かみいた落語塾

噺家さんの指導のもと、小咄から古典落語までしっかり学べる、老若男女うぇるかむの落語団体、上板橋落語塾のかわら版!!

小咄ノート12「朝顔」

2005年09月09日 | 参考書
早起きは三文の得、なんてことわざがありますが、今も昔も寝坊助はあまり歓迎されません。
ただ、わざわざこんな言葉がつくられたってことは、いかに世の中に寝坊助がはびこっているか、ということでもあるわけですが、

昼時の、ある夫婦の会話です。
「おい、あの縁側の鉢植え。ずいぶん長くあそこに置いてあるけど、ぜんぜん花が咲かねえなあ」
「やですよ。ちゃんと咲いてますよ」
「咲いてる? だっておめえ、おれは一度も見たことないよ」
「そりゃそうですよ。あれは朝顔っていってね、朝じゃないと咲かないんだから。あなたなんて、いつも昼過ぎに起きてくるでしょ。花が見たければ、たまには早起きしたらいかがですか」

ふーん、朝早ければ花が咲いてるのか、と納得した旦那さん。
その日はずいぶん早くから床につきまして、次の日はばっちり早起きをしました。
ところが、縁側に出てみると、朝顔は花を咲かせずしおれている。
せっかく早起きしたのに。。。旦那さんは思わず、

「おい、朝顔。おめえ、いいかげんにしねえか。ええ? おれはおまえが、朝早くだったら咲いてるってんで、今日は無理矢理早起きしたんだ。おめえ、いつだったら咲くんだい」
すると朝顔、
「すみません旦那。旦那の顔を見たもんですから、てっきりもう昼過ぎかと・・・」

かき麿

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