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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

【やはり「やぶ蛇」】中居正広氏の代理人弁護団によるフジテレビ第三者委員会への反論が不発。中居氏も中居弁護団も中居氏擁護の橋下徹弁護士も、被害女性の人権と中居氏の今後の人生を両方真摯に考えるべきだ。

2025年05月26日 | ジェンダーフリーと性的マイノリティの人権

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 フジテレビなどが設置した第三者委員会が2025年3月に公表した調査報告書で中居氏から被害女性に対する「性暴力」を認定した事に対し、中居さんの代理人弁護士は5月12日に

「中立性・公平性に欠け、一個人の名誉・社会的地位を著しく損ない、極めて大きな問題がある」

として証拠の開示や釈明を求めました。

 うちのブログでは5月16日に

「中居弁護団はフジテレビ第三者委員会に、関連資料の開示請求、本調査報告書の問題の指摘および釈明の要求をしていますが、すべて守秘義務によってそもそも第三者委員会が開示できないものばかりです。

 そして第三者委員会はすでに解散しているかもしれず、そうなると相手は第三者委員会に調査と報告書作成を嘱託したフジテレビ本体ということになりますが、フジテレビは被害女性も現にいるのにそれらの資料を出したり、中身を説明したりできるわけがないではないですか。」

として、中居氏が弁護団を組んで反論したことは自爆に終わるだろうと予想しましたが、案の定そうなりそうです。

今さらフジテレビの第三者委員会に無意味な文句をつけた中居正広弁護団の「見立て違い」が酷すぎる。さらに「中居氏側」から相談を受けたとして「性行為」の存在を肯定した橋下徹弁護士の二次加害が酷い。

 

 

 この中居弁護団からの抗議に対して第三者委員会は締め切りより前の5月22日に

「事実認定は適切だった」

と回答しました。

 これに関して、中居弁護団は中居氏側から第三者委員会に被害女性との示談における秘密保持義務を解除していい=中身について話してもいいと申し出たと主張していたのですが、第三者委員会から被害女性側は秘密保持義務を解除してもいいと言ったのに、中居氏自身が最後には

「貴調査委員会が『一昨年になされた女性Aの申出(申告)に対するCX(フジテレビ)の対応の是非』について調査する上では、『一昨年に女性AがCXに申告した内容』が再現できればそれ以上に説明の必要はないのではないかと考えます。

 守秘義務の全面的な解除まではする必要はないのではないでしょうか」

と申し出たことをばらされて大恥をかく結果となりました。

 たぶん、この新中居弁護団はこの話を中居氏や旧弁護団から十分に説明を受けないまま、今回の抗議をしてしまったのでしょう。

 クライアントが自分に都合の良い話しかしないというのは弁護士なら誰でも警戒すべき事柄で、中居弁護団はそういう基本的なミスをここで犯しています。

フジテレビの不適切にもほどがある対応で致命傷を負った中居正広が芸能界を引退。高額の示談金を支払って和解を成立させた中居が引退するのに、びた一文払わず、訴えも取り下げた松本人志が復帰するなど考えられない

 

 

 さて、中居正広氏の代理人弁護士らは5月23日、フジテレビなどが設置した第三者委員会が22日に発表した回答書に

「釈明要求に全く答えておらず到底承服できない」

と反発していますが、そもそも中居弁護団は中居氏がヒアリングで約6時間しゃべったのに報告書に反映されていないことを、第三者委員会が中立性・公正性に欠けると主張する最大の根拠にしていました。

 しかし、結局は中居氏自身が守秘義務の解除に賛成しなかったのですから、中居氏の話したことが第三者委員会の報告書の十分に反映されなかったのは当たり前で、それは中居氏の責任です。

 

 

 中居氏側は5月12日付の文書で、第三者委が中居氏による「性暴力」を認定するにあたって根拠とした証拠の開示などを要求したのに対し、第三者委は

「独立性・中立性を損なう結果となる」

などの理由から開示を差し控えると回答しています。

 うちでも予想した通り、第三者委員会だって守秘義務があるのですから答えられないのは当たり前です。

 そこで中居弁護団は中居氏自身に対しては守秘義務はないだろうと

「少なくとも中居氏の音声データなどについては、本人に開示できるはず」

と主張したんですが、これは悪手で、もし第三者委員会が中居氏側に開示した音声データにまた中居氏に都合の良い材料がなく、表に出せないようなものばかりだったら、データを開示された後、中居弁護団はどうするつもりなんでしょうか。

 少なくとも中居氏から聞いていた中居氏自身の守秘義務解除についての説明が実際と違っていたらしいとわかった段階で、証拠の開示請求をしつづけるのはかえって危険だと分からないのでしょうか。

遅きに失したとはいえ、フジテレビが依頼した第三者委員会は素晴らしい仕事をした。

【#フジテレビに騙されるな】中居正広性加害疑惑関与について物言う大株主から突き上げられて、フジテレビが「外部の弁護士を入れて調査済み」と言い出したが、求められている第三者委員会とは似て非なるもの!

