唐史話三眛

唐初功臣傳を掲載中、約80人の予定。全掲載後PDFで一覧を作る。
その後隋末・唐初群雄傳に移行するつもりです。

蜀の王者

2006-07-18 17:43:33 | Weblog
「王建が漢州を荒らしています」

「蛮族を抱き込んでなかなかの勢力です」

内乱が収まったとおもったら今度は王建か

西川節度使陳敬宣はうんざりであった。

兄の宦官田令孜のおかげでで節度使になれたとはいえ

さんざん中央の政争に駆り出されて

肝腎の足下である西川がガタガタになってきた。

あげくのはてには兄は失脚して逃げ込んできた。

へたをすると兄ごと朝敵になってしまう。

「王建?、あああいつか」と令孜

「知っているんですか」

「知っているも何も、元部下だ」

「なかなかの男だ。手なづけて先鋒にするとよい」

「じゃあ兄貴のほうから手をまわしてくださいよ」と敬宣

令孜が使者を送ると、はたして建は大喜びだった。

「こんな所で山賊まがいの事をしていてもバカバカしい」

「大きな州を一つもらって落ち着こうや」と

蛮族が大部分のもの凄い部隊を引き連れてやってきた。

「王建の軍は・・・・」と報告を聞いて敬宣は青ざめた。

「そんな奴らを西川に入れるわけにはいかん」

鎭将に命じて防がせることになった。

当てがはずれた建は茫然としたが、やがて怒りにまかせて諸州を荒らしまわった。

そして中央に働きかけて田・陳討滅のお墨付きをもらい

西川を乗っ取ってしまうことになった。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 粗食 | トップ | 節度使立候補 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

Weblog」カテゴリの最新記事