稲敷資料館日々抄

稲敷市立歴史民俗資料館の活動を広く周知し、文化財保護や資料館活動への理解を深めてもらうことを目的にしています。

資料をお借りして来ました!

2012年06月28日 | 日記
6月27日。

この日は、この夏の企画展で展示する絵画資料をお借りして来ました。
お借りしたのは、7点の日本画です。

サイズは20号が1点、50号が1点、100号が2点、150号が3点、
そして180×180㎝の屏風が一点です。

作品は、総て県南の霞ヶ浦のほとりで活動した新興美術院の作家たちのものです。


この日最初にお伺いしたのは、「取手市政策推進部文化芸術課」さんです。

当日は時間を御約束して借用に窺うのですが、思った以上に道路が空いていたので
予定より大分早くに到着してしまいました。


借用します鈴木草牛の『江戸崎風景』は、事前に用意してくださってあり、
早速、検品をさせていただきました。



検品の後、エア・パック・インにて梱包し、
書類をお渡しして借用致しました。


次に個人の御宅に伺い作品をお借りして、その後に稲敷市のお隣、
「龍ヶ崎市歴史民俗資料館」にお伺いしました。

龍ヶ崎の資料館では、鈴木草牛の『新利根川』と『水郷(ポプラと牛)』をお借りしました。


検品、梱包に龍ヶ崎の資料館の職員の方に立ち会っていただいています。
ここまで、安心、安全、最優先!

関係者の皆様のご協力のもと、順調に作業が進み、予定より早いペースで進んでいます。


そして、お昼ごはんを挟んで、最後に「小林恒岳」先生のアトリエへ。
この時点で、予定より2時間近く早く到着しました。


先生の御指示に従い、アトリエの収蔵庫から作品を取りだし、広間で検品します。
恒岳先生のところからお借りするのは、巣居人の『白鷺』、恒岳先生の『凍』と『朝日』です。
先生もお父さんの巣居人の作品となるととても真剣です!


検品のための開梱作業を、先生自ら陣頭指揮なさいます!


これは『朝日』の検品作業です。


そして、梱包作業。


何とか、総ての作品をお預かりしてトラックに積み込むことができました!!

さて、これから稲敷市の歴史民俗資料館に向かいます。

安全第一!
ゆっくり慎重に運びます!!



今回お借りした日本画の作品は、7月27日(金)より、稲敷市立歴史民俗資料館にて開催の

企画展『水郷、描かれた稲敷の原風景』において展示致します。

入館料は「無料」!!ですので、みなさん、この機会に是非、「ホンモノ」の名作を、
ご自分の眼でご覧下さい!!



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「まがたま作り教室」を開催します

2012年06月23日 | 日記

資料館では、夏休みに古代の装飾品「まがたま」作り教室を開催します。
その試作品として,職員が作ってみました。
 


「まがたま(勾玉)」のはじまりは・・・

1.石器時代に動物,魚の骨などで「魔除け」として作っていたものを,石で作りはじめた。
2.「月」を神様としていた時代に,その月の形を身につけるようになった。
3.すべての物の始まりである「胎児」を形にし,若さと力を手に入れようとした。

という,大きく分けて3つの説があります。

稲敷市内でも,幸田台遺跡や東大沼古墳群,堂ノ上遺跡等から勾玉がみつかっています。

下の写真は,資料館に展示してある本物の勾玉です。
 
  
「まがたま作り教室」では,やわらかい石を使いますので,簡単に
自分の好きな形を作ることができます。
世界に一つだけの自分の「まがたま」を作ってみませんか?
下記の日程で開催しますので,ぜひご参加ください。

▽日  時 : 平成24年8月26日(日) 午後2時~4時
▽会  場 : 稲敷市立図書館 2階会議室。
▽対  象 : 稲敷市内在住の小学生以上
        (小学生は保護者同伴でお願い致します)
▽定   員 : 20名程度
▽材 料 費 : 400円
▽申込方法 : 電話または来館にて申込みください。
稲敷市立歴史民俗資料館
        稲敷市八千石18-1
        電話 0299-79-3211

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信太古渡の円密院の調査をおこないました

2012年06月19日 | 日記

6月17日(日)。

この日は、稲敷市信太古渡の天台宗のお寺、円密院に調査にいきました。

歴史民俗資料館では、稲敷市が合併した平成17年度より、桜川地区、
新利根地区の寺院調査を実施しています。

これは合併直前に茨城県が実施した未指定有形文化財調査の結果を受けて、
新たに合併した4町村の調査結果を比較したところ、仏像の遺存状況等に
差があったことから稲敷市立歴史民俗資料館のおこなう大きな仕事として、
合併前の旧町村の区域ごとに網羅的な調査をおこなおう、そこから稲敷市
という新たなふるさとを知っていこう、という方針の元に始められた調査
です。

さて、今回は江戸崎地区の信太古渡の円密院です。

本堂はこちらになります。


円密院には、聖天堂というお堂があります。
これがそちらになります。



調査は、大きく分けて①仏像の調査と②古文書の調査をおこないます。

仏像の調査は…


こんな感じで、いつもの通り刷毛や筆で軽くお掃除することから始まります。
そして、寸法や制作技法などの所見の記録を取り、写真を撮影します。

撮影した写真の一例をお見せしますと、こんな感じです。


きれいにお掃除してさしあげて、きれいにお写真を撮ってさしあげて
心なしか仏様も嬉しそうなお顔に見えますね!?

