稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

稲敷市立歴史民俗資料館 開館30周年記念 令和5-6年度 特別展 川瀬巴水 追憶の情景 ~巴水が描いた茨城県~

2024年01月23日 | 日記
稲敷市立歴史民俗資料館 開館30周年記念
令和5-6年度 特別展 川瀬巴水 追憶の情景 ~巴水が描いた茨城県~


巴水が描いた、茨城を訪ねよう!
茨城県を描いた「川瀬巴水」作品、37 点を一堂に公開する初の展覧会

日時:令和6年3月16日(土)~4月28日(日)
   午前9時~午後5時(入館は午後4時30分まで)
   ※休館日(毎週月曜日、祝日、3月28日、4月25日)

場所:稲敷市立歴史民俗資料館 2階 企画展示室
   ※入館無料


稲敷市立歴史民俗資料館は、平成6年7月23日に「東村立歴史民俗資料館」としてオープンし、令和6年は開館30周年記念の年となります。
開館以来、当館が積み上げて参りました成果の一つとして、特別展「川瀬巴水 追憶の情景 ~巴水が描いた茨城県~」を、歴史民俗資料館開館30周年記念事業の第一弾として開催いたします。

 川瀬巴水は、大正・昭和期に風景画を中心に活躍した版画絵師で、江戸時代の浮世絵版画にならい版元を中心に彫師、摺師らが工房で版画を制作し、大正デモクラシーや大正ロマンなどの新しい時代の空気を吸収した、伊東深水や笠松紫浪、高橋弘明らの絵師と共に「新版画」と呼ばれる新たな芸術版画作品を生み出していきました。
 また、川瀬巴水は「旅の画家」とも呼ばれ、日本のあちらこちらを旅して絵を描いていますが、昭和11年(1936)11月29日に稲敷郡浮島村を訪れてスケッチをしています。この時のスケッチを基に同年12月に制作された版画作品が《浮島戸崎》と《浮島柳縄》の2点となります。

 今回の特別展では、茨城県内を描いた巴水版画37点の外、《浮島柳縄》と同じ構図を肉筆水彩で描いた《潮来うき嶋夕月》(大田区立郷土博物館蔵)などの貴重な肉筆画6点も展示いたします。
また戦時中の昭和20年(1945)3月に出版された《水戸薬王院》は、元々戦時中の少数の制作である上に、同年8月2日の水戸空襲により地元所有の作品が殆ど焼失したと推定され、巴水作品の中でも特に「幻の作品」となっている貴重な作品を今回、特別に展示いたします。

今回の特別展は、川瀬巴水の茨城県内の作品を網羅的に収集、展示する初の試みとなります。
日本よりも海外で評価の高い川瀬巴水ですが、地元・稲敷市でゆったりご覧になれる貴重な機会となりますので、是非お誘いあわせの上、ご来館ください。




ーーー 関連イベント ---

■特別展講演会
日 時:令和6年3月 30 日(土) 午後2時~午後3時 30 分
会 場:稲敷市立図書館 2階 視聴覚室 定員 70 名
講 師:染谷智幸先生(茨城キリスト教大学教授、同大川瀬巴水と
     その時代を知る会代表)
演 題:「川瀬巴水の見た茨城と浮島-〈巴水の会〉の調査から分か
     ること」事前予約制
受講料:無料(資料代は実費)
申 込:申し込みについては令和6年3月17日までに、申込方法については下記参照(応
募多数の場合には抽選)

■特別展記念講演会
日 時:令和6年4月 20 日(土)午後2時~午後3時 30 分
会 場:あずま生涯学習センター 大ホール 定員 500 名
講 師:林望先生(日本文学者、作家、書誌学者)
演 題:「巴水は何を見ていたか」事前予約制
受講料:無料(資料代は実費)
申 込:申し込みについては令和6年4月7日までに、申込方法については下記参照

▽上記講演会への申込方法:稲敷市立歴史民俗資料館ホームページ、電話、直接来館
  稲敷市立歴史民俗資料館
   住所 〒300-0736 茨城県稲敷市八千石18-1
   電話 0299-79-3211
   HP https://www.city.inashiki.lg.jp/page/page009686.html
        

