心のふるさと「伊勢の神宮」と神道のあれこれ@れーじん

日本人の心のふるさとといわれる伊勢の神宮。
伊勢国のれーじんが伊勢の神宮や神道、それに関連することをお伝えします。

神宮の建築 ~唯一神明造<ゆいいつしんめいづくり>1~

2016-06-11 23:50:00 | 神宮
豊受大神宮(外宮)宮域内にある5つのお宮全てを紹介しました。
今回は神宮の社殿の建築様式について説明します。

神社の社殿の建築様式は、細かいところまで見ると違いはたくさんありますが、大きく分けて2種類です。

1 神明造<しんめいづくり>
  伊勢の神宮に代表される建築様式
  高床式の穀物倉庫の形から発達したもの
  
2 大社造<たいしゃづくり>
  出雲大社に代表される建築様式
  古代の住居の形から発達したもの

この2つの様式から派生して、様々な様式ができました。
なかでも、伊勢の神宮のものは、「唯一神明造<ゆいいつしんめいづくり>」と呼ばれています。

神明造の社殿の特徴は、次のとおりです。
1 屋根が「切妻造<きりづまづくり>」
  屋根が、本を開いてふせたように両側に流れている

2 入口が平<ひら>側にある「平入<ひらいり>」
  平側とは、屋根の棟と平行な面の事

3 屋根の上には鰹木<かつおぎ>、千木<ちぎ>がある


上記の特徴に加え、伊勢の神宮の建築様式である唯一神明造の特徴が4つあります。
1 材木は国産ヒノキの素木<しらき>

2 茅葺き屋根
  茅は全て神宮が専用の土地で育て、調製する
  神宮で用いられる茅はススキ

3 掘立柱<ほったてばしら>
  柱は土を深く掘り、そこに立てる
  柱の下に礎石<そせき>(=柱を支える石)は置かない
  柱は、材木の約1/3の長さを地中に埋めている

4 棟持柱<むなもちばしら>
  部屋の外に、棟を支える棟持柱がある

社殿を正面から見ると、下図のような形です。

神宮のほとんどの社殿は板垣などで囲われており、建物を間近に見ることはできません。
しかし、皇大神宮(内宮)宮域内の御稲御倉<みしねのみくら>、外幣殿<げへいでん>は板垣などの囲いがなく、建物をじっくり見ることができます。


棟持柱は、社殿のなかで一番太くて長い材木です。
部屋の外に立てられた柱は、とても珍しいものだと思います。
この棟持柱は、内側に2.8度傾いています。
また、扉はヒノキの一枚板で作られた、とても立派なものです。

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