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弁護士・元ロースクール教授宮武嶺の社会派リベラルブログです。

未亡人製造機オスプレイ 米軍事故調に上層部圧力で事故隠しと事故率操作 もはや日米安保条約を見直す時

2012年07月16日 | 沖縄差別の解消と基地問題

 (これら全部の「事故」を数えると3倍になるオスプレイの事故率)

 

 

沖縄の普天間基地に配属予定のオスプレイは開発段階に事故が続き計34人が死亡しました。米軍はイラクなどに実戦投入し、現在は米本土に約140機を配備しています。しかし2012年4月にモロッコで墜落して4人が死傷、6月には米国で空軍仕様の同型機が墜落し5人が負傷しました。

普天間飛行場は市街地の真ん中にあり、沖縄県知事は、事故が起きれば「全ての米軍基地閉鎖の動きになる」と警告しています。

いったい、あと何回墜落したら、日米両政府はオスプレイ配備をやめてくれるのでしょうか。福島原発事故があっても原発推進をやめないように、たぶん、日本国民の頭の上に落ちてもまだやめないのでしょうね。

未亡人製造機オスプレイまたもまたも墜落 それでやっと配備見直しという学習能力のなさは原発再稼動と同じ

 

とにかく、米側は2012年10月からの本格運用に先立ち、7月24日ごろ12機体を岩国基地(山口県岩国市)に搬入し試験飛行する予定で、岩国市長は搬入に反対しています。 運用後はキャンプ富士(静岡県御殿場市)などにオスプレイを派遣し、本州、四国、九州各地で低空飛行訓練を検討していることが分かり、各地に反対の輪が広がっています。

米軍、相次ぐ墜落事故でもオスプレイ配備計画を見直さず 全国民の頭上を未亡人製造機が超低空飛行する



この「未亡人製造機」について、朝日新聞が2012年7月16日の朝刊記事「オスプレイ事故調に米軍圧力 機体不調の報告、変更迫る」で、2010年にアフガニスタンで起きたオスプレイの事故について

米空軍の新型輸送機オスプレイがアフガニスタンで不時着して4人が死亡した一昨年の事故で、事故調査委員長を務めた空軍幹部がエンジンの不調が事故につながったという報告書をまとめたところ、内容を変更するよう上官から圧力をかけられた

とスクープしています。

オスプレイはその機体の構造の複雑さが事故の原因ではないかと指摘されてきましたが、肝心のエンジンにも問題があるかもしれないのに、隠蔽されてしまった可能性が出てきたのです。

これでは、4月と6月の事故原因について、いくら米軍が調査して日本政府に報告すると約束しても、全く信用できません。

さらに、実は、このオスプレイが2006年3月に起こした事故について、米軍側が事故率の計算対象から除いて事故隠ししていたことが、分かっています。産経新聞などが、オスプレイの事故率は海兵隊平均よりは低いなどと喧伝していますが(それでも老朽化したとされる現行のCH46輸送機の約2倍)、事故数自体がごまかされてしまっているのです。

これは、テクノロジー専門のニュースサイト「ワイアード」掲載の2011年10月13日付け記事で報告されたもので、なんと、アフガニスタンでの事故は上記の事件を含めて2件あるのに、両方とも事故率の算定から省かれており、これらを含めると事故率はやはり海兵隊最悪だというのです。

詳しく説明すると、日米両政府は、MV22オスプレイの過去10年間の10万飛行時間当たりの事故件数は1・28件であり、米軍全体の平均(2・46)よりも小さくなったと宣伝してきました。この事故率算出の対象は、200万ドル以上の損害か、死者を出した事故で、「クラスA飛行事故」と呼ばれます。

 事故は米ノースカロライナ州ニューリバーの海兵隊基地で発生しました。飛行前点検中のオスプレイが、意図しないエンジン推力の上昇のため約30フィート(9 メートル)浮き上がった後に落下、右翼と右エンジンが大破しました。その結果、乗員3人にけがはなく、今回は幸いにも未亡人は作らないで済みましたが、機 体は約700万ドル(当時のレートで約8億3千万円)の損害を受けていたというのです。 

ところが、海兵隊は「(事故機は)飛行の意図がなかった」などとし、「クラスA飛行事故」に含めませんでした。

来年普天間配備予定の未亡人製造機オスプレイの事故隠し発覚 辺野古への基地移設アセスメントは不可能だ

(2年前まででもう34人が死亡。まさに未亡人製造機。日本で未亡人を作らせてなるものか)

