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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

漁船と衝突した「輸送艦」おおすみは強襲揚陸用=攻撃用の艦艇だ

2014年01月15日 | 人権保障と平和

 

自衛隊の輸送艦「おおすみ」が1月15日、広島県大竹市の沖の瀬戸内海で釣り船と衝突しました。釣り船は転覆して乗っていた4人が海に投げ出されました。全員を救助したものの、船長が死去され、乗客のお一人が心肺停止の重体ということです。大変な惨事になってしまいました。

お亡くなりになった方に哀悼の意を捧げるとともに、重体の方のご回復をまず祈りたいと思います。

この事故を起こした一方当事者の「おおすみ」は平成10年3月に竣工(しゅんこう)した「輸送艦」ですが、全長178メートル、幅25.8メートルで基準排水量は8900トン、通常の乗員は約135人、戦車やトラックを数十台運べる大きさと巨大なものです。



このように、おおすみは航空母艦のような外観で、竣工時には空母だと騒がれました。もちろん、災害時の救援などにも活用でき、2013年11月のフィリピン台風災害で救援物資を輸送しました。また、東日本大震災でも物資輸送活動を行っていますが、本来の軍用としてはイラク戦争の時にイラクに派遣もされています。

おおすみは戦車を陸に揚げる手段として、ホーバークラフト型の輸送用エアクッション艇LCACを2隻搭載しています。ホーバークラフト型のエアクッション艇というとのんびりしたイメージですが、実際はこんなに巨大で戦車を何台も載せられる大きさです。


さらに、後部には2機のヘリコプター発着場があり、ここにオスプレイを乗せられるように改造予定です。自衛隊が危険な「未亡人製造機」オスプレイを導入すべきかどうかもこれから議論されるべきことなのに、もうはやくもオスプレイ採用を前提に改造予定では、確かに「空母」と言われても仕方ありません。

 

未亡人製造機オスプレイ 米軍事故調に上層部圧力で事故隠しと事故率操作 もはや日米安保条約を見直す時


この「おおすみ」には、離島防衛・奪還作戦における「海兵隊的機能」を付与するため、オスプレイだけでなく、隊員を乗せて前線に進出する水陸両用車も載せられるように大規模な改修を始める予定でした。海兵隊とは米軍の攻撃=侵略部隊です。

おおすみは高性能20ミリ機関砲を2門備えており、こうなると輸送艇という語感から想像されるのんびりしたものではなく、まさに武器・兵器・軍隊を運ぶ攻撃用の戦闘艇というべきもので、専守防衛を超える用法が予定されているというべきでしょう。

海上自衛隊の艦艇が民間の船と衝突した過去の例は、1988年に、潜水艦「なだしお」が神奈川県の横須賀沖で遊漁船と衝突し、30人が死亡したほか、2008年にイージス艦「あたご」が房総半島沖で漁船と衝突し、漁船に乗っていた親子2人が死亡しているという事故があります。

今回の事故の原因はこれから究明されるべきものですが、秘密保護法の先取りのような軍事機密の壁がまた立ちはだかるというようなことのないように監視しなければなりません。

それにしても、こういう軍艦、それも今回のように攻撃用の、憲法9条に抵触しかねないような艦艇が、事故の当事者だということに複雑な感情を抱きます。

こんな船が海に居さえしなければよかったのに、と。

 

こんな船要らないとはっきり言おう。

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50 コメント

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何を衛る隊? (kei)
2018-01-28 21:51:40
http://www.kinyobi.co.jp/kinyobinews/2017/11/30/antena-129/
海上自衛隊の輸送艦「おおすみ」(8900トン)と釣り船「とびうお」(5トン未満)が瀬戸内海上で衝突、とびうおの船長と乗客の2人が死亡した事故(2014年1月15日発生)をめぐって遺族らが起こした国家賠償請求訴訟の第7回口頭弁論が、10月31日、広島地裁(龍見昇裁判長)であり、衝突の約1分前に「おおすみ」乗員が「避けられん」と発言していた事実を国側が認めた。

問題の部分は「おおすみ」艦橋で採られた録音のうち、衝突約1分前にあたる午前7時59分6秒。衝突は避けられないという意味に聞こえる。運輸安全委員会や海上自衛隊の調査で使われた書き起こし記録からは落ちており、遺族側弁護団(田川俊一団長)が指摘していた。

「おおすみ」が危険を認識した時期について国側はこれまで、衝突約30秒前まで危険はなかったが「とびうお」が突然右に舵を切ったために衝突したなどと主張。しかし、今回の「避けられん」発言で、少なくとも約1分前には危険を自覚していたにもかかわらず回避措置を採らなかった可能性が浮上した。

弁護団は「避けられん」のほかにも、「GのCPA46」(「とびうお」との最接近距離は46メートルまたはヤード)、「やばい」などの発言が艦橋内で聞き取れると指摘したが、これらについては国は否定している。録音状態が悪いため、弁護団は専門家による音声分析を行なう方針。
返信する
Unknown (モグラ)
2018-01-26 22:31:19
おおすみって、8900トンの最高速度22ノット(41㎞/h)なんですよね。
対して「とびうお」は5トン未満の最高速度20ノット(約37㎞/h)。
まぁ、分かると思いますが、機動性の次元が違いますね。
5トン未満の船舶の機動性を上回る8900トン級の艦船が実際にあるなら紹介してほしい物です。
小石と岩を同時に投げて腕にかかる負担が同じなら、ニュートンの理論を真っ向から打ち破れます。
頑張ってください。
返信する
Unknown (じんべえ)
2018-01-06 18:26:52
LCACの説明箇所で“戦車を何台も載せられる大きさです。”とありますが、積載可能重量を見ると現行戦車は1車両しか載せられないはずので、記事の書き方だと「LCACは戦車を一度に何台も運べるんだ」という誤解を招きかねませんよ。
返信する
ほんとうに弁護士? (前田)
2016-04-21 19:35:52
基本的な知識の欠如、論理的思考の欠如、幼稚なサヨク的平和主義

弁護士としてまともな仕事が出来る方ではなさそうです。
経歴詐称では?
返信する
ここは (ああ、うん)
2015-10-27 14:58:57
象とアリの大きさの区別がつかない人達の集まりですか?
おおすみ(8900トン級)と漁船(1トン級)、分かりやすい大きさで例えるなら……フェリーから波間を漂うクラゲ(小型)を目視できるかってとこですかね。
輸送艦や空母という甲板が平べったいものは、下は細く、上に行くほど横に広くなりますので、下方に入られると例え見張りをつけていても見えなくなってしまいます。
一番分かりやすい方法を提示するならば、第2次辺りが舞台のFPSで空母がリスポーンポイントに設定されている場所で、事故が起こった個所で下を見ればいいと思います。
それで海面や事故個所が見えるか試してみてください。
返信する
馬鹿かコイツら (ぼく)
2015-08-07 22:55:25
空母は電磁式もしくは火薬式カタパルトが必要です
さらにこれはこの輸送艦は311で大活躍しました
これが無かったら救助はどうするんですかね?
軍事板というクッソ丁寧なオタク質問しようね
ところでロシアに韓国までこいゆう物を持ってるんですけど

まあ音痴で無知蒙昧なバカには無駄かwww
返信する
身内に (時々拝見)
2014-02-23 11:41:01
自衛官を定年まで勤めた元海軍士官がいるのですが、以前の衝突事故の時、ニュースの画面を一瞥して「あんな艦長は、海軍には一人もいなかった」と言ってました。海上自衛隊、だいぶ人材の水準が落ちているようです。
もちろん、元海軍士官、乗艦が沈められるという実戦経験があります。また、東条その他のA級戦犯が友人とともにまつられていることに嫌悪し、分祀できないというのは、「嘘っぱち」と言っています。
この身内の元海軍士官、どうも、戦争が始まったので、法曹界に進めなかったようで、rayさまはじめ、平和維持のため尽力されている方々に感謝する次第です。
返信する
ドラレコ必須とすべき (テッド)
2014-02-19 00:13:08
自衛艦及びある程度以上の大型艦にはドラレコの装備を義務づけては如何でしょうか。混雑する航路に入る時は20個か30個簡易型のドラレコを舷側の手すりにでもつけてそのルートを抜けるまで自動録画を義務づける。ついでにプレジャーボート側も自衛の為と無謀運転を牽制する意味で前方に1カ所くらいはドラレコを義務付けてはどうでしょうか。
返信する
Unknown (名無しさん)
2014-02-17 04:10:46
危険だよね。
法律改正して自衛隊の船のうんメートル以内は侵入禁止にするべきだよね。

それにもしもテロリストが爆弾積んだ自爆船だったら、、、怖過ぎだよ。

トラックに幅寄せするスピード出るバイクみたいな物だよね、バイクの方がスピードでるし小回りきくし道路は広いし、車間取れよって話し。

しかも自衛隊の船は国民の税金で買った船だし修理にかかる金も税金。
返信する
メグリムさま (kei)
2014-02-05 02:08:57
返答が遅れましたが、まだ誤解しているようなので。

確かに「輸送艦」が正しい呼称のようですね。でも、好きでも嫌いでもないので、用語には気を付けていないだけなのです。すいません。
私にとっては輸送艦だろうが空母だろうが自衛艦だろうが、呼び方はどうでもいい。
戦闘に使う為に造られた船だから戦艦というイメージなのです。直接攻撃はしなくても、要は敵を殺す為に必要な道具でしょう?
丈夫で巨大で、掠っただけで魚船なんか簡単に沈められてしまう=簡単に人を殺せてしまう。ということ。

これが例えば、巨大な客船と漁船との衝突事故だったとしても、同じ状況と結果ならば私は疑問に思ったことでしょう。

「自衛官が嫌いだから」などという判断でしか批判意見を捉えられないというのは、例えば生レバーによる食中毒で死者を出した焼肉屋を批判した場合に「肉屋が嫌いだからそう言うんだろう」という見方と変わらないと思うのです。

