旧統一教会の信者に送られた“ある文書”

2023年5月26日、都内で行われたのは・・・
「安倍晋三名誉会長を偲び、新しい憲法を制定する推進大会」

安倍元総理に黙祷を捧げた。大会を主催したのは、自民党を中心とした超党派の議員らからなる「新憲法制定議員同盟」。開会の辞として、議員同盟の名誉顧問、自民党、麻生太郎副総裁のビデオメッセージが流された。


出席者には、下村元文科大臣や中谷元防衛大臣といった大臣経験者、参議院議員の井上義行氏の姿もあった。他にも、各党の幹部が出席し、挨拶が行われた。

そして・・・


番組はこの大会に関する“ある情報”を、事前に入手していた。


「今年も摂理機関本部関係で50名の動員を行うこととなりました」

「UPF=天宙平和連合」が、8つの関連団体から53人を大会に動員するよう呼びかけていた。UPFは、安倍氏が生前(2021年)、ビデオメッセージを寄せた団体だ。

「摂理機関本部関係で50名、第一地区から200名の動員を行う」

2019年4月に開かれた大会でも・・・

【信者に送られた文書】
「この度、家庭連合ならびに摂理機関に対して、1JK(地区)で150名、摂理機関からは30名の参加が願われています」

私達が入手した過去4年間の文書だけでも、旧統一教会ならびに関連団体が大会に多数の動員を掛けていたことが分かった。

実際に信者らは参加していたのか?今年の大会を見た現役信者は・・・

「あ、この人!教会の教会長ですね」

「ちょっと待って下さい、早速・・・」

大会が始まる1時間前から会場にいた1人の人物。

現役信者
「UPFの事務局の人だと思います」

UPF幹部の男性だ。

「今、案内してますよね、この人。案内されている人はUPFに関わりのある人で、(UPF)事務局の人が見つけて誘導するっていうシーンだと思いますね」

他にも・・・

現役信者


次々と教団関係者が会場に姿を現す。

「あ、この人!教会の教会長ですね」
「あ、彼!この人も本部関係の人です」

文書にはなかった関連団体、勝共連合からも・・・

現役信者
「ちょっと戻してもらっていいですか?この3人並んでるじゃないですか。多分、勝共(連合)の人です」

さらに、総理ら国会議員が挨拶する直前に壇上で準備していたのは、UPFの幹部だ。

現役信者
「こんなところにいますもんね。壇を直してる。普通やらせないでしょう?いくらボランティアって言っても。だって爆弾を仕掛けられたりするから、相当信頼があるってことです」

会場の準備を手伝っていたUPFの幹部に話を聞いた。

UPF幹部「手伝っちゃいけないですか?」

 
UPF幹部「個人として」


記者「色んな方を案内されていましたよね?」

UPF幹部「いい席で、せっかくだから座っていただきたいなっていう気持ちがありますよね」

記者「どこから動員をかけられるとかって、あったんですか?」

UPF幹部「ノーコメントで」

UPFの幹部は、大会には「個人で参加した」という。
岸田総理が「関係を断つ」と表明している中、政治と関わることについて・・・


記者「ないです。ただ、普通に聞いているだけじゃなくて、壇上で机を並べたりとか、運営側として見えるので・・・」

UPF幹部「でも1個人で、手伝っちゃいけないですか?」

記者「いや、いいですけど。総理のマイクを1個人で手伝えるものですか」

UPF幹部「あの・・・手伝ってほしいって言われたから」

記者「誰から頼まれたんですか?」

UPF幹部「それは私の下です。頼まれて。だから、運営している人たちじゃないですか。『ちょっとあなた手伝ってね』って」

記者「運営している側っていうのは、具体的に議員同盟の方? 」

UPF幹部「そこまで答える必要ないです」

おととし、柳本氏は、旧統一教会の関連団体「UPFーJapan」の議長を務める梶栗正義氏と一緒に写真に収まっていた。さらに、現職の議員だった2018年、埼玉で行われた韓鶴子総裁が出席した大会で挨拶をしていた。

新憲法制定議員同盟事務局長 柳本卓治元参院議員
「平和な愛ある家庭の実現のために共に頑張ることをお誓い申し上げまして、ご挨拶といたします」

柳本氏にUPFの信者がいたことについて聞いた。

政治家は旧統一教会との関係を断てたのか?

記者「天宙平和連合っていうUPFですね」

柳本氏「なんですかUPF?」

記者「実際そのUPFの方が(会場に)いたりとか、それについてはいかがですか」

柳本氏「それは私の関知しないところです」

記者「旧統一教会の関連団体の方がいたみたいな話は聞いた?」


記者「テーブル(の位置)を変える時、設営の手伝いとか」

柳本氏「それはないでしょう。お願いしていませんし」

「自民党は関係を断つという方針だが」と問うと・・・

 


記者「来年も大会を行われると思いますけども」

柳本氏「もしそういうことであるのだったら、精査していかなければならないと思います。真剣に憲法改正ずっと、私自身50年来やっている話ですから」

5月26日に行われた憲法改正を推進する大会で、来賓挨拶をした岸田総理。旧統一教会関連団体の信者が動員され、会場準備を手伝っていたことについて事務所が回答した。

お尋ねの事実については承知しておりません。
本大会を主催した「新憲法制定議員同盟」は、旧統一教会の関連団体であるとは認識しておりません。

今後の対応については・・・

【岸田総理の事務所からの回答】
会合等への参加については、活動の社会的相当性が懸念される組織・団体からの不当な政治的影響力を受けることとならないか等の観点から、会合等の主催者やテーマを確認することが重要であると考えております

また、登壇した議員全員が「信者の動員や会場準備の事実を知らなかった」と回答。自民党の新藤義孝氏は「スタッフ全ての属性を把握することは困難だが、今後も疑念を持たれないように努めたい」と、古屋圭司氏は「ご指摘が事実なら今後は出席しない」と回答した。

公明党の北側氏、日本維新の会の馬場氏、国民民主党の玉木氏は、主催者が「新憲法制定議員同盟」であったことが出席の理由だとした。その上で、今後どうしていくかについては、このような回答を寄せた。

【3議員からの回答】
北側氏「問題ある団体との関わり 慎重に対応」
馬場氏「主催者を見た上で出欠を判断」
玉木氏「可能な限り調査 注意していく」

世界平和統一家庭連合は「特定の政党や候補者及び政治家と組織的に、お付き合いすることはございません」と回答した。

 

 

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