プロ野球 OB投手資料ブログ

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永本勲二

2023-11-23 15:04:52 | 日記
1964年
昨年の呉キャンプでのこと。ひょろっとした高校生が柚木二軍監督につれられてテストを受けにきた。呉港高の永本勲二。「コントロールはないけど、とにかく球が速いから…」という鶴岡監督の話で採用になった。それから一年、ことしの呉キャンプで中原ピッチング・コーチからカーブの投げ方を教えられた永本は急速に腕をあげファームのエースにのしあがった。ウエスタン・リーグで阪神との優勝決定戦に敗戦投手となって初黒星を喫して勝率第一位のタイトルを失ったが、9勝1敗。この実績を買われて今度のオープン戦のメンバーに加えられた。「一軍で投げるのははじめてでしょう。やっぱり二軍戦と違って感じが違いますわ。カーブばかり投げましたけど、ストレートが全然低目に決まらないんです。いつもはあんなことないんですがね。だけどカーブには自信があるんです」内角には低目、外角には大きく流れるカーブは確かに威力がある。和田、仰木、ロイ、バーマといった老巧な打者も、はじめからカーブを予測していてもものの見事三振したくらだから切れもいい。ところが肝心のストレートは高く浮いてもスピードがない。玉造、高倉に打たれたのもみんな高目の威力のないやつで、低目に決まったというのは四回の仰木のときの1球だけ。そんなことで中原コーチの採点も辛かった。「まだまだや。カーブばかりだったが、あれを意識してコースをかえているのならいいけどどうかな。それよりストレートが低目に決まらないのだからまだ時間が必要だ」ファームのエースもちょっと雰囲気にとまどったが、南海の若手には合田というカーブ投げの名人がいる。永本がこの合田に追いつくにはもう少し経験を積まなければならない。

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