中居正広性加害疑惑事件について、この期に及んでも港社長が閉鎖的な記者会見しかせず、まだ正式な第三者委員会も立ち上げないフジテレビ。旧ジャニーズと同じで経営陣の一掃と会社組織の抜本的改変が必要不可欠だ。

 

 

 いずれにしても、第三者委員会は「性暴力」の定義をきっちり書いたうえで中居氏の行為はこの範疇に入ると報告したわけですから、中居弁護団が主張するように一般社会が「性暴力」という言葉から受ける印象と中居氏の行為の実態がたとえ違ったとしても、第三者委員会には絶対に名誉毀損が成立しません。

 そもそも中居氏がやった行為とこの事件が「性暴力」という言葉から受ける印象と違うと主張するためには、中居氏がやったことはどんなことなのか説明しないといけないんですよ。

 しかし、具体的に詳細に彼がやった行為を明示したら、いくら暴力は使っていなくても、かえって中居氏に対する印象が悪くなるでしょうが。

 それに、結局は彼の口から、つまり記者会見を開いて説明しろ、そうでなければ納得できないと世論は沸騰しますよ?

 中居氏に彼が今まで逃げてきた記者会見をさせるんですか?

 いったい、中居弁護団は何がしたいのか、どういう落としどころを考えているのでしょうか。

 同業者として不思議としか言いようがありません。

 

 

 そして、中居氏側からの誰かから相談を受けたということで、自分が聞いた話をテレビやⅩでペラペラ話して弁護士倫理違反スレスレのきわどいことをしていた橋下徹弁護士は、中居弁護団が第三者委員会に撃退されたのを見て激昂。

『フジ第三者委員会 中居氏側請求の証拠開示を拒否「フジHDに守秘義務を負っている」 「事実認定は適切」

➡︎フジテレビ第三者委員会の完全なミス。法律家として大失態。 日弁連のガイドラインを持ち出せるのは依頼者であるフジテレビに対してだけやで!』

と意味不明の難癖をつけていますが、フジテレビに対して守秘義務を負っているから中居弁護団に証拠を開示できないのは当間ですよ。

 何が完全なミスなんだか(呆)。

 居酒屋で飲んでるおっさんじゃないんだから。まるで法律家としてのコメントになっていない。

『「橋下徹氏を重用するのは日枝さんの影響」「自分の脅威になる優秀な人は偉くさせない」フジテレビを壊した根深い「日枝支配」』(週刊新潮)。橋下弁護士による自己保身目的のフジテレビ擁護コメントに騙されるな

 

 

 さらに橋下氏は

「フジテレビ第三者委員会は、中居氏に事実や証拠を開示できないなら、中居氏を裁いてはいけないという法の大原則も分かっていない。この弁護士集団はダメだこりゃ。」

とさらにわけのわからないことを言っていますが、

「中居氏に事実や証拠を開示できないなら、中居氏を裁いてはいけないという法の大原則」

ってなんという名前の原則なんですかね(笑)。

 それに、第三者委員会は別に中居氏を裁いたわけではありませんよ。

 あくまでもフジテレビのコンプライアンスについて問題を指摘したんです。

 橋下氏はテレビ業に忙しくて、フジテレビ第三者委員会はもとより中居弁護団よりも数段実力が落ちることは、中居氏と被害女性の間に「性行為」があったとうっかり言ってしまったプライバシー侵害でも明らかです。

 黙っておいた方が身のためじゃないですか。

「ダメだこりゃ」な弁護士は、「性行為」があったと断定した上に、この事件当時すでに不同意性交罪が刑法に新設されていたのに、「意に反したというのは後からいくらでも言える。」とド素人のような二次加害暴言を被害女性に浴びせかけている橋下氏だ。

 

 

編集後記

中居正広氏の人権もそれは大事なんですが、中居弁護団ももちろん橋下弁護士も、被害女性の人権について配慮がなさ過ぎです。

大きな意味での性加害事件が起きたことは間違いないのですから、何よりもまずその被害者の心情に法律家なら寄り添って考えてほしいです。

他方、加害者である中居氏にとってどうかというと、いまさら第三者委員会に文句をつけても中居氏の名誉も回復しないし、今後の人生の展望が開けるわけではないです。

中居氏自身も被害女性に対しては謝罪していたではないですか。

その気持ちを大事に、更生を図ることこそが彼の人生にとっても一番大事だと思います。

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中居正広氏 (C)ORICON NewS inc.
 元タレントの中居正広氏による女性とのトラブルを巡る一連の問題で、中居氏の代理人弁護士が23日、フジテレビと親会社のフジ・メディア・ホールディングス(フジHD)が設置した第三者委員会(委員長・竹内朗氏)に対する文書を公表。22日に第三者側が中居氏による性暴力の事実認定は適切だったと改めて見解を示したことに対し、「貴回答書は当職らの釈明要求に全く答えておらず、当職らとしては、到底承服いたしかねます」と反発した。

