■1
「…………どい…。…れ…ひどい…。これはひどい…」
電気の灯っていない暗い部屋の中、モニタを見ながら呟いている人がいます。一体何を見ているのかは分かりませんが、呟いている言葉を聞く限りは何かひどいものを見ているのかもしれません。
カタカタ、カタカタカタ、カタカタカタ…
カタカタ…とキーボードを打つ音が聞こえてきました。どうやら何かを書くのに忙しそうな感じです。少し暇なので、モニタから洩れてくる明かりをたよりに部屋の中を少しのぞいてみましょう。
部屋の中は勉強机にベット、本棚に洋服タンスがありますね。パソコンは勉強机のところに置いてあるみたいです。机の上にはランドセルが置いてあります。この部屋の主は小学生なのでしょうか。色はピンク。ちなみに拙僧が小学生時代は黒と赤のランドセルしか見たことがありません。まったく、黒か赤以外の色のランドセルが世の中に存在するとは、時代の進化とはなんと恐ろしいことでしょう。
本棚のところには月1で発行されている少女漫画の雑誌やら、その雑誌で連載されている漫画の単行本やらが置いてあります。他にも、おしゃれ魔女だのの本もありますね。ああ、あのゲームはかなり稼いでいるらしいですが、マニア以外にヒット作を生み出すセガなどセガじゃない! と思うわけで、早々に飽きられやしないかと期待を抱いています。
部屋の隅にはシングルベットがあるようです。大きさはそんなに大きくはない。枕元にはかわいいクマやウサギのぬいぐるみがありますね。かわいらしいパジャマも脱ぎ捨てられてますよ、だらしないですねぇ。もしかしたらここは、女の子の部屋なのかもしれないです。小学生の女の子の部屋ですか。それは物色せずにはいられないですよね。
まず断っておきますが、これは断じて変態行為ではないですよ。好奇心という名の知識欲。それでは言い訳もできたことだし、まず手始めに洋服タンスから…。
「ゆうくーん」
どこからともなく誰かを呼ぶ声が聞こえてきました。すると…。
ガチャリ
部屋の扉が開く音がしました。扉の方を見ると、愛らしい女の子が顔だけを覗かせています。どうやらワクワク探索もここまでのようです。
「また私の部屋でパソコンやってる。別にいいけど、暗いとこでパソコンやってると目を悪くするよ、ゆうくん」
女の子は、そう言いながら部屋の電気をつけました。自分が呼ばれたことに気づいたゆうくんは女の子の方に顔を振り向かせ、
「ごめんよー、みーちゃん」
と返事をしていました。見た感じ、20代くらいの男性です。顔はそこそこかっこよさそうですが、この人は何故少女の部屋にいるのでしょう?
「もうご飯の準備できたから食べよ」
そう言うと、2人は部屋を出て行きました。
■2
ご飯を食べ終えた後、ゆうくんとみーちゃんが部屋に戻ってきました。
「ところで、さっきは何を見ていたの?」
「この記事を読んでたんだ」
「うう、なんか難しそうなかんじー」
みーちゃんは記事のタイトル名を見て思わずそう呟いていました。
「この記事ひどいんだよ。レイプは原因でしかないとか、そのときに出来た子供を殺す権利はないとか、例えレイプされたときに出来た子供であっても、その命が大切じゃないと思うなら、まずお前が死ねとか。レイプされた女の人のことを全然考えてないよね」
ゆうくんは興奮しながらみーちゃんに同意を求めました。でも、みーちゃんは「うーん」と言いながら首を傾げてばかり。そうやって悩んでいると思ったら、徐にこう呟いていました。
「それは違うんじゃないかなぁ」
「え?」
ゆうくんは、みーちゃんが同意してくれると思っていたのでたいへん驚きました。
「だって、この人はレイプとかを持ち出して、そのときに出来た赤ちゃんを堕ろすべきかどうかってことをブログ上で話すことを批判してるんじゃないかな。『大切じゃないと思う奴は、今すぐオレの前で絶命してそれを証明してみろ。』っていうのも、ブログ上でレイプされた時に出来た赤ちゃんの命なんて大切じゃないとか言うならってことじゃないかな。きっと、レイプされた女の人が赤ちゃんを堕ろすことに対して言ってないと思うんだけどなぁ」
「で、でも、コメントやらトラックバックされてる記事を見てると、女性に対してひどい! って…」
「うん、最初読んだときはそう思ったんだけど、もう一回よく読んだら違うなぁって思ったよ」
「じゃあ、読み間違えてたってことかい?」
「うーん、あくまで私はそう思っただけだよ」
困った顔をしながら、みーちゃんはゆうくんに対してそう言いました。ゆうくんは何がなんだかよく分からなくなってきました。なんだかとてもモヤモヤした感じがしているようです。このままでは夜も眠れなそうなので、他の人にも話しを聞いてみようと思い、外へと飛び出していきました。
(続く)
「…………どい…。…れ…ひどい…。これはひどい…」
