まろ的、のほほん生活

まろは前にしか進めません。

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2005-12-23 | 
鷺沢萠の遺作が映画化されるそうですね。

私が昔から、そして今でも一番好きな作家は鷺沢萠(さぎさわ・めぐむ)。
最初に出逢ったのは「海の鳥・空の魚」という作品集でした。

今の人生は自分が望むものだったのだろうか。
この人生で良かったんだろうか。もっと別の道があったんじゃないだろうか。
そう悩んだり、痛みを持つ主人公達にある瞬間が訪れます。

それは相手の、他意のない素直な言葉を聞いた時や、
あまりに拍子抜けした出来事にでくわした時。
見返りを求めない親切心に出逢った時や、
過去の過ちを別の形で償える場面にたまたま出会った時。

今抱える心の痛みも、ふとした出来事から
自分の受け取り方次第でそれが愛すべきものに変わったりすることもあるんだ。
とそれぞれの主人公を見て、いつもはっとさせられるのです。
その瞬間がとても清清しくて、
同時に登場人物達がとてもタフに見えて、すごく好きです。

そんな彼女の作品が、これ以上生まれないのは寂しい。
でも彼女が作家として生まれてきてくれて、
私はその彼女の作品をたくさん読むことができて、本当に感謝しています。







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