【写真】注目高まる…第三者委員会調査報告会見前の模様

 中居氏側は今月12日、第三者委が3月31日に公表した調査報告書内で、世界保健機関(WHO)の定義に基づき、元フジテレビアナウンサーの女性が、中居氏から「性暴力」を受けたと認定したことについて「中立性・公正性に欠け、一個人の名誉・社会的地位を著しく損ない、貴委員会設置の目的や委嘱事項から大きく逸脱したものとなっており、極めて大きな問題がある」と指摘。第三者委側に認定するに至った資料の開示などを求めていた。

 これに対し第三者委側は22日に「当委員会の事実認定は適切」と回答。その上で関連する証拠の開示については「当委員会を信頼して調査にご協力いただいたその他の関係者の当委員会に対する信頼を損ない、当委員会の独立性・中立性をも損なう結果となることから、適切でないと判断した」として非開示の方針であることを伝えた。

 こうした状況を踏まえ中居氏側は、「少なくても、貴委員会のヒアリングにおける、中居氏の音声データその他関係する反訳書等につきましては、本人に開示できるはずです」と主張。また「予防政策・疫学研究等を目的とした公衆衛生上の概念であるWHOの定義を使用したことについて」「貴委員会によるヒアリングの手法及び中居氏に対するヒアリングについて」「貴委員会の権限と限界について」など5項目に対してさらなる釈明を求めた。

 中居氏をめぐっては、昨年12月に女性とのトラブルが報じられ、フジテレビをめぐる大きな騒動に発展。その後、トラブルを認めた上で謝罪したが、今年1月23日、中居氏は「私、中居正広は本日をもって芸能活動を引退いたします」と声明を出し、芸能界を引退した。

 

 

フジテレビ本社ビル=東京都港区

 元タレント中居正広氏の代理人弁護士は23日、フジテレビなどが設置した第三者委員会宛ての要求文書を公開した。同委が中居氏の「性暴力」を認定した際の調査で行った、中居氏へのヒアリングの音声データなどを開示するよう求めている。

「性暴力」認定は「適切」 フジ第三者委が回答―中居氏側要求に

 第三者委は3月末にまとめた調査報告書で、元フジアナウンサーの女性が業務の延長線上で中居氏から「性暴力」を受けたと認定。中居氏側は今月12日、この報告書の中立性・公正性や、「性暴力」という言葉の使用について異議を唱え、関連する証拠の開示を同委に請求した。これに対し同委は22日、中居氏側の指摘に反論した上で、証拠の開示などは差し控えると回答していた。

 今回、中居氏側は、同委の回答は「到底承服できない」とし、「少なくとも中居氏の(ヒアリング)音声データなどは開示できるはず」と主張。28日までの対応を求めた。来週には同委のヒアリング手法などに関しても新たに釈明を求めるという。

 

 

中居正広氏vs第三者委員会「泥仕合」の狙いは…第三者委の「ゼロ回答」突っぱねに中居氏ブチ切れ反論

公開日:2025/05/26 06:00 更新日:2025/05/26 09:34

日刊ゲンダイ

 フジテレビと中居氏を巡る一連の問題で、第三者委員会の調査報告書について、中居正広氏(52)と委員会の応酬が泥仕合の様相を呈している。

 中居氏の代理人弁護団は12日に委員会に音声データの開示を求めたが、22日に委員会は「事実に認定は適切だった」と突っぱね、開示についても拒否し、“ゼロ回答”。翌23日には中居サイドは「貴回答書は当職らの釈明要求に全く答えておらず、当職らとしては、到底承服いたしかねます」と再反論。

 改めて、今度は全証人の記録開示ではなく、ヒアリング内容が報告書に反映されていないとして、自身のヒアリング資料に限定して開示を要求。さらに女性側の守秘義務の解除についても、当初、自分も解除を提案していたと主張し、説明を求めている。

「元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士は、ENCOUNTの取材に答え、《議論が『迷走』を始めているのではないか》と苦言を呈し、《場当たり的》と指摘しています。SNS上では、“場外乱闘”を続ける中居氏に対し、《会見を開いて自分の口から説明すべきだ》などと批判の声が大きくなっています」(週刊誌記者)

一方、一部の女性誌では、中居が都内のマンションに蟄居しているなど“雲隠れ”を続けていると報じているが、今後、中居氏サイドは反論を続けるのか、あるいは名誉毀損などを訴えて、法廷闘争に発展するのか。さる芸能関係者はこう話す。

「女性側は、今回の中居サイドの主張に対し、『私が聞いていた話と違う』とコメントしていますが、中居氏としては懇意にしていたフジの当該社員とも連絡が取れず、『裏切られた』という気持ちが強いようです。しかし、今回の反論の意図は中居の名誉回復というよりも、別の目的にあると思います。というのも、6月にフジ・メディア・ホールディングスの株主総会が開催されますが、そこでフジテレビは株主から相当な突き上げを食うことは必定です。さらに、中居氏は今後、フジから違約金や損害賠償請求などをされるリスクもある。それを牽制するため、ファイティングポーズをとっているという見方が強い」

 平行線を辿る中居氏サイドvs第三者調査委の対立が、今後、法廷に持ち込まれるかは未知数だが、“悪あがき”とも捉えられかねない中居氏サイドの再反論は、さらなる波紋を呼びそうだ。

 

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