電気の灯っていない暗い部屋の中、モニタを見ながら呟いている人がいます。一体何を見ているのかは分かりませんが、呟いている言葉を聞く限りは何かひどいものを見ているのかもしれません。
カタカタ、カタカタカタ、カタカタカタ…
カタカタ…とキーボードを打つ音が聞こえてきました。どうやら何かを書くのに忙しそうな感じです。少し暇なので、モニタから洩れてくる明かりをたよりに部屋の中を少しのぞいてみましょう。
部屋の中は勉強机にベット、本棚に洋服タンスがありますね。パソコンは勉強机のところに置いてあるみたいです。机の上にはランドセルが置いてあります。この部屋の主は小学生なのでしょうか。色はピンク。ちなみに拙僧が小学生時代は黒と赤のランドセルしか見たことがありません。まったく、黒か赤以外の色のランドセルが世の中に存在するとは、時代の進化とはなんと恐ろしいことでしょう。
本棚のところには月1で発行されている少女漫画の雑誌やら、その雑誌で連載されている漫画の単行本やらが置いてあります。他にも、おしゃれ魔女だのの本もありますね。ああ、あのゲームはかなり稼いでいるらしいですが、マニア以外にヒット作を生み出すセガなどセガじゃない! と思うわけで、早々に飽きられやしないかと期待を抱いています。
部屋の隅にはシングルベットがあるようです。大きさはそんなに大きくはない。枕元にはかわいいクマやウサギのぬいぐるみがありますね。かわいらしいパジャマも脱ぎ捨てられてますよ、だらしないですねぇ。もしかしたらここは、女の子の部屋なのかもしれないです。小学生の女の子の部屋ですか。それは物色せずにはいられないですよね。
まず断っておきますが、これは断じて変態行為ではないですよ。好奇心という名の知識欲。それでは言い訳もできたことだし、まず手始めに洋服タンスから…。
「ゆうくーん」
どこからともなく誰かを呼ぶ声が聞こえてきました。すると…。
ガチャリ
部屋の扉が開く音がしました。扉の方を見ると、愛らしい女の子が顔だけを覗かせています。どうやらワクワク探索もここまでのようです。
「また私の部屋でパソコンやってる。別にいいけど、暗いとこでパソコンやってると目を悪くするよ、ゆうくん」
女の子は、そう言いながら部屋の電気をつけました。自分が呼ばれたことに気づいたゆうくんは女の子の方に顔を振り向かせ、
「ごめんよー、みーちゃん」
と返事をしていました。見た感じ、20代くらいの男性です。顔はそこそこかっこよさそうですが、この人は何故少女の部屋にいるのでしょう?
「もうご飯の準備できたから食べよ」
そう言うと、2人は部屋を出て行きました。
■2
ご飯を食べ終えた後、ゆうくんとみーちゃんが部屋に戻ってきました。
「ところで、さっきは何を見ていたの?」
「この記事を読んでたんだ」
「うう、なんか難しそうなかんじー」
みーちゃんは記事のタイトル名を見て思わずそう呟いていました。
「この記事ひどいんだよ。レイプは原因でしかないとか、そのときに出来た子供を殺す権利はないとか、例えレイプされたときに出来た子供であっても、その命が大切じゃないと思うなら、まずお前が死ねとか。レイプされた女の人のことを全然考えてないよね」
ゆうくんは興奮しながらみーちゃんに同意を求めました。でも、みーちゃんは「うーん」と言いながら首を傾げてばかり。そうやって悩んでいると思ったら、徐にこう呟いていました。
「それは違うんじゃないかなぁ」
「え?」
ゆうくんは、みーちゃんが同意してくれると思っていたのでたいへん驚きました。
「だって、この人はレイプとかを持ち出して、そのときに出来た赤ちゃんを堕ろすべきかどうかってことをブログ上で話すことを批判してるんじゃないかな。『大切じゃないと思う奴は、今すぐオレの前で絶命してそれを証明してみろ。』っていうのも、ブログ上でレイプされた時に出来た赤ちゃんの命なんて大切じゃないとか言うならってことじゃないかな。きっと、レイプされた女の人が赤ちゃんを堕ろすことに対して言ってないと思うんだけどなぁ」
「で、でも、コメントやらトラックバックされてる記事を見てると、女性に対してひどい! って…」
「うん、最初読んだときはそう思ったんだけど、もう一回よく読んだら違うなぁって思ったよ」
「じゃあ、読み間違えてたってことかい?」
「うーん、あくまで私はそう思っただけだよ」
困った顔をしながら、みーちゃんはゆうくんに対してそう言いました。ゆうくんは何がなんだかよく分からなくなってきました。なんだかとてもモヤモヤした感じがしているようです。このままでは夜も眠れなそうなので、他の人にも話しを聞いてみようと思い、外へと飛び出していきました。
(続く)
一応3部構成を想定していて,今2作目書き上げました.
かなりエゴ入ってるので,あまり期待しない方がよいですよ^^;