 


さらにこの記事では、冒頭の表のように2010年4月のアフガニスタンで乗員4人が死亡した墜落事故など、CV22の事故を含めていないと批判しています。これを含めれば、事故率は約3倍になり、米軍の平均を上回ると指摘しているのです。

その上、この記事では、海兵隊がオスプレイのエンジン火災事故の損害額を過小評価している疑惑を告発していますし、2011年7月にまたもアフガンで乗員1人がオスプレイから落下、死亡した事故を「調査中」として除外していることも指摘しています。

(実戦配備前の事故の動画)

 

 

森本防衛相は盛んにアメリカとの関係重視をいいます。

森本防衛相「普天間移設 米との約束重い」 国民の命は軽く事故原因不明のまま未亡人製造機オスプレイ配備

どこの国の大臣かと言いたくなりますが、無理もない面があるのです。

政府が配備計画を拒否できないのは、日米安全保障条約で米軍の駐留を認め、必要な装備品の配備が同条約の前提となっているからです。核兵器配備など装備の「重要な変更」は日米安保条約に基づく事前協議の対象ですが、オスプレイは事前協議の対象外で、米側が全国6ルートで計画する低空飛行訓練も日本側に拒否する権限はありません。

日米安保の見直しといっても、急に破棄しろと言うのではありません。

核兵器の配備なんてもってのほかですが、せめて「装備の重要な変更」に、主力機の変更くらい加えるべきです。

また、そもそも、オスプレイは航続距離が長いなどの理由で配備されようとしているのですが、それは給油なしで朝鮮半島や台湾に海兵隊を運べるという意味です。それって、日本の防衛ではなくて、もはや攻撃のための武力行使です。日本の防衛のためなら必要のない能力と配備です。

ですから、これまで湾岸戦争やイラク戦争など、アメリカの海外への武力行使に投入されてきた「殴り込み部隊」=侵略部隊である海兵隊専用の普天間基地なんて要らないと、日本はアメリカにはっきり言うべきなのです。

沖縄配備予定の未亡人製造機オスプレイまたまた墜落・死亡事故 日本に海兵隊の普天間基地は本当に必要か


 

いっそ首相官邸上空で飛行訓練させたらどうか。

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オスプレイ事故調に米軍圧力 機体不調の報告、変更迫る

2012年7月16日5時52分

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米フロリダ州のマクディル空軍基地の滑走路を走るオスプレイCV22=2007年4月撮影、AP

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オスプレイの事故について説明するハーベル氏=米ジョージア州アトランタ、望月洋嗣撮影

 

 米空軍の新型輸送機オスプレイがアフガニスタンで不時着して4人が死亡した一昨年の事故で、事故調査委員長を務めた空軍幹部がエンジンの不調が事故につながったという報告書をまとめたところ、内容を変更するよう上官から圧力をかけられたことが分かった。

 2010年9月まで、空軍仕様のオスプレイCV22を運用する空軍特殊作戦司令部に勤めたドナルド・ハーベル退役准将が、朝日新聞に証言した。ハーベル氏は、同年4月にアフガン南部で起きた事故後に調査委員長に任命され、8人のスタッフと原因を調べた。

 事故では20人の乗員のうち、操縦士ら4人が死亡。アフガンに配備されたCV22の初の死亡事故だった。

 調査委は、後続機が撮影したエンジンの煙や、操縦士らがエンジン不調を思わせる会話をしていたという証言などから、事故で死亡した操縦士が出力を上げようとしたのに十分な推進力を得られなかったという見方を報告書に盛り込んだ。

 だが、同年8月にこうした内容を説明した調査委に対し、司令部のワースター司令官(空軍中将、当時)は強く反発。説明を約15分で打ち切り、「悪いが、いかなるエンジンの不調があったとも考えられない」と言い渡して報告書を作り直すよう命じた。

 調査委が8月下旬に内容を変えないまま報告書を提出したところ、司令部はオスプレイの開発を担当した米軍の部署に独自に事故の分析を依頼。司令部はその結果を元に、エンジンの不具合は事故と関係ないという公式見解を出した。

