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Reoっちの駄文(ふつーの日常をハードボイルドに)

金融、サッカー、ボクシング、映画・・・そしてその他でふつーの日常を、楽しく読めるようにハードボイルドな読み物風に。

GWの四国での恋…、を読み物風に ①

2010-05-13 16:24:51 | その他
「…ま、眩しい…」


冬の終わりを告げるかのように暖かく照りつける太陽に眼を細め、おれはゆっくりとベッドから身を起こした。ゴールデンウィークを祝うような好天に気分が向上するのを感じながら、おれはシャワーへと向かう。今日から待ちに待ったゴールデンウィーク、しっかり体を洗わなければならない。なぜなら、おれは連休の間に四国へと旅立つ…新しい場所に新しい出会い…新しい恋がおれを待っているのは、明らかだった。


旅慣れたおれは小振りのバッグだけを持つと、のんびりと羽田空港へと向かう。行き先は四国最大の都市、松山。そう、おれは愛する『坂の上の雲』の舞台である松山を、四国旅行の拠点にする事に決めていた。司馬遼太郎氏の小説で大河ドラマにもなっている『坂の上の雲』…『崖の上のポニョ』では、決して無い。


羽田空港に着くと、おれは早速お土産用の『東京ばなな』と、飛行機で食べる用の崎陽軒の『シウマイ弁当』を購入した。春になってよく公園で一人弁当を食うようになった最近のマイブームは、この『シウマイ弁当』。フライトの時間がお昼頃と決まった時点で、おれはこの弁当を楽しみにしていた。


定刻通りに飛行機への搭乗が始まると、おれは担当キャビン・アテンダントさんがどんな人かドキドキしながら、自分の席を探す。おれの席はCAさんの目の前、万が一の時は避難を手助けする必要があるが、恋の芽生えを感じさせる場所でもあった。


しかし…おれの目の前に座るCAさんは、ちょっとおれの好みとは違った…ガッカリと肩を落とし、おれは一人下を向いて弁当を要求し続ける自身の腹をなだめていた。すると、一人の女性がおれの目の前に立った。


「…?」


ふと顔を上げると、女性は大きなスーツケースを前に、少し困っていた。ほう、スーツケースを棚に上げたいのだな…そう気付いたおれは、立ち上がって自身のバッグをどかし、その重そうなスーツケースを棚に載せてあげた。


「あ、ありがとうございます♪」
「…あ、あぁ、全然かまわない…(か、かわいぃ…)」


その20代前半の女性は、輝かしい笑顔をおれに見せ、お礼を言う。おれの隣に座ったその女性を改めて見たおれの胸に、恋の矢が刺さった。新たな恋が、始まった。


「…(やばいな、どやって声かけようかな、これから1時間は隣だから、何とか話すきっかかけを作らないと…)」


おれは、ドキドキと脈打つ自身の胸の音を聞きながら、隣を微妙に意識し、それでいて平常心を装った。


「…(多分松山への里帰りだよな、って事は松山出身ですかって聞いて、それでおれは東京と言って…あ、まずは『シウマイが匂いますけど弁当食べても良いですか?』で場を和ませてから会話を始めよ!)」


飛行機が安定飛行に入ると、おれはゆっくりとナンパアイテム…いや、伝家の宝刀『シウマイ弁当』を取り出す。そして、少しの緊張感を感じながら、声をかけようと隣を見る…


「…あ、あのぉ…!!!」
「zzzzz」


その女性は、いつの間にか暴睡していた。かなり焦ったおれを尻目に、その女性は全く起きる気配を見せない。おれは、とりあえず弁当をテーブルに置いたまま、ちょっと起きるのを待ってみた。頭に描かれたのは完璧な作戦だ、簡単に諦めるわけにはいかない…


「…(起きろ!!)」
「zzzzz」


その女性は、完全に熟睡中だ。起こそうとわざと咳き込んでも、大きい声でCAさんにお茶を頼んでも、弁当を落としても、全く起きない…20分後、空腹感に負けたおれは諦め、『シウマイ弁当』を食す事にした。