でもまあ、結論が一致出来て良かったです。

医師にしても、トラック運転手にしても、人を簡単に殺せてしまう職業の従事者は大変でしょうが、それでもその職業に就いたからには、最大限気を付けて頂くしか有りません.。

しかし、警笛のタイミングの遅さといい、航跡の不自然さといい、今回の事故はその最大限が出来ていたのかどうかの疑問が残ったままです。
自衛隊側は、自分達が簡単に人を殺せてしまうということに鈍感になってはいないか?
国民側も、自分達を守るはずの組織だからと、油断してないか?
今回の事故は、そのような互いの危機感の無さから生まれたものであるような気がしてならないのです。
返信する
Unknown (NG)
2014-01-29 18:20:04
>結構くねくねと素早く動けるみたいですね。

航跡は波によりその形を崩し写真の様に左右に曲がったような形状となります。
憶測で語るより前に自分でモノを良く調べられては?
返信する
その気になれば機敏? (N.O.)
2014-01-26 03:27:46
上から二番目の写真の白い航跡を見ると、結構くねくねと素早く動けるみたいですね。
返信する
まさにおおすみは (GI)
2014-01-25 20:10:25
空母ですね。
秘密保護法にも反対です。
もう、決まったとしても反対です。
一生反対します。
返信する
モモンガさんとN.Oさんのコメントについて (ミギハ)
2014-01-21 23:01:17
例えば洋上で航行するアメリカ第七艦隊と偶然に遭遇した場合、常識のある民間船ならば我を通してまですれすれに突っ切ろうとはしないでしょうね。

艦隊側が警告を発して万が一民間船が応答しなかったとしたら撃たれても文句は言えない状況ですからね、モモンガさんの言う『常識』とは、間違いを避けるためにもそうする船が多いということだと解釈しました。なお日本以外の国がそれぞれ設けている法律については私は存じないわけですが、国内においては日本の自衛艦の方が優先されるという規則(法律)は存在しないでしょう。

日本の海上衝突予防法は1972年の海上における衝突の予防のための国際規則の規定に準拠しています。内容はいずれもネットで調べれば出てきますが、船舶の種類によらず(つまり軍艦だろうが漁船だろうが)同じ規則に基づいて航行することになります。軍艦優先という法律はありませんが民間船優先という法律もありません。その船舶が置かれている状況や船舶どうしの位置関係・進行方向といったことについてあらゆる場合の船舶の対処法が定められています。

すなわち少なくとも軍艦優先という規則は存在しません。ただし操船については法律で定められた航法があるので、軍艦であれ漁船であれ船舶を操作する人はこれをしっかり頭の中に入れておかねばならないでしょう。

国外での話になりますと、普通の漁船ならソマリア沖で海賊の警戒に当たっている各国の軍艦には近づかないようにするでしょう。かなり近づけばむろん警告されますでしょうし、それに応じず接近を続けたとしたら撃たれてしまいます。危ないから近寄らない、というただそれだけのことです。

なお自衛艦はいかなる不審船が接近して来ようとも、向こうが発砲(或いは自爆)するなどの攻撃をしてこない限り武力行使することはできません。これは外国一般の軍隊とは大きく異なることでしょう。

あとモモンガさんは『軍艦(日本の場合は護衛艦か)~』と書いていますが海上戦闘の中核たる「護衛艦」ではなく、より幅広い艦種のことを指す「自衛艦」の用語を用いられたほうが適切です。例えば今回の「おおすみ」は「輸送艦」に類別されますが「護衛艦」には類別されません。

以上です
返信する
どちらが優先か (N.O.)
2014-01-21 18:13:25
モモンガさんが「海上での国際常識では商船などの民間船が軍艦と遭遇した時には、「軍艦(日本の場合は護衛艦か)優先」です」と書かれているので不思議に思ったのですが、どちらが優先するという規則がなく、各人の常識に任されているということなのでしょうか。すると、規則のほうが正式だと思っていたら、危ない目に合うことになりますね。国際的な規則では、どのように規定されているのでしょうか。

返信する
Unknown (一方的な意見ですね)
2014-01-21 12:37:18
韓国は「おおすみ」より大型の輸送艦を保有しています。

艦名は「独島」

韓国は海兵隊も持っています。
返信する
keiさまへ (メグリム)
2014-01-21 04:06:40
先に投稿した分が承認されなかったようですので、推敲し直して再投稿させて頂きます。

思考が固まっているとか、柔軟とか、そういう点は関係ないのです。

「公的な場で私的関係を持ち出すのはやめたほうが良い」というのは、公私混同を回避するためであり
同時に自身の立場・意見の強化に他者を利用しているという誹りを回避するためでもあります。

さて、検分の所轄が何省かなどは関係有りませんとのことですが…。
はっきりいいます。
根拠の無い陰謀論です。
権力の側だからああするに違いない、こうするに違いないと決め付けるのはそれこそ思考の硬直です。

勿論、白バイの件のように自浄作用の働かない腐敗した組織は存在しますが、全体がそうとは限りません。

繰り返し「海洋事故に詳しい弁護士が判決に対して強い疑問を提示しているというのは事実」と仰っておられますが…。
以前にも申し上げましたが弁護士全員が統一した見解を持つわけではありません。判決ごとに是非がわかれるのは当然です。
だからと言って、強い疑念が持たれているからといって判決が覆るわけでも、間違っていると決まるわけでもありません。
しかしながらあたごの刑事裁判は、検察の杜撰な調査で証拠や証言が捏造され、それを元に有罪が求められるという有り様でした。
遺族の方々からしてみれば納得がいかないのは当然ですが、これでは無罪は当然の帰結と言わざるを得ません。

私が貴方が「自衛隊だけが悪いと主張している」と判断したのは、事故という所属の如何に関わらず起きるものに対して

>簡単に人を殺せてしまう装備をしていた側の罪が全く問われないのはおかしなことです


…という点です。
これでは民間船なら双方が裁かれたと主張しているように受け止められるからです。

>双方が簡単に人を殺せる道具を甘く見ていた為、未然に防げるはずの事故を防げなかったというのが、私の戦艦と漁船事故における感想で、それを認めない限りはまた似たような事故が起きることでしょう。


船舶は人を殺すための道具ではありません。
あと、他の方が仰っておられますが「おおすみ」は戦艦(戦闘艦)ではなく輸送艦ですね。

こういった用語の扱い一つ、表現の仕方一つからで主張の印象は大きく変わります。
このような表現をなさっている間は、貴方の意見は自衛隊を悪であると決めつけているかのような印象を拭い去れないと思います。

前々回、前回の事故の教訓が生かされていなかったというのは概ね同意です。
なんでもっと早くに警笛を鳴らせなかったんでしょうね。
返信する
コメント欄を読んで疑問と矛盾に思ったこと (モモンガ)
2014-01-21 02:38:30
コメント欄を拝見してまず思ったこと。


若干右左で判断して自分の意見をちゃんと吟味してない人がいるんじゃないかと思いました。


まず、海上での国際常識では商船などの民間船が軍艦と遭遇した時には、「軍艦(日本の場合は護衛艦か)優先」です。

さらに、船同士の水流の流れを考えてもどでかい「おおすみ」に引き寄せられるのは『経験のある』船長なら普通は分かりそうなものだと思いますが…。
例え話になりますが我々も車で隣に大型のダンプが走っている横を自転車や軽でスレスレの中を走りたいとは思わないはずです。
特に海上…波もあります。陸上よりさらに危機管理をしなければいけないはずです。

ぶつかって亡くなってしまった方がいるなかであえてきつい発言を記載しますが…なぜ釣り船は近寄ったんだ…危機管理能力が弱すぎるんではないのだろうか…と。

あと一番気になったのことですが、N.O.氏のコメントを読んで思ったのですがその意見の内容では船の動きが物理法則を完全に無視した動きになりますね。
ほかの方の意見でその辺を説明されているようなのでまずは自分の意見は棚上げにして読んで考察されるべきかと。
返信する
訂正です (tone)
2014-01-21 00:54:41
 先ほどのコメントの中で『性染色体の異数性に起因する「ターナー症候群」および「クラインフェルター症候群」の1年生存率は10%を切っている』、と書き込みましたが、1年生存率が10%を切っているのはパタウ症候群(13トリソミー)およびエドワーズ症候群(18トリソミー)のことでした。
 私の浅学非才さに起因する単純ミスです。誤解を与える表現であったことを訂正するとともに深く謝罪いたします。
 なお、「ターナー症候群」および「クラインフェルター症候群」の方々の平均寿命については極端に短いということはありませんことを申し添えます。
 ご迷惑をおかけし誠に申し訳ありませんでした。
返信する
記録の改ざんはあるか (N.O.)
2014-01-21 00:06:28
事故当時釣り船がどのような運転をしていたか、いずれ詳細が明らかになるだろうと書いている人がいますが、航跡がすぐに明らかにならないということは、記録を改ざんしていると疑われても仕方がないと思います。そこで、捜査機関の独立性や、日頃どんな運行をしていたかが問題になってくると思います。
返信する
責任転嫁できれば予防措置がおろそかに (N.O.)
2014-01-20 23:53:06
今の船にスクリューが二つしか付いていないから反応が遅くてもいいのだというようなことを書いている人がいますが、事故の際に自分が責任を取らされるのなら、お金がかかっても余分なスクリューをつけようという事になるのではないですか。そして、動力一杯に航行するのではなく、いつでも方向転換や逆進できる余裕を残して走るのです。それが嫌なら、小さい船に追い越しをかけたりせずに、充分距離を置いて航行するしかないのでは。そして、普段から位置関係の記録をきちんとチェックして、事故が無い時でも危険航行は罰するのです。ポイント制で免許を取り上げるとか。これなら新しい市場ができて儲かるのではないですか。
返信する
N.O.様へ(終) (tone)
2014-01-20 23:46:51
 まずは、こちらのブログの記述内容とは関係ないように思われる内容のコメントを繰り返し投稿し、混乱を招いてしまったことについて、こちらのブログの管理者様や、N.O.様以外のコメントを投稿なさっている方々に対し謝罪いたします。申し訳ありませんでした。


