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Reoっちの駄文(ふつーの日常をハードボイルドに)

金融、サッカー、ボクシング、映画・・・そしてその他でふつーの日常を、楽しく読めるようにハードボイルドな読み物風に。

動物の行動も活発になる季節・・・、を読み物風に

2013-03-15 15:36:34 | その他
おれ:「・・・」
ジュダー:「・・・」


おれ:「・・・」
ジュダー:「・・・」


家に着くと、おれはリビングに置いてある水槽で暮らすジュダーと、早速にらめっこをする。冬の間はヒーターを着けているにも関わらずシェルターの中に入ってばかりいたジュダーも、最近では良く外に出て餌をねだるようになってきた。


おれ:「・・・」
ジュダー:「・・・」


おれは、親バカの例の通り、カメラを取り出す。可愛い息子は、どんな姿でも写真に残しておきたい。


おれ:「…いくぞ」





フラッシュを焚いていないんだが…目を、閉じやがった…カメラには慣れてないのか…


やっぱり動物は可愛いな…次は『アメフクラガエル』を飼おうと思っている。虫の生餌が必要なのが問題だが…お勧めの方法があったら情報求む。






続く


Reo.

悪夢はムカデから・・・を読み物風に

2012-09-12 10:58:58 | その他
『god・damn・it』
① [間]((主に米))くそっ,いまいましい;ひどい;かわいそうに
② 映画では良く聞くが、あまり良い言葉ではないので乱用しないように


その夜もまた、熱帯夜が続いていた。九月に入っても変わらない東京の暑さ、おれは辟易しながらも、その日もいつも通り素っ裸で床に就いた。もちろん、下着も無しだ。


夢の中で、顔がムズムズする…眠りと覚醒の合間に漂いながら、おれは自分がうつ伏せで寝ている事に気付く。


「…ムニャムニャ…」


夢の中で、何かがおれの顔をなでる。半分夢の中にいながら、おれは顔を触る。何かが、張り付いている…


「…ガッデム!!」


驚きから一発で眼が覚める。顔にへばりついていたものをどうにか退けたが、鼻の上の部分に激痛が走る…


「…痛ててててててて!!!!」


めちゃくちゃ痛い。何がおれを刺したのか…おれは暗闇の中、ベッドに目を這わせる。何も無い。明かりを点ける…やはり何も無い。


鼻をさする。少し腫れている。おれは焦る。何に刺されたのか…何より、まだ寝惚けている。何が起きたのか、どうして良いか分からない。さらに、まだその何かしらの存在がいるならば、おちおち寝てもいられない。


「…うおぉっ!!!」


枕の陰から、ちっこい糸状の生物が、ちょろちょろ出てきた。体長5センチくらいの、小ぶりのムカデだった。虫が嫌いなおれだったが、この痛みの恨みとばかりに、さらにここを逃したらまた就寝中に襲われるという恐怖から、速攻でティッシュで掴み、トイレに流してやった。圧勝だ。


「…ガッデミッ!!!」


しかし…痛みが引かない…どれくらい腫れるのか、そんな恐怖も頭をよぎる。夜が明ければ出社しなければいけない。鼻を大きく腫らした顔、なかなか見せられない。


とりあえず、虫刺され用のムヒを顔に塗る。裏面にはムカデに、もしくは痛みに有効という一文は無かったが、とりあえず試す。


「…ガッデム!!」


痛みが、全く引かない。それもこの痛み、かなり酷い。痛すぎて寝れない程だ。おれはこれまでハチ(と言ってもミツバチだが)に何度か刺されているが、この痛みはその非ではない。あの小さなムカデでこれだ…デカいヤツにやられていたら、おそらくおれは死んでいただろう。


