憂鬱な4月

そこで起こり得る瞬間

青銅ランプの呪い

2007年03月20日 | ジョンディクスンカー

さて今夜12時を廻りますと「水曜どうでしょう」のDVD受け渡しとなります。今から楽しみでして、新作のパワーを存分に味わいたいと思います。

カーカー!!
なんとカー2連発!!
とまぁ気負ってはみましたが、さっき書いた「盲目の理髪師」が意外と短い感想だったのでもう一個書いちゃおうというのが本音です。こうやって文章を考えるのはボケ防止につながります。皆もやろうね。

はい今回は「青銅ランプの呪い」という作品でございます。いろいろ感想書いてるけどつくづく順番がめちゃくちゃです、せめてメリヴェール卿とフェル博士には分けようかしら…

内容はと申しますとエジプトで遺跡調査に当たっていたヘレン・ローリングは父に言われイギリスへと戻る途中にアリム・ベイと名乗るエジプト人から、ヘレンが遺跡から持ち出した青銅のランプを返さなければ、木っ端微塵に吹き飛ばされて、まるで一度もこの世にいなかったかのようになると不吉な予言を言い渡されました。
不安な面持ちで帰国し、友人たちと合流したヘレンは自身の屋敷に向かい、友人より少し前に屋敷に入った。しかし、執事が迎え、友人が後から屋敷に入ると着ていたレインコートを残してヘレンは忽然と姿を消していた…

魅力的です、カー以前ににエラリー・クイーンと推理小説について話した際、人間消失が最も魅力的である謎だとクイーンと話し合ったそうです。そこで生まれたのが作品。全然わかりませんでした。なんにしても手がかりが少なく、誘拐なのか、殺人なのか、意図的に消えたのか、ホントに木っ端微塵に消えたのかわからない状況でしたので…ラストのほうで真相が明らかになったときにはああ~~っとうなってしまいましたよ。

それにしてもやっぱりカーの作品にはラブロマンスの要素が絡んできますね、ヴァンダインがなんというか知りませんが、自分はこういうのは結構好きなんですね~

 


さて、ヘルパーの授業は今回終末介護であるところの「ターミナルケア」の概要等を学びました、人間が死に直面したとき、本人だけでなく家族も多大なる覚悟が必要ですし、その家族にもケアが必要になってきます。
人間らしく死ぬこと…なかなか難しいことかもしれませんが、寿命にしろ尊厳死にしろ選ぶことのできる人間は幸せなのかもしれません。クラスで一緒に学んできる人に教えてもらいましたが
「人間は生まれたとき、自分は泣き周りの人は笑いながら誕生する。だから、死ぬときは周りの人は泣き、自分は笑って死ぬように生きるのだ」
という言葉がネイティブアメリカンはあるそうです。自分もそんな死に方ができたら良いのでしょうが、
どうせなら皆にも笑っていて貰いたいと思うのは

贅沢でしょうか?

 

 

とまぁ暗いネタになりそうなのに次に書くのがおそらく「はぴねす!」かもしれないというのが凄いですね。
もしかしたら「恍惚の人」かも知れませんが、
「はぴねす!」「恍惚の人」「火刑法廷」というとんでもないラインナップになるのは間違い模様です。


目が見えない理髪師は髪を切れるのか?

2007年03月20日 | ジョンディクスンカー

現在、エロゲでありますところのはぴねす!をやっているわけですが、かわいいキャラクターや軽快なテンポ、そしてドタバタとけっこう好きなジャンルではああるのですが、実際はなんだかのっけから暗~い雰囲気のゲームですね自分的には。

まぁ細かい話は次回に行うとしまして、今回は念願のジョンディクスンカー「盲目の理髪師」にてございます!!!

初版は1962年と自分が生まれるはるか前。32版で1997年そして入手困難本へ…amazonとか使えば手に入ったでしょうが、結構本屋さんで買うのが好きな自分にとってはカーのドタバタの頂点のこの作品が手に入らないのは非常に残念でありました。しかしそんな憂いを吹き飛ばしたのが東京創元社。その英断は末代まで末永く語られるでしょう…何度も言いますが、早川ももっと頑張れ。

新しく訳したというだけあってかこの本よりも見やすく読みやすくなっているようです。はてさて、そんな物語が待っているのでしょうか…


作中の語り部は推理小説作家のヘンリー・モーガン。この人は同じくドタバタミステリの「剣の八」にも出ています。

そんなヘンリーが130kgの巨体であるギデオン・フェルの家を訪ねるところから物語は始まります。
と、申しますのもヘンリーは太平洋を航海していた豪華客船クイーンヴィクトリア号で、盗人のレッテルを貼られるなど大変なドタバタに巻き込まれ、さらに殺人事件も起こっているというではありませんか。

事の発端はヘンリーと船内で知り合った外交官のカーティス・ウォーレンが父の政治的スキャンダルを偶然記録してしまったフィルムを船内で盗まれてしまいます。窃盗犯を調査するうちに、またしても偶然ストーン子爵のエメラルドの像を奪ってしまいます。
盗まれたはずのエメラルドの像はまた現れ、部屋で見かけた女性の死体は忽然と姿を消す。そして現場に残された柄が盲目の理髪師の像になっている剃刀…
まさに安楽椅子探偵となったフェル博士はこの珍道中の最中に起こった事件を解決できるのでありましょうか?


前編ドタバタ。ドタバタの間に事件。ドタバタにまぎれて事件といった感じで、なかなかテンポよく読める半面、ドタバタが裏目にでて読者が予想することがなかなか難しくなっています。が、面白いのは確かです。ドタバタもそうですがどんでん返しが多くスラップスティックとして読む文には良いと思います。しかし、ミステリとしてはどうでしょうか?
まぁドタバタのせいで行動に制限が生まれてキャラの動きがコントロールできているところは良くできていますし。
推理の仕方も面白いです。この場合はフェル博士すげぇなぁと考えるのが一番適切なのでしょうが…

全員酔っ払ってるんじゃないかというドタバタは大好きです。まぁここまで爆発するのも早々無いと思いますが、

インパクトとしては「魔女が笑う夜」のほうが強烈だったと思います。

さて二連続いっちゃいましょうか!!