 >N.O.様

 毎回のレスポンスに対し感謝いたします。しかし同時に、私が数日前から繰り返し説明を続けてまいりましたことに対し、N.O.様が理解を示して下さらないこと(あくまで「理解」であり、「同意」を求めているわけではありません)につきましては、非常に口惜しく感じております。誠に残念なことではありますが、これ以上、N.O.様に対し啓蒙を行うことは無意味であると判断せざるを得ません。なぜならN.O.様のコメントを拝読すると、N.O.様は私のコメントに対し原理主義的な批判・抵抗を繰り返しているようにしか思えないからです。せめて「この点には納得できるが、こちらの点については理解しかねる」のようなコメントを頂くことが出来れば、少なくとも今回よりは有意義な議論の場となったのではないかと感じております。私の投稿は今回を最後にさせて頂こうと思います。僭越ながらN.O.様のご意見の矛盾点を細かく指摘させて頂きますので、精読頂けましたら幸いです。

 『大型船は小回りが利かないからぶつかっても仕方がないようなことを書いている人がいます』←もし私のコメントに対し反応なさっているのでしたら、以下のように返答いたします。「ぶつかっても仕方がないようなこと」を書いた覚えは、私には全くありません。この文章を書く際に、今までの私のコメントを再確認いたしましたが、やはり私はあくまで、巨大な物体が急激な機動を行うことは物理的に困難であるということをお示ししたのみであり、「衝突事故は仕方が無かった」などという主張は一片たりとも行っていません。(繰り返しますが、もし私のコメントから「大型船は小回りが利かないからぶつかっても仕方がない」という主張をN.O.様が感じとられたのであるとしたら、)誠に失礼ながら、N.O.様の文章読解力の不充分さを疑わざるを得ません。

 『また、軍艦は他の大型船とはわけが違い、やはり縦横に動き回る小型船に対応できる設計でなければならないものだと思います。水の抵抗は大きいですからパワフルなスクリューを数多く使えば可能でしょう。いくら大きな物体でも、動力機の数で割れば小さくなりますから。』←私が以前説明いたしましたことに対し理解を頂けず残念です。結論から述べますと、N.O.様のご意見のような安直な方法で大型船の機動力を向上させることは困難です。理由は山ほど説明可能です。19世紀には「パワフルなスクリューを数多く備える」という方法を用いて、船の機動性を向上させようという試みが行われましたが、上手くいきませんでした。理由は「キャビテーション」が発生してしまうからです。この「キャビテーション」の説明に関しては、中学校以来の知識である飽和蒸気圧という概念を理解していれば簡単にお分かり頂けますので割愛いたします。
 また、「動力機」という表現も不適切です。その用語は通常、動力付きの航空機のことを表すものです。「主機」のことを表現したかったのではないかと推測いたします。その「主機」に関しましても、エネルギー効率の問題(熱力学的に解説するならば、カルノーサイクルにおいて気体は高温と低温の間で体積変化することで仕事を行いますが、低温側は0Kではないので分子運動の乱雑さが0にならないため、エネルギーロスが生じます。永久機関が得られない原理とほぼ同様です。)から、無理やりに出力を向上させることは技術的にも経済的にも非合理的なものとなります。船の衝突事故により人命が失われることを防ぐためにこの非合理性を容認せよというならば、それは「自衛隊の船は高い機動性を備えねばならない」というN.O.様ご自身の主張と矛盾することになります。もちろん、事故を起こすのは自衛隊の船とは限らないからです。
 ここまで説明してもなお「自衛隊という存在が事故とはいえ他者の命を奪ってしまったことを問題としているのだ」と強弁なさるのでしたら、今度は『お互いに、相手の命は自分の70億倍の価値があるのだということを認め合えば、少しは争いも減るのではないかと思うのですが』とのN.O.様ご自身の意見に矛盾することになってしまいます。なぜなら自衛隊以外の船で起きた事故により失われる人命を軽んじている、と判断されかねない主張なのですから。
 なお、N.O.様が抵抗力という用語をお使いになられていましたが、その抵抗力はkmv(質量を表すmが入っているとお分かり頂けますね)で表されます。
 以上に述べましたように、19世紀的なフィジックスすら充分に理解なさっていないN.O.様のご意見は、極言すれば「幼稚な思い付き」にすぎないということが、少しでも(正確には大学1年生レベルですが)物理学の熱力学分野に触れた経験のある者なら見抜けてしまいます。思い付きや感覚のみによるコメントで他者を混乱させるのはお止め願いたいと存じます。

 『また、釣り船の船長はこの海域の航行には慣れており……』←不確かな情報からの推測に意味はありません。私も含めた一般の人間は、現在、この事故の詳細な内容についてアクセスすることが不可能なのですから、論理を組み立てること自体が不可能です。
 加えて、私は何も「おおすみ」が完全な無罪だと主張しているのではありません。詳しい状況が判明する以前に、「おおすみ」を加害者側と一方的に断定することに対して異議申し立てを行っているのです。なお、亡くなった2名の方に対し哀悼の意をささげる姿勢が皆様と変わるものではないということを申し添えます。

 『また、私は「命の価値が地球より重い」と書いたことはなく、「自分にとっては」と限定していますので、それは比喩ではありません。』←まず、コメントを誤解してしまいましたことに対し謝罪いたします。しかし、『人間の命は自分にとって地球よりも重く』(たしかに「自分にとって」との前置きがありましたね)という表現がメタファーでないとするなら、以下のような疑問が生じます。すなわち、比喩では無しに(真剣に)「人間の命の重さ」と「地球の重さ」を比較することが可能なのかという疑問です。後者はSI単位(説明は煩雑になりますのでご存じなければお調べください)で表現可能ですが、前者はそうではありません。であるとするなら、上記のN.O.様の発言はやはりメタファーであると捉えるのが自然です。あるいは、「地球」という言葉の内に、そこに住む人類や環境といった概念が内包されており、「人の命の重さ」という概念同士の比較を試みた文章である、と考えるべきかもしれません。いづれにしても、あくまでN.O.様が上記の文章を「決してメタファーなどではない」と主張なさるのでしたら、国語力の稚拙さを感じさせる表現であると言わざるを得ません。

 『沖縄の日本軍は、作戦会議と称して女遊びに興じていたくらいですから、……』←以前私がコメントいたしました、「必要条件」と「十分条件」という概念をご理解いただけていないようで、誠に遺憾です。私は以前「電探の信頼性」と「燃料の枯渇」を、那覇空襲における敗北の原因であると主張しましたが、この2つを合わせれば明らかに「奇襲を受ける結果になった」ということの必要十分条件になり得ます。しかしN.O.様が主張なさる「沖縄の日本軍は、作戦会議と称して女遊びに興じていた」という事柄は、必要条件ではあるかも知れませんが十分条件では無いのです。以上の件につきましてはもはや議論云々ではなく、理解力の問題です。

 最後に、N.O.様は1/18 00:01:48におけるコメントで、『(今は)みんなが長生きすることが前提で、どこもかしこも安全が保証されるシステムになっています。』と主張なさっています。
 N.O.様は恐らく、「長生きすることが困難」、「安全(生きること)を保証することが困難」な方々が、不幸なことに現在でも多く存在するということをご存じないのでしょう。染色体の数的異常に由来する障害などはその典型例です。例えばよく知られている「ダウン症」(21番染色体トリソミーが原因)は、近年ようやく日本においては平均寿命50歳をこえることが出来ました。しかし日本人の平均寿命には遠く及びません。さらに、性染色体の数的異常に起因する「ターナー症候群」や「クラインフェルター症候群」などは、現在でも1年生存率が10%を下回ってしまっている状況です。
 このような「命」に関わる基本的な事柄も知らず、あたかも「生命」について自らが詳しく知っているような態度を見せかけてコメントをするという行為は、私のように浅学な(しかしその学問分野に従事していることは確かです)者から見ても笑止千万であるのみならず、上述のような境遇を得てしまった方々に対し失礼極まりません。根拠や論理が不適切な「反論」はもはや「論」とすら呼べないものです。

 以前にも述べましたが、思考の停止は往々にして、取り返しのつかない結果に結びついてしまいます。N.O.様はそのような陥穽に陥ることのない賢明な方であると信じております。


 本来のこちらのブログの話題とは関係ない内容を多分に含むコメントとなってしまい、申し訳ありませんでした。関係者様に謹んで謝罪いたします。
返信する
N.O.さまへ (ミギハ)
2014-01-20 16:06:03
『水の抵抗は大きいですからパワフルなスクリューを数多く使えば可能でしょう。いくら大きな物体でも、動力機の数で割れば小さくなりますから。』
ですからイメージで物を言わないでください。『動力機』というのはおそらく推進器(スクリュー)のことを言っているのでしょうが、今どき2軸推進(スクリューの数が2つということ)より多くのスクリューを持つ船舶なんてそうそう有りませんよ。ナンセンスです。(自衛艦はほとんどが2軸推進のものです。)それに船というのは前進するときも逆進を掛けるときも同じスクリューを用いるので、あなたの提案する『パワフルなスクリューを数多く使』うなどということをすれば前進速度も自然と大きくなってしまいます。

また「おおすみ」の速度は最大22ノット(時速約40キロ)ですから時速32キロというのは通常航行の速度でしょう。その他の自衛艦もこれに準ずるものと思われます。

またあなたは釣り船側の言い分ばかりを挙げますが、釣り船の船長が日頃どのような運転をしていたかは全く問題になり得ません。問題になるのは事故当時にどのような操船をしていたかです。これはいずれ詳細が明らかとなりましょう。どちら側の証言にせよ鵜呑みは禁物です。

また『独立した司法機関』という文言もあなたの理解に疑いを生じさせるものであります。話の本筋とは関係ないので簡単に触れますがこの種の事故について捜査・調査を行うのは国土交通省の外局である運輸安全委員会や海上保安庁です。

長くなるので私のコメントはこれくらいにしておきます。意見を言うにしてもこれからはちゃんと調べてからコメントしてくださいね。
返信する
メグリムさま (kei)
2014-01-20 14:54:36
やはり、自衛官好きでしたか。

