稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

中世文書のレプリカ作成を作成します!

2014年02月03日 | 日記
資料館では、稲敷市内に遺る中世文書のレプリカを作成いたします。

今回は、稲敷市指定文化財の岡澤九郎兵衛家文書のうち、

①「土岐治英判物2」(永禄4年/1561)
②「土岐治綱判物」 (天正14年/1586)
③「芦名盛重印判状」(天正20年/1592)

の3点を作成いたします。

岡澤九郎兵衛家は、室町時代頃から江戸時代初期までは、
鍛冶の頭領のお家で、刀剣や鎧、鉄砲などを造って
おり、その時々の当地域の支配者たちから文書の発給
を受けており、地域の鍛冶職を統べる立場を認められて
いました。


この日は岡澤家の現当主にも原資料をお持ちいただき、
立ち合いをしていただきました。


レプリカ作りは、超高画質のデジタルカメラにて資料を
撮影するところからはじまります。


現物資料と比較しながら、レプリカの色見本を作成します。
これを基に、和紙にインクジェットプリンタで印刷して
荒原稿を作成します。


撮影したデジタル画像は、その場でパソコン上でチェック
します。その高解像度から、ほんの小さな紙の繊維の
ほころびまで拡大して見ることがでます。


現物を前にしながら、レプリカの制作者と、
どこまで、どのようにレプリカを製作するのか、
議論します。

今回は、完全に、本物そっくりに作るのではなく、
レプリカであることが分かりながらも、
現状での資料の状態を優先しつつ、時代の汚れを
ある程度落としたように作り、且つ紙自体の強度が
保たれて常設展示にも耐えられ、対光性のある
レプリカ造りを念頭においています。

これは原資料が、400年以上前の紙物資料であり
非常に弱っていることから、各種の展示の際には、
これに代わって展示可能な二次資料を作成する、
ということも考えているからです。

私たちの郷土に、戦国時代の鍛冶に関する古文書が
遺っていることは、特に注目に値することで、これを
後世に伝えるために、様々な方法を考えていきたい
と思います。



江戸崎土岐原氏講座2回目

2014年02月01日 | 日記
平成26年2月1日(土)。

この日は、第二回の江戸崎土岐原氏講座が開かれました。



講師は、今回も稲敷市郷土資料調査委員会委員長の
平田満男先生です。



稲敷市内には、土岐原氏の旧臣の方が多数おられます。
受講生のみなさんの中にも、江戸崎土岐原氏に縁のある
方々がご参加くださいました。


前回の第一回目の内容は、

1.美濃から常陸へ
 ①土岐原氏研究の歩み
 ②江戸崎城主の変遷
 ③土岐原氏の信太庄入部まで

でした。

今回の第二回目の内容は、
2.常陸の国人から戦国領主へ
 ―史料でたどる土岐原氏7代の足跡―
 ①秀成
 ②憲秀
 ③景秀
 ④景成
 ⑤治頼
 ⑥治英
 ⑦治綱

でした。

 後半、少し時間が足りなくなり⑦治綱は、
次回に持ち越しとなりました。

 次回は、3回連続講座の最終回!
さて、江戸崎土岐原氏の運命はいかに?