兎にも角にも、何とかしなければならない。おれは、文明の利器を取り出す。スマホだ。インターネットだ。


今では手元で簡単に情報を検索でき、どんな事でもすぐに調べられる。昔には考えられない便利さだ。おれは早速、“ムカデ”を調べる。


ムカデの毒には、どうやらムヒは効かないらしい。なんと45度くらいのお湯をかけながら、患部を洗えと言う。同時にスマホの画面で見た時計は、4時を指していた…真夜中の熱湯シャワーか…


おれは熱湯を顔に浴びせ、同時に患部を洗う。確かに、熱湯をかけていると痛みが引く気がする。しかし、かけるのを止めればまた患部が疼く気がするが…


それでもおれは、15分は熱湯シャワーをやっていただろうか。一晩中熱湯を浴びているわけにもいかない。水不足でもある。おれは、こんな熱湯を顔に浴びて覚醒した状態じゃあ、もう寝れないな…と思いながら、部屋に戻った。


「…寝てる最中にムカデに顔を噛まれるなど…さらにこちらは素っ裸だ、鼻の中やもっとデリケートな部分を責められていたら…」


頭が覚醒している上に、この部屋・ベッドで起きた恐怖からのトラウマ…繊細なおれは、もうここで寝れそうにない。完全に睡眠障害一直線だ…


と思っていたが、そのまま朝の8時まで二度寝したのは言うまでもない。


朝になる。寝坊しながらベッドから抜け出すと、早速鼻を確認する。腫れは引いているようだ。


鏡を見る。患部は赤くなっているが、腫れもなく、特に目立たない。熱湯療法、なかなかの効果だったようだ。


この恐怖体験、早速尾ひれ背びれ付けて同僚にネタとして話したのは、これまた言うまでもない。



【続く】


Reo.

ベースボール・パークでのアウェー戦、を読み物風に

2012-08-21 08:38:44 | その他
『アウェー』
① 《「アウェイ」とも》サッカーなどで、相手の本拠地。また、そこで戦うこと。→ホーム
② 自身の慣れ親しんだ分野や場所ではないところで勝負すること。「今日は歌舞伎町ではなくススキノで-戦だ。」


「…ヒマだ…」


愛するアメリカに出張に来てから1週間…シアトル郊外という場所柄もあり、買い物含む全ての事をやり尽くした感があるおれは、週末の過ごし方に悩んでいた。買い物は終わったし、映画はもう観たし、だからと言ってホテルにずっといるのも…


「…スポーツか!」


スポーツ専門チャンネルを観ながら、おれはふと閃いた。アメリカと言えばアメフトをはじめ野球やバスケットボールと言ったスポーツ、おれも昔住んでた頃はスポーツばかり観ていた。しかし…実際に現地に観に行った事はなかった。今回は社会人になって懐にも余裕がある。ひとつ、行ってみるか…


と言っても、バスケットボールはシーズンオフで、更にシアトルには現在プロチームが存在しない(オクラホマシティに移転してしまった…)。アメフトはプレシーズン中で、本気度の低い試合を高い金払って観るのは…となると、野球に決定だ。個人的には3大スポーツの中で一番興味が無いが、シーズン中だし、弱くてチケットを入手するのも簡単で、更にイチローはいなくなったが岩隈とムネリンという二人の日本人選手が所属しているらしい。すばらしい…ここは一つ、アメリカで日本人男性がどれほど人気あるか試すべく、ボールパークで隣のアメリカ人女性を口説き落とすとしましょうか。


ちなみに、サッカーというオプションも考え、シアトルには『サウンダーズ』(音を鳴らす連中!?)という意味不明なMLSチームがあるのだが、ベッカムや元イタリア代表ネスタがいる他のチームと違い知ってる選手が一人もいなかったので、止めといた。


さて、シアトル・マリナーズだ。土曜日の18時から始まるナイターのチケットをゲットしたので、昼間はシアトルの街を散策する事にした。しかしこのシアトル、夏だと言うのにクソ寒い…15℃くらいだろうか。週半ばが暖かくてT-シャツに短パンと言う格好だったおれは、夜のナイターに不安がよぎった。


