Reoっちの駄文(ふつーの日常をハードボイルドに)

金融、サッカー、ボクシング、映画・・・そしてその他でふつーの日常を、楽しく読めるようにハードボイルドな読み物風に。

『私は貝になりたい』

2010-09-28 21:37:48 | 映画(ふつう。)
『私は貝になりたい』
2008年 日本 主演:中居正広


高知の海の近くの田舎町で妻と息子との家族で理容店を営む清水は、片足が悪いながらも戦時中の厳しい時期にも家族幸せにすごしていた。そんなある日、清水の下にも赤紙が届く…妻子を置いて戦場へと向かった清水を待っていたのは、厳しい訓練の日々と、上官の命令には絶対服従という、心の優しい彼には酷な環境だった。更に、その清水の部隊は、撃ち落したB29爆撃機の搭乗員の探索へと向かう事になる。搭乗していたアメリカ兵2人を見付けた清水達の部隊は、上官の命令により2人を適切に処理する事になり、彼等の殺害に清水が指名される事になる。苦渋の決断ながらもアメリカ兵を手にかけた清水だが、戦後に普通の日常を過ごしている際、唐突にアメリカ軍に戦犯として囚われる事になり…果たして清水は、自身の濡れ衣を払拭する事が出来るのか?


悲しい映画だ。高知の自然風景も、情景を彩る音楽も、そして仲間由紀恵の強さも…全てが美しい。そして、それら美しさ全てが、悲しい。第二次世界大戦の、それも下仕官の戦争犯罪を描いたストーリーも含め、こんな映画は珍しいだろう。それだけに、ちょっとした驚きを感じ、なかなか興味深い映画になっている。


深く考えれば、哲学的な人間としての人生の理不尽さ、どんなに優しく良い人でも不幸から逃れられない事もある現実…そんな事をテーマにしている映画。それだけに、ストーリー通じて悲しく、やるせない映画になっている。なので、重いストーリーで、エンターテイメントとしては厳しい、暗くなる映画だ。ただ、この映画が限りなく実話に基づいている事も含め、観る価値は多分にあると思う。おれ自身も、2時間半とちょっと長いけど、観て全く後悔はしなかった。


悲しい映画だけに、観る前に覚悟が必要だが、普通にオススメ出来る映画。戦時中という非日常的な状況で、法律も厳密に施行されるのはどうかと思うが…という事に興味がある人は、是非観て欲しい。


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★★☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
★★★☆☆☆☆☆☆☆

ケン坊の可愛さ:
★★★★★★★★☆☆

ケン坊の足の速さ:
★★★★★★★★★☆


Reo.

『バイオハザードIV アフターライフ』

2010-09-26 20:02:55 | 映画(ふつう。)
『バイオハザードIV アフターライフ』(Resident Evil: Afterlife)
2010年 アメリカ 主演:ミラ・ジョヴォヴィッチ


渋谷の中心で突如姿を現したゾンビ、その後廃墟と化した渋谷はアンブレラ社の管理下となり、ゾンビ含め人体実験の場となっていた。そんなアンブレラ社の地下施設に、アンブレラ社の人体実験の末に驚異的な身体能力を持つ事になったアリスが急襲する。アンブレラ社との戦いを使命とするアリスは、渋谷基地を襲撃し使命を果たした後、ゾンビ感染も無く食料シェルターも準備されていると言う「アルカディア」を目指す。その地は、アラスカにあると思っていたが…果たしてアリスは、「アルカディア」へと辿り着く事が出来るのか?そして、他に生存者はいるのか…?


前作三つ、一応全部観ているが、正直この映画を観る前は前作の展開を覚えていなかった。でも大丈夫、全く問題ない。一緒に観に行った人は前作を一つも観てなかったけど、それでも面白い、楽しいと言っていた。つまり、ストーリーなど関係なく、アクションを楽しむ映画と言う事だ。確かに、前作までの展開が分からないと、そもそもアリスなんで強いんだ?とか、なんでアリスいっぱいいるんだ?とか、まぁ色々とあるんだが、そんなの些細な事。所詮ストーリーなんて薄っぺらいんだから、アクションだけを楽しむので十分だろう。


そのアクション、めっちゃくちゃ沢山ゾンビが出てくる。そんな大量のゾンビ相手に、アリスが初っ端からバスバス倒していくんだから、まぁ楽しい。凄いとかっていうよりは、ゲーム的なアクションの楽しさを感じられる。そんな映画だ。ゾンビが出て、さらにバイオレンスなのにPG-12っていうレーティングが、そのホラー色の薄さを感じさせる。なので、恐いのダメとか、エグいの観れないって人でも、普通に観れるアクション映画。


