ。
もらわなければ始末されていた。
選ぶのがいやで、
なるべく最後のほうで見に行った、と母親が言っていた。
ラスト２匹だったんだって。
ルナちゃんとその兄弟が１匹。
そんなに人気がない外見だったのか。（確かにタヌキと間違えられたことがある）
こうして私が高校１年生の時にルナちゃんは突然うちにやってきた。
人生の半分ちょっとを一緒に過ごしてきた。
あ、まだ生きてるけど。
ルナちゃんはうちに来て幸せだったのだろうか。
勝手に避妊手術しちゃったけど。
今思えばルナちゃんの遺伝子、残したかったなあ。
って私とルナちゃんの子供ってわけじゃないけど。

ルナちゃんは１７年で表彰、長生きな方だよね。
もう目も見えづらそうだし、耳も遠いし、足腰が限界近い。
散歩はきつい。
元気だけど死を待ってるような気がする。
私は人生３２年目だが、まだ元気だ。
事故や病気にあわなければルナちゃんの犬人生の倍の長さ以上生きていかなければならない。
あと１０年で４２歳、
さらに１０年で５２歳、
６２歳、７２歳、８２歳、９２歳（？）
こう考えるとあっという間な感じもする。
何していこうか。

ルナちゃんに聞いてみないとわからないが、
彼女はやりきった感、楽しんだ感があると思う。
そりゃ一人で散歩中に雷にあい、２日も家出したこともあった。
ついイラッとしてうっかり私の手に噛み付いてしまったこともあった。
上手にトイレができなくてオシリが汚いまま外出してしまって、
それがかゆかったのか、横断歩道という公の場でオシリをこすってしまった事もあった。
巻き爪が食い込んでしまったこともあった。
性格は魅力的なのに外見がデブタヌキなせいか、いい出会いがなかった。（多分未経験）
生きている基本的な使命、遺伝子を残すこともできなかった。
でも幸せそうだ。
それは彼女が何を生きる目的にしていたか、
１日１日家族への愛、
それで充分、
そういうことだろう。

何をテーマに生きていくかを決めないとなあ。
いや、決まってるんだけどね、
もっと日々単位でのテーマを決めないと、
今日の午後事故に遭ってしまうかも知れないし、
日々達成してないと。
ルナちゃんと違って人間だからね、
いろいろ複雑ですよ、
でもルナちゃんのような野生のシンプルさからたまには学ばないと。

ルナちゃんはもう死を待っている。
死を待てるってことは満足してないとできないことだと思う。

というわけで、
あなたの今日のテーマは？

＊写真：バイエルンミュンヘンのスタジアム