かみいた落語塾

噺家さんの指導のもと、小咄から古典落語までしっかり学べる、老若男女うぇるかむの落語団体、上板橋落語塾のかわら版!!

小咄ノート16「鼻の下」

2006年06月20日 | 参考書
よく昔から秋田美人なんてことを言いまして、日本の中でも北の方が美人が多いなんてことを言いますけれども、

A「これは、これは。内田さんじゃありませんか。いらっしゃい、いらっしゃい。
さ、どうぞお上がり下さい。すっかりとご無沙汰をしておりまして。何だかお前さん、どこか旅してたというじゃありませんか」
 
B「実は新潟の方で友人の書道展がありまして。そのついでに東北地方の方を五日ほど回っておりまして」

A「東北?いやー、けっこうですね。海の幸、山の幸、おいしいものはいっぱいありますし、昔からあちらは美人が多いなんてことを伺いますけれども」

B「おっしゃる通りでございます。色が白くて、肌がきめ細やかと申しますが、東北美人っていうのは大変に結構でございます。
ただ、私は全国を歩いてまして思うんですがね、 美人というのは瓜実顔(うりざねがお)と言いまして、鼻の下の長い女を美人だと私は思うんですよ」

A「ほー、鼻の下の長い女が美人ですか」

…ってんで、二人の男が話をしておりますと、襖がすっと開きまして、そこの家
(うち)の奥様が、

奥様「(鼻の下を伸ばしながら)お茶、おあがんなさい」


びいと

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