ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

矛先違い

2020-02-12 | アメリカ事情

stanford.edu

 

 

 

毎週楽しみに読むコラム二ストは、全米の各新聞社に掲載を展開するコラムを執筆するVictor Davis Hansonヴィクター・ディヴィス・ハンソン氏である。スタンフォード大学構内に、1919年同大学卒業者フーヴァー大統領が創設した、大学の直轄ではなく独立して存在するフーヴァー研究所(正しくはフーヴァー戦争・革命・平和研究所)にハンソン氏は所属している他、大学教授でもあり、また農夫でもある。彼の聡明な世相の読みや意見は、この混乱と分断の世情に、時に灯台の光のように明晰な道しるべを照らす。下の記事は今年1月30日のものである。

 

西洋人は、他の国には決して適用しないという重要な基準を西洋自身に適用することがある。

 

フーバー研究所の同僚、歴史家のナイオル・ファーガソンは、スウェーデンのグリーンティーン【いろいろな意味があるが、ここでは環境問題対策への発議/抗議をする十代の意】の有名人グレタ・トゥンべリが、炭素排出量を削減するのだという主張においてその怒りの矛先を方向転換することでより効果的である可能性があることを指摘した。地球上で化石燃料使用の最も劇的な低下を達成したヨーロッパ人やアメリカ人を説得する代わりに、トゥンべリは、中国やインドに注意を向けて、その指導者たちに二酸化炭素排出を抑えさせるために、「よくも」【How dare you】と苦情を申し立てればいいのではないだろうか。

 

世界が引き続き危険なレベルの炭素を噴出するかどうかは、主に中国とインドの政策にかかっている。結局のところ、これら2つの国は世界人口の3分の1以上を占めており、石炭ベースの産業の成長を続けている。

 

1950年代後半、米国の多くのエリートたちは、世界的な共産主義への傾倒が西側諸国を「埋めてしまう」というソビエト連邦の台詞をそのまま受け入れた。その後、1980年代にソビエトの力が腐食すると、国有企業の優秀モデルの日本株式会社が、西洋的な民主資本主義に代わる好ましい選択肢になった。

 

日本経済が化石化し始めると、1990年代の新しい【経済形態の】理想郷は、多分に新興の欧州連合だった。アメリカ人は、ユーロがドルに基づいて上昇したことに畏敬の念を抱いていた。ヨーロッパの国境のない民主社会主義とその「ソフトパワー」は、反動的な米国よりも望ましいと宣言された。

 

2015年までには、ヨーロッパ連合は乱雑・混乱化したため、中国が避けられない世界の超大国として運命づけられた。アメリカの知識人たちは、落ち込んだアメリカ内陸部経済とは対照的に、中国の高速鉄道輸送、太陽光産業、又煌めく空港を指摘した。

 

現在、カーテンは開けられ、中国共産党の内部腐敗、その強制収容所のような再教育キャンプ、組織的な商業的不正行為、ジョージ・オーウェル風な考え方の社会監視装置、繰り返される公衆衛生危機、およびその原始的な奥地社会の経済的存続に不可欠な基本的施設の欠落など、その内情を世界に呈している。

 

ソビエト連邦、日本株式会社、ヨーロッパ連合、中国の超大国が化石化後、誰が次にアメリカを埋葬できる、と思うのか、誰も全く知りえない。

 

欧米は、女性、マイノリティ、同性愛者に対する暴力に対してしばしば非常に批判的である。たとえば、ヨーロッパ連合は、ヨルダン川西岸でのパレスチナ人への虐待を想定して、イスラエルだけをしばしば取り上げる【紛争の責任をすべてイスラエルに押し付ける】。

 

それでも、もし西側諸国の人権活動の目的が世界的な偏見と憎しみを抑えることであるならば、最大の犯罪者として一点集中することははるかに費用効果が高く、採算にあうのだろう。

 

中国は現在、再教育【つまり洗脳】キャンプで約100万人のイスラム教徒ウイグル人を拘束している。それでも、(西側諸国の)活動家グループは、イスラエルをターゲットにしたのと同様には、北京に対するボイコット、投資撤収、制裁を求めていない。

 

同性愛はイランの死刑犯罪である。伝えられるところによると、イランの同性愛者の多くは、1979年のイラン王シャーハン【パーレビ国王】陥落以来、神政主義法に基づいて、何千人もが投獄され、処刑されている。

 

国連の人権理事会に、世界的な偏見と憎悪に対する有意義な非難を求めても意味はない。国連は、米国とイスラエルの両方だけに対する頻繁な批評機関であるのだから。

 

人権理事会の47加盟国の多くは、人権の常習的な違反者である。 2017年、9か国の加盟国は、国連の人権基準の実施に積極的に取り組んでいたその各国民を迫害したのだ。

 

欧米人の精選された怒りと自身の文化に対する悲観論には多くの理由がある。臆病さがこれらの不均整さを説明している。小さな民主的なイスラエルを爆破しても報復はない。強力な中国や残忍なイランに挑めば報復を受ける可能性がある。

 

罪悪感は、選択性の一部についても説明する。欧州諸国はまだ19世紀の植民地主義と帝国主義を咎められている。かつての植民地や第三世界の国々の市民は、近現代の21世紀の今でも、永久に犠牲者のように振る舞い、彼らは常に、どんな悪事を働いても、自らの罪に対する赦免を求めるのだ。

中略

 

(カリフォルニア州)バークレー市(非常にリベラルな街)にとって、清潔な新しく建築された建物で、アメリカ国産のほとんど汚染を起こさずに燃焼する天然ガス生産を非合法とする方が、サウジアラビアからのはるかに汚れた原油を非合法化するよりも、はるかに簡単である。現在、性差別、同性愛嫌悪、そして独裁的なサウジアラビアはカリフォルニア州にとって、最大のオイル供給源であり、この州に年間約1億バレルを送っている。どうやら、きれいな国産天然ガスを違法にすることで、汚れたサウジ石油の輸入を正当化していることが正しいらしい。

 

西洋のエリートは永久に苦しめられている。しかし、次回(グレタのような人が)特定のターゲット層にその矛先を向けて説教をするときは、まずは怒りの原因と動機を考慮することである。

 

 

FoxNews.com

 

Victor Davis Hansonヴィクター・ディヴィス・ハンソン氏

 

Starecat.com

 

 

 

 

 


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