とは言え…正直、毎回ストーリーが薄っぺらで、とりあえずゾンビと戦って、最後のボス戦はなんか凄いヤツが出てくるっていうお決まりの展開なので…正直マンネリ化して飽きた。まぁゲームのファンなら登場人物とかで楽しめるかもしれないけど、ゲーム知らないし。まぁそれでも、続編も観ちゃうんだろうなぁ…


アクション映画として普通に楽しいので、原作のゲームが好きだったり、前作を観た事ある人にはオススメ。前作観てない人も、まぁエンターテイメントとしてそれなりに楽しい映画だ。


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★★☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
★★★★★★★☆☆☆

銃弾が3Dで大迫力度:
★★★★★☆☆☆☆☆

やっぱりミラ・ジョヴォヴィッチは綺麗じゃのう度:
★★★★★★★★☆☆


Reo.

『感染列島』

2010-09-24 22:35:39 | 映画(つまらない…)
『感染列島』
2009年 日本 主演:妻夫木聡


東京いずみ野市の養鶏場で鳥インフルエンザが発見されたのと同じ時期、同市の総合病院の救急医松岡の元に、風邪の症状を持つ男性が診察に現れた。インフルエンザ検査の結果が陰性だった事もあり、病気の男性を家に帰した松岡だが、数日後にその男性が急患として運ばれ、目の前で目と口から血を流して命を落としてしまう…その日を境に、病院だけでなく日本全国で、多くの感染者を出す事になり、WHOも小林医師を派遣してくる事になる。果たして松岡と小林は、感染症から日本を救う事が出来るのか…?


邦画にしてはかなりの力と金の入れようを感じさせる映画で、公開当時はインフルエンザの感染拡大が心配されるような状況だっただけに、それなりに注目はされていた映画だと思うが…正直、疫病の感染を題材にした映画にしては、かなり違和感を感じさせる映画だった。東京が荒廃している意味がちょっと突然すぎて違和感を感じるし、銀座や新宿が荒廃してる割には病院は結構普通なのも、ちょっと良く分からない。とか、もし都市機能が停止していたなら電話もダメだろ…とか、心配停止から復活する可能性高すぎだろ…とか、ゾンビはないだろう…とかとか。なんか、邦画の軽さと言うか、テキトーさを感じさせる。


また、主演級二人の演技の甘さもガッカリ。爆笑問題田中とカンニング竹山の方が演技が上手いって、どういう事よ。映画も特に上手いわけじゃないし、なんでこの配役なんだろ。そんな演技でも、ストーリーが良ければまぁ忘れられるけど、ストーリー事態も疫病の感染拡大がおきて、都市機能停止し、どうにか疫病の調査に成功し、収束する…という、なんのどんでん返しやユニークさもない、普通の話。映画というより、ニュースの特番そのままのストーリーやん。パニック映画にもなってない。この映画で「疫病感染が拡大したら…?」ってのを確認すれば良いのか?そんなの映画観なくてももう分かってるだろ。


まぁ酷評しちゃったが、感動も何もしないが、邦画としてはそれなりの映画なのは間違い無い。まぁ、東京の疫病感染拡大に興味があったら、是非。


ちなみに、最後の名言『例え明日地球が滅びるとしても…』ってのは、神学者ルターの言葉。それも、若干間違っている気がするが…


[10段階評価]
お薦め度:
★★★☆☆☆☆☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
★☆☆☆☆☆☆☆☆☆

爆笑問題田中の奥さん、綺麗過ぎ!!度:
★★★★★★★★★★

テレビ電話、画質良すぎ!!:
★★★★★★★★★★


Reo.

『レスラー』

2010-09-21 21:44:25 | 映画(オススメ!)
『レスラー』(The Wrestler)
2008年 アメリカ 主演:ミッキー・ローク


プロレスの頂点に立ち栄光の日々を過ごした“ザ・ラム”ランディは、しかし20年後にも老体に鞭を打ちながら地方の小会場を周りプロレスを続け、平日のスーパーマーケット勤務と共に生活の糧にしていた。ガタが来た体で過去の栄光にしがみつきながらプロレスを続けるランディだがしかし、あるハードな試合の後で突然控え室で倒れ、心臓の手術を受ける事になる。命に関わる為にもうプロレスを続ける事は不可能と医師から伝えられたランディは、恋するストリッパーの女性や自身を嫌う娘らと共に新たな人生を歩もうとするが…


