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プロ野球 OB投手資料ブログ

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桂本和夫

2016-04-24 17:34:52 | 日記
1957年

レスリングのオリンピック選手桂本和夫選手(22)がセ・リーグの国鉄スワローズに入団、野球選手として再出場することになった。桂本選手はメルボルン・オリンピック大会レスリング・フリースタイルのミドル級第五位に入賞したほか、一昨年ワルシャワの世界青年スポーツ杯、昨年トルコのワールド杯などに参加、ミドル級の全日本選手権を昭和二十九年から昨年まで三年連続獲得するなど中量級で国際的にも国内的にも活躍していた。高校時代に北海道の増毛高の投手だったことがあり、メルボルンから帰国後急に野球への愛着心を呼び起し、レスリングの先輩で育ての親である中大OB松江氏にプロ野球に転向の相談をもちかけた。そこで松江氏は実妹の夫君である国鉄宇野監督に紹介したところ、同監督も桂本選手のたくましい体力に将来性を感じて国鉄入団の話がまとまりプロ入りの実現となった。同選手は数日前からすでに宇野宅に帰宿し、新しい出発に備えて毎朝ランニングにはげんでいる。

宇野監督の話 桂本君とはかねがね面識があったが、本人に野球界入りの希望があることがわかったので入団を誘った。畑違いのレスリングから選手を入れることはちょっとした冒険だが、かれは高校野球では投手として活躍していたし、まれにみる卓越した運動神経と柔軟な体格の持ち主だけに、大学生時代のブランクもすぐに取り戻すことができよう。いまからのプロ野球は、大型選手の実現が要望されているが、かれはこの期待に応えるだけの精神とハード・トレーニングにたえる数少ない選手だ。そのためには、二年くらい時間をかけてみっちり仕込むつもりだ。ポジションはやはり彼の魅力のある打力を買って外野ということになろう。

森国鉄代表の話 桂本君は、中学、高校時代は野球の選手だったし、あれほどの体だから、これからの猛訓練にも十分たえられる。それに一芸にひいでた者は何をやらしても一流になれるものだ。野球選手だったころの野球のカンを思い出してくれさえすれば、スワローズの中心打者になると期待している。入団の動機は、宇野監督の人柄に惚れこんだからだと聞いている。本人がレスリング関係者のあいさつを済ませてから正式に発表したい。

桂本選手談 オリンピックから帰った当時は四年先のローマ大会を目指すつもりだったが、今春中大を卒業して社会人となれば練習量の差でとても現在の調子を持続できない。野球は中学、高校時代も経験しているし、自信もあり、それに大好きなのでプロ入りを希望した。ぜひ強打者になりたい。

桂本選手略歴 北海道増毛高出、中大在学中。昭和九年九月五日生まれ。レスリング選手として二十八年から三十年まで三年連続して全日本学生ミドル級に優勝。二十九年から昨年まで全日本選手権にも三連勝。二十九年の東京世界フリースタイル選手権ではミドル級第三位に入賞。その他ワルシャワで開かれた世界青年スポーツ祭で第五位、メルボルン・オリンピック大会ではミドル級第五位に入賞している。

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