 調査委の報告書は同年12月に公表されたが、司令部の公式見解も付記された。軍事専門メディアは当時、司令部内で見解が対立する異例の事態だと報じた。

 ハーベル氏は、「調査委の法務担当者は、上官が調査をゆがめようと軍の階級を不当に利用したと言っている」と指摘。「オスプレイはとても物議を醸している機体だ。米議会が軍事予算削減を目指すなか、否定的な情報が出て欲しくないと思ったのではないか」「オスプレイのエンジンの信頼性は疑問で、改善の余地はある」と語った。

 一方司令部は、朝日新聞に対して「機体不良を知らせる警告音が出ておらず、乗組員が話し合った様子もないことから、エンジン不調が事故原因ではないと結論づけた」と答えた。

 CV22は今年6月にはフロリダで訓練中に墜落。沖縄に配備が予定される海兵隊仕様のMV22も今年4月、モロッコで墜落した。(ワシントン=望月洋嗣)

 

 

毎日新聞 2012年07月14日 大阪朝刊

 米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイが相次いで墜落事故を起こし、沖縄や山口県岩国市など関係自治体を中心に日本配備への反発が拡大している。「アジア太平洋重視」の新国防戦略を掲げ配備を急ぐ米国に対し、日本政府は法的な拒否権限を持たず、地元との板挟みにあって有効な解決策を見いだせない。野田佳彦首相の足元の民主党内からも対米交渉のやり直しを求める声が出始めた。

 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)へのMV22オスプレイ配備計画を揺るがせたのは、米フロリダ州で6月13日(日本時間14日)に起きた米空軍のCV22オスプレイの墜落事故だった。両機は基本構造が同じ。日本政府が前日の13日に始めた関係自治体への説明でオスプレイは「優れた安全記録を保持」と強調した直後だっただけに安全性への懸念は一気に拡大した。

 危機感を強めた野田首相は6月下旬、米側による配備計画の正式通告を遅らせられないか交渉するよう森本敏防衛相に指示。両政府は4月のモロッコでのMV22の墜落事故と併せ、事故調査が終了して安全性が確認されるまで米軍岩国基地(岩国市)での試験飛行を見合わせる妥協策で折り合った。だが、岩国市は陸揚げの見合わせも要求し、政府は米側と地元の板挟みに苦しむ。

政府が配備計画を拒否できないのは、日米安全保障条約で米軍の駐留を認め、必要な装備品の配備が同条約の前提となっているからだ。核兵器配備など装備の「重要な変更」は日米安保条約に基づく事前協議の対象だが、オスプレイは事前協議の対象外。米側が全国6ルートで計画する低空飛行訓練も日本側に拒否する権限はない。

 ◇反発、全国規模に拡大

 低空飛行訓練は最低高度約150メートルで実施する予定だ。東京タワー(高さ333メートル)の半分以下の低高度なだけに14都道県でつくる渉外知事会が懸念を表明するなど反発が拡大。米側は6ルートとは別に中国地方のルート(ブラウンルート)も使用する可能性を日本に伝え、沖縄以外では岩国基地とキャンプ富士(静岡県)に加え「その他の日本本土の基地が派遣先として使用されることもある」としている。

 計画通りに配備が進めば地元の反発は必至だ。オスプレイを載せた輸送船はグアム、韓国・釜山を経て、24日に岩国基地に到着する予定。29日に投開票される山口県知事選への影響を懸念する自民党などは到着日を遅らせるよう求めている。

民主党の前原誠司政調会長は13日のBS朝日の番組収録で「一呼吸置かないと日米安保が大きく傷つく。米国との交渉をやり直すべきで、党としては反対だ」と述べた。11日昼にはルース駐日米大使と会談し「手順を見直し、徹底的に安全性が確認された後に持ってこないと日米安保が根底から崩れる」と伝え、ルース氏は「重く受け止め、本国に伝える」と応じたという。

 政府は8月にまとまる予定の米側の事故調査結果を受け、安全性を確認する作業に入るが、「沖縄に納得してもらうのは所詮無理だ」(防衛省幹部)と無力感が漂う。

 沖縄県の仲井真弘多(ひろかず)知事は県内で事故が発生した場合の影響について「全基地即時閉鎖」に言及するなど激しく反発している。8月5日には配備反対の県民大会が宜野湾市で開かれる。超党派の大会は普天間の県外移設を求めた10年4月以来だ。

