1969年
西鉄・玉木球団課長は一日午後一時から福岡県中間市大根士宮下の阪口忠昭投手(18)=直方学園高、181㌢、75㌔、右投げ右打ち=の自宅で、母親志ま江さん(61)長兄修さん(38)と約1時間、三回目の入団交渉を行い、推定契約金五百万円、年棒百万円で正式契約をかわした。同チームでの新人契約第一号。同投手は第三位の指名で、右の本格派投手。今夏の高校野球福岡県予選決勝で飯塚商に敗れたが、上からの重い剛速球とカーブで直方学園を初めて決勝戦へ進める原動力となった。
玉木球団課長の話 阪口と正式契約をすませた。投手をやり始めてまだ一年足らず、癖のないフォームだ。それだけに育て方次第では大きく伸びる。未知数の魅力がある。
・同投手は夏の高校野球甲子園大会福岡県予選決勝で飯塚商に敗れたが、オーバーハンドの本格派大型投手。昨秋捕手から強肩を買われて投手に転向。投手としてのキャリアは浅く、制球に難があるが、直球に威力がある。またバッティングもよく五番を打ち、今季・326の打率をマークしている。球団関係者は「これから伸びそうなムンムンするムードが感じられる。投手を本格的にやりだして九ヶ月しかならないが、フォームにクセがなく、鍛えれば大物になる」と高く評価している。
阪口投手の話 得意の球は速球です。でもプロ野球ではもっとスピードをつけないと通用しないでしょう。それにコントロールをつけるのも今後の課題です。稲尾監督、池永投手を目標に力いっぱいやります。