稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

鎧の撮影

2014年10月31日 | 日記
ここのところ肌寒い日が続きます。日の入りも早くなり、電気の消えた薄暗い館内を歩くにも勇気がいります・・・。

さて、今日は鎧の撮影を行いました。
この鎧、一時的に市内のお宅から寄託を受けている品です。そのお宅では代々、戦前までは五月人形の代わりにこの鎧を飾っていたそうです。




※袖を通しているのは所有者の方です


随所に、龍の柄の布とトンボの柄の布が使用されています。トンボは飛ぶ際、後ずさりせず前進するのみの動きをすることから、「勝ち虫」とも言われ武士に好まれるモチーフでした(でもUターンはしますよね・・・)。
実際に作業してみると、一式のパーツの多さに驚かされます。これを作った技術者の労力が創造できる逸品です。また、身長160センチ台の人物に合わせて作られており、当時の男性の体格も想像できます。
現在、この鎧は資料館一階の常設展示内に展示しております。どうぞお楽しみください。