お問い合わせ先  稲敷市立歴史民俗資料館  電話:0299-79-3211

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秋季資料館講座「市内社寺建築巡り」を開催しました

2023年12月08日 | 日記
日本の社寺建築は、木造であることを基軸とし、その時代時代ごとの文化や思想、生活様式などを反映し、実に多様で豊かな特徴を備え、それでいて日本的な美を表しています。
今回は、日本建築史がご専門の国立歴史民俗博物館名誉教授の濵島正士先生と一緒に、逢󠄀善寺(本堂・仁王門(県指定文化財)・手水舎(市指定))や大杉神社(市指定文化財 社殿)などを巡る寺社建築の見どころを学ぶ講座で、令和5年度稲敷市立歴史民俗資料館秋季講座として、11月18日(土)にバスで巡りました。

当日の参加者は、晴れたり、曇ったり、また急に寒くなるなど気象状況がいろいろと変わった一日でしたが、28名の参加者の皆様には気象変動にも負けず、また、濵島正士先生による稲敷市内の社寺建築や日本国内の社寺建築の魅力と、みどころについて実際に現地で実物を目の当たりにパワフルにご講座を行っていただきました。

参加者の皆さんは稲敷市歴史民俗資料館に集合後、張り切って10時にバスで市内巡りにスタート!
濵島先生は12月9日に開催を予定しております「シンポジウム 稲敷市に花開いた近代仏教芸術の諸相」でもお話をいただく予定の内容を実際に現地に赴き、社寺建築を見ながらの説明となりました。





まず初めに、訪問したのは小野・逢󠄀善寺となります。その際、逢󠄀善寺の坂本学頭よりごあいさつをいただきました。
逢󠄀善寺は千手觀音を本尊とする天台宗寺院であり、天長3年(826)逢󠄀善道人の開基と伝えています。天文8年(1549)に焼失してしまいましたが、江戸崎城主土岐治英(ときはるふさ)が再建し、現在の本堂は天保13年(1842)の上棟しています。
 特徴としては、本堂の規模が五間堂で、各柱に懸鼻(かけはな)を付け随所に彫刻を入れて装飾性を高めています。とくに、向拝廻り(こうはいまわり)は本舎より大きな部材を用い、水引虹梁(みずひきこうりょう)に松・竹・梅の浮彫を付け、斗栱(とます)間を竜の彫刻で埋めるなど、豪華で勇壮な造りとしており、参拝者に強い印象を与えるねらいがあったものと思われています。



その後、昼食を挟み、阿波・大杉神社へ、その際市川宮司より大杉神社についてのご説明をいただきました。
大杉神社は、通称あんば様。社伝によると、神護景雲元年(767)の創祀、延暦15年(796)に快賢阿闍梨(かいけんあじゃり)が安穏寺境内に社殿を造営、大杉大明神とよばれました。現在の社殿は、寛政年間(1789〜1801)に焼失したあと文化10年(1813)に建立されましたが、屋根は仮葺のままで文政7年(1824)になって瓦葺が完成しています。また、平成14年から18年にかけて、屋根葺替・塗装彩色工事が行われました。
特徴としては、本殿・幣殿(へいでん)・拝殿を一体化した複合社殿であり、この様式は平安時代に京都の北野天満宮で始まり、近世には大崎八幡宮や日光東照宮など各社で見られるようになりました。これらは本殿が入母屋造ですが、近世には本殿をやや簡単な流造とするものも現われ、本社殿もその一つであります。本社殿では本殿を流造(ながれづくり)としながらも細部手法はきわめて複雑で、装飾彫刻を多用しています。
また、拝殿は桁行(けたゆき)七間の規模でありながら、正面側は内法虹梁(うちのりこうりょう)を架け柱を抜いて三間とし(組物は七間分備える)、向拝も広い一間としています。
さらに、向拝廻りは柱・虹梁・木鼻(きばな)などを主舎よりも大きな部材を用い、装飾彫刻も多用して正面廻りを広大かつ豪華な造りとなっています。