「…あ、ちょっと匂うけど、良いかな…?」
「zzzzz」


一応聞いてみたけが、やっぱり起きなかった。おれは、涙風味のするシウマイを、一人黙々と食した。まぁ待て、松山に着くまでずっと寝てる事はないだろう、まだチャンスはある…そう信じながら。


『当機は、松山空港に到着いたしました…』
「…はっ!」


弁当を食べ終わった後、おれは完全にお昼寝の時間に入ってしまっていた。日々の習慣というものは怖い、おれは完全に熟睡していた。そして、隣の女性はパッチリと起きていた。おれは気付いた。お昼寝の間に、その女性に声をかけるチャンスを完全に逃してしまった事を…


「…(おれのバカバカバカ!)」
「あ、ありがとうございます♪」


自身の不甲斐なさを責めながら、おれは何も言わずに女性のスーツケースを下ろしてあげる。ナンパなど考えていなかったかのように、あくまでジェントルマン。イメージの良いまま別れるのが、おれの精一杯の敗戦処理だった。


「…(まぁでも、空港を出るまでにまだチャンスはあるかも…)」


一人考え事をしながら、その女性をしっかりと視界に納め、おれは出口への道を進む。すると、出口を目の前にしてその女性は、あれに話しかけてきた。


「本当にありがとうございました♪」
「…あ、あぁ…そうそう…」


おれの言葉が風に流されていくように、その女性も迎えに来ていた彼女の母親と一緒に、颯爽とおれの前から、そして空港から消えていった…おれの新たな恋は、終わってしまった…


その夜、一人枕のヘソを噛みながら泣いて眠りについたのは、言うまでも無い。だがしかし、翌日にまた新たな恋をしたのは、これまた言うまでも無い…


【続く】


Reo.

お次はニュースキン(Nu Skin)

2010-05-10 16:21:41 | その他
「今度、アフリカの子供達にボランティアで贈っている食べ物の試食会があるんだけど、一緒に来て欲しいんだ♪」
「…あぁ、行く行く!」


先日、とある女性から、アフリカの食糧難に対して食べ物を贈っている活動の、その栄養素の優れた食べ物の試食会なるものが都内で行われるので、是非一緒に来てみないか…と誘われた。数年前数週間前のニューウエイズの事があるので、『もしかしたらまたか…?』と疑心暗鬼にはなっていたが、そこは女性からの誘いを断れないおれの事、まぁどんな勧誘にも屈しない自信もあり、その試食会に参加してみた。


調理室での試食会の前に行われた会議室での簡単なプレゼンテーションで聞いた内容、それは、『ビタミール』という食品を日本で買えば、アフリカの子供達にその食品が届き、飢えから彼らを救える…と言う話だった。主催者は薬剤師で介護施設などでも働いていたほど福祉に積極的な方で、本当にアフリカの食糧難を救いたい!という気持ちが伝わってきた。そしてその日参加されたシェフも、みな食糧難に対して何かをしたい、という志を持った方達だった。素晴らしい…そんな自己犠牲というか献身的な姿勢こそ、おれが求めていたものだ、と単純にそう思った。


だが、残念ながらというか、意外な事にというか、その『ビタミール』と言う食品、これはニュースキンという会社の製品。そして『ビタミール』という商品を買う、もしくは買ってもらうと、自身にポイント還元される(ポイント還元される時点でチャリティやボランティアと微妙に違ってくるわけだが)…ニュースキンは、ニューウエイズやアムウェイと並ぶマルチ商法の会社。つまり、おれはまたまたマルチ商法に誘われてしまったわけだ…おれはそんなに軽く勧誘されそうな顔してるのか!?ってか、おれに関わってくる女性はみんなおれの金が目当てなのか…?とそんなツッコミを自身の心の中だけで処理し、おれはその試食会で普通に腹を満たした。『ビタミール』自体はそのままだと豆と穀物の味しかしないが、ちゃんとしたシェフが他に色々な料理を用意してくれたので、食事は楽しめた。