さて、私が私的関係を持ち出したのは

>自衛隊が嫌いだから自衛隊に有利な判決は政治的判断でくだされた。というのは、公平性も客観性も論理性もない誹謗中傷でしかありません。
それは自衛隊に対してのみでなく、司法やに対してのものでもあります。
少なくとも私は、貴方のコメントからそのような印象を受けました。

という、あなたが勝手に私の感情的な判断で事件を論じていると決めつけたので、自衛隊批判をする人間などというものは全てそこに集約されると単純に思い込んでいるかもしれないので、まずは頭を柔らかくしてもらいたいと考えてのことです。

あと、白バイ事故との違いを挙げていますが、検分の所轄が何省かなどは関係有りません。
俯瞰して見て下さい。

私は個人対巨大組織との対決の場合、権力を持つ側が省の管轄なども超えて裁判に何らかの影響を与えることは簡単であろうと考えます。
あなたも認めているように、白バイ事件のような、警察が倫理観をかなぐり捨ててまで組織を守ろうとするという、信じ難いことが現実に起きている可能性が非常に高いということは、正義感などそっちのけで組織を守ろうとするシステムが、国民の命を守るはずの組織であっても存在していると考えるのが自然なのではないでしょうか。

戦艦と漁船の衝突事故が裁判になった場合、漁船の側は証言出来る人間が殆ど亡くなっているのですから、当然、証拠は自衛隊側から提示されたものが多くなるでしょう。
その場合、有利に動けるのはどちらかは自明です。

以前の事件でも海洋事故に詳しい弁護士が判決に対して強い疑問を提示しているというのは事実ですから、双方からの公平で完璧な証拠が無い限り、少なくとも、殺された側に非があり、殺した側が無罪となることを理不尽と一般人が感じるのは当然ではないでしょうか?それを「自衛隊嫌いだから」で済ませようとするのはおかしなことだと思います。

また、

>「自衛艦側も漁船側も双方が不注意だったからとしか思えないのですが」
「だとすると簡単に人を殺せてしまう装備をしていた側の罪が全く問われないのはおかしなことです」
の連続は「自衛隊だけが悪い」という主張にしか聞こえません

これのどこが自衛隊「だけ」が悪いとの主張にとれるのでしょうか?
「双方に非があるのでは?」と言っているのですよ?
ただ、同じレベルの不注意の場合、自分が死んでしまう方と、明らかに相手を死なせてしまう方とでは、普通に考えて責任の有り方が違うのではないかとの疑問を提示しているだけです。

>民間船側の過失或いは重過失をなかったことにはしておられませんか?

事故が起きれば自身が死んでしまうのです。戦艦をもっと脅威に感じていれば、自身の命は守れたかもしれない。
そういう意味での自身と、船長であれば同乗者への過失は有ったとは思います。

つまり、双方が簡単に人を殺せる道具を甘く見ていた為、未然に防げるはずの事故を防げなかったというのが、私の戦艦と漁船事故における感想で、それを認めない限りはまた似たような事故が起きることでしょう。

守るはずの国民の命を奪ってしまうという矛盾を、自衛隊は決して犯してはならないと思いますので、前回・前々回の事故が何も教訓になっていないという事実を当事者の方には重く受け止めて頂きたいと願うばかりです。


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軍艦にふさわしい性能と緊張感を望む&命の価値 (N.O.)
2014-01-20 00:19:54
大型船は小回りが利かないからぶつかっても仕方がないようなことを書いている人がいますが、小回りが利かないのなら周囲をよく見て、他の船との距離をとるべきだと思います。衝突の直前まで時速32キロで直進していたといいますが、釣り船が近くにいるなら速度を落とすべきではないのですか?他の軍艦はそのように気をつけているので、毎日のように活動していても事故を起こさないのでは?また、軍艦は他の大型船とはわけが違い、やはり縦横に動き回る小型船に対応できる設計でなければならないものだと思います。水の抵抗は大きいですからパワフルなスクリューを数多く使えば可能でしょう。いくら大きな物体でも、動力機の数で割れば小さくなりますから。いずれにしてもぶつかってしまったのですから不注意だったのは間違いないでしょう。
また、釣り船の船長はこの海域の航行には慣れており、日頃から慎重な運転で知られていたと言います。自分からぶつかっていったという証言とは全く矛盾していますし、後ろから輸送船が追い越そうとしたという初めの証言もありますね。航跡の記録が改ざんできるものなのかどうか知りませんが、ちゃんと独立した司法機関で押収してあるのかどうか気になります。ぶつかった場合、ひっくり返るのは小さいほうですから、自分からぶつかっていくというのはとても不自然です。いったん追い越したのがそのように見えたのでは。

また、私は「命の価値が地球より重い」と書いたことはなく、「自分にとっては」と限定していますので、それは比喩ではありません。「地球人口が多すぎるので今死んでください」といわれても「お先にどうぞ」と遠慮します。自分の命は1つしかなく、他人の命は70億もあるのですから、人命の価値に定義など不可能です。ある人にとっては国の独立のほうが重く、敗戦が決まると自分の命のほうが重く、保身のためには何百万人でも死んでもらって結構というくらい軽くなったり重くなったりするものです。でも人命にかかわることですから、他のどんな懸案より重要なのです。それが自分の命が危うくならないとわからないような人たちが国を指導するのは本当に困ります。自衛隊の人たちの命を軽く見ることによって、こんどは自衛隊が国民の命を軽く見ることにつながっていかないとも限りません。

沖縄の日本軍は、作戦会議と称して女遊びに興じていたくらいですから、実態をごまかすために機械の性能のせいにしていると思われても仕方がないのでは。10月10日の大敗北の日に大きな防空壕で司令部の人たちが遊郭のママと笑っている写真があります。
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N.O.様へ(続2) (tone)
2014-01-19 18:15:26
 >N.O.様


 早速の反応に感謝いたします。
 1/19 02:58:56におけるN.O.様のコメントを拝読しました。
 N.O.様の主張は大別して以下の二点です。


 ①『命の価値が状況によって異なるのは、理論ではなく単なる事実だと思います。』
 ②『お互いに、相手の命は自分の70億倍の価値があるのだということを認め合えば、少しは争いも減るのではないかと思う』

 これ以外の論点、つまり「大型船の急激な機動は物理的に不可能であること」、「新聞における『甲板』との表現は不適切であること」、「那覇空襲の敗因は当時の技術水準および燃料枯渇にあること」についてはご理解いただけたものと判断いたします。

 では本論に参りましょう。まず①について。
 コメント(主張)の内容を拝見したところ、N.O.様はどうやらこの種の議論に精通してはいらっしゃらないようです。ゆえに「命の価値そのもの」が変動すると誤解なさるのも無理はないのでしょう。今我々が直面している議論は「認識論」と呼ばれるものです。
 よく例として挙げられるのは、哲学者T.ネイグル氏が、彼の原著論文「コウモリであるとはどういうことか」で述べた内容です。コウモリは反響定位(エコーロケイション)とよばれる、超音波を用いた機構により障害物を避けているということはよく知られています。しかし、「超音波によって把握した世界」と「実際の世界」は明らかに異なる存在です。また、人間はこの仕組みについて、外から、つまり「コウモリは超音波を発信し、受信した超音波を……」と説明することが可能です。しかし、内的に(つまり認識的に)、エコーロケイションを使って、世界の在り方を捉えることは不可能です。言うまでもなく、人は超音波を発信も受信もできないからです。
 上述の例からお分かり頂けるように、実は「世界の在り方に関する私たちの(上述の例でいうならコウモリの)認識」ノットイコール「世界の在り方そのもの」なのですから、「人が捉える世界の在り方」と「コウモリが捉える世界の在り方」を比較することは全くのナンセンス(無意味)ということになります。なぜならどちらも「世界の在り方そのもの」を示しているわけではないのですから。N.O.様の議論に当てはめるのであれば、「命の価値は高い」という認識と「命の価値は低い」という認識を、あたかも「命の価値そのもの」が相対性を有するものであるかのように議論すること自体がナンセンスなのです。
 人も感覚器や脳を介在した上で、世界に対する認識を形作る訳ですから、かならず「色眼鏡」をかけているような認識が生じるわけです。この「色眼鏡」のことを「カテゴリー」と称します。「命は羽毛よりも軽い」、「戦争で子供が戦死したならば喜ばねばならない」、「組織の秘密を守るために殺人を依頼する」、「人命よりも無人島の方が大切だ」等々のN.O.様が例示なさった事案につきましても、あくまで「カテゴリー」を通した「人が捉える命の価値」である訳でして、「命そのものの価値」の変動を確認することは自然科学的な解明すら不可能なのです。なぜならその解釈や説明を行う際に、すでに「カテゴリー」が介在してしまう訳ですから(これを「超越論的な認識論」とよびます)。
 以上のことより、「命の価値そのもの」は変動しないが、「命の価値に対する解釈」は変動し、「命の価値そのもの」について議論することは無意味であるということをご理解いただけるのではないかと思います。

 次に②について。
 まず、前提から誤解が生じているように思われます。私は先ほどのコメントで、『命が「地球よりも重い」(私はこの表現を、「命の価値は他のものとは比較できない程尊いものである」ということのメタファーであると解釈しました)』と明記させて頂きました。なお、メタファーとは隠喩(いんゆ=「のような」等の直接的表現を用いない比喩)のことです。もうお分かり頂けると思いますが、比喩の対象となった二者を比較することは無意味です。よって、それ以降のN.O.様の論理は仮定が既に誤っているため、崩壊してしまっています。
 しかし、それではあまりにも不親切であるように思われますので、議論の内容についてもN.O.様の誤解を指摘させて頂きます。
 では『自分の命がなくなれば地球が存続していても意味がないと考える人々も意外と多いと思います。』というご意見について。確かにそのような思考をなさる方もいらっしゃるということについては同意いたします。しかしその根拠を「命の価値」に帰結させるのは乱暴な議論であるように思われます。その理由については既に述べましたのでもうお分かり頂けますね。この議論はむしろ、カントが提起したような「時間・空間の中にないものをイメージできるか?」という議論を適用するべきでしょう。つまり、我々は「カテゴリー」を当てはめて世界を解釈していますが、「時間」や「空間」も実は人間の持つ「カテゴリー」なのではないか、ということです。ゆえに、人間が存在しなければ時間や空間も存在しないということになります。したがって、人間が(主観的に)「価値」を判断するためのパラメータが消失してしまい、「価値」を見出すことは不可能となるため、自己保存を優先するようになる、という論法です。こちらのほうが、先ほど述べたような危うさを秘めている「命の価値」を拠り所とするよりは説得力において勝るように思われるのですが、N.O.様はいかがお考えでしょうか?