 今回見学しました逢󠄀善寺本堂も大杉神社本殿の向拝廻りも、どちらも参拝者へ与える印象を強める意図の感じられる建築物でした。このことを知り、実物を見上げますと「なるほど!」と納得できるのではないでしょうか。





ご協力いただきました神社や社寺の関係者の皆様には、感謝申し上げます。

16時に歴史民俗資料館に戻ってきました。今回参加された皆様には、地域の歴史や文化に触れていただき,市民としての誇りやかけがえのない郷土文化財の継承に関心をもっていただけたと思います。お疲れさまでした。

また、12月9日(土)には「シンポジウム 稲敷市に花開いた近代仏教芸術の諸相」の開催を予定していますので、ご興味のある方がいらっしゃいましたら、飛び入り参加も可能ですので、ご来場いただければ幸いです。

#稲敷市 #稲敷市立歴史民俗資料館 #大杉神社 #逢󠄀善寺


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稲敷市立歴史民俗資料館 「竹灯籠の灯を楽しむ」の開催のお知らせ

2023年12月01日 | 日記
稲敷市立歴史民俗資料館 「竹灯籠の灯を楽しむ(竹灯籠展示)」の開催のお知らせ

稲敷市立歴史民俗資料館の入口(ピロティ)において「竹灯籠の灯を楽しむ」を12月の水曜日と金曜日に実施いたします。(荒天の場合には中止をする場合があります)

今年はより多くの人に資料館を訪れてもらいたいとして、資料館入口ピロティに30本ほどの竹灯籠を並べ灯す取り組みを始めました。
この竹灯籠は、資料館職員が地域の竹林の竹を活用し、半年ほどかけて製作したものです。
竹に穴を開けて花や幾何学模様などを表現していて、竹灯籠のオレンジ色のあかりが幻想的に資料館を彩ります。



▽日  時:令和5年12月の毎週水曜日及び金曜日
      15時45分~17時(ただし、荒天の場合には中止する場合がります)

▽会  場:稲敷市立歴史民俗資料館 ピロティ

▽展示内容:自家製竹灯籠を30本展示

 ▽お問合せ:稲敷市立歴史民俗資料館
        住所 〒300-0736 茨城県稲敷市八千石18-1
        電話 0299-79-3211

#稲敷市 #歴史民俗資料館 #竹灯籠

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令和5年度稲敷市立歴史民俗資料館「ミニ展示」の開催のお知らせ

2023年11月29日 | 日記
稲敷市立歴史民俗資料館シンポジウム「稲敷市に花開いた近世仏教芸術の諸相」を12月9日の開催に伴い、関連イベントとしてミニ展示を開催いたします。

この機会に、シンポジウムの参加(12月9日開催)とミニ展示を見学し、近世(江戸時代)の建築、絵画、彫刻などの仏教芸術を見つめ直し、新しい発見をしてみませんか?



▽日  時:令和5年12月1日(金)~12月10日(日)
 9時~17時(ただし、入館は16時30分まで)

▽会  場:稲敷市立歴史民俗資料館(稲敷市八千石18-1)

▽展示内容:稲敷市内の近世(江戸時代)の絵画、彫刻などの仏教芸術の展示及びパネル展示

 ▽お問合せ:稲敷市立歴史民俗資料館
        住所 〒300-0736 茨城県稲敷市八千石18-1
        電話 0299-79-3211

#稲敷市 #歴史民俗資料館 #絵画、彫刻

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令和5年度 秋の資料館講座「徳川家康と常総地域」を開催しました

2023年11月17日 | 日記
稲敷市立歴史民俗資料館では、令和元年度より秋季資料館講座を開催しており、今年で通算4回目となります。



去る11月11日(土)に、あずま生涯学習センターにおきまして、令和5年度稲敷市立歴史民俗資料館「秋季資料館講座」として、「徳川家康」を中心に歴史学のご研究をなさっていらっしゃる平野明夫先生(國學院大學兼任講師)による「徳川家康と常総地域」についてのご講演を開催し、当日は80余名のご参加をいただきました。



