1990年
ドラフト1位佐々木主浩投手がオープン戦3試合に登板し、6イニング無失点の力投。開幕一軍を手中に収めたが、もうひとり、逸材ぶりをアピールしたのが、2位指名の東瀬耕太郎投手だ。こちらの方は、3月28日のイースタン教育リーグ(対巨人戦)に先発。これがプロ入り初登板だったが、そんなハンデはみじんも感じさせない投球で、4回を3安打無失点に抑えた。「適度な荒れ球で、打者も打ちづらそうだった」と中塚政幸二軍監督は合格点。もっとも、東瀬本人は「つい大学野球を思い出しちゃったもんで‥」と、試合中に外野の方を向いて「ツーアウト~」と声をかける初々しさも披露した。一、二軍と舞台は違うが、頼もしいルーキー・コンビ、今後が楽しみだ。
ルーキー東瀬がうれしいプロ初勝利をあげた。これまで味方の援護がなく惜しいところで白星を逃してきた。ようやく5度目の先発で味方が一回に5点のプレゼント、6回を2失点に抑えて待望の白星だ。「調子はよくなかったけれど、5点もとってくれたので落ち着いて投げられた」安田信託銀行に就職が内定していたものの、エリートサラリーマンを捨ててプロの世界に飛び込んだ。「今年は一軍で投げられると思っていなかったので…」と喜びに声が震えた。加茂川から渡されたウイニングボールを握りしめた東瀬は「まだ勉強することがたくさんある。まずスピードをもっと 速くしたい」と意欲十分だった。
地味だといわれ続けた大洋ナインにも、威勢のいい若者が登場した。ルーキー・東瀬耕太郎投手のこと。真っすぐでグイグイ押し、向こうっ気の強い投球を披露する。威勢のよさは、野球に取り組む姿勢でもいえる。「自分が大学(明大)4年のとき、下級生の投手との投げ合いになると絶対負けられないって力み返ったもんでした。いってみれば今の自分は負けてもともとの下級生の立場ですからね。思い切ってやるだけです」と実に潔い。プロ入りしても自らのことを「自分」と呼ぶ、最近では珍しいくらいの硬派。須藤監督も「何とか(先発で)使えるメドが立ったね」と、合格印を押している。来季、新浦が抑えに回る構想もあり、東瀬は野村に続く先発左腕の役割を担いそう。「自分も来年が勝負だと思ってます」と、すでに来季に照準を合わせている。
1997年
8回2死から代打・山口を4球で仕留めて、大洋(現横浜)時代の90年の10月10日以来、2492年ぶりのプロ2勝目。「えっ、ぼくじゃないでしょう。佐々岡の方が長いイニング投げてるのに…」
2000年
横手の左腕から速球を投げ込む。「球の威力は、まだまだあるし、中継ぎとして十分通用する」と梨田監督も惚れるほど。ワンポイントなど貴重な左の中継ぎに期待も大きく、出番は多くありそうだ。広島、中日などを経て、近鉄が5球団目。この世界結果が全てという厳しさは身を持って体験済み。「来年の事は考えない。ここが野球人生最後のつもりで、恩返しをしたい」と全力投球。
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