 最後に、国連によるWorld Population Prospectsを参照したところ、確かに全世界のセンサス人口が70億人を超えておりました。誤りを謝罪するとともに訂正いたします。

 また、反論を試みる際にはまずこちらの文章を精読願います。今回のように誤解が多すぎますと、訂正する作業が煩雑になり非常に大変です。加えて、「命の価値」のように自然科学的な定義すら不可能であるものを根拠として用いるのはお止め下さい。「命の価値」はむしろ解釈の証明が必要となる議題です。さらに、N.O.様の用いる語句の定義を明確にしていただけるとありがたく思います。語句に振り回されてしまうと実学的議論が一向に進みませんので。


 今回は私の専門分野に関わる内容でしたので、細かく(噛み砕いて)指摘させて頂きました。また、私の意見に関する指摘の場合は「>toneさんへ」のように最初に示して頂けますと有難いです。
 毎回の長文失礼いたしました。
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Unknown (Unknown)
2014-01-19 18:13:11
そもそも自衛隊の遅い船が速さで勝る船に、船体の後ろの方にぶつけるって凄いことですね
普通は前の方だと思いますが
まぁGPSの記録を見れば判ることです
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Unknown (Unknown)
2014-01-19 18:07:53
自衛隊が悪いように書いてるが
右に見るほうが避けるは基本であって、船体の差が大きいほど、大きくて鈍い方ではなく小さくて機動力の高いほうが避けるもんですよ
そう授業で習いますから
後自衛隊に非があるのなら釣り船より速度が速くなくてはいけませんが、大きくて鈍い船が機動力があって小さい船にぶつかるのは、在り得ない速度でいくしかないです
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現時点で (ケイ)
2014-01-19 12:56:54
輸送艦が一方的に悪いなんて無茶苦茶ですよ。
これからの調査で明らかになるでしょうけど
こんな報道もあります。

「釣り船から衝突」=阿多田島の男性が目撃証言―広島・海自艦衝突
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140119-00000025-jij-soci

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keiさま (メグリム)
2014-01-19 07:30:47
私自身が自衛隊や自衛官に好意的なのは否定しませんが「それはそれ、これはこれ」です。
keiさまの私的な関係は了解いたしましたが、公的な場で意見を交わすのに私的な関係を持ち出すのは如何なものでしょうか?

事故で家族を失った遺族の方々からしてみれば、亡くした身内に非があったとされるのは、納得がいかなくて当然でしょう。
それに、弁護士全員が統一した見解を持っているわけではないですから判決一つ一つに是非が別れるのは当然だと思います。

そして…。
高知県の「白バイ事故捏造疑惑」を例に取られていますが、それは不適切であると申し上げておきます。
何故なら、陸上での事故検分は警察の所管ですが、海上の事故は海上保安庁の所管だからです。
事故の当事者が見聞できた白バイ事故の時と違い、防衛省が検分をするのではありません。
国土交通省が検分をします。
政治的云々を言うのであれば、自衛隊側に不利になる状況です。

>3度もこういうことが起きるということは、衝突回避行動に何か問題が有ると考えるのが自然です。

から以下の行は支離滅裂ですし
「自衛艦側も漁船側も双方が不注意だったからとしか思えないのですが」
「だとすると簡単に人を殺せてしまう装備をしていた側の罪が全く問われないのはおかしなことです」
の連続は「自衛隊だけが悪い」という主張にしか聞こえませんし、最後の行もそうです。
民間船側の過失或いは重過失をなかったことにはしておられませんか?
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命の価値は相対的 (N.O.)
2014-01-19 02:58:56
命の価値が状況によって異なるのは、理論ではなく単なる事実だと思います。
戦争中は鴻毛より軽いと言われていたわけですし、自分の子供が戦死しても大騒ぎするどころか喜ばねばならなかったのです。現代でも公害を出している企業の経営者にとっては、外部の人たちの命より、会社の存続が大切だと思います。逆に組織の秘密を守るために積極的に殺人を依頼するところもあるくらいですし、人命より無人島のほうが大切だと考える人たちもいます。
死亡事故の保証金額も、被害者の立場や交渉の仕方1つで変わると思います。

また、人命と地球とではどちらが重いかですが、自分の命がなくなれば地球が存続していても意味がないと考える人々も意外と多いと思います。例えば地球を守るために自分の会社の経営が傾いて生活費が減ってもいいと思っている人は少ないのではないですか。逆に、例えばこの鉱山にこれだけ投資したから、この物質が地球に有害だとわかっても報道されないように圧力をかけようと考えるのではないでしょうか。このことから、案外地球のほうが各人の命よりも軽いという事がわかります。みんなが自分の命よりも地球のほうが大切だと思っていれば今のように自然が汚染されていないと思います。
これが逆に他人の命だとなれば、とっくの昔に70億人を超えている状態ですから、捨てるほどあるので大した価値はないという事になります。
お互いに、相手の命は自分の70億倍の価値があるのだということを認め合えば、少しは争いも減るのではないかと思うのですが違いますか。安倍さんや石破さんも、自衛隊員の一人ひとりの命が本人にとっては首相や幹事長の70億倍の価値があるのだと想像してみたらどうかと思います。
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N.O.様へ(続) (tone)
2014-01-19 02:48:01
 何度もコメント失礼いたします。
 次第にN.O.様の論旨が理解しがたくなってきましたので再び投稿させて頂きます。
 今回は以下の三点についてです。

 ①『民間の船なら、ルールに従って航行するのが原則ですが、軍艦ならば、相手がむしろその裏をかいて行動するのが前提ではないですか。』←大型船は急激な機動を行うことが不可能なことを文章ではご理解いただけていないようですので、数式的に示してみます。まずニュートンの第二法則(つまり運動方程式)で表現してみましょう。運動方程式はma=fで表され、mは質量(“重さ”ではありません)、aは加速度、fはその物体に作用している力です。運動方程式は、質量mが大きくなれば、ある加速度aを得るのに必要な力fは大きくなることを示しています。これは船の場合、エンジンの出力を大きくすることで対応可能です。しかし、船が直進している状態からの別方向への移動を考える時には、方向転換しようとした段階で船自身が持っている運動エネルギーについても考えねばなりません。運動エネルギーは1/2 mv^2で表されます。ここでmは先ほどと同じ質量、vは速度(速さ)を示します。この式から、mが大きくなればなるほどその物体が持つ運動エネルギーは大きくなることが分かります。「おおすみ」は8,900tです。相手の遊漁船を仮に10tとすると、「おおすみ」は同じ速度であっても890倍の運動エネルギーを持っているわけです。また、艦体が大きな「おおすみ」は、もちろんその分、海水や空気から受ける抵抗も大きくなります。これらの条件を考慮しなければならない、ということだけでも「おおすみ」が急激な機動を行うことは非常に困難であることをご理解頂けるでしょう。最終的には最初に示した運動方程式ma=fでfについて解き、それとエネルギー保存則を利用することで、必要なエネルギーが求められる訳です。
 以上の説明で、「おおすみ」に限らず巨大な物体の急激な機動は、物理的に非常に困難なことを数式的にご理解いただけるのではないかと期待しています(高校物理で充分すぎるほど分かる内容で解説させて頂きました)。

 『新聞には甲板に見張りを立たせていなかったと書いてありました』←私が参照したニュースでは、以前私が書き込みましたように左右両舷および艦尾の3か所に見張員が立直していた、との記載があったのですが、どちらが正しいのでしょう? この点に関しては今の私は情報不足のため分かりかねます。しかし、その『甲板』とはどこのことを指しているのでしょう? もし最上甲板のことでしたら、艦首付近から艦尾、左舷から右舷の端までの全ての領域を指し示す用語ですので、不適切な表現ではないでしょうか。

 『戦中に沖縄に敵の大空襲があったとき、司令官達は那覇で宴会をしており、留守を守っていた兵士達は、敵の襲来をレーダーの故障だと思いこみ、反撃が遅れて大敗北を喫したそうです。』←おそらく那覇空襲についての記述であろうと解釈しました。この空襲(確か昭和19年の10月10日でしたので10.10空襲とも呼称されています)において、電探(当時は「レーダー」を電波探信儀の略称でこのように呼びました)の情報を無視した理由は、当時の電探の信頼性が低かったからです。ゴースト(虚像)が生じることも多かったので、その影を敵機と間違えて認識してしまうことも度々ありました。また当時の日本では、米軍による海上交通路の遮断により石油が不足していましたので、敵がいないかもしれない(つまり使用した燃料が無駄になるかも知れない)状況での出撃は控えねばなりませんでした。ゆえに、信頼性の低かった電探の報告は無視されたのです。
 私は那覇空襲について、上述のような理由のたに発生した悲劇であったと認識していましたので、『一人ひとりの安全がもっと重視されていれば、そんなことは起こらないのではないですか。』との結論に至るロジックが理解されかねます。よろしければ詳しくエビデンスおよび論理展開を説明願えませんでしょうか? 厳しい言葉ですが、もし説明願えないのであれば、史実の出来事を参考にしたように見せかけた単なる思い付きであると判断せざるを得ない内容です。

 なお、『失敗学』という学問分野の中でも特に、戦場における失策についての本を日大の講師である三野正洋さんが執筆(「“戦場”における小失敗の研究」)なさっていますので、興味があればぜひご覧ください。


