尺八三本会の先生方(青木鈴慕・山本邦山・横山勝也)が当時、暮れの懇親会で各門下生や縁のある箏の先生方をお呼びして、カラオケなどをしていた。
都内のスナックを借り切って、筝曲家の沢井忠夫・宮下伸・中井猛先生方もお見えになった。
そこで、私の余興の時に宮下伸先生の目の前で、宮下秀冽作曲「三十絃・尺八二重奏曲」の物マネを口と動作でした。対象の三十絃は宮下伸で、尺八は横山勝也である。
宮下先生の演奏方法で絃を爪でこする「シュー」や、箏の裏面を左こぶしで叩く、竜角の外側を「カリカリ」と弾く方法と、横山先生の長管での「ムラ息」奏法をマネた。
その時、宮下先生が私のところに来て「違う。私の演奏方法はこうだ」と実演してくれた。もちろん「エアー箏」である。
「腰を入れて、シューとした後は絃のところで止めるんだ」と、ノウハウを教わった。直伝である。鈴慕師は笑って見ていた。「君、直接教わって凄いね」と言われた。
これを後日、日本三曲協会の新年会でやったのである。
新年会は家元を中心に、かなりの先生方がお見えになっていた。
次は尺八三本会の「風動」で三人の特色を出そうとした。
曲は「起承転結」で出来ており、「承」の部分から始めた。口尺八である。
青木鈴慕は迫力のある演奏で、山本邦山は実際以上の速さと、横山勝也は長管による「ムラ息」をオーバーに演奏してみた。
続いて、山本邦山作曲「壱越」。山本邦山はテクニッシャンだから、普通の人よりテンポが速い。
それを強調する為に、もっと速く尺八で演奏をした。
一楽章は途中で止め、続いてワザと邦山作曲「尺八二重奏曲第二番」の三楽章の冒頭を演奏して、誤ったふりをして頭を掻き、再び「壱越」の三楽章へ行き、もの凄い速さで演奏して途中グリッサンドで終わらせた。
会場にいた山本邦山本人に「すみません」と謝ると「君ィ、気持ち悪いよ」と笑っていたので受けたと思った。私のやりたい趣旨は分かってくれたハズだ。
鈴慕会の人に今でも、「山本邦山より手が回る」と言われる時もある。
どうもその時の印象が強かったらしい。「コロッケ」が森進一や美川憲一、五木ひろし、野口五郎、淡谷のり子らを物マネする時に、本人以上に本人らしく見えるのは「芸」だろう。
特徴を強調するためにオーバーな表現にはなる。
実際、邦山より手が回るかは分からない。
宮下伸先生も喜び「青木先生も喜んでいるだろう」と言われた。
後日、渋谷の東邦生命ホールにおける筝曲家の演奏会で宮下先生にお会いした時に、招待席から手招きをされて「隣に座れよ」と言われたが、畏れ多く遠慮した。
都内のスナックを借り切って、筝曲家の沢井忠夫・宮下伸・中井猛先生方もお見えになった。
そこで、私の余興の時に宮下伸先生の目の前で、宮下秀冽作曲「三十絃・尺八二重奏曲」の物マネを口と動作でした。対象の三十絃は宮下伸で、尺八は横山勝也である。
宮下先生の演奏方法で絃を爪でこする「シュー」や、箏の裏面を左こぶしで叩く、竜角の外側を「カリカリ」と弾く方法と、横山先生の長管での「ムラ息」奏法をマネた。
その時、宮下先生が私のところに来て「違う。私の演奏方法はこうだ」と実演してくれた。もちろん「エアー箏」である。
「腰を入れて、シューとした後は絃のところで止めるんだ」と、ノウハウを教わった。直伝である。鈴慕師は笑って見ていた。「君、直接教わって凄いね」と言われた。
これを後日、日本三曲協会の新年会でやったのである。
新年会は家元を中心に、かなりの先生方がお見えになっていた。
次は尺八三本会の「風動」で三人の特色を出そうとした。
曲は「起承転結」で出来ており、「承」の部分から始めた。口尺八である。
青木鈴慕は迫力のある演奏で、山本邦山は実際以上の速さと、横山勝也は長管による「ムラ息」をオーバーに演奏してみた。
続いて、山本邦山作曲「壱越」。山本邦山はテクニッシャンだから、普通の人よりテンポが速い。
それを強調する為に、もっと速く尺八で演奏をした。
一楽章は途中で止め、続いてワザと邦山作曲「尺八二重奏曲第二番」の三楽章の冒頭を演奏して、誤ったふりをして頭を掻き、再び「壱越」の三楽章へ行き、もの凄い速さで演奏して途中グリッサンドで終わらせた。
会場にいた山本邦山本人に「すみません」と謝ると「君ィ、気持ち悪いよ」と笑っていたので受けたと思った。私のやりたい趣旨は分かってくれたハズだ。
鈴慕会の人に今でも、「山本邦山より手が回る」と言われる時もある。
どうもその時の印象が強かったらしい。「コロッケ」が森進一や美川憲一、五木ひろし、野口五郎、淡谷のり子らを物マネする時に、本人以上に本人らしく見えるのは「芸」だろう。
特徴を強調するためにオーバーな表現にはなる。
実際、邦山より手が回るかは分からない。
宮下伸先生も喜び「青木先生も喜んでいるだろう」と言われた。
後日、渋谷の東邦生命ホールにおける筝曲家の演奏会で宮下先生にお会いした時に、招待席から手招きをされて「隣に座れよ」と言われたが、畏れ多く遠慮した。