ままちゃんのアメリカ

結婚42年目のAZ生まれと東京生まれの空の巣夫婦の思い出/アメリカ事情と家族や社会について。

怪しいフォグ

2024-02-22 | 信ずること
婚約の話が浮上した頃贈られた花束の薔薇の花びらとメッセージ*
長い時が過ぎ去ったと言うのに褪せもしない花びら
メッセージは二人の合言葉であり、信じていること。


ストレスの鬱積、睡眠不足、不規則・不適切な飲食生活、極端な運動不足などによって、人は往々にして、頭がモヤモヤしている感覚を持ち、集中力や記憶力などが低下して、よって判断力や意思決定能力が欠けてしまう状態をブレイン・フォグと言うが、文字通り脳に靄なり霧なりが湧いていることである。誰でもそのような状態に陥るが、未亡人の91%はブレイン・フォグに見舞われると言う統計がある。(Modern Widows Clubが2020年に行った523人を対象にした調査による。)

日本で頻繁に起こる「おれおれ詐欺」などは、おそらくお連れ合いをお亡くしになった年配者が被害者なのは、そうした靄や霧が一因となり、適切な判断力を欠けさせてしまうからなのかもしれない。放置しておくと、実は鬱病や認知症などの本格的な病に発展してしまう可能性がある。ちょっと行き過ぎたモヤモヤだとご本人やご家族が懸念する時は、一応専門医に相談することが大切だ。

夫を見送ってから、以前にまして祈ることが頻繁になり、そして50余年になるキリスト者としての知識やその土台となる信仰のために、捨てることも忘れることもできない大きな希望のために、泣き崩れてどうにもならないことには至らなかった。〜すればよかった、という後悔一つ私にはなく、また一言も苦しさを訴えず夫が静かにこの世を卒業できたことは祝福であると思う。

葬儀のあとで、ビショップに「故人は非常にあなたに感謝していると私や他の教会員たちに何度も何度もおっしゃっていらしたのですよ。心の底から大きな愛情をお持ちのご夫婦であられましたね。」とお聞きした時は、お礼を申して、帰宅して件の寝室のカウチに座ってさめざめと一人で泣いた。

かつて多くの受験者の力となった旺文社の「傾向と対策」参考書のようにブレイン・フォグにもその傾向と対策はある。健康的な食生活から始まって、十分な睡眠をとり、散歩や軽い運動、ストレス軽減のためにリラックスタイムをとって音楽鑑賞や読書などから気軽に始められる。

私の対策はキリスト者としての信仰と希望を持ち、聖典をさらに読み、学び、「東に病気の」方があれば、「看病し」、「西に疲れた母あれば行って」子供たちと遊び、食事を持っていき、の、まさに「雨にも負けない」生活を心がけていることである。「雨にも負けない」のなら、靄も霧も退散してくれることだろうと願いつつ。(宮沢賢治「雨にも負けず」から。)

*(I can't wait for the day when )We'll Never Have To Say Goodbye Again (to each other).
(その時が待ちきれません)わたしたちが(お互いに)2度と別れを言う必要がありません。




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2 コメント

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Unknown (ムベ)
2024-02-22 09:33:33
私はその霞の中を通りました。
役所などのあれこれの手続きで、聞いた言葉が覚えられなくて戸惑ったりしました。

でも、息を引き取る間際まで「ありがとう。ありがとう。もう良い。もう良い」と繰り返してくれた主人の言葉と、ウオーキングが助けになりました。
勿論、永遠の望みがあるからですが・・。

今は、ままちゃんさんのお体を大切になさってくださいませ。
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ムベ様 (ままちゃん)
2024-02-22 10:19:31
コメントをありがとうございます。
先輩のご意見はたいへん貴重で感謝いたします。
「ありがとう、ごめんなさい」と言い遺して逝った人は、それでもとても近くに、すぐ横に後ろにいてくれるのがわかるのはありがたいことです。霊界では忙しいのがわかるので、(伝道は続いていますから)、私はメソつかないようにしていますが、そこは不完全な人間ですから時には一人で件の寝室に座って涙を流しています。でも5分で切り上げることにしています。それについてはまた書きます。ムベ様のブログで沢山勉強させていただき感謝に絶えません。ご夫君の最後のお言葉、泣きます。季節も変わり目に入りますから、十二分にお体にお気とつけてくださいませ。
ーままちゃん
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