適当にスペースニードル、マーケット、スターバックス1号店、そしてサイエンスミュージアムという子供向けでクソつまらない博物館で時間をつぶし、おれはシアトル・マリナーズの本拠地・セーフコ・フィールドへと向かった。


シアトルの中心から南へ2kmほどの好立地にあるセーフコ・フィールド、海沿いと言うこともあり、やはりクソ寒かった。こんな寒空の中、3時間もお外でおとなしく座っていられるはずがない。おれは仕方なく、マリナーズのパーカーを買うべく、まずはチームショップへと足を向けた。スタジアムに隣接し、直接スタジアム内に入れるチームショップ、試合前と言うことで良い感じに混雑していた。それぞれがキャップやシャツを購入し、レジも長蛇の列だ。しかしながら、全品50%オフのイチローグッズだけは、誰も手にとっていなかった…やはりここにいるのは大方が『マリナーズファン』であって『イチローファン』では無い。チーム愛の深さと、選手に対する眼はシビアだ。


おそらく昨シーズンからの品であろうセールのパーカーを購入し、おれは早速球場へ入場。中は思ったより広く、そして綺麗だった。通路は端に売店が並ぶに十分の幅があり、トイレも充実。比較的新しい球場であるのは知っていたが…すばらしい。


しかし残念だったのは、おれも席に先に誰か座っていて、さらに誰かがぶちまけたピーナッツの食べ屑が散乱していた事だ。さすがアメリカ、大雑把だ。先に座っていたおっさんに正しい席を教えて退散していただき、ピーナッツ屑を前の席に蹴り流す…おそらくこうやってアメリカ人達は徐々に正しい席に着き、ゴミを一番前の席に溜めていくのだろう。


さて、気を取り直して本日の本題だ。運の良い事に、両隣共に女性。スポーツ観戦に興味があるのはもっぱら男なアメリカで、野球場ではレアケースだと思うが、おそらく日ごろの行いの良さだろう。右側は二人組だが、典型的アメリカ人ぽくちょっと横幅があったので、今回はパスしよう。左側は三人組、ちょっと声を掛けづらいが、その中に可愛い娘もいるので、まとめて知り合いになるとしよう。


今回の作戦は、野球をあまり知らずに、色々と教えてもらう中で会話を広げて仲良くなる…日本では遂行経験があるも、アメリカ、ひいては海外では初の経験となる。アウェーでどれほど効果があるか…楽しみだ。


「…すまない、マリナーズに詳しくないのだが、このピッチャーは凄いのか…?」
「アラ、マリナーズ、知ラナイノニ、来タノ?」
「…あぁ、仕事でシアトルに来たから…あぁ失礼、Reoだ…」
「マァ、私ハレンチェル、始メマシテ」
「…良く野球を観に来るのか?こんな綺麗な女性がいるとは想像していなかった…」
「マァオ上手、タマタマ来タノヨ。アナタニ会エルナンテ、来テ良カッタワ」
「…おれもだ…どうだろう、この後、近くのバーにでも行かないか?」


イメージトレーニングも完璧だ。おれは意気揚々と、左隣の女性に声をかけた。


「…あ、あのぉ…このピッチャー…!?」


左隣の三人組、ずっとガールズトークをしていて、ほぼ全く野球を観ていない…!そういえば、三人組は到着してからもっぱら何かを食べて、ガールズトークで盛り上がっていた。女子会か!?というツッコミを入れるわけもいかず、おれは仕方なく右側も女性の方へ眼を向けた。せっかくのアウェーゲームという機会、不戦敗というわけにはいかない…


「…あ、あのぉ…!?」


右側の二人組は、なんと一心不乱にナチョスを食べていた。いや、体格の大きさは気付いていたが、まさかこちらも野球に興味が無いとは…アメリカのボールパークでは熱心なファン以外でも、ただ仲間と盛り上がって楽しむために来る観客が多いみたいだ。野球は3時間半近くもかけ、中断期間も比較的多く、のんびりと観るスポーツの為、そんな観客には向いているようだ。サッカーやバスケではこうはいかない。それは日本でも変わらなかもしれないが。


