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プロ野球 OB投手資料ブログ

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柳田利夫

2023-10-07 19:57:24 | 日記
1962年
熱海伊豆山の納会に出席した柳田が、田宮の運転するオペルで都内上野の根津八重垣町にある青葉荘に帰ってきたのは、午後五時だった。「えっ、巨人に移籍ですって?」洋服を着替えながら、全く意外といった表情を見せた。ムリもない。「新聞はみな田宮さんのことばかりでしょ。だからボクもそのことばかり気にかかっていたんです」という。「秋季練習が始まってすぐ、本堂さんから来年は外野をやってもらうかもしれないといわれたんです。ボクもその気になって生意気なようですが、なんとか外野陣の一角に食い込んでやると意気込んでいたんです」公式戦終盤五試合連続ホーマー(日本タイ)するなど、急ピッチでバッティングのコツを体得した柳田には、それなりの自信があったのだろう。「ボクは大毎がほんとうに好きです。でもボクは十年選手のように拒否権など使えないでしょう。もし堀本との交換が正式に決まれば、ボクはやはり巨人にいくでしょうね?」本人にはまだ正式な通知はない。だが球団ではすでに放出を決定した。柳田はやはり不安である。この柳田には実は阪急がすでに十一月十六日にトレードを申し込んでいる。「阪急から話があったのは、うすうす知っていました。だから阪急だったら別に驚かなかったでしょう。でも巨人からとは…」何度も巨人から…のことばが飛び出してくる。「ボウリングでもやって、少し気を静めてからじっくり考えます」東京スタジアムの地下にあるボウリング場で、一般のボウラーにまじってピンを倒しているうちに平静を取り戻したらしい。「こうなったらジタバタしてもしようがありませんや。もし巨人に移籍が決まったら、全力を尽くしてやるだけです。もちろん五番打者の座をねらいますよ」いつのまにか飛躍して、もう巨人の選手のような口をきくあたり、いかにも一本気な柳田らしかった。

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