 意見・反論・感想、何れでも構いませんので、N.O.様のレスポンスを心待ちにしております。なお、私はN.O.様のロジックを批判しているのみであり、N.O.様個人を中傷する意図は全くないということを再び明記させて頂きます。

 たびたびの長文失礼いたしました。
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メグリムさま (kei)
2014-01-19 02:20:52
どうやらあなたは自衛官好きのようですね。
そういうあなたから見ると、私の言葉は自衛官嫌いに聞こえるのでしょう。
但し、私は自衛官嫌いでは有りません。身内に自衛官が居りますし、親友の恋人が自衛官だったりもします。
だからこそ、絶対に彼等が傷ついたり、戦闘で亡くなる,、又は国の為と称して罪の無い人を傷付たり殺すようなことが有ってはならないと考えています。

今回もそうですが、「なだしお」事故にしても、「あたご」事故にしても、海上での安全義務である「衝突回避行動」が双方適切に行われたのかが大いに疑問ですし、海難事故を多く扱う弁護士も「有り得ない判決」と疑問を呈しております。そして被害者側遺族も納得しないままの判決となっています。そこを疑問視しない方が、いつ被害者になるとも知れない側としてどうかしています。

高知県での「白バイ事故捏造疑惑」などのように、巨大権力側を守る為としか思えない判決や、冤罪判決を時に裁判所というところは行ってしまうものなので、自衛官に甘い判決などは簡単に出来てしまうということは当然考えざるを得ません。

自衛官が自国民の命を奪うなどということは絶対に有ってはならないことなのに、3度もこういうことが起きるということは、衝突回避行動に何か問題が有ると考えるのが自然です。裁判でも当然争点になっていましたが、私はどちらかが突然目の前に浮上したのでも無い限り、自衛艦側も漁船側も双方が不注意だったからとしか思えないのですが。
だとすると簡単に人を殺せてしまう装備をしていた側の罪が全く問われないのはおかしなことです。
注意をしていたのに衝突したというなら、それはそれで恐いことだとも思いますよ。
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N.O.様へ (tone)
2014-01-19 00:52:56
 >N.O.様


 再びコメント失礼致します。今一度、N.O.様が誤解なさっていると思われる部分について指摘させて頂きます。具体的には、
 ①『昔なら子供の数も多く、数人死んでもまだ親の老後の世話をする子供が残ったのですが、今は子供の数が減り、命の価値が違っています。』
 ②『人間の命は自分にとって地球よりも重く』
との記述についてです。


 まず、①の文章においてN.O.様は以下のような主張をなさっています。
 「(一世帯当たりの)子供の数が、過去に比べて減少している」ことが「原因」となり、「結果」として「過去と現在では命の価値が違っている」

 初めに「原因」について。確かに、現在の家族の中における子供の地位の低下は、よく指摘されています。しかし、単純な数の減少を理由と断定するのは乱暴すぎではないでしょうか。現在の地球上の人口は約65億人とされていますが、これが将来的には120億人程度まで増加するも、その後は資源や食糧の過不足が原因となり110億人程度で一端落ち着くとの予想がなされています。N.O.様のロジックに当てはめると、この人口110億人となった将来の地球における「人の命」の価値は、現在よりも低下するということになってしまいます。これに対して私は明らかに違和感を覚えるのですが、N.O.様はいかがでしょうか?
 なお、「家族内で子供の地位が低下」している理由として一般的に挙げられるのは、多世代同居型家族から核家族への、家族形態の移行です。多世代同居型家族とは農業等の一次産業が中心であった頃の状況に適応した家族の形態であり、子供が多数存在することはすなわち労働力の確保に繋がります。「労働力の確保」に加え、当時は「“家”の継承」が重要視されていましたので、子供の存在は不可欠となり、家族内における子供の地位は(相対的に)高かったわけです。しかし一方、現在よく見受けられる核家族においては、「夫婦の一体性」が重要な柱となります。したがって子供を設けるということは「夫婦の一体性」を確保するための手段の一つでしかないわけで、家族内における子供の地位は(相対的に)低いものとなります。なお以上の議論は『家族論』として知られるものですので、N.O.様も、もし興味がありましたら是非一度お調べになってみて下さい。

 次は「結果」について。根本的な話となってしまいますが、「命の価値が時代によって異なる」ということはあり得るのでしょうか(私が先のパラグラフで述べたのはあくまで「家族内での子供の地位が低下していること」についてで、「命の価値が変化している」とは主張していません)。
 確かに「命の価値に対する解釈や見解」が変化することはあり得るでしょうが、「命の価値そのもの」が変化することは無いのではないでしょうか。なぜなら、「命の価値そのものの変化」を認めてしまうと、以下のような問題が生じるからです。例として、ナチスによるユダヤ人虐殺行為についして考えてみます。当時のナチス側は「ユダヤ人の命の価値」は低い(ないし、酷い表現ですが「無い」)と考えて虐殺行為を行ったわけです。虐殺行為を批判する側(言うまでもなく私はこちらです)は、「命の価値」を根拠とします。しかし虐殺行為が行われた当時には「命の価値が低かった」(つまり、時によって命の価値が変化する)という主張を認めてしまうと、その根拠が消失してしまい、批判は成立しなくなってしまう訳です。

 これらの点から考え、私は①におけるN.O.様の主張は成立しないと考えます。


 また、②についてですが、命が「地球よりも重い」(私はこの表現を、「命の価値は他のものとは比較できない程尊いものである」ということのメタファーであると解釈しました)ことを認めるのであれば、①でN.O.様が主張なさっていたような「命の価値が昔と今では異なる(命の価値には高低が存在する)」という議論を行う必要性が無くなってしまいます。


 以上から考え、N.O.様のロジックは、私が指摘させて頂いた部分に関しては完全に崩壊していると結論づけることが出来ます。以前のコメントでもほぼ同様のことを書き込ませて頂きましたが、主張・批判を行う際には確たる知識とロジックを基にしてください。もし単なる感覚のみで安易な主張や判断を繰り返しているならば、いつか取り返しのつかない過ちを犯してしまいかねません。定義と批判的(批評的)思考を大切にして頂きたいと切に願っております。

 なお、私の書き込みはN.O.様の主張に異議を唱えているのであり、N.O.様個人を批判しているのではないということをご理解いただければ幸いです。
 もし疑義や反論、感想等がございましたら、ぜひコメントをお返し願います。
 再び長文失礼いたしました。
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敵には衝突回避がお願いできない (N.O.)
2014-01-19 00:15:39
民間の船なら、ルールに従って航行するのが原則ですが、軍艦ならば、相手がむしろその裏をかいて行動するのが前提ではないですか。右かと思えば左、前かと思えば後ろに動こうとするのがむしろ当たり前でしょう。それも、いつの間に近づいたかわからないように近づこうとするでしょう。そうした動きに対応できない船と乗務員に日本の安全を任せるのは危険だと思います。
また、新聞には甲板に見張りを立たせていなかったと書いてありました。
また、監視カメラの画像が消えて、機関銃で撃たれたか、故障なのかわからなければ、敵の襲撃だと仮定してすぐに行動するのが当然でしょう。戦中に沖縄に敵の大空襲があったとき、司令官達は那覇で宴会をしており、留守を守っていた兵士達は、敵の襲来をレーダーの故障だと思いこみ、反撃が遅れて大敗北を喫したそうです。一人ひとりの安全がもっと重視されていれば、そんなことは起こらないのではないですか。
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コメントいたします (ミギハ)
2014-01-18 15:12:58
>N.O.さま

思い込みやイメージをもとに意見されているのが気にかかります。私はこの場でコメントされているtoneさまのようには豊富な知識がないことを承知ではありますがコメントさせていただきます。

『見晴らしの悪いときだけ見張りを立たせて済ますようなアナクロなシステムだとは夢にも思いませんでした。』についてですが、自衛艦は常に見張りを立てているのであって決して『見晴らしの悪いときだけ』ではありません。
『軍艦でも全体をカバーできるようなカメラが沢山付いていて、高級マンションの管理室のようにずらっと並んだモニターを数人で眺めているのだと思っていました。
それなら甲板の見張りがいつのまにか射殺されていても侵入者が見えるでしょうし、いっけん無害な釣り人たちがいきなり機関銃で撃ってきても誰も死なずにすむかもしれません。』という意見についても疑問を抱かざるを得ません。「もしも」の話になってはしまいますがそのような監視体制を取るならばそのカメラが機関銃で破壊されたときに、果たして故障なのか人為的な破壊なのかを一瞬で判断できる人がいるのでしょうか。見張員による光学的な監視は確かに昔から続いてきた手法ではありますが、現代においても確実な監視方法の一つとして用いられているのであって(今回の事件における「おおすみ」のような輸送艦のみならず、戦闘艦たる護衛艦にも常に見張員が配置されています)、決して「アナクロなシステム」ではないのです。
いかにハード面が充実していてもそれを操作するのはどの時代も人間なのであって、ソフト面がおろそかなシステムが上手くいくはずがありません。監視カメラは現状の判断や報告などといった動作をすることはできませんよね?
 また自衛隊の艦船のことを議論する際にN.O.さまはよく民間の自動車を持ち出して意見されていますが、異質なものを2つ並べて論ずるその方法自体がいかがなものかと思います。それに(これは17日のN.O.さまのコメントですが)、『バスやトラックのように車体全部が見えるような装置が付いているのが当然ではないのですか?』とあります。そのような装置があることを私は存じ申しあげなかったわけですが、そのような装置が一般に広く普及しているとは言い難いのではないでしょうか。第一どんな車両にも死角が生ずるという事実は教習所に行ったことのある人ならば誰でも知っています。
『両方とも民間の船なら、どちらが悪いかという論理も成り立ちますが』というのも奇妙な言いかたです。片方が自衛艦であるなら、常に自衛艦の方が悪いのだ、という意味が行間にあらわれているように読めます。続く『軍艦が小刻みな動きや周囲の観察、他船の動きの予測ができないというのも困るのではないでしょうか。民間の船と違ってたくさんエンジンやスクリューが付き、急停止や逆進もらくらくなのだと思っていました。』についてですが、(艦型に左右されるにせよ)確かに優秀な運動性能を所持する自衛艦は多数存在します。2009年の護衛艦「くらま」の衝突事故では「くらま」側が急速に逆進をかけることで大惨事になるのを防いでいます。(なお付け加えるならば「くらま」は自衛隊に所属する現役の護衛艦の中でも最も古い艦艇のうちの一つです。)ですが、だからといって自衛艦側に常に責任があるかのような言い方には首を傾げざるをえません。自衛艦だろうが釣り船だろうが海の上では等しく「海上衝突予防法」にのっとった行動をすることが課せられるわけであり、責任の所在は法の下において平等に評価されるべきだからです。
いずれにせよ事件当時の両船舶がどのような挙動を取っていたのか、その事実が確定するまでは安易に責任の所在を論ずることはできないと思っています。自衛艦側が明らかに違反的な航行をしていたというのならば当然責めは「おおすみ」側に負わされるべきでしょう。