他にアメリカのベースボール観戦で気付いたことを幾つか…


‐売店の飲食物はアメリカでもクソ高い。通常の約2倍から3倍する。
‐それでもアメリカ人はみんな驚くほど食べ続けてる。
‐でもゴミの持ち帰りはしないから、試合後の席の下はゴミだらけ。
‐試合後はなぜか無料の土を配布していた。みんな家庭菜園してるのか?意味不明。
‐日本みたいに試合中ずっと揃って応援している応援団みたいなのは無い。
‐つまり外野席も他の席と変わらない。誰も歌ったり何かしら叩いたりしない。
‐つまりみんなのんびり観ているのだが、たまに起きるウェーブにはなぜか情熱を燃やしている。
‐イニング間やピッチャー交替時の中断期間は、クイズとか歌を唄うとか色々と楽しませる放送がバックスクリーンである。
‐そんな時によく観客席を映すため、ぜひ映りたいが為に中断期間の度にテンション高く踊る面々がいる。
‐でもテレビ中継ではどうせCM中であろう…と思うも、映った面々は大喜び。良い経験なのだろう。
‐ホームランボールはもとより、ファールボールも、スタンドに入らなかったファールボールも球拾いのお姉さんがくれる。
‐だから球場内はグローブ持った人達ばっかり。
‐一人でくる人もいるが、みな用意周到に端っこの席に座っている。一人でど真ん中はおれだけ。
‐イチロー効果がまだ続いているのか、ガイドに率いられた日本人ツアーの姿をまだ観る。
‐チケットは60ドル~20ドルくらいと色々だけど、30ドルの外野チケットでも十分楽しめた
‐試合前に国歌を唄って盛り上げる。
‐観客は白人男性が多い。


アメリカでも野球観戦の参考にでもしてくれ…


9回裏、マリナーズがサヨナラ犠牲フライで勝利し、試合は平和なうちに終わった。隣の女性達は、試合が終わる前に帰っていた…やはり熱狂的なファンってわけではないみたいだ。仕方なくおれも、一人寂しく帰宅の途へついた…寂しさはアウェーで不戦敗したからではなく、岩隈もムネリンも出番が無かったから、という事にしとこう。







【続く】


Reo.

脅威の視力を…、を読み物風に ②

2012-08-14 07:22:20 | その他
『視力』
① 物を見る目の能力。外界の物体の位置や形状などを認識する目の能力。「―検査」
② 誰もがかつては高ければ服が透けて見えると信じていた能力。レーシックでも実現不可。


記事のアップデートが遅れている…アメリカへの出張で、16時間の時差と、車なしでは何も出来ない国土の広さ(車で20分は近距離だという)、尋常じゃない食事の量(ざっと日本の倍、中年太りまっしぐらだ)、そして恐るべきドリンクの大きさ(映画館の一番小さいコーラで500ml以上ある!)に連日グロッキー状態が続き、記事に手をつけられないためだ。かつてはアメリカに住んでいたというのに…日本のサイズに慣れてしまっていた。慣れとは怖いものだ…(?)


しかし、そんな度重なる出張の為におれはレーシックを受けたのだ。10時間以上というフライトや、旅先でのコンタクトレンズ手入れの煩わしさ、万が一の自体(コンタクトやメガネを失う)での危機を回避する為に。


手術当日に医院に着くと、ちょっとした検査の後、早速別のフロアへと通された。手術と会計は、別のフロアになっていたのだ。二人ずつ通されたそのフロアで会計を済ませると、順番に手術と術後の説明を個別に受け、術後の痛み止めコンタクト装着希望の有無を聞かれる。