そして、じゃあそのニュースキンというマルチ商法の会社が関わった試食会で思いっきり勧誘を受けたかと言うと、実はそういう事は全く無く、普通に楽しく話している最中にせっせと話を自社商品の話題に切り替えて勧めてくるしつこいおばちゃんやおっちゃんには辟易したが、強引な勧誘や儲かるから始めてみろ的な話もなく、ほとんどニュースキンという名を匂わさずに試食会は終わり、誰にも連絡先とかは聞かれなかった。


そのあっさりさ加減に、この会の主催者は本当にアフリカの子供達を救おうとして、それでニュースキンを利用しているのか?そんな事を思ってしまったほどだ。ただ、そんなあっさりさ加減は彼らの戦略で、この後色々な会に参加すると、件の『ビタミール』以外にも色々紹介されるのか、更に強引な勧誘に繋がるのか、それは当然おれには分からない。でも、もし本当に子供達を救いたい一心で『ビタミール』を広めてるなら、それは立派な事ではあると思う。


ただ、以前の記事で書いてきたようにマルチ商法自体に否定的なおれは、例えそれがチャリティやボランティアに関わっていようと、ニュースキン含めそんな会社を助けるような事はしないだろう。それぐらい、チャリティやボランティアの裏にあるそのような会社のシステムに詳しくなってしまった、ってのもある。おれは今まで通り普通にボランティアして、アフリカの子供を助けたければポイント還元など期待せずにユニセフにでも募金するだろう。


しかし…最近なぜかマルチ商法の話を良く聞く。おれ自身が誘われるのは記事に書いたが、他にも渋谷でボランティアに参加したらアムウェイ(本社が渋谷)が絡んでいたり、ゴールデンウィークに会った友人と話したら布団を買わされた経験があったり(ずいぶん前の話らしいが)…不況だからみんな欲に翻弄されているのか、はたまたおれが注意深くなっただけなのか。


一概にマルチ商法は全面的に悪い!と言うつもりはないが、なんかそんなものに誘われたりしたら、しっかりとそのシステムと自分の価値観を考え、リスクを犯してでも本当にそれをやりたいのか、しっかりと考えてみて欲しい。


ちなみに、今回試食会に誘ってくれた女性、付き合っているわけでもないし、告白するほどの大きな好意を持っているわけでもないので、どれだけニュースキンとマルチ商法を知っているのかは知らないが、説得とかおれの考えを説明はする気はない。どうせ信じている人は盲目的だし、もう面倒くさくなったし…まぁ知らん顔して友達のままかな。強引な勧誘とかなければ、それが一番な気がする。


Reo.

柏崎刈羽原子力発電所を見学、を読み物風に

2010-04-23 15:30:13 | その他
「寒いですね~暖房、強めましょうか?」
「…まぁ待て、現状のエネルギー事情と地球の未来を考え、もうちょっと我慢しよう…」


もう桜も散り始め、春真っ最中のはずの4月中旬、最近『エコ大使』に(自薦により)任命されたおれは、友人の説得を無視し季節外れの寒気に身をゆだねていた。女性にモテるように今流行の『エコ』を標榜し、エコバッグやマイ水筒をはじめ、下着も毎日換えるのでは無く裏表ひっくり返して使ってから洗濯する程のエコさを実践するおれは、一泊旅行なのに着替えを持たずに、『柏崎刈羽原子力発電所見学ツアー』に身を置いていた。



エコ大使なおれ@アースデイ


諸事情により原発ツアーの誘いにのってしまったおれは、ツアーの前にとりあえず真山仁さんの小説『マグマ』等を読んでしっかりと予習を済ませ、バスの中で東京電力社員の原子力発電所説明を興味深く聞いていた。その中でおれは、原子力発電所に対する様々な疑問や懸念点、つまり発電所事態の安全性や廃棄物処理の問題、更には原子力に拘る必要性等の厳しいコメントを、しっかりと見学中に詰問してやろうと決意していた。そうやって環境や安全性、さらには溢れる知識をアピールし、女性の人気を独り占めしてやろうという思惑を持ち…アメリカでしっかりとディベート(議論)を学んで来たおれは、その為に理論武装はしっかりと準備して来ていた。