 陸揚げ先になる岩国基地を抱える山口県内でも配備反対の動きが強まっている。岩国市議会が配備反対の意見書を可決し、県議会も全会一致で受け入れ反対の意見書を決議した。連合山口が16日に、住民団体や共産党などが22日に、岩国市内でそれぞれ1000人規模の抗議集会を計画している。【朝日弘行、井本義親、大山典男】

 ◇輸送力、米戦略の要

米海兵隊はアフガニスタン戦争などで実戦に投入されてきたMV22オスプレイを兵力輸送の中核航空機と位置付けている。すでに米本土を中心に約140機が配備済みで、調達計画の逆戻りはできないのが実態だ。

 「(オスプレイの日本配備は)アジア太平洋への(米軍兵力の)リバランス(再均衡化)に資するものだ」

 パネッタ米国防長官は先月29日の記者会見で、アジア太平洋を重視する米国防戦略と結びつけて日本配備の重要性を強調した。

 米軍はアフガン戦争終結に向け14年末までに戦闘部隊を完全撤退させる。その過程や撤退後に「力の空白」を生まないよう重視するのが、兵力を素早く展開する能力の向上だ。

 オスプレイは、ベトナム戦争時代の輸送ヘリCH46の老朽化に伴い配備される後継機。CH46は空中給油機能がないが、オスプレイは給油を受けながら約3900キロを航続できるなど、性能の差は明白だ。沖縄からなら、海兵隊の新拠点のグアムのみならず、フィリピンなど広く東南アジアに直接展開が可能となる。

 最高速度はCH46の倍近い。物資輸送能力は約3倍あり、海兵隊は沖縄配備後にアジアで発生した自然災害にオスプレイを展開することも想定している。実際に10年に起きたハイチの大地震の際には現地に派遣された。

オスプレイの配備を大幅に遅らせた場合、老朽化したCH46を使用し続ければ逆に事故の危険が高まるとの懸念もある。オスプレイはすでに実戦で兵士や物資を輸送する任務に当たり、飛行時間は計14万時間を超えている。実際には米側にオスプレイの配備を遅らせる選択肢はなかった。

 米議会の公聴会でも安全性はほとんど問題視されていない。予算削減圧力が高まる中、高価なオスプレイの調達をどこまで続けられるかが議論の中心だ。

 米海兵隊は13会計年度(12年10月~13年9月)でこれまで年30機要求していたオスプレイの予算要求を17機に削減。単純計算で1機あたり約8570万ドル(約68・5億円)となる計約14・5億ドルを計上した。海兵隊側はあくまでも目標通り計360機を調達する方針だが、オバマ政権に近いシンクタンク新米国安全保障センター(CNAS)は、オスプレイの調達を16会計年度で打ち切り、調達目標を316機に下方修正するよう提言した。【ワシントン古本陽荘】

 ◇計画中止決定、連邦議会覆す

 米国防総省の試験・評価局長を務めたトーマス・クリスティー氏(78)はオスプレイの開発推進に反対した一人だ。父ブッシュ政権当時、チェイニー国防長官を説得し、長官は開発計画の中止をいったんは決断したという。

だが、それを覆したのは海兵隊と予算権限を持つ連邦議会だったという。クリスティー氏は「海兵隊の議会へのロビー活動が成功した。海兵隊が独自の装備を持ちたかったのがオスプレイ開発の真相だ」と語る。

 「紛争地域を含めて世界各地に配備され、部隊には欠かせない存在だ」。国防総省のリトル報道官は12日の記者会見でオスプレイ配備の必要性を強調。地元の反発には「理解、配慮している」と語った。


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12 コメント

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オスプレイ、上から見ると (時々拝見)
2012-07-16 11:31:14
 ヘリコプターに比べて、回転翼の面積が小さいと思います。横から見てると気づきにくいのですが。
 機体のデザインそのものを根本からやり直さない限り、安全な離着陸は無理でしょう。
 飛行時間でなく、ヘリコプターと比べて、離着陸の回数に対する事故率ってどうなんでしょう?
返信する
Unknown (JJ)
2012-07-16 12:51:01
うーん、たしかに、米政府、米軍上層部は怪しいところがあるんだけど、それを含めても危ない機体には思えない。

