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プロ野球 OB投手資料ブログ

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長持健一

2014-11-24 13:41:02 | 日記
1969年

キャンプインまで、一度も硬式ボールを握ったことがないという、まるで信じられないようなプロ選手がいたというから驚きだ。しかも、その選手はピッチャー、長持健一投手(22)。この長持投手は、昨年十月二十五日、東映多摩川球場で行われた新人テストに応募し、見事合格を果たしたわけだ。国士舘大学を一年で中退すると、野球がやりたいばっかりに自衛隊に入隊、二年間をここで過ごしたあと東京・上目黒にある小西電機に入社。この会社には野球チームがなかったため世田谷にある野球愛好チーム「アカシヤ・クラブ」に入団。エースとして一試合に十七個の三振を奪ったことがあるという。だが、こうなるとなんとかプロで腕を試してみたいと決心してテスト応募、この伊東キャンプでは胸をいっぱいにふくらませて練習に励んでいた。たまたま、この熱心な練習ぶりが松本監督の目にとまり持前の速球をほれ込ましてしまった。しかも、元東急フライヤーズの長持栄吉外野手(現大宮市教育委)の甥であることがわかって、長持は松木監督のエンマ帳に二重丸をつけられてしまった。しかも、二十五日の紅白戦では紅軍の三番手投手として思い切り投げてみろと、土橋コーチから思いもよらぬハッパをかけられた。二回ではあったが大石を三ゴロ、岩下、三沢をともに中飛と、白軍の一、二、三番打者を凡打に討ち取る見事なピッチングを披露。許したのは松村の三遊間安打一本きりだった。これには、松木監督、土橋コーチも二度びっくり。「マウンド度胸も堂々たるもの。軟式から東映にはいってエースになった土橋は変化球を投げられるまでに二年半もかかったが、この長持は二日目でカーブも覚えた」と松木監督。土橋コーチは「なにしろ、きのう初めてカーブを教えたばかりなのにもうきょう投げた。キャンプインしたころは、ろくすっぽストライクもはいらなかったのに、あと一年したらどんなピッチャーになるか。それを思うとこっちがこわいくらいだ」・・・とあきれ顔だ。カーブの投げ方を二日目で覚えプロのマウンドを踏んだという経歴の持主はおそらく世界でもこの長持が初めてだろう。

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