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「日本製鉄の米社買収、可能性ゼロに近い」米クリフスCEO

2024-05-15 08:22:51 | エレクトロニクス・自動車・通信・半導体・電子部品・素材産業


「買収が成立する可能性はゼロに近い」と話すクリーブランド・クリフスのゴンカルベスCEO
(14日、ワシントン)

 

【ワシントン=川上梓】

米鉄鋼大手クリーブランド・クリフスのローレンコ・ゴンカルベス最高経営責任者(CEO)は14日、日本経済新聞社などの取材に応じ、日本製鉄による米USスチールの買収が成立する可能性について「ゼロに近い」と話した。

日鉄は買収で米鉄鋼業の中国に対する競争力を高められると主張するが、同氏は「米国は(日鉄の)支援なしに中国に対抗できる」と反論した。

 

同日、ワシントン市内で開催された米国鉄鋼協会の年次総会で取材に応じた。ゴンカルベス氏は同協会の会長を務めている。

クリフスは以前、USスチールの買収に名乗りを上げていた経緯があり、日鉄による買収に反対する姿勢を鮮明にしている。買収を再提案する可能性も指摘されてきた。

 

日鉄によるUSスチールの買収はUSスチールの株主総会で承認されたが、米国政府による審査が長期化し、労働組合も反対している。

ゴンカルベス氏は「バイデン大統領は労働組合を支持し、USスチールの所有権を米国が持ち続けることを明確に表明している」とし「米国の大統領が既に立場を表明している以上、買収が成立する可能性はゼロだ」と話した。

 

そのうえで「日本政府はこのことを知っている。日鉄がまだ買収を進めると言っているのはあきれるばかりか、米国人を侮辱している」と批判した。

同氏がCEOを務めるクリーブランド・クリフスは全米鉄鋼労働組合(USW)に多くの組合員を抱え、影響力を持つ。

 

ゴンカルベス氏は「労働者の支持なしに(日鉄による)買収は完了できない。日鉄は聞く耳を持っていない」とも批判した。

さらに自身がバイデン大統領だけでなく、トランプ前大統領からも個人的な支持を受けていると説明し、大統領選の結果にかかわらず、買収を阻止すると話した。

 

日鉄は、自社によるUSスチール買収は、米鉄鋼業が中国の鉄鋼産業に対する競争力を高めることにつながると主張している。

ゴンカルベス氏は「米国は誰からの支援もなく中国に対抗できる。日鉄による支援は有害だ」と反論した。

 

日鉄が中国で同国の国営鉄鋼大手、宝武鋼鉄集団と合弁事業を展開していることを挙げ「彼らは中国と一緒に行動しており、(周辺国への過剰な鋼材輸出などを)中国が実施することを許す立場にあるからだ」と説明した。

日鉄は3日、USスチールの買収完了の時期の見通しを当初の4〜9月から延期した。米当局の審査が長引く可能性があるなかで「12月末までを目指す」(日鉄幹部)としているが、完了時期は11月の米大統領選の後になる公算が大きい。 

 

※掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

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柯 隆東京財団政策研究所 主席研究員

分析・考察

アメリカ人の鉄鋼ナショナリズムは想像以上にきつい。

アメリカ経済がAIや半導体によってけん引され、鉄鋼のGDPに占める割合はかなり小さくなっているが、やはりアメリカの国力のシンボルだからか、日本に買収されてたまらない。

中国も無防備にアメリカの自動車産業に挑戦している。

だからこそバイデン政権は関税を4倍にすると発表している。アメリカとは戦略的に付き合わないといけない

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日経記事2024.05.15より引用
 
 
 

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1 コメント

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マルテンサイト千年 (グローバルサムライ)
2024-05-18 09:49:58
最近はChatGPTや生成AI等で人工知能の普及がアルゴリズム革命の衝撃といってブームとなっていますよね。ニュートンやアインシュタインの理論駆動型を打ち壊して、データ駆動型の世界を切り開いているという。当然ながらこのアルゴリズムにんげんの考えることを模擬するのだがら、当然哲学にも影響を与えるし、中国の文化大革命のようなイデオロギーにも影響を及ぼす。さらにはこの人工知能にはブラックボックス問題という数学的に分解してもなぜそうなったのか分からないという問題が存在している。そんな中、単純な問題であれば分解できるとした「材料物理数学再武装」というものが以前より脚光を浴びてきた。これは非線形関数の造形方法とはどういうことかという問題を大局的にとらえ、たとえば経済学で主張されている国富論の神の見えざる手というものが2つの関数の結合を行う行為で、関数接合論と呼ばれ、それの高次的状態がニューラルネットワークをはじめとするAI研究の最前線につながっているとするものだ。この関数接合論は経営学ではKPI競合モデルとも呼ばれ、様々な分野へその思想が波及してきている。この新たな哲学の胎動は「哲学」だけあってあらゆるものの根本を揺さぶり始めている。こういうのは従来の科学技術の一神教的観点でなく日本の独創とも呼べるような多神教的発想と考えられる。

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