モロッコ、フロリダの事故は機体設計自体が悪かったわけでは無かった。もっと危険な機体もあったわけだしCH-46はもうそろそろ金属劣化の時期に来ているはず。
そもそも配備当初は事故率が高くなるのは当然で、全く新しいタイプの飛行機になれるために時間も必要だった。
継続的な改良と調査の要求は必要だが、配備反対とまではいかないなぁ。

あと、これは批判ではなく提案なのですが、弁護士なら法律的な論点から記事を書いてみてはいかがでしょう。独自性も出ますし、ご自分の仕事にもプラスになるかもしれませんし
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(問題のアフガニスタンでの墜落事故の動画)について (沖縄県民)
2012-07-16 13:26:43
この動画ってフライトショミの動画では?

オスプレイはヘリに比べてローターの面積は小さいですね。飛行機に比べても翼面積は小さいです。
つまり飛行機やヘリと違ったパワードリフトという航空機です。
欠陥というならいったい何が欠陥のなのかを教えてください。
落ちない飛行機はありませんが、オスプレイ以上に落ちている航空機は沢山ありますよ。

現在普天間に配備されているCH46 やCH56のほうが遥かに問題ですが。そこはとりあげないんですか?
返信する
欠陥有りは常識では? (kei)
2012-07-16 21:50:22
オスプレイにはエンジンの排熱処理に欠陥が有ると指摘されていますね。

要人の利用も、危険性の高さから却下されたような代物です。
返信する
民間機の安全基準を満たしていない唯一の米軍機 (L)
2012-07-17 13:58:26
 軍用機でも平時に民間の空港を利用することはままあるから、アメリカの民間機用の安全基準を満たすように設計・製造されている。さもないと、戦争でもないのに民間機用空港での軍用機による余分なハイリスクの被害を甘受させられてしまうからだ。
 しかし、オスプレイは民間機用のより高い安全基準を満たすことができなかった。例えば、事実上オートローテーション機能がないといった点である。このような軍用機はオスプレイのみである。
 また、オスプレイにはhttp://www.asyura2.com/12/warb9/msg/523.htmlに示される問題がある。「ボルテックス・リング」問題は、この機体固有の特性だから解決困難だろうし、PIOは飛行制御ソフトが成熟していないか、ソフトで補いきれないほど、本質的な空理汽笛・機械的特性の困難があること示していよう。しかし、50年代の航空機のように、問題の回避のために機体の運用・飛行制限をかけることは、侵攻用・特殊戦用の航空機であるオスプレイのセールスポイントを潰してしまうことになる。
 初期故障が多いのは仕方がないという意見もあるが、それならアメリカ国内でバグを取り除き、「枯れて」から、日本に持ち込むかどうかの話をはじめるのが筋だろう。米本土でも反対が強くて訓練実施が困難ほど危険な機体を、文句を言えないから逆らわないからという理由で日本に持ち込まれるのは「国辱」である。
 また、全国に渡る低空進行訓練が話題になっているが、麻布米軍ヘリ基地http://home.att.ne.jp/sigma/azabu/jittaitop.htmlというものもある。けして知らない田舎だけの問題ではない。
 また、こんなニュースもある。
http://wajin.air-nifty.com/jcp/2012/07/3-abdb.html
>アメリカ本国では、人口の少ない山間地でも住民の反対意見で訓練計画を延期。日本には問答無用に配備。
>予算上は114機(事故、故障報告の12機のぞく)あるはずなのに、海兵隊の報告は71機で43機が不明
>“議会が独自に調査したなかでは、破損などの報告を避けるため、訓練などでダメージを受けた機を倉庫に保管し、未報告としていたなどという海兵隊員らの情報もあった”
http://wajin.air-nifty.com/jcp/2012/06/post-5ae4.html 
>オスプレイの事故機を含む機体数をめぐり、09年の米議会の調査に海兵隊が回答を繰り返し拒否
>下院監視・政府改革委員会が~各委員に当てた書簡で「オスプレイを何機保有しているかという単純な質問に対する回答を得るのに大きな困難にぶつかった」と不信感をあらわ
 
 U-2戦略偵察機とか存在そのものを伏せたF-117ステルス攻撃機、あるいは常に戦争状態なイスラエル空軍じゃないのだから、軍事戦略上機数を伏せているわけではあるまい。偉い人のご都合上、福一事故のように言いたくないことを隠しているのだろう。