「術後の無痛コンタクトはされていかれますか?」
「…悪い、全く説明を聞いていなかったのだが…」
「術後に先生が装着してくださり、術後の痛みは無くなります。翌日の検査で、先生が外します」
「…術後の痛みは、どんな…?」
「本当に個人差があるんです。友達は全くなかったって言っていたんですけど、私はちょっとありました」
「…」


なるほど、痛みは心配だが、どんな痛みかは全く想像出来ない。ここで受付が男だったらコンタクトを頼んでいたかもしれないが…受付嬢は綺麗なお姉さんだ…


「…痛みには猛烈に強いんで、大丈夫です」


また、見栄を張ってしまった…今をときめく武井壮の真似をして。ん?武井壮って誰かって…?最強の男だ。ググってくれ。


お姉さんに麻酔を点眼してもらい、頭に変なものをかぶり、麻酔が効き始めるまで暗いところで待機。


準備が出来たところで、先生に連れられ手術室へ。なんかデッカい機械に横たわり、眼を片眼ずつ固定される。麻酔は眼だけで意識は最初から最後までしっかりあり、何が起こるのかは見えるのだが、あまりにも近すぎて何がなされているかはさっぱり分からない。つまり、それほど怖さはない。


「光っているところをまっすぐ見ててね」


最初に、両目のフラップを作る。視界がぼやけた状態で他の部屋に引率され、次にレーザーを掃射する。最後にフラップを元に戻し、先生が水か何かで洗浄して終了。ものの10分ほど。あっという間。痛みは、全くなし。


手術直後は、またお姉さんに点眼され、暗い部屋で眼を瞑って10分くらい休む。点眼プレーに病みつきになりそうなところで、受付で保護メガネを貰って終了。保護メガネは外に出てる時は着けていなきゃいけないという。フラップがちゃんとくっついていない間に、ゴミとかが入らないためだろう。翌日の検査の時に返却し、それ以降は自分の度なしのサングラスとか伊達メガネを、1週間ほど使えという。


真夏の昼間、保護メガネをして外に出た。手術直後のおれの眼を、厳しい直射日光が遠慮無しに射す。眩しい…痛い…しんどい…


手術初日は、読書もテレビもダメだという。ようは、眼を使う事を禁止され、ただ休んで回復に努めろと…


おれは直接帰る為に電車にすぐ乗った。直接帰るのは正解だった。点眼麻酔が切れた時点で、眼が痛くて開けてられない…座れたのを良い事に、電車ではずっと眼を瞑って耐える。


家に着いても、痛みがしんどい…そのままベッドに横になり、眼を瞑っている。そのまま、昼寝だ…


2時間程で昼寝から覚めると、痛みは引いていた。しかし、その日は何もするなと言われていたので…朝の手術だったので、まだ昼間だ…


その後の流れは、複数の目薬の点眼を数時間おきに繰り返し(1週間)、翌日に検査。問題が無ければ、1週間後と3ヵ月後に検査。


翌日と1週間後検査を問題なくパスしたおれは、自信満々に両目2.0を自慢するようになった。今では、全く違和感も無い。また悪くなったりしないのかだけが心配だが…近眼の進行が止まっていた以上、問題は無いだろう。


ただ唯一残念なのは…事故等によって誰もが望んでいる服が透けて見れるという特殊能力を得られなかった事なのは、言うまでもない。


しかしながらその能力を得たと戯言を言って、女性との会話を巧く下ネタに持っていっているのは、これまた言うまでもない。


【続く】


Reo.

