唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

潮時

2006-07-10 17:54:50 | Weblog
「潮時ですな!」
「潮時かな?」と武俊

時は興元元年正月、朱の反乱で京師を失った皇帝は大赦を発して、おのれの間違いを謝した。
自立して反乱を起こしていた王武俊も赦されたわけではある。

「これ以上戦っても利益はありませんし」
「ここ数年間の戦乱で成徳六州は荒れ放題です」
「金も米もほとんど残っていません」
武将達も戦いに疲れて厭戦気分である。

李宝臣が死んで以来、三年間の戦乱が魏博・成徳の管区では続く。
武俊もその中で成徳節度使の地位を求めて戦い続けてきた。

「魏博の田も戦いをやめたいでしょう」

「しかし幽州の朱滔が納得しまい」と武俊

「奴の所は戦場になっていませんからな、蛮族を引き込んでこちらの土地を荒らすばかり」

「河東の歩兵や昭義の弓兵と組めば、滔を破ることはむつかしくありません」
「騎兵にはこちらも自信があるしな」

「今なら皇帝はこちらの自立を認めます」
「同じ主君なら遠いほうが良いというではありませんか」と息子の士眞も賛成した。

「潮時だな」と武俊はつぶやいた。
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