 軍隊は目的を果たすためには、効果に見合うなら自国兵士の死も「損耗」として甘受する。まあ、命令する「偉い」人が死ぬわけじゃないし、自腹で戦死者・戦傷者の面倒を見ることはないのだから、戦果が上がれば、なおさら問題じゃない。
 全米に無数の防空民間監視廠が立ち並び全面熱核戦争に恐怖していた50年代には、多少の欠陥に目をつぶって量産・配備された軍用機は珍しくなかったが、今や表立ってそして本質的にアメリカに対抗でき、その意思を持つ国はない。また、中国に米国債を消化してもらうことを前提とした財政・経済システムに見られるように経済の対外依存度も高い。そんな中で、無理くり、米本土も含めオスプレイの量産と運用を強行する気がしれない。実際、軍内部ではEH101ヘリに代替するほうがマシ、強襲揚陸艦での運用が基本なので航続距離の長さの有用性は薄く、速度の優越は欠点を補えないという論文が出ている。
 いつ転ぶかと看做されていた沖縄仲井真知事も「即時全面基地閉鎖」の実力行使を対置して政府と交渉している。法的権利がないなどというたわけた植民地根性を捨てて、「ヤマト」政府も、特別協定・地位協定・安保・新ガイドラインの破棄をちらつかせて、外交するのが筋だろう。
 
返信する
オスプレイの事故率 (沖縄市在住)
2012-07-21 00:06:58
沖縄に配備予定のオスプレイ実は事故率は低い、オスプレイには海兵隊用のMV22と空軍用のCV22があり両機では事故率はかなり違う

オスプレイ
MV22: 事故率 1.93 ← 海兵隊採用で日本配備予定(参考4月モロッコで演習中の事故前 事故率 1.12)
CV22: 事故率 13.47 ← 新型で、先日事故

ハリア
AV8B:事故率 6.76 ← 事故が多いことで知られる垂直離着陸機

米海兵隊大型輸送
ヘリコプター
CH53D:事故率 4.15 ← 2004年普天間で墜落事故

海兵隊所属航空機
事故率 2.45(ヘリを含む平均)

安全性を考えるのであれば、現在沖縄に配備されている輸送ヘリCH53DをオスプレイMV22に交代すれば事故率は半分になる。

返信する
前から疑問だったのですが (時々拝見)
2012-07-21 16:07:35
事故率の分母は?
飛行回数=離着陸回数?飛行距離?飛行時間?
飛行時間なら、確かにヘリより安全かも知れませんが、航空機の墜落の半分は着陸時に起きます。航続距離が長いオスプレイの着陸回数は、飛行時間で、ヘリの3~4分の1、距離で5~5分の1、運用の性格上、ホバリングの時間は比較にならないくらい短いはずですね。
沖縄に配備されれば、墜落事故の半分は沖縄の基地内かすぐ近くで起きる事になります。
安全性を考えれば、沖縄の市街地に米軍基地を置かないのが一番です、ってのは当然過ぎて誰でも気づきますが。
返信する
Unknown (Unknown)
2012-07-21 22:09:14
事故率の分母とか、事故の原因とか、もうすぐ発売のオスプレイ民間機タイプの登録販売とか、こちらが良くまとまっています。
返信する
事故率 (沖縄市在住)
2012-07-22 10:21:27
説明が足りなかったので追記します。

私が書いた事故率は10万飛行時間に対しての事故率です。


普天間基地が移設出来ない原因には、移設先の反対などもありますが、普天間基地地主の存在もあります。
普天間基地が移設になると借地料がもらえなくなるので移転先の反対派に資金援助をしたり、普天間基地の移設を妨害しようとします。

普天間基地に関しては本当に移転してほしい人と、口先だけで移転を叫ぶ人移転反対派がいます。
返信する
ありがとうございます (時々拝見)
2012-07-22 13:03:35
事故率は飛行時間あたりですか。
すると、運用形態からして、オスプレイの飛行時間あたりの離着陸回数がヘリの半分くらいとして、事故件数はMV22でほぼ同じ、CV22だと6倍くらいですか。
航空機の事故の3割が離陸時におきてるので、着陸と合わせて8割の事故は基地かその周辺で起きる、に訂正します。すみません。
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