憂鬱な4月

そこで起こり得る瞬間

「ゴールド」響堂新

2009年04月21日 | その他ミステリ

前文に関してはいつも何も考えていないで書いているのですが、連続で書くとなるといささか困ります。
何も考えていないので、すぐネタが枯渇するので、豆知識でも書きましょうか。
サハラ砂漠の「サハラ」は砂漠という意味で、
ゴビ砂漠の「ゴビ」も砂漠という意味です。
チゲ鍋と一緒ですね。


最近はなんだか砂漠化という言葉を聴かなくなっていますが、着実に進んでいるようです。
いろいろ原因はるようですが、無計画な農業は土地の持つ栄養を枯渇させ、作物の育つ事のできない土壌を生み出すことで砂漠化を進めるようです。
まぁ60億人近い人間が居るのですから、土壌の栄養素は、人間にどんどん吸収されていっているのでしょうかねぇ…
食料を得る為に農業を行なうのですが、其れに伴い農業を行なう事が出来なくなっているといった現実はなんだか人間に対する皮肉のようにも思えます。
品種改良で、歩留まりの良い作物を作ったり、荒地に強い作物を作ったところで結果は同じなのですね。

さて、以前楽しみにしていた響堂新先生の「ダーウィンの時計」を大いに楽しんだ自分としては、今回手に入れた「ゴールド」も大いに楽しめると期待していました。
ですが、結果は若干違いました…

粗筋は帯より

――在タイ日本大使館付医務官・安斎泰彦の主な仕事は、大使の健康管理。急なオペも、難解な論文もない気楽な日々は、日本人社会で起こった連続不審死事件により激変。被害者達に共通するのは、同じ銘柄の米を食べていた事だけ。しかし犯人と噂された米の生産者・吉崎孝雄は、廉価で、栄養価の高い米を開発し、、その技術を誰にでも無償で提供する、高邁な理想を持ったバイオ研究者だった――

要は特許等の関係で利益を生じない作物は、人類にとって必要であっても企業にとっては必要ではないといった話で、
それと
〈ネタバレ〉麻薬をがらみの遺恨〈ココマデ〉
が別々に起こした事件がさも関係あるように思われていただけでした。
ある意味ミスリーディングかな?

個人的に帯に「米が、殺した!?」なんて書いてあるものだから、
「おおっ!!今回も遺伝子の変容におけるウイルスがらみの話か!!ウイルスは簡単に変化して毒性を持つことが出来るから、どんな解釈か楽しみだ」
とわくわくしていたので、
〈ネタバレ〉アセトアルデヒド分解酵素を抑制する物質を入れたフリカケ〈ココマデ〉
がトリックだったので少しがっかりしました。
勿論意表をつくネタですし、想像もしていなかったのでありと言えばありなんですがねぇ…
もっと、こう専門的な21世紀本格を見せて欲しかった。
人物も主人公とジェイミー・ディキソンの関係も興味あったのに、なんだか中途半端だしちょっと残念ですね。

もっとも、件の高邁な理想を持ったバイオ研究者の理想論は聞いていて面白いものでしたし、麻薬に関する貧困が麻薬を生むっていうのも前々から思っていたことで、一時的に麻薬の組織を一網打尽にしても何の解決にもならないのですよね。

貧困層が麻薬を作るのは利益が取れるからです。
其れが何で有っても生きる為に麻薬を作るのです。


そんな彼らに麻薬は良く無いといって――例えば、取締りを強化して作らせないなんて事をしたら、彼らは飢え死にしてしまいます。
もしくは、何らかの反政府組織に属し、犯罪を犯す可能性だってあります。
代替えの作物だって、じゃあ、米を作りなさい、小麦を作りなさい、荒地に強い蕎麦を作りなさいと言ったって、利益率が通常の作物では低いから麻薬を作ってる彼らにしてみれば、何を言っているんだって事になるわけですね。

確かに強盗や誘拐、盗み等の犯罪はいけないのですが、単純に犯罪組織をなくせば犯罪は無くなるといった簡単な話ではないのですよ、こういった地域は。

政府はそういった代替え作物の買取を一定の生活水準が確保できる範囲で保障し、そして生産の指導をしていかなくてはなりません。
でも、そういった貧困層が自分の畑を持っているケースは少ないと思いますがね…

最近日本が援助を決めたパキスタンの様に、小作農が地主の畑で仕事をさせてもらっている状況では、結局地主が利益を得て、貧困層の待遇が変わる事は殆どないようですね。

今日の新聞で知ったのですが、パキスタンには経済的な理由でタリバンなどに属している人も多いようです。
政府の人間は多くの土地を地元に持っていて、貧困層に仕事をさせて、おおきな利益を得ているので、国に農業の支援をしても誰が儲かるかは一目でわかります。
そういった国が、経済の不況を理由にIMFに金を借りようとしているのです。
IMF管理下になればその国の経済はIMFによって厳しいチェックが入るでしょうし、生活を切り詰める要素が生まれてきますから、めぐりめぐって力の無い貧困層にお鉢がまわってくるでしょう…

パキスタンしかり、ミャンマーしかり、国際援助をするのであれば、その国の経済を管理する政府からてこ入れをしないと何の解決にもならない気がします。

国の経済を仕切っているような強者の財布の紐が硬いのはどの国もいっしょですから。漢字検定協会も似たような物です。税金を支援と考えれば誰が儲けてるかなんて簡単にわかります。

さて、首都大学東京と新銀行東京と東京オリンピック誘致で強者の財布には幾ら入るのでしょうかねえ…


あれ?俺なんの感想書いていたんだっけ


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1 コメント

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東京オリンピックをクイモノにする石原家を滅ぼしましょう。 (朱実)
2009-04-27 05:59:33
東京にオリンピックを持ってきて得をするのは都知事の石原家と取り巻きだけだ。オリンピックを誘致する名目で、石原家は半日で二億円近くさらに接待に百五十億円も浪費して得意がっている。こんなに石原家が贅沢三昧できるのは、オリンピックのためという言い訳があるからなのだ。東京でオリンピックをやってはならない。オリンピックをクイモノにする石原家を滅ぼしましょう。
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