日曜の夜、見るTV番組は？

　日曜の夜、我が家ではたいてい家族で「ザ！鉄腕ダッシュ！」（日テレ系）を見ている。夜の７時というのは普段はＮＨＫニュースの時間なのだが、いつからか子どものリクエストでこの番組を見初めて、近ごろでは親まで一緒になって楽しんでいる。
　この番組を僕が好きなのは、毎週何かを実際に作ってみるという企画があるところ。多くは農作業関連なんだけど、かなりの期間をかけた作業の過程がいい具合にまとめられていて楽しい。メロンを育てたり炭焼きをしたり、先回は半鐘を鋳造すると言う企画で、砂型の製作・銅を溶かしての鋳込み・型割りまでのフルコースだった。毎週違ったネタを出すためにはずいぶん前から着手（種をまくとか苗を植えるとか）が必要だから、かなり周到な企画と前準備がされているはず。当然出演するＴＯＫＩＯのメンバーがすべてやれるわけはないから、番組制作サイドの能力や本職のバックアップが物をいうことになるのだが、番組自体が長く続いているようなのでそれなりにいいサイクルが回っているようだ。
　食べ物にせよ生活用の道具にせよ、今の僕達にはモノ作りが半ばバーチャルなものになってしまっていて、それを準備から完成まで作り上げる過程というのがなかなか見えにくい。コメも野菜も肉も魚も袋やパックに詰められてスーパーに並んでいる。うちの子ども達にとっても、食べ物は人が育てたり捕えたりするものではなく棚に並んだ商品でしかない。それをこの番組では様々な作物がそれぞれに特徴をもっていて、育てる作業にも工夫と労力が必要なんだという当たり前の事実をあらためて教えてくれるのがいいと思う。パックに入っている普通のコンニャクは、どんな芋から作られるのか？どれくらい芋を育てるのに手間と期間を要するのか？そんなことでも子ども達＋僕にとっては新鮮だった。（僕もコンニャク芋は知っていたが、おろした芋に触るとかぶれるなんてことは初耳だった。）
　さらにこれが重要だと思うのだけど、苗が枯れてしまったり形がよくなかったり、苦労の割りに収穫量が少なかったり魚が釣れなかったときも、うまくいかなかった結果をちゃんと見せたうえで原因を調べたり再挑戦につなげていく。素人のタレントがお手軽に大成功っていうストーリーでなく、モノを作るのはシンプルな筋書きだけで簡単に完結するものじゃないんだと教えてくれるのもいい。そして一番大事なことなんだけど、出演しているメンバーが育てたり作ったりする作業に対してとても楽しそうに取り組んで見せてくれるのがうれしい。モノを作るのは楽なことじゃないしキツい事も多い。仕事だったらイヤでもやらなきゃいけない場合だってあるのだが、エンターテイメントとしてモノ作りや収穫を楽しいものとして見せてくれることは、決して悪いことじゃない。工業系オヤジとしてはそう思う。

　もうひとつソーラーカーで日本の海岸をぐるっと一周という企画も見てて楽しい。風景や気候、産物の違いがいろいろ見えて面白いし、日本にはまだまだ見ごたえのある風景やものがたくさんあるんだなあと感心する。ただし地元の人との交流ネタにはわざとらしい仕込みが垣間見えてちょっとクサいのはちょっといただけないけれど。ちなみに僕らの地元にまで到達するのはいったいいつごろになるんだろうか？

　個人的にアンチ巨人な関係で読売・日テレは嫌い。ナベツネもトクミツもすべてキライなんだけど、この番組については日テレにエールを贈りたい。子どもの啓発と言うよりは自分も楽しむ番組として見せてもらってます。
（といってたら4/10はやっぱり巨人戦中継になってしまった）

　ＮＨＫの「プロジェクトＸ」は近ごろほとんど見る気にならなくなった。最初は新鮮に感じたのだが、じきにあまりに定型化してきてなんだか鼻につくようになってきた。あの番組には、いろんな分野で何かを成し遂げた多くの人たちに陽を当てて、モノを作ることはすごいことなんだとみんなに認めさせた功績がある。ただネタ探しも大事だろうが見せ方にも工夫や変化がないと、僕みたいなわがままで無責任な視聴者はすぐに飽きてしまう。
（もしかしたら番組構成のワンパターン化は固定ファンを安心させるための水戸黄門の印籠みたいな戦略なのか？）
「鉄腕ダッシュ」も同様に、油断するとすぐにマンネリになりそうな番組構成なので、新鮮なアイデアを切らさないように企画の方にはがんばって欲しい。

　近所のお寺の前を通りかかったら、桜がもう満開だった。今日から降り始めた雨でじきに盛りも過ぎてしまうだろう。桜吹雪の下にクルマを止めて１枚。トランクやルーフに花びらが降りしきってとてもきれいだったのだが、乗り降りしている間にも車内に花びらが振り込んであとの掃除が大変だった。