そして最後に付け加えたいのは、少子化や命に対する価値観の変遷が起こっても『みんなが長生きすることが前提』などということは有りえませんし、『どこもかしこも安全が保証されるシステムになってい』るということについても同様です。そのような社会が存在するのだとしたら、それはこの世のものではないのだろうという感を抱きました。
長文失礼いたしました。
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チョット失礼 (通りがかり)
2014-01-18 13:24:14
軍艦が小刻みな動きや周囲の観察、他船の動きの予測ができないというのも困るのではないでしょうか。U+27A1U+FE0Eとびうおが予測出来ない動きをしたから、おおすみは警笛を五回鳴らし、とびうおに警告したのではないでしょうか? 民間の船と違ってたくさんエンジンやスクリューが付き、急停止や逆進もらくらくU+27A1U+FE0Eとんでもない、大型輸送艦ですよ。加速減速に何分もかかる大型艦ですよ。 小型プレジャーボートにわけ分からない動きをされたら、避けようがありません。また、GPSの記録から、おおすみは衝突までほとんど転舵していません。突っ込んだのはとびうおと、推察されます。 最後に、東北大震災の折りに大活躍したおおすみを、、、こんな船、なければいいと?
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Unknown (メグリム)
2014-01-18 01:27:48
流石に看過できない発言があったので、コメントさせていただきます。

>keiさま
「過去の判例で自衛官が無罪になったというのは、それこそ政治的判断なのではないでしょうか」

とのことですが…。
あまりにも司法を軽んじ過ぎてはおられませんか?
何に対しても好き嫌いや批判や擁護は存在しますし
それは当然のことです。
ですが、自衛隊が嫌いだから自衛隊に有利な判決は政治的判断でくだされた。というのは、公平性も客観性も論理性もない誹謗中傷でしかありません。
それは自衛隊に対してのみでなく、司法やに対してのものでもあります。
少なくとも私は、貴方のコメントからそのような印象を受けました。

水上交通には陸上交通とはちがうルールが存在します。
船舶の大きさや所属だけで是非が決まるものではありません。
そういったことを踏まえて、もう一度よくお考えください。
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らくらく回避と思ってました (N.O.)
2014-01-18 00:01:48
昔なら子供の数も多く、数人死んでもまだ親の老後の世話をする子供が残ったのですが、今は子供の数が減り、命の価値が違っています。みんなが長生きすることが前提で、どこもかしこも安全が保証されるシステムになっています。だから、当然軍隊でも無駄な死者を出さないような装置が民間の自動車並みに装備されていて当然なのではないですか。そうした装置を売り込んで儲けたい業者もあるでしょうから、見晴らしの悪いときだけ見張りを立たせて済ますようなアナクロなシステムだとは夢にも思いませんでした。いまどきは普通のマンションでもあちこちに防犯カメラが付き、外部のものが勝手にうろつけば管理人さんが飛んできます。軍艦でも全体をカバーできるようなカメラが沢山付いていて、高級マンションの管理室のようにずらっと並んだモニターを数人で眺めているのだと思っていました。
それなら甲板の見張りがいつのまにか射殺されていても侵入者が見えるでしょうし、いっけん無害な釣り人たちがいきなり機関銃で撃ってきても誰も死なずにすむかもしれません。
民間の船も全体がはっきり見えるようにしておけば、海賊対策にもなるのではないですか?
人間の命は自分にとって地球よりも重く、それは自衛隊員でも釣り人でも安倍さんや石破さんと同じなのですから、使い捨てにならないような工夫をして欲しいと思います。
今回は釣り船がどんな迷惑な動きをしていたのかわかりませんが、だからといって、後ろから追い抜いたときにぶつかるというのは不注意に過ぎるのではないですか。両方とも民間の船なら、どちらが悪いかという論理も成り立ちますが、軍艦が小刻みな動きや周囲の観察、他船の動きの予測ができないというのも困るのではないでしょうか。民間の船と違ってたくさんエンジンやスクリューが付き、急停止や逆進もらくらくなのだと思っていました。
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Unknown (房州生まれ)
2014-01-17 18:19:04
当記事を拝読させていただきました
まずは亡くなられた方へのご冥福と重態に陥っている方への回復をお祈りいたします。

さて、今回私は当該事件の当事者たるおおすみについて検索していたさいにこの記事を発見いたしました。
前半部は画像もあり、概略の全長等の緒元もあり勉強になりました。
ですが後半部分に関しては異議を申し上げることがあります。
彼方の自衛隊を批判したい気持ちは読んでて解りますが、ご自身の職業として弁護士・法学科の教授と公表されるからには法に基づく客観的な批判をするべきでしょう。
たとえば、おおすみのこの行為はこの法立に違反しているために釣り船側に非はない。といった形であればこちらも納得いたしますし、昨今の客観性を欠いた報道を行うマスコミとは違う貴重な意見であると勉強にもなります。
しかしながら、空母としての定義も理解せず、輸送艦任務の重要性も理解せず、日本における水陸両用部隊の重要性も理解せず、法に基づいた意見もできていない彼方の意見は傾聴に値しません。
さらに細かいところを言えば、高性能20mm機関砲CIWSについて言及されていますがこれは対空機関砲で自艦に向かって来る対艦ミサイルを迎撃するいわば自衛装備です。
あなたは海上保安庁所属しきしま型巡視船にこれより口径の大きい35mm連装機関砲があるのを無視してこちらに対して異を唱えるのは何故でしょう?彼方の論調であればしきしま型巡視船も海保の枠を超えた戦闘艦になるのでは?
また秘密保護法についても言及されてますが、海上自衛隊はこの事件で捜査に全面協力しており、捜査に必要な情報は海上保安庁に提出しているとの報道がありました。これをもって提出されたこれらの情報は軍事機密ではなく捜査情報になっているのではないでしょうか?


私はこのコメントが表示されることは無いだろうと勝手ながら予想しておりますが、ぜひ貴方様のコメント返しを拝読させていただきたいと考えております
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今一度失礼致します (tone)
2014-01-17 15:21:52
>N.O.様


 新聞における記述について、やや誤解が生じているようですのでコメントを投稿させて頂きます。
 「近くにいる船は艦橋から死角になる」と「戦闘に使う艦船に死角がある」との間に等号は成り立ちません。艦橋とは、「艦体上に設置された、操舵室のある構造物」を指します。確かに、輸送艦「おおすみ」の艦橋は写真でもよく確認できるように右舷側に設置されていますので、左舷側や艦首・艦尾側に対しては自らの艦体が障害物となり死角が生じます。
 しかし、その死角をカバーするために、自衛艦においては、艦橋以外の場所にも見張員を立たせています。なお一般的には左右両舷および艦尾に配置することが多いようです。
 したがって、「艦橋からは死角になる」としても、見張員からも視覚情報が得られる訳ですから「艦にとって死角になる」ことは無いわけです。換言するならば、「艦橋に死角が存在する」ことは、「艦に死角が存在する」ことに対して、必要条件ではありますが十分条件ではない、と表現できるでしょう。

 また、「おおすみ」に対して『戦艦』との呼称を用いることに対しても違和感を覚えます。本来『戦艦』とは「大口径の主砲(最低でも口径28センチ以上)と、自艦の搭載する主砲の砲弾に耐えうる防御力を備えた軍艦」のことです。この定義はあくまで輸送艦でしかない「おおすみ」には全く当てはまりません。ただし、上述の定義はあくまで軍事学上で用いられるもので、一般的には「戦闘に用いる船」との定義も用いられる(国語辞典にはこの定義も掲載されています)傾向があることも申し添えておきます。厳密にいうと本来の定義からは外れた表現であるということをお伝えしたかったので書き込みました。

 最後に、「おおすみ」の乗員の方に対して「豚に真珠」や「キチガイに刃物」といった言葉を用いて批判を行うのはいかがなものでしょうか。今回の事件は誠に残念な出来事であり、自衛艦と民間船舶の衝突事故などあってはならないことである、という内容については私も全くもって同意見です。しかし、批判を行う場合には、相手の立場についても充分に理解した上で、というのが礼儀ではないでしょうか。

 日本において海自の艦艇は、他国の艦艇と比べた場合、大いに軽んじられていると言わざるを得ません。例えば、小型の民間船舶の間では、海自の艦艇の舳(へさき)スレスレを通過できれば幸運が訪れる、などといったジンクスが流行した時期すらあったそうです。しかし同じ行為が米軍等の艦艇に対して行われることはありません。なぜなら彼らは、他の船舶が急接近してきて警告にも応じない場合には発砲するからです(これは国際的には明らかな正当防衛行為に当たります)。海自は決してそのようなことをすることはありません。さらに付け加えるならば、「アルカイダです」「テロリストです」と書いてある小型船舶が急接近してきた場合でも、自衛艦は相手が攻撃(発砲や体当たり)してきた後でなければ反撃できない、としているのが現在の日本の法律なのです。このように自国民からも軽んじられ、嫌がらせまがいのような行為まで受けることがある、という自衛艦の状況を、少なくとも批判を行うのであれば知っておかねばならないでしょう。