関越道を数時間走った後、バスは柏崎刈羽原子力発電所に到着した。身分証明書の確認を済ませた後、おれ達は原発事態に入る前に、サービスホールと呼ばれるPR施設で、原発の仕組みや安全性の説明を受ける事になった。そんな中、見学ツアーを案内してくれる職員、つまりおれのディベートのライバルが、姿を現した。


「今日みなさんの案内を担当する米山です、よろしくお願いします♪」
「………可愛ぃ…」


おれは、絶句していた。原子力発電所という一般的には好意的に見られていない施設のガイドに、お堅い役人気質の職員を用意せずに、こんなに可愛い女性を用意するとは…おれはこれから展開しようとしていたバッシングの腰を折られ、米山さんの美貌に一人見とれていた。


「これがパレットです♪」
「…へぇ~」
「これが制御棒です♪」
「…ふーん」
「こうやって廃棄物を処理しようとしています♪」
「…大変やのぅ…」


見学ツアーは、米山さんの美貌の成果もあり、何事もなく終始ほのぼのと進んでいった。ずっと米山さんの隣に陣取り美貌に見とれていたおれは、ついつい当初の目的、つまり日本国民の為に原子力発電所の短所をズバッと指摘する事、を忘れていた。


「…ま、まずい、このままでは米山さんに会う為に新潟に来た事になってしまう…」


あせったおれは、逡巡する気持ちをどうにか抑え、大好きな米山さんに厳しい疑問をぶつけた。


「…あの、えっと、この放射性廃棄物は、どれくらいの頻度で出てくるのですか?」
「地中300メートルに埋める廃棄物の処理場所はまだ決まっていないのですが、現在既にこのドラム缶2万本くらい存在しています」
「…そうですか、大変ですね」


…おれは、これ以上米山さんを責められなかった…もう、おれが愛する人を、困らせたくは無かった…


原発見学の後、夕食の場で友人が食の進まないおれを気遣ってくれる。


「あまり食べないね、どうしたの?考えていたほど原発の懸念点を質問できなかったから元気無いの?」
「…米山さん、何歳かな…?」


おれはエコや原発うんぬんより、綺麗な女性の方が好きだというのは、言うまでも無い。


【続く】


Reo.

ニューウエイズ(NEWAYS)のコンベンションに参加して

2010-04-19 15:47:43 | その他
先日、ちょっと気があった女性に「ビジネス始めようと思ってるんだ!」と言われ、大学でビジネス(経営学)を専攻していたおれも興味があるかもしれないから、是非コンベンションに参加して、と誘われた。場所は、東京ドーム。その器の大きさにビックリしたが、その女性からの誘いが何であれ断れるわけも無く、二つ返事で承諾した。


そして、じゃあどんなコンベンションに誘われてるんだ?と思って独自で調べてみたら、不覚にももっとビックリしてしまった。おれが誘われていたのは、ネットワークビジネスの会社『ニューウエイズ』のコンベンション。『ニューウエイズ』とは前付き合っていた彼女の事で以前から浅からぬ因縁があっただけに、「また、この子もか!」とかなりショックではあった。


しかし、前からニューウエイズの実態をちょっと見てみたかった(前の彼女に同行を依頼した時は、おれがあまりにも全否定していたのでビビって断られた)おれとしては、これを良い機会ととらえ、全く興味が無かったにも関わらず潜入取材みたいな形で、中立的な立場でコンベンションに参加する事にした。「もしかしたらネットワークビジネスに対して肯定的な考えを持つかも!?」、そんな期待と言うか、淡い思いもあった。やはり、好きな人の信じる道を否定するような事はしたくないからな…