次に古文書の調査ですが、実は円密院には茨城県内でも貴重な中世文書
が40数点も大切に守り伝えられています。
この他、お寺の歴代住職の記録ですとか、寺院史を調べる上で貴重な
文書があります。

今回はどのような文書が存在しているのか、所在調査と記録のための
写真撮影をおこないました。

写真撮影のようすはこんな感じです…


この日は29度近くになる今シーズン一番の暑さの日となりました。
調査にあたられた郷土資料調査委員の皆さん、大変お疲れさまでした。

また、今回、貴重な資料を快く調査させて下さいました円密院の御住職様
誠にありがとうございました!


資料館の寺院調査は、まだまだ続く予定ですので、皆さまのご協力
よろしくお願い致します。



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逢善寺の写真展開催に向けて…

2012年06月14日 | 日記
『広報稲敷』の6月号でも、お知らせとお願いを掲載したのですが、
当館では今年度の展示としまして「逢善寺」と「小野・寺内界隈」の
写真展を計画しています。

そのため、目下、逢善寺に関係する地域の皆さんの撮られた写真を
探し集めているところです!


すでに何軒かのお宅からアルバムごとまとめてお借りして、その中から
逢善寺に関するお写真を徹底的に探し出しています。
まだまだ、お借りしているお写真が少ないこともあり、逢善寺に関する
お写真はあまり見つかっていません。

その中でも、明治・大正期の写真が特に少ないように思います。

お家に古い写真やアルバムがあるよ!ですとか、或いはご近所に
古い写真を持っている、または持っていそうな方をご存じでしたら、
ぜひぜひ、資料館までご一報願います!


では、皆さんからお借りしました写真やアルバムをどのように
整理しているかといいますと…



まずは、刷毛や筆などを使ってゴミやホコリ等を落とすクリーニング作業をします。
これは古文書でもなんでも、基本中の基本です。

写真資料の場合、汚れや水分を吸って写真同士がくっついてしまってる場合が
ありますが、こういったものを無理にはがすとフィルム表面のゼラチンの層が
はがれてしまいますよね。

そのような場合、水道水などに浸けて、長い時間をかけて、そっと汚れを
落としながらくっついた写真同士を離してあげるとよいのですが…

中々、大量にお借りした写真資料で、そこまでのことはできない場合が
多いのが現実です…。

お預かりした古写真の中には、既にゼラチン層が崩れてしまっている
ものもありますし…。

そのようなこともあり、当館での写真のクリーニングは刷毛や筆での
お掃除にとどめています。



キレイにお掃除をした資料は、仮収納のために中性紙の文書箱に一旦入れておきます。
中性紙って何?という方もいるかと思いますが、下の写真が中性紙の箱です。



貴重な古文書や美術資料などを入れるための専用の特別な紙箱ですね。
なぜ、中性紙を使うのか?
みなさんは、段ボールやワラ半紙などの古い紙が、ボロボロに
崩れてしまっているのを見たことがありますよね?

アレが世に言う「酸性紙問題」なのです。

それらの紙の中には、空気中の水分と化学反応を起こして
なんと「硫酸」を発生させてしまう物質が含まれているそうなんです!

それで紙がボロボロになってしまうんですねぇ…。

そこで、長い間保存する必要のあるものについては「中性紙」が
使われるんです!

「和紙」は中性紙なので、日本の古文書がよく残っている理由の
一つかもしれませんね。

本来ならば、お預かりした写真を1点1点、「薄葉紙」と呼ばれる
中性紙に包んでしまうのですが、今回はお預かりしたものの
次の作業までの仮収納なので中性紙の箱にそのまま入れました。

このように整理して、お預かりした写真は次のパソコンでのスキャンニング
作業を待つのです。




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新任の郷土資料調査委員さんが決まりました

2012年06月13日 | 日記
6月12日に開かれました郷土資料調査委員会で、
新たに2名の方を郷土資料調査委員に委嘱しました。

郷土資料調査委員とは、私たちのふるさと稲敷市の歴史や民俗、
その他あるゆることに関して歴史民俗資料館と協力して頂き、
調査・研究・情報提供などをお願いしている方々です。

市内にお住まいの方には、『広報稲敷』の巻末に載っている、
「ふるさと探訪」を執筆している方々と言ったほうが分かりやすいですね。

このたび委員となられたのは、
稲敷市内で永年小学校の教員をなさってこられ、現在は市教育委員もなされている
姥貝 守 さん


昔、茨城県史編さんのお手伝いをしていて、昨年まで当資料館長だった
平田 満男 さん


のお二人になります。

今後、お二人は他の委員の方とともに稲敷市内の様々な物事の
調査・研究・情報収集にあたっていただくことになります。

皆さんのところにお訪ねしてお話を伺う機会もあるかもしれませんので、
その際は、ぜひご協力をお願いいたします。

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