心のふるさと「伊勢の神宮」と神道のあれこれ@れーじん

日本人の心のふるさとといわれる伊勢の神宮。
伊勢国のれーじんが伊勢の神宮や神道、それに関連することをお伝えします。

お箸について

2016-01-01 23:45:00 | その他
あけましておめでとうございます。
お正月にはお節料理をいただくのが日本の昔からの文化ですね。

お正月や結婚披露宴などのお祝いの席では、ご馳走をいただきます。
お祝いの席では祝箸という、普段使いとは異なるお箸を用います。



お箸は、神道儀礼において祭器とされています。
伊勢の神宮では、神様に御饌をたてまつる祭祀が数多く行われていますが、御饌は必ず御箸とともにお供えされます。
また、式年遷宮諸祭で行われる饗膳の儀などでは、神職が神様と共に食事をいただくという儀式が行われますが、その時も私たちが普段使う箸とは異なる、儀式用の御箸が使われます。

では、一般の私たちが使うお箸はどうでしょうか。
私たちもお箸を祭器として用いる機会があります。
それは直会<なおらい>の場です。

神道祭祀では、神前に御饌御酒<みけみき>(=食べ物やお酒)をお供えします。
そして、祭祀の後に神前にお供えした御饌御酒を、神職さんや祭祀の参列者でいただきます。
これを「直会<なおらい>」といいます。
神様と共に食事を頂くことにより神様と一体となること(=神人共食)が直会の意義です。
神様にお供えしたものを食べることにより、ご神威を身体の中に取り込み、頂戴することができると考えられているのです。
祭祀で神様に祈りを捧げ、その後に直会で神様のお力を自身に頂戴する、この2つは1セットです※。

直会の場でも祝箸が使われます。
祝箸は、長さが八寸(約24cm)で両細りの形状です。


長さが八寸なのは、「八」という漢字が末広がりでおめでたいと考えられているからです。
お箸の両端とも細くなっているのは、一方を神様が使い、もう一方を人が使うとされています。
一つのお箸を神様と人が一緒に使うことで、神人共食を形に表しているのでしょう。
このことから、逆さ箸(返し箸、裏箸ともいう)は嫌い箸というマナー違反になったと考えられます。
(もちろん、衛生面など他の理由もあると思いますが)

年の初めに、神聖な場でも用いられるお箸の使い方を考えてみてはいかがでしょうか。



※ご祈祷やお神楽をあげた後、直会の一般的な儀礼として、参列者にお酒がふるまわれます。
これは食事としての直会を簡略化したものです。

最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。