そして、実際にコンベンションと、その後の会員(ディストリビューター)との飲み会に参加した後、おれは以前よりネットワークビジネスにポジティブな感情を持った。だが、残念ながらその前よりも肯定的な感情はシステムや会社に対してではなく、会員としてネットワークビジネスの可能性を信じて頑張ろうとしている人達に対してだ。おれが会った会員達は、みんな良い人たちで、自分の利益の為に悪意を持って人を勧誘したり、強引な勧誘や洗脳はしていなかった(一日しか会っていないが)。だが、いくら会員が良い人達の集まりのケースがあるとは言っても、その上に立つシステムと会社へのネガティブな印象は拭えなかったので、残念ながらやはりおれは今でもネットワークビジネスとニューウエイズ良い印象は無い…


コンベンションは11時から開始し、夜の19時過ぎまでという長丁場。その中で行われたのは、社長含めアメリカ本社の重役の挨拶、新商品の発表、そしてメインイベントの成績優秀な会員への表彰が続き、最後にゲストの加山雄三コンサートが続いた。その中で何より参ったのは、成績優秀者への表彰が、意味分からない幾つもの賞と何百人もの受賞者の為に、3時間も4時間も続く事。これには堪らず、ついつい会場の外に出て1時間近く時間を潰して、連れに心配されてしまうほどだった。戻ってきてもまだ表彰やってたのには閉口したが…


そんな授賞式と、各種挨拶、商品発表に加山雄三を通して感じたのは、コンベンションに参加している会員が、みんなニューウエイズと言う会社を信じ、ネットワークビジネスと言うシステムに心酔しているという事。はたから見てて閉口ものの表彰、家族や自身の話を絡めとりあえず自社商品とシステムを諸手を挙げて褒める重役挨拶、『安心安全』ばかり言ってて結局どの辺が具体的に良いのかさっぱり分からない新商品の発表、そして参加者の年齢層はかなり若いのに加山雄三コンサートで盛り上がる違和感…全てにおいてハイテンションをキープ出来る面々を見ていると、外野から『洗脳されている』という感想を持たれてもしょうがないと感じる。


新商品が素晴らしいと言われれば「オォー!」、コンベンションを香港でやると言えば「キャー!」、重役の一人がマラソンしてれば「スゲー!」、加山雄三が歌えば「ヤッター!」…いやいや、それほど大した事じゃないだろう、20代のあなたたちはそんな歌知らないだろう、というツッコミを入れてしまうほど、良いか悪いかは別として、彼等はニューウエイズに心酔していた。ちなみに個人的には、これくらい会社が愛されるのは、素晴らしい事だと思う。だから、異様に盛り上がっている会員達を見ても、彼等にあきれる事はあっても嫌悪感を感じる事はなかった。


だが問題なのは、そんな多くの人に愛される(ように誘導された)システムと会社に、幾つかの欠陥がある事。コンベンションに参加しても払拭されたかった、そんなネットワークビジネスと企業の欠陥を幾つか挙げていくと…


まず、ネットワークビジネス、つまりマルチ商法事態に問題がある。コンベンションの後、常にテンション低かったおれを見た会員の一人が、ある本を貸してくれた。ネットワークビジネスは多くの人を金持ちにする可能性があり、みんなが幸せになれる素晴らしいシステムだと解説するその内容に、おれは到底納得する事は出来なかった。マルチ商法ってのは、知り合いを勧誘して、その人に更に誰かを勧誘してもらい、そしてその人も…という感じでピラミッドを形成し、その中の売り上げを上の方が抜き取っていく(もしくはポイントとなって会社から還元される)。つまり、自分の下にピラミッドを作れば作るほど利益を上げられ、誰でもピラミッドを作れるからみんな金持ちになれる…ってのが論点だったのだが、いやいや、ピラミッドの下の方はどんどん勧誘するターゲットが小さくなり、要はババを引くような状態になる。大体、今数十万人という会員が、それぞれ一人ずつ勧誘し追加して行くとすると、倍々ゲームで考えるとそうそう人を増やせない、もしくは増やせていない事が分かる。


