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プロ野球 OB投手資料ブログ

昔の投手の情報を書きたいと思ってます

中田昌宏

2017-01-17 20:56:52 | 日記
1966年

ことし十年目。もうベテランもいいところだ。だが練習量では若い選手に決して負けない練習熱心さだ。「自分で納得できるまで打ち込まないとどうしても調子が出ないんだ」という。だから練習量の少なくなるロードではあまりいい結果が出ない。この日で七本になったホームランも、そのうちロードで打ったのはたった一本。ロードの不成績は内弁慶なのではなく、練習量の波だという。試合後、ベンチにどっかと腰をすえた中田はごきげんだった。五月十一日、対東京五回戦以来一ケ月ぶりに出たホームランのせいだ。「もうホームランの味なんて忘れていたよ。五本でことしのホームランは終わりだと思っていた」流れる汗をぬぐいながらホームランの瞬間を再現した。「一本目はまっすぐかシュートだったと思う。内角へヤマをはっていたんだ。いい感じでバットが出たよ。てっきりファウルになると思っていた。一塁へ走りながら思わずはいってくれと祈ったよ」そういって質問を持たずに言葉をつづけた。「とにかくホームランよりチームが勝つことの方がうれしいんだ」前夜、小林オーナーにハッパをかけたれたことが、よほどこたえているようだ。「もうオーナーに心配させたくないからね。とにかく勝つことよ」笑顔が消えそうになってはまたよみがえる。中田をごきげんにしている理由がもう一つある。いままで苦手だった左投手攻略のメドがついたことがそれ。「きのうも鈴木からタイムリー、きょうも安打にはならなかったけど、いい感じでバットが振れた」その攻略法は右肩を十分回してバットをためて打つことだという。五月十四日、対南海戦で死球を受けて退場して以来、久しぶりに見せたスカッとした中田の表情はいつまでもつづいていた。

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