「徳川家康」は、長く続いた戦国の世を終わらせた人物です。
現在放映中のNHKの大河ドラマにおきましても「どうする家康」として、徳川家康を題材としていますので、多くの方がご覧になられているかと思います。
戦国時代を終わらせ、また、徳川幕府250年の礎を築いた「徳川家康」には、多くの方が大きな関心を寄せておられるかと思います。

今回の講演につきましては、私たちの住んでおります、稲敷市を含めました茨城・千葉県をまだがる常総地域と、天下人となった徳川家康が、どのような関係があったのかを、講演にご参集頂きました皆様と共に、拝聴し、稲敷市の未来を築くため、過去の歴史に学ばせて頂きました。

なお、講座開催の冒頭には、筧市長よりご挨拶をいただき、「郷土の歴史と文化に根差した歴史民俗資料館の講座が、回を重ねていることに、お集まりくださいました皆様と共に、歩み、築いてきた道筋が感じられ、喜ばしく思います。」とごあいさつをいただきました。

稲敷市には、まだまだ隠れた歴史的、文化的魅力がたくさん埋もれています。
これからも、ドンドン稲敷市の魅力を講演会や講座など通じて積極的に発信して参ります。
色々な角度から、愛する故郷、稲敷市を見つめることで、多くのヒントが得られるかもしれません。本日ご参加いただいた皆様、お忙しい最中、稲敷市立歴史民俗資料館、秋季資料館講座に市内・外より沢山の方々においで頂き、誠に有り難うございました。



■令和5年度稲敷市立歴史民俗資料館「シンポジウム」開催のお知らせ

近世(江戸時代)の建築、絵画、彫刻などの仏教芸術を見つめ直し、新しい発見をしてみませんか?

▽シンポジウム「稲敷市に花開いた近世仏教芸術の諸相」

▽講師紹介:濵島 正士 先生(国立歴史民俗博物館名誉教授  専門:日本建築)
      佐伯 英里子 先生(中央大学非常勤講師     専門:日本美術史)
      長谷 洋一 先生(関西大学教授         専門:日本彫刻史)
      中川 仁喜 先生(大正大学准教授        専門:日本仏教史)

▽スケジュール:  9:30~ 9:40 開会 主催者挨拶
          9:40~11:10 講演「稲敷市内の近世社寺建築」
                      講演者:濵島正士先生
         11:20~12:50 講演「稲敷市の近世僧侶の肖像画」
                      講演者:佐伯英里子先生
         12:50~13:50 昼食休憩
         13:50~15:20 講演「稲敷市周辺にみる近世仏師の動向」
                      講演者:長谷洋一先生
         15:30~16:30 パネルディスカッション「稲敷市に花開いた近世の仏教芸術の諸相」
                      ・コーディネーター:中川仁喜先生
                      ・パネリスト:濵島正士先生
                             佐伯英里子先生
                             長谷洋一先生

▽日  時:令和5年12月9日(土) 9時30分~16時30分(受付開始 9時より)

▽会  場:稲敷市あずま生涯学習センター 大ホール(稲敷市佐原組新田1569)
      ※公共交通機関 電車利用:JR成田線佐原駅か下総神崎駅からタクシーで約20分
       バス利用:JR成田線佐原駅1番のりば  桜東バス・江戸崎行・光葉中央行  伊佐部バス停下車徒歩20分
             
▽定  員:500名

▽参 加 費:無料

▽申し込み:下記、ホームページ(HP)、電話、来館により、お申し込みください。
    
▽締  切:令和5年12月2日(土)

 ▽申込方法:稲敷市立歴史民俗資料館ホームページ、電話、直接来館
稲敷市立歴史民俗資料館
住所 〒300-0736 茨城県稲敷市八千石18-1
        電話 0299-79-3211

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        HP  https://www.city.inashiki.lg.jp/page/page009483.html


問合せ先 稲敷市立歴史民俗資料館
住所 : 茨城県稲敷市八千石18-1
 電話 : 0299-79-3211
 ホームページ:https://www.city.inashiki.lg.jp/page/dir001007.html


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