伊吹有喜 著
故郷に戻り、深夜バスの運転手として働く利一。
子供たちも独立し、恋人との将来を考え始めた矢先、バスに乗車してきたのは、16年前に別れた妻だった。
会社を辞めた長男、結婚と仕事で揺れる長女。人生の岐路で、忘れていた傷と向き合う家族たち。バスの乗客の人間模様を絡めながら、家族の再出発を描いた感動長篇。
新潟を舞台とした物語に地元民としては手に取りたくなりますよね。
映画化という事もあり、観ようかどうしようか迷っていましたが、丁度いい時間に出会わず本書にたどり着きました。
内容は、とても濃い家族の物語に、そこに翻弄されつついい距離感を保つひたむきな女性の物語。
いや~、ズルいなこの物語。
個々の感情がみんな正しくて誰にあたるのも正しく間違ってる。
正解なんて存在しない人間関係に、誰もがもどかしくなるのだが、そこには確実に「愛」は存在する。
個人的には、父親だから分かる部分もあるのだが・・・・・いや、どうだろうね
新潟県民だからという贔屓目は否めませんが、これは非常に心に沁みました。
伊吹氏の本はまた読んでみたいと思いました。
映画化もしてますのでこちらでもどうぞ。
私は観てませんので悪しからず。