いや、新規会員を勧誘しなくても、良い商品を口コミで売っているから良いビジネスなんだ、と言うかもしれない。だが、商品説明では、「安心・安全」を連呼してばかりで、どの辺に危険があって、何で安全なのか、さっぱり分からなかった。大学で習ったマーケティング方法に、こんなものがあった。ある会社はコーンフレークを売る際に、自社商品の箱に大きく『化学合成物未使用』と記載した。そうする事により、同じ棚に置いてある他社のコーンフレークには、さも『化学合成物』が含まれているかのような印象を消費者に与えた。どのコーンフレークにも、『化学合成物』など元より含まれていないのに…ちなみに、このマーケティング商法は、アメリカでは禁止になった。ニューウエイズは、自社の商品を『安心・安全』と強調する事により、さも他社の製品は危険だとミスリードそているように感じる。


あと、「商品を宣伝しないで口コミだけで広めてるから、安さを実現しているし、本当に良いものが売られている」、という話も聞いたが、自身の利益と欲望の為に会員が商品を紹介している事は、『口コミ』ではなくむしろ『営業』だろう。そんな方法をとって素人に『営業』させているから、中には誇大広告や強引な勧誘が増えると言う問題も出てくるのだろう。


コンベンションに参加して一つ感じたのは、ニューウエイズと言う会社事態が、そんな会員の営業を、成績優秀者を特別扱いにし幾つもの賞を作り、一生懸命煽っているという事。商品開発やより良い商品を作り出すより、『これだけ豊かになれますよ、売ればこんだけボーナス出しますよ』、と会員の営業努力を煽ってばかりいる。だが、そんな会員達は雇用契約はしていないので、普通の会社の営業職とは違い、保障された給料も福利厚生も安定した地位も貰えない…従業員を雇ったり守ったりする努力も必要なく、ついでに宣伝努力も必要ない。会社にとっては、本当に美味しい商売、システムだ。


アメリカでビジネスを勉強していた時、こんな事を教わった。会社とは、まず人を幸せにするものを提供するべきだ。適切な価格で食事を提供する、望む人にサービスを提供する、家電やパソコンを作って人の暮らしを豊かにする…ニューウエイズとネットワークビジネスは、人を幸せにしてるのか?ピラミッドの上位にいる人は、勧誘された後に上位に辿り着けた人は、確かに幸せだろう。だが、その幸せは、下層の人々の苦労より成り立っている。今回ネットワークビジネスの内部を垣間見て、そう感じた。


ニューウエイズの会員で頑張っている人の多くは、そんな事は承知しているのだろう。そんなシステムを受け入れるか受け入れないかは、これはもう価値観も問題だ。だから、色々な誹謗中傷を受けながらネットワークビジネスの可能性を信じている人を、おれは責めない。強引な勧誘や営業などで迷惑をかけていないのであれば、まぁ良いんじゃないかと。


だがおれは、確かに金はもっと欲しいが、誰かの不幸の上に立ってまで、自分の価値観を否定してまで、金儲けに走ろうとは思わない。だから、可愛くて好きだったのでちと残念だが、ニューウエイズを誘ってくれた人とは、責めるつもりも否定するつもりもないが、さよならだ。


Reo.

ナンパの行方、を読み物風に

2010-04-05 16:41:04 | その他
『難破』
① 強硬な意見・主義などをもたない一派。「―の議員」⇔硬派。
② 女性と交際したり、服装に気をつかったりすることを好む態度。また、そのような人や、一派。「―の学生」⇔硬派。
③ 新聞・雑誌などで、文化・芸能関係の記事や記者。「―の雑誌」⇔硬派。
④ 街頭などで声をかけて、男性が女性を誘うこと。「―して遊びに行く」
⑤ 個人的生涯成功率は0%。


その日、おれは疲れていた。若者達は元気に浮かれ、通りには合コンや飲み会上がりの面々が溢れる午後10時過ぎ、白髪の目立つおっさんになれ果てたおれは、重い脚を引き摺りながら下を向いて不況を忘れたような賑やかな通りを歩いていた。


