稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

史跡神宮寺城跡と十三塚

2012年05月19日 | 日記
5月19日。

稲敷市内にはいくつかの城跡がありますが、
茨城県指定史跡になっている神宮寺城跡も
その一つです。

時は南北朝の騒乱の時代、
伊勢の大湊を出港した南朝方の重臣である
北畠親房(きたばたけ・ちかふさ)らが、途中
暴風雨に遭難して流されて
現在の稲敷市四箇、阿波、甘田、阿波崎といった
地区が取り囲む入り江の辺りに漂着し、
最初に入城したのが神宮寺城でした。

その際に地元の人々は親房らに協力して働きました。
けれども親房ら南朝方の立てこもる神宮寺城は攻め落とされ、
親房らは続いて阿波崎城へと移って戦いますが、
ここも程なく落城し、親房らは現在のつくば市にある
小田城へと落ちのびていきました。

親房らが去った後、北朝方が神宮寺や阿波崎など
この地域一帯を制圧すると南朝方に協力したということで
地元の人々が処罰されることになると、
各村々の代表者である13人の名主等が責任を問われる
ことになりました。

その時に命を絶たれた13人がかわいそうだということで
後の世に地元の人々により建立されたのが
稲敷市指定史跡である十三塚です。

現在は神宮寺城跡も十三塚も神宮寺城跡保存会の有志によって
定期的に清掃などの管理が行われています。

19日にも晴天の下、両史跡の清掃が行われました。


  

両史跡とも郷土の大切な文化財です。
今後とも、地元の人たちの手によって
末永く大切にされていけば良いなと思います。

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