 亡くなられた方の哀悼を祈る気持ちは私もN.O.様と全く変わりません。しかし、衝突の詳しい状況も確定されていない状況下で一方的に、「おおすみ」を加害者、遊漁船を被害者(ないしは犠牲者)と決めつけるのは如何なものでしょうか。N.O.様は『そういう船に、漁船にぶつかるような人たちが乗っているというのも怖いです。』とコメントなさっていましたが、これは遊漁船側にあてはめると『あれだけ大きな輸送艦にぶつかるような人たちが乗っていた。』ということになってしまいます(なお、これはN.O.様のロジックが適切とは言えないことを示すために用いた表現であり、遊漁船側の乗員の方々を非難する意図は私には全くないということを明記させて頂きます)。

 今回のような事故の場合は両者の主張を公平に聴かねばなりません。また、批判を行う場合には相応の知識を身に付ける義務が生じます。このことをN.O.様にご理解頂きたかったので、コメントを投稿させて頂きました。最後に、以上の内容は決してN.O.様を非難するものでは無いということを申し添えます。
 長文失礼致しました。
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Unknown (nyamaju)
2014-01-17 13:07:09
ぶつかった理由が死角だからといのは何もわかっていない記者の決め付けに過ぎませんが、それは置いておくとして、、
どんな船にだって死角は有ります。
スワンボートだって船首が水を切る部分は見えませんし、
船体が水に接している部分は1箇所も見えません。
一方、おおすみをはじめとした護衛艦は、瀬戸内や東京湾を走るときには見張りを立てているので死角はありません。
マスコミは報道しない自由で無視を決め込んでいますが、すでにおおすみのGPS航跡でプレジャーが周りをうろついて突っ込んだことは明確になっています。
舵を曲げてから曲がり始めるまで何十秒もかかる大型船に突っ込んでくる小型船を避けるすべはありません。

これがテロリストの特攻船だったら、防げないのは確実ですね。
それを海上だけで確実に防ごうとしたら・・・・個人経営の漁師はみんな首を吊るしかありませんね。思いつきで酷いことを言う人もいたものです。
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Unknown (別に軍国主義ではないし意識して右寄りではないですが.)
2014-01-17 12:34:48
おおすみは、輸送艦です。
輸送船ではなく、輸送艦なのです。

一応、多少の自衛のための武装は仕方がないと思います。

多分、このコメントは表には出ないと思いますが、

私は、極端な右寄り思想は大嫌いです。
が、極端な左寄り思想も大嫌いです。
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しっ、死角? (N.O.)
2014-01-17 00:18:49
この事故でビックリしたのは、見晴らしのいい海域で前方にいる漁船にぶつかった理由が、「近くにいる船は艦橋から死角になるので見えない」と新聞に書いてあった事です。
一個人が使用する自動車でも後方が見えるようなカメラが付いているのに、戦闘に使う艦船に死角があるなど、あり得るのでしょうか。まさか戦艦だから「寄らば切るぞ」というポリシーで作っているわけではないでしょう。バスやトラックのように車体全部が見えるような装置が付いているのが当然ではないのですか?
もう1つは、「漁船にぶつかるくらいだから、自衛隊の中でも一番ぼろい老朽船で、艦長も一番無能な人の暇つぶし的仕事としてあてがってあるのだろう」くらいに思っていたら、イラク戦争にも参加した現役バリバリの軍艦なのですね。そういう船に、漁船にぶつかるような人たちが乗っているというのも怖いです。これで実戦で役に立つとしたら、予定通りのことが起こっている場合のみという感じですね。
この漁船と同じような角度からテロリストの小船がなにげなく近づいても、船体に「テロリストです』とか『アルカイダです」とか書いておかないと気付かないかも。
これで国を守ろうといっても豚に真珠というかキチガイに刃物というか、危なすぎるのではないですか。まだ平和的な民間交流のほうがよほど国防に役立っているのでは。
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拝読しました (tone)
2014-01-16 20:25:31
 申し訳ありません、「補足」と題したコメントが先に送信されてしまいました。既に投稿したつもりになってしまっていたコメントを送信させて頂きます。

 まず、輸送艦「おおすみ」および自衛隊に関する基本的な知識についての誤りを列挙させて頂きます。

①『実際はこんなに巨大で戦車を何台も載せられる大きさです。』←LCACは戦車(戦車とは戦闘車両の総称ではなく、現在においてはMBT(Main Battle Tank)=主力戦車のことを指す場合がほとんどです)を1両しか積むことが出来ません。自衛隊の代表的な戦車である90式戦車は、重量が約50tもあるのです。

②『本来の軍用としては……』←「本来の」という表現はいかがなものでしょうか。自衛隊は「おおすみ」型をはじめとする艦艇の「本来の」任務の一つとして、災害派遣等への利用を明示しています。

③『海兵隊とは米軍の攻撃=侵略部隊です。』←海兵隊のことを侵略部隊と定義するには無理があります。海兵隊とは元来、帆船時代において艦内の治安警備を目的として組織されましたが、第二次世界大戦以降においては上陸作戦時の先鋒を務める部隊として組織されています。「侵略」を「他国の領土を侵す行為」と定義すると、自国の領土を奪回するためにも使用可能である「海兵隊」と、「侵略部隊」を等号で結ぶことが不可能なことは明らかでしょう。

④『おおすみは高性能20ミリ機関砲を2門備えており、こうなると輸送艇という語感から想像されるのんびりしたものではなく、まさに武器・兵器・軍隊を運ぶ攻撃用の戦闘艇というべきもので、専守防衛を超える用法が予定されているというべきでしょう。』←高性能20ミリ機関砲(CIWS)の用途を誤って理解なさっているようです。CIWSは近接してきた航空目標(主に対艦ミサイル)の迎撃が主目的であり、副次的な利用法としては接近してきた小型艇の迎撃を行います。後者は、米国のイージス駆逐艦「コール」に、爆薬を積んだ小型艇が突入し(つまり自爆テロです)、米艦が大破した事件が発端となって付け加えられた役割です。以上の用途から考えると、CIWSはあくまで自衛的に用いられる装備であることがご理解いただけると思います。また、海上の警察組織たる海上保安庁の巡視船ですら40ミリ機関砲を備えており、他国のコーストガードに至っては76ミリ砲等のより強力な武装を備えています。この状況下で『攻撃用』『専守防衛を超える用法』に、CIWSしか備えていない「おおすみ」を用いるのだとしたら、自殺行為以外の何ものでもないと言えるでしょう。何しろ巡視船よりも貧弱な武装なのですから。
 加えて、『輸送艇』という表現をお使いですが、本来「艇」とは小型の船舶に用いる名称です。500トン以上もあれば通常、「船」ないし「艦」とよばれます。「おおすみ」の場合には明らかに「艦」が用いられるべきでしょう。


 最後に、『こんな船が海に居さえしなければよかったのに、と。』との文章を、震災の際に「おおすみ」による救援を受けた方が目にした時、一体どのような印象を受けるでしょうか。こちらのブログの内容が、あまりにも原理主義的な自衛隊批判のように見えてなりませんでしたので、コメントを投稿させて頂きました。
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先ほどの補足です (tone)
2014-01-16 20:11:22
 先ほどの補足です。「空母」には最低限の能力として、①「飛行甲板を備えている」、②「航空機の整備・格納能力をもつ」ことが求められます。「おおすみ」は①を満たしていますが、②は満たしていません(格納庫自体が存在しないため)。軍事学上はあくまで「ドック型揚陸艦」に分類されるものであり、(ヘリ)空母とは到底言い難いものがあります。

 なお、今回の釣り船側の乗員の方々の回復を心より願うという気持ちについては、私もこちらのブログ作成者様と同一であるということを申し添えます。
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恐いですね (kei)
2014-01-16 16:37:32
国民の命を守るはずの自衛隊が、不注意で命を奪ってしまうなんて。
これが同じくらいの大きさの船同士なら、転覆になどならなかったかもしれません。
ぶつかったらひとたまりも無い漁船相手に向かって行ったとしか思えない航行の方向転換の不自然さも大いに疑問です。
車で人身事故を起こした場合は殆どが車の運転手に非が有るとされますが、空母対漁船は対比的にはそのようなものではないかと思います。
過去の判例で自衛官が無罪になったというのは、それこそ政治的判断なのではないでしょうか。
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Unknown (Unknown)
2014-01-16 16:23:54
うーん、弁護士さんがそういうこと言うのかな。
法律的にどうだったとか、どのような経緯で事故になったのかとか、そちらがより重要なのでは?
個人的にはもう9条は維持が難しくなりつつあるので、改憲すべきという立場です。
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やっぱり (ネコナン)
2014-01-16 14:03:18
今回の事故。
自衛艦を見て素人目ですが、妙な違和感を持ちました。「空母」という言葉で納得できました。
そういう事なんですね。
被害者のご冥福と、重体の方のご回復。そして助かった方々が後遺症がないことを祈ります。
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記事拝読させていただきました (メグリム)
2014-01-16 09:09:50
ツイッターで流れてきたリンクから飛んできました。
記事を拝見させていただきましたが、本来別個で語られた方が良いのでは?と思われるテーマが混在しているように見えましたが、衝突事故の件でエントリーを書かれていたのでそちらでコメントさせていただきます。
民間船舶だからとか、護衛艦だからという理由では事故は起きません。操縦は人間が行うものですし、海上の事故は陸上と違い回避義務などの関係から事故の主体となった側の不注意で起こるものです。ですから貴方の仰る「こんな船が海に居さえしなければよかったのに」は貴方自身の政治的思想からくる、言葉は悪いですけども「難癖」にしか聞こえません。
あたごの事故で、自衛官が無罪となった理由をよくお調べになってください。
弁護士というには、法科大学院の教授というにはあまりにも一方的で客観的な視点の欠いた記事であったと言わざるを得ません。
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