脅威の視力を…、を読み物風に ①

2012-08-02 13:41:35 | その他
『驚異』
① 驚き不思議がること。また、驚くほど素晴らしい事柄や現象。「―の目をみはる」「宇宙の―」
② 一つは持っておきたい人間の神秘、真の実力。「―の身体能力」


おれの場合は、中学生の頃からだった…13歳になるかならないか頃から、授業でも徐々に黒板の文字が見えずらくなってきた。


アメリカに渡ってからは、それが顕著になっていく。定例の身体検査でその視力の低下を指摘され、メガネを買う事になる。しかし男子校にもかかわらず見た目を気にしたおれは、授業の時だけかける状態だった。


大学に行くと、さすがに広い講義室や教室での授業だけでなく、自動車の運転の面からもメガネが手放せなくなり、コンタクトレンズを購入する。


…そして、それから約10年。だいたい成人で止まるという近視はさすがに悪化していないが、視力も当然改善されるわけもなく、毎日着け外しや長時間移動、ダイビング時の不便さに辟易しながらも、コンタクト装着を続けてきた。つい先日までは…


そう、おれはついに、レーシック手術を受けたのだ。


そのニュースを知ったのは、ブラジルワールドカップ最終予選の試合が終わった直後の事だった。朝、出勤前に売店に並んだスポーツニュースをチラ見すると、『本田、極秘手術!』の見出しと、日本代表・本田圭佑の目のアップ写真が…


「…まさか、整形してたのか…??」


そんな感想を持ちつつ出社しニュースをチェックすると、どうやらそれはレーシック手術の話しだった。新シーズンに向けてロシアへと出国する前に、ささっと新宿にある医院で最先端のレーシック手術を受け、両目2.0に…


「…こ、これだ…」


前からレーシックを考えていたおれは、多少の不安がありながらも、あのストイックで色々と自分の考えを持って感情に流されない圭佑が受けた手術に安全性と有効性の確信をいだき、手術を受ける決意をした。同じ場所で、同じ手術を…幸運な事に、その最高級の手術は本田圭祐フェアで期間限定で10万円も安くなっていた(38万円→28万円)。好機、来たり…いや、ただミーハーなだけでは、決してない。ましてや、うまい具合にマーケティングに踊らされているわけでも…


7月のある日、ちょうど一週間の休みをもらっていたおれは、その初日に医院へと検査に向かった。事前にウェブで予約して、あとは直前に確認の電話をもらって注意事項を聞く。ソフトコンタクトを着けている場合は、検査の3日前から外していなければならない。メガネで会社に行くのが色々と面倒だが、まぁしょうがない。


検査は、視力はもとより、角膜の厚さや、乱視の有無と状況なども調べられる。乱視はあるが治せる範囲、角膜の厚さも十分という事で、レーシックは受けられるという事だった。


次はレーシックの説明と、プランの相談。医院に入って受付を通った直後にすぐi-Padを渡されてレーシックの説明ビデオを見せられたが、さらに詳細の説明を受ける。一対一で質問もなんでもOK。当然おれは、一番気になっていた事を聞いた。


「…アフリカ人みたいに、6.0とかにはならないのか…?彼らなみの驚異の身体能力と視力が欲しいのだが…」
「…」


おれの質問があまりにもアホなのか、カウンセラーのお姉さんは一瞬黙り込む。後でナンパしようと思っていたが、これで好感度を思いっきり下げて無理になったな…と沈んでいる中、しっかりと説明してくれる。


どうやら眼には元から(生まれた時の)の能力があり、日本人は大体2.0が最高。それが近視や乱視によって焦点がずれる事によって、視力が落ちてくる。レーシックはメガネやコンタクトと同じようにその焦点のずれを治すものであって、さらに眼の能力を高めるものではないので、アフリカ人なみの視力は得られないという…残念。


つまり、レーシックによってメガネやコンタクトで矯正した後の視力ぐらいは出る。0.1以下とかの視力の人は最高でも1.0とか1.2くらいしか出ないらしいが、幸いにもおれは2.0くらいまでいくらしい…圭佑と同じ、最高だ。ついでに手術後に圭佑と同じ左利きになっていればなお良いが…


そんなこんなで本田圭祐モデルのレーシックを申し込み、おれは医院を後にした。手術は翌日。手術自体の時間は15分程度(!)楽しみだ…


【続く】


Reo.