「…はぁ…腹が減ったなぁ…」


早々に帰ってエロ…いや、大人の教養DVDを観て寝ようと思っていたのだが、最近めっきり弱くなって肉を受け付けなくなったガラスの胃が空腹感から音を鳴らした。4時間もふっとサルをプレーした後、両足は鉛を巻いたように重い…それでも、おれは溢れくる空腹感に抵抗出来ず、ボロボロのみすぼらしい体を行きつけのラーメン屋に向けた。


「…ほな、スーラータンメンを頼む…」


注文を取りにきた店員が男だったことにガッカリしながらいつものお決まりをオーダーすると、おれはエロ…いや、大人の社会雑誌をバッグから取り出しながら、ふと右隣の席を見た。


「…お、可愛いな…♪」


隣で一人ラーメンを食する美女。おれがオーダーしたラーメンと同じ物を食べている事に運命を感じながら、おれはその女性に突然逆ナンされる事を想像し、一人ドキドキし始めた。しかし、あまりの疲れ具合に、おれはその女性を意識するのを早々にやめてしまった。疲れきってボロボロのおれ…自分の見た目がパッとしないのは、その日のおれは良く自覚していた。


「…あちちっ!!!…カラっ!!…」


一人芸人のようなリアクションをとりながら出されたラーメンと格闘をしていると、その店に白人男性と日本人男性の二人が入店し、おれの左隣のテーブルに座った。ダイナマイトボディな女性しか興味がないおれは、二人の会話の発音から白人男性はアメリカ人だと検討つけながらも、彼らを全く気にせずに帰ったらどのエロ…いや、大人のDVDを観ようか熟慮しながら、残りのラーメンに手をつけ始めた。


「ご馳走様でした~♪」


右隣の女性が、席を立つ。『…おぉスタイルもえぇのぉ…♪』と思いながらも女性のスタイルをガン見していると、左隣に座っていた白人男性が唐突に席を立った。


「ハジメマシテー!」
「…!」


おれは驚いた。そして、焦った。いや、綺麗な女性に声をかけるのは良い。しかし、なんでおれを間に入れて気まずい会話を始めるのはよしてくれないか…そんな事を言える筈も無く、おれは何も聞こえない振りをしながら、二人のやりとりの傍聴を続けた。


「ナイス・トゥ・ミー・チュー♪」


女性はナンパになれているのか、平然と英語まで使いながら対応する。


「ワタシハ、ハリーデス。ナマエ、ナンデスカ?」


男は、精一杯の日本語で会話を繋げようとする。


「コレカラ、カエルンデスカ?ソレトモ、ノミニイクンデスカ?」
「あ、帰ります♪」
「ソーデスカ…メール、クダサイ!」


男は、メモを女性に渡す。なんと用意周到な…しかし、このようなナンパは果たして成功するものなのか…?こんな一回2分会っただけの相手に、メール返しちゃったりするのか?日本人女性は、そんなに白人男性に弱いのか?というか、こいつは成功例があるからナンパしちゃってるんだろうな…かなりイケメンなんだろう…


おれは、その自信満々な白人男性に興味を持ち、二人の会話が終わった後にふと左のテーブルを見てみた。


「…!?」


おれの左に座る白人ナンパ師は、ただのおっさんだった。これで本当に成功した例があるのか…?おれはそいつの自信の根拠に疑問を持った。そして、これならおれも成功するんじゃないか…そんな自信も。


「…ちょっと待ったー!…帰るところスマン。おれの名刺だ、良かったらメールしてくれ…」


おれは勇気を出し、会計を終え帰り際の美女に声を掛けた…と言う展開を夢想しながら、さっさとラーメンを食して一人家に帰り、エロ…いや、大人のDVDを観ながら淋しく寝たのは、言うまでも無い。


その後、一人食事している美女を見る度に声をかけようかどうかドキドキし、結局毎回何もしないで終わるのは、これまた言うまでも無い。


【続く】


Reo.