この映画、かなりハードだ。まず、主演ミッキー・ロークの変わりようが凄い。凄すぎる。十五年ぐらい前まで、つまり二十代のミッキー・ロークと言えば、優男のイケメン俳優で、よく刑事役をやっていた。それが、この映画ではその時の面影など全くと言って良いほど無く、筋肉隆々の150kgくらいの体重の、それこそ典型的なプロレスラー体系の男になってしまった。そんな変わり果てた男が、老眼鏡を着け、補聴器を使い、中年に掛かったストリッパーに恋をする…もう切なくて、哀愁を漂わせて、心に染みる。プロレスをよく知っている人には、かなり心に残るストーリーだろう。


そんな哀愁漂うストーリーも素晴らしいのだが、主役を演じたミッキー・ロークの適役ぶりも素晴らしい。役作りの肉体改造だけなら、まぁ出来なくもないかもしれない。しかし、ストーリーを際立たせるようなプロレスラーの演じ方。素晴らしすぎる。もう本当のプロレスラーを容易に想像できるほどだ。そして、娘役はともかく、ストリッパー役の女性の演技も素晴らしい。なんの抵抗も無く、ストーリーに引き込まれてしまう。


プロレス好きにはたまらないというか、心に刺さる映画だろう。プロレスをあまり知らない人でも、その哀愁を漂わせる生き方、自分の人生の選び方…観て損はないだろう。


[10段階評価]
お薦め度:
★★★★★★★☆☆☆

英語の勉強にお薦め度:
★★★★★★★☆☆☆

ミッキー・ロークの哀愁度:
★★★★★★★★★★★★

ミッキー・ロークの変わりよう:
★★★★★★★★★★★★


Reo.

スタバで朝食を、を読み物風に

2010-09-03 18:19:57 | その他
『メッセージ』
① 手紙や使者に託して伝達される言葉。伝言。「古代からの―」
② 声明。声明文。
③ 米国で大統領などが議会に送る教書。
④ あると聞くと、ついつい「告白か!?」と動揺してしまうもの。


「・・・なっ、何ぃ・・・!!」


おれは、その話に驚きを隠せず、言葉を失った。そんな事があるのか・・・と。会社の同僚から聞いたその話とは、過去によく行ってたスターバックスで、働いている女性(女子大生)から連絡先を聞かれ、さらにお食事までご一緒した事がある・・・という、夢のような内容だった。


夏の厳しい日差しが続く8月、おれは朝早めに起きて、会社へ出社するよう日々の習慣を変えた。暑くなる前に出勤したいから・・・では、もちろん無い。出勤する前に、スターバックスで朝食を摂る為だ。もちろん、朝食自体に特に興味は無かったが。


「・・・」


スターバックス通いも2週間。会っている店員さんは日によって違うが、決まった数人のシフトに重なる事は、何回かあった。しかし・・・おれの連絡先は全く聞かれない。聞かれても100%拒否しませんよオーラは醸し出している自信があるのだが。おれは、その事を会社の同僚に話した。


「お前分かってないなぁ、まずはカップに何かメッセージを書いてくれるんだよ」
「・・・そ、そうなのか・・・?」
「あぁ、そっからだよ。『お疲れ様』とか『今日もありがとう』とか」
「・・・」


なるほど、まず常連になって気になられたりすると、カップのメッセージから親密になるのか・・・おれの今までのカップには、ラテの『L』としか書かれていなかったが・・・これからは楽しみが一つ増えた。そう思い、おれは朝のスターバックス通いを続けた。するとある日・・・


「・・・こ、これは・・・遂に来た、噂のメッセジ・オン・ザ・カップ・・・」


おれは、感極まって泣きそうなくらい、感動した。嬉しかった。こぼれる涙を、窓から溢れる眩しい朝日のせいだと演技しながら、平静を装ったおれは、ふとこのメッセージを残すことを考えた。


「・・・せっかくのメッセージだ、カップを取って置く事は出来ないが・・・写真に撮ろう・・・」





ケータイで写真を撮っていると、横から冷たい視線を感じた。ふと見ると、メッセージを書いてくれた店員さんが、変態を見るような目で、おれを見つめている・・・完全に、ドン引きだ・・・


「・・・あ、いやこれはあの、えっと・・・」


ドン引き後、その店員さんと言葉を交わした事は無いのは、言うまでも無い。


数日後、今度はまた違う店員さんから、カップに絵を描かれて渡された・・・『あの人、カップに何か書いて渡すと、写真に撮るんだよ、アハハ!』と店員さん達の間でネタにされていたのは